ゴールデンカムイ第73話女の季節の感想（ネタバレを含む）と考察。春。アイヌの食生活を堪能する杉元たち。

プクサ、ギョウジャニンニクはアイヌにとってなくてはならない食材だと言い、杉元に軟らかい生の新芽を食べさせるアシリパ。

「ちょっと辛いけど…うまい！」と杉元。

プクサは精力がつくから顔の傷を治すためにたくさん食べろというアシリパ。

採取している最中、杉元は味噌をつけて食べたらうまいかもと思いつく。

「あッ」

（やっぱり凄く合う！！生のプクサに味噌は抜群に合う！！）

杉元、背後でそんな杉元の様子をジッと見つめているアシリパに気づく。

（見てる…）

「うんウマイマウイ」

再び背後を見る。

さっきより近づいているアシリパ。
（近づいてきた）

目を離した隙に杉元の手元の味噌をジッと見るアシリパ。
「杉元のオソマは何にでも合うなあ」「ヒンナヒンナ」
「んも～～ウンコじゃないのにぃ」と杉元。

コㇿコニ（ふき）やマカヨ（ふきのとう）もこの時期に食べられるおいしい食材だと杉元に教えるアシリパ。

「アイヌにとって季節は冬と夏だけが交互に来る」

「春と秋はその隙間にちょっとくっついているもの」
「冬は山へ狩りに行く男の季節で氷が溶けて水になるとマッネパという女の季節が来る」
「山菜や野草などの青物をたくさん採り乾燥させて保存食を作る」

「またやって来る長い冬のあいだひもじい思いをせず安心して暮らせるよう夏の間に備える」

「これからどこのコタンも女たちは忙しくなる」

「キロランケニㇱパとシライシだ」村に帰ってくる二人を見て言うアシリパ。

「今年もサクラマスが川に戻ってきた」

「あぁ～～ッ！？杉元フキ食べたデショ」

「白石も食べたね？」

杉元、白石共に口回りが黒くなっている。

「アシリパちゃんも……」

顔全体が汚れまくっているアシリパを見た白石。

「ええ～～？それ……うそ～～？どうして～～？」

「アシリパちゃん食べ過ぎ～～」

囲炉裏を囲む杉元、アシリパ、白石、フチ、キロランケ。

獲れた食材を鍋にしたイチャニウオハウを食べる。

「長い冬を乾燥した食材で乗り越えたからどこのコタンでも新鮮な青物が食べられるのがとても嬉しい季節なんだよな」

各々の食べる顔が幸せそう。フチはその様子をにこにこしながら見る。

「甘くてほろ苦い春の味だ」アシリパの笑顔。

「フゴッ」食事も終わって、寝るアシリパ。

「キロランケは奥さん心配じゃねえのか？　そろそろ畑耕すのに馬が必要な時期だろ？」と杉元。

妻の親兄弟がたくさんいるし彼女自身も働き者の強い女だから子供たちも任せられると答えるキロランケ。

「…で　なんだよその顔」包帯だらけの顔をしている杉元に向かって言うキロランケ。

「イタドリの若葉とかヨモギとか…傷に効く薬草だそうだ」
「熊の油もアシリパさんに毎日塗られる」
「俺は傷跡なんてどうだっていいんだけど」

「傷が増える前の顔が気に入ってたのかな？」アシリパを見るキロランケ。

「たしかにもともとモテそうな顔ではあるよな」と白石。
「さすがに結婚はしてないんだろ？　地元にいい人くらいいるんじゃねえのか？」

遠い目をする杉元。

「あれ？否定しないね？」と白石。「ひょっとして金塊が欲しいのもその女が関係してんのかい？」

「シライシ」目を閉じ、煙草をふかしながらキロランケ。「もういいだろその話は」

アシリパの夢の中。

「お母さんのお話して……」

簡易な小屋の中で一夜を明かそうとしているアシリパと父。

――またか？
――おまえにそっくりでピリカメノコ（美しい女）だったよ
――小樽で出会ったんだ
――俺の知らないことを全て教えてくれた
――アイヌの言葉も信じていることも全て
――俺の血とこの土地に住むアイヌの血
――混ざり合ったお前は新しいアイヌの女になる
――そしてアイヌを導く存在になるんだ

振り向いたアシリパと目を合わせる父。
――お前の目は俺の目と同じ目だ
――そして今から教えることを決して忘れるな……

「ニャムニャム」アシリパが起きるとすぐ目の前に白石の顔。

「起きろシライシいつまで寝てるこのブタめ」
おしおき棒で白石のおでこを突くアシリパ。

「出発するぞ　網走はまだ遠いんだ」

「なんか今朝は機嫌が悪いなぁ」おでこをさすりながら白石。

「お前の寝息が臭かったんだろ」と杉元

ほっぺたを膨らませてぷりぷりしながら歩くアシリパ。