ゴールデンカムイ第72話江渡貝くんの感想(ネタバレを含む)と考察。江渡貝の抱える闇を呑み込む鶴見中尉。狂気のファッションショーが開かれる。

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第72話 江渡貝くん

ゴールデンカムイ第71話職人の鑑の感想(ネタバレを含む)と考察。江渡貝弥作登場...
第71話 職人の鑑前回第70話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。江渡貝を終始翻弄する鶴見中尉。鶴見中尉の狙いとは?江渡貝の館を訪ねる人影。「アラ誰か来たみたいよ」と女性。「いいよ座ってて僕が出る」ノックに応じて江渡貝が出る。「はい…何か御...

前回第71話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

江渡貝の狂気の源泉。そして鶴見中尉の人心掌握過程が見られる回。

江渡貝くぅん

江渡貝の館、人の剥製が集められた部屋に入る鶴見中尉を背後から狙う江渡貝。
鶴見
「今にも動きだしそうな仕上がりですな」
「キミは天才だ」鶴見中尉は振り返らずに言う。
「江渡貝くん」

いくつもの人の手の皮を使って作った剥製のマスクを被った江渡貝は落ち着き払って自分の作品を褒める鶴見の態度に驚愕する。

鶴見中尉はボス感がハンパない。

スケールがでかい人間は善悪問わず人を魅了する得も言われぬ魅力を放っていることが多いように思う。

(信用しちゃだめよ弥作さん このひとは悪い男よ)母の剥製から江渡貝に聞こえる声。

「でも母さんこのひとは…!」

「江渡貝くんの母君かな?」鶴見中尉が尋ねる。

(そうよッ)

「江渡貝くんにだけ母君の声が聴こえるのかな?」

(殺せッ)
(誰とも関わるなといつも言っているのに見られたからには生きて返すな)

「母さんはそうやって僕からすべてを奪って遠ざけてきたじゃないかっ」
「一度でも僕の作った剥製をほめてくれたかい?」
「僕の味方だった父さんまで殺して」
怒りで興奮を抑えきれない江渡貝。


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「剥製相手にお話しするような生活は健全じゃないな」諭すように言う鶴見。

鶴見中尉さやしく諭すなぁ。

江渡貝の病んだ精神をあるがