ゴールデンカムイの8巻の内容及びネタバレ感想。

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既刊の8巻の内容とネタバレ記事へのリンクまとめ。

ゴールデンカムイ8巻の収録話数

70話~80話まで11話収録

ゴールデンカムイ8巻の収録内容

第70話 アムール川から来た男
のっぺらぼうの正体に迫る尾形と土方グループ。人皮本の出どころ夕張で新たな戦いが起こる?

第71話 職人の鑑
江渡貝を終始翻弄する鶴見中尉。鶴見中尉の狙いとは?

第72話 江渡貝くん
江渡貝の狂気の源泉。そして鶴見中尉の人心掌握過程が見られる回。

第73話 女の季節
アイヌの食文化回。普通にうまそう。

第74話 チカパシ
谷垣がチカパシとインカㇻマッと出会う。谷垣のコタン暮らしに終わりが近づいてきたか。

第75話 阿仁根っ子
谷垣が軍に入ったキッカケとなった凄絶な過去。

第76話 カネ餅
憎しみに囚われ妹の旦那を探す過去。ついに天命を見出す谷垣。

第77話 まがいもの
江渡貝、偽の刺青人皮を完成。杉元たちはちょっと休憩。

第78話 夕張炭鉱
江渡貝を追い詰める尾形。月島を追う杉元と白石。

第79話 大非常
偽の刺青を手に炭坑へ逃げ込む江渡貝と月島軍曹。追う杉元、白石。静観する尾形。

第80話 伝言
坑道爆発に巻き込まれた杉元、白石の運命は? そして江渡貝の贋物は鶴見に渡る。

ゴールデンカムイ8巻の感想

70話でのっぺらぼうの正体に迫る。

極東ロシアのパルチザンである可能性が濃厚であることを土方が明言する。

ゴールデンカムイにおいて重要な題材がアイヌであるということは
地政学的にロシアも出てきてもおかしくない。

ついに70話でかなり具体的な指摘がなされたという印象がある。

結果、世界観がぐっと広がって来る重要な話だと思う。

世界観が広がると「今後こういうこともあり得るのかな」と考えることが出来て楽しい。

71話、ついに江渡貝弥作が登場する。
狂気の剥製職人である江渡貝は人間の皮を使用して奇抜なファッションを作る天才。

手首から先の皮を継ぎ合わせて目の部分だけを開けたマスクや、肛門の部分から顔が出るようにした下半身を丸ごと使ったマスクなど狂ったデザインのファッションが多々登場する。

江渡貝のトラウマを結果的に鶴見が治療して鶴見に心酔した江渡貝は刺青人皮の偽造に協力する。

刺青人皮の収集数では杉元らに負けている鶴見が優位に立つための施策を打ち出してきたことで、
刺青人皮をめぐるバトルロイヤルにおける駆け引き要素が増し、今後ますます過熱しそうな雰囲気がある。

江渡貝に関しては、辺見和雄を簡単に飛び越える変態が出てきたなぁという印象。
その設定も、母に幼いころに去勢され、死体を剥製の対象にする職人という狂いっぷり。
去勢されたためなのか、容姿はどこか中性的で自分を理解してくれた鶴見に心酔し、惚れているともとれるような反応を見せるのも面白い。

江渡貝の館で鶴見に促されるまま行った狂気のファッションショーはギャグ要素と相まってその狂いっぷりが名シーンと言って良い。

73話ではアイヌの知識及びグルメ回となる。久々に出てきたアシリパさんの味噌への執念が笑える。オソマオソマ言い過ぎ(笑)。

アイヌがどうやって春を過ごしてきたか、その思想までをフキノトウ摘みを漫画として描くことでわかりやすく知ることができる。

食事を終えて眠ったアシリパさんの夢の中で、父親との会話の回想が出てくる。

父が重要な話をまさにしようとする瞬間にアシリパさんは白石の寝言で起こされてしまう。

結局アシリパの父が話そうとしたことは分からないが、今後の物語において重要な意味を持つ内容だったはずだ。
これは一つの伏線だと言える。





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74話以降では、フチの元でようやく回復してきた谷垣にスポットがあたる。

