第312話 分け前
第311話の感想記事です。
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第312話 感想
いよいよ大詰め……。緊迫感のある展開だった。
まずは、傷を負っているとはいえ、谷垣が無事で良かった。
このまま白石を回収して杉元たちと合流する流れだろう。
そして、止まった車両からすぐさま杉元たちの乗る先頭車両に向けて走りだす白石の姿が最高だった。
金塊よりも仲間の安否。本当にアシリパさんの願いを聞き入れて、金塊を回収するつもりは無いんだなと思った。
杉元ほどの切迫した動機の描写は無かったとはいえ、金塊に対する執着は杉元たちの中では最も強かったキャラだから、ちょっとジーンと来たなぁ。
ただ、全てが終わった後、こっそりちょびっとだけ金塊を拝借しに行ってもおかしくないとも思うが(笑)。いや、ここまで頑張って来たんだからそのくらい良いと思うよ。実際杉元も今回の話の最後で使うとはいえ、たまたま分け前といえる両手いっぱいの金塊粒を得ていたわけだから。
愛されキャラの白石には何とかラスト2話で、ちょっと良い思いをして欲しいなと思った。
永倉と夏太郎もまた、この戦いを生き残った数少ないメンバーとなった。
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夏太郎は土方を尊敬していたから、そりゃ長年の友である永倉に仇討ちを求めるよなぁ。
ただ、永倉のそれに対する答えが泣ける。本当に土方のことが好きで好きでしょうがなかったことが伝わってくる。
夢を追う土方のことを守りたかったとか、本当に最高の土方のパートナーだわ。
つくづく、土方、牛山、都丹あたりには生き残って欲しかったな……。
尾形からは死の匂いしかしなかったから諦めていたけど、ラストバトルはあまりにも杉元。土方陣営にも戦死者が多かった。
最終回までの2話、この喪失感を少しでも和らげてくれる、楽しい展開を望みたいところだ。
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最後はアシリパさんが見守る中、杉元と鶴見中尉との一騎打ち。
互いの銃が使えなくなり、接近戦に移行というのは実に熱い展開だ。
しかし鶴見中尉から、これから北海道を出る予定の自分は金塊を回収する時間がないから権利書だけで十分と、戦いを中止に持ち込むための交渉が切り出された。
確かに鶴見中尉の主張には真実味があるが、特に接近戦に優れる杉元からすれば、話に耳を貸している状況自体が鶴見中尉のペースにはまりつつあったと言って良かったと思う。
巧みな話術で杉元を丸め込み、隙を突いて隠していたピストルを使おうとしていたわけだから、鶴見中尉の本領発揮と言えるのかなと思うが、しかし同時に追い詰められているんだろうなとも感じた。
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もし杉元にわずかでも鶴見中尉から持ち掛けられた金塊を放棄する=独り占めして良いという甘言に乗る意思があり、戦闘姿勢を緩めていたなら杉元は負けていただろう。
だが杉元は、誘惑を一切受け付けず、両手に一掴みしてポケットに入れていた金塊粒を鶴見中尉に投げつけて、それを最後の攻撃を加えるためのチャンスに変える。
実はこっそり得ていた金塊の分け前を躊躇なく放出し、最後の一撃を加えるチャンスのために活かした杉元には、これまで金塊争奪戦で数々の人間を葬って来た”黄金の呪い”など無縁だったということを示す、象徴的なシーンだと感じた。
果たして杉元の振り下ろした和泉守兼定は見事に鶴見中尉を仕留めたのだろうか。
おそらく次号で鶴見中尉との戦いには決着がつくのだろう。どういう結末になるか楽しみだ。
最後の最後には、鶴見中尉にも救いを……。
以上、ゴールデンカムイ第312話のネタバレを含む感想と考察でした。
第312話に続きます。