第311話 アシリパの選択
第310話の感想記事です。
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第311話 感想
最初、アシリパさんはアイヌのことだから自分だけで解決すると言って鶴見中尉の元に一人で向かおうとした。
そして五稜郭の井戸の黄金について、もう関わらないようにと杉元と白石に懇願する。
アシリパさんからすれば、黄金を手に入れようとして、この戦いに関わってきた皆が死んでしまったことを悔やんでいた。
黄金の在り処を知る自分たちさえ口を割らなければ、もう黄金を巡って争いが起こることはない。アイヌの遺物が争いを起こし、多くの人を殺すようなことは無くなると考えていたのだろうか。
自分の持っている中で高価と思われる金貨を杉元に差し出し、さらに、足りない分はヒグマの胆嚢をたくさんとって埋めると懸命に杉元を説得する。
そして何より、アシリパさんは金塊を求めることで、それを廻る戦いに巻き込まれて自分の一番大切な人がひとまで失いたくないとはっきり杉元に言った。
そんなアシリパさんの気持ちを汲んだのか、杉元よりも金塊に執着していたはずの白石がアシリパさんの頼みを聞き入れたのは中々かっこいいところを見せたと思う。
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もちろん、白石なりに悩んだ末の結論だったが、ここまで金塊を求めて苦労してきたのに、せっかく見つけた金塊をみすみす放置しなくてはならないというのは大変な苦痛を伴う。そこを少しの懊悩を経ただけで了承してみせるというのは中々できることではないと思う。
だがこの三人の中で、間違いなく最も苦悩していたのはアシリパさんだった。
金塊を遺したのはアイヌで、その黄金を巡って多くの血が流れた。
ここまで一緒に金塊を追ってきた杉元や白石に、大切な仲間だと思うからこそ、金塊を諦めて欲しいと言わざるを得ない苦痛。
今回、金塊を諦めて欲しいと頼むアシリパさんの表情は、終始苦悩に満ちていた。
そしてアシリパさんはアイヌの一人として、この事態に決着をつけようと、鶴見中尉がいる先頭車両に単身で乗り込もうとするわけだ。
しかしそうやって一人、アイヌとして責任を被ろうとするアシリパさんの心の壁を打ち破ったのは、やはり杉元だった。
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杉元は、アシリパさんの相棒だと宣言して、アシリパさんと一緒に先頭車両へ飛び乗った。
連結が解除され、徐々に離れつつあったため、もう白石は飛び移ることはできない。
そして、やはり最後は杉元VS鶴見中尉の一対一になった。
いよいよラストという感じだ。
どんな戦いになるか予想がつかないが、おそらくはここで決着がつくことになるんだろう。
しかし、鶴見中尉との戦いに決着がついても、戦いの舞台である暴走している車両を、終着点に突っ込む前にどうやって止めるかという問題もある。
その役目は杉元からアシリパさんに一任されたが、アシリパさんはサルみたいな反応を見せてた……。止められるのかな……?
どうなるか先が読めない、見所のあるシーンが続く。
来週は休みで読めないけど、少しでも長い時間、先の読めない物語を噛み締めるにはむしろ良いのかもしれない。
次回が楽しみだ。
以上、ゴールデンカムイ第311話のネタバレを含む感想と考察でした。
第312話に続きます。