どこか過去の自分に似たチカパシとの出会い。谷垣はコタンを訪れたインカㇻマッの占いによって過去を思い出させられる。

アイヌにとっては予言とも言える占いの内容「アシリパ一行の中で裏切り者が出る。アシリパが危ない」をフチが聞くことになる。
北海道の自然と共存してきたアイヌの知恵や思想、在り方がとても美しく感じられる。
何しろ北海道は寒いから、もちろん大変なことは多々あったんだろうけど、それでも強く生きて来たんだなという感動がある。
心配になるようなことを聞かされたフチの心労が怖いかも。

75話は唐突に谷垣の過去話。鶴見と谷垣がテーブルをはさんで話をしている回想。
マタギをしていた谷垣が、殺された妹フミの旦那賢吉がゆくえをくらませたという噂を追って軍入りし、復讐のために日露戦争の戦場にまでその身を投じ、戦地で出会った杉元からようやく賢吉らしき人物の話を聞くところまで。
復讐の人探しのために軍に入った谷垣の哀しさが痛い。
本来なら地元の阿久根でマタギを続けていただろう。

しかし76話で爆弾によって全身にダメージを負い、視覚、聴覚を失って虫の息の賢吉本人からフミ殺しは天然痘にかかったフミが治る見込みがなく、互いの了解があって、苦慮の末やむなく行われたという告白をいまわの際で聞き、谷垣は賢吉に自らの証明とも言える特製カネ餅を与え、告白内容を理解した旨を賢吉に悟らせて、復讐の旅は終わる。
以来、賢吉が自らの役目を見出して全うしたように、自分の役目を意識するようになった谷垣は、フチらに恩を返すためにアシリパの保護救出を自らの役目として旅立ちを決意する。
まるで主人公が旅立つかのような盛り上がりを見せる話。杉元が序盤で敵として戦った谷垣がまさかこういう風に話に絡んでいくとは、と驚いた回。
そもそもフチの元に治療を受けるために杉元の手で運ばれ、尾形らの襲撃を受けた際には降りかかる火の粉状態だったから払うのは当然だが、その後、予言を聞いて不安になったフチたちのためにアシリパを保護するために戦おうとまでするとは想像していなかった。
別れに泣くオソマがいじらしくてかわいい。

77話ではついに精巧な、一見本物と見分けがつかない刺青人皮を江渡貝が完成させる。
しかし江渡貝の館に何者かが襲撃してくる。
78話でそれが尾形だと分かる。
江渡貝は館を脱出し、月島軍曹と共に逃げ、トロッコに乗り込んで夕張炭鉱内部に向かう。
シロクマの剥製を着込んで町を逃げる江渡貝が悔しいがかわいい。

79話。トロッコで江渡貝、月島らをすぐ後ろから追う杉元、白石が必死になって刺青人皮の偽物を奪おうとするも追跡に失敗、しかし炭坑内でガス爆発事故が起こり、江渡貝は瓦礫に埋まってしまう。
ここで月島軍曹に自分の身よりも鶴見中尉に偽の刺青人皮を渡し、さらに重要なメッセージを伝えることを優先させる江渡貝の健気さが印象的。
江渡貝の健気さももちろんだけど、江渡貝の心をここまで掴んでしまう鶴見中尉のカリスマ性を考えると怖くも感じられる話と言える。
江渡貝も谷垣と同じく役目を求めていたんだと分かる。

80話では江渡貝、月島軍曹と同じく炭坑内に閉じ込められた杉元、白石が牛山に救われ、さらにあとを追って来ていた尾形とも合流を果たす。
バトルロイヤルなんだということを強く感じる。
江渡貝が最後に月島軍曹に伝えたことが、鶴見中尉の元に月島軍曹の手によって届けられた偽の刺青人皮の見分け方だった。
この見分け方は中々思いつかないから素直に感心した。

この8巻においてスポットが当たっている重要な人物は谷垣源次郎と江渡貝弥作だと言える。
この二人のファンならば何度も読みなおすことになるだろう。

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9巻の記事はこちら。

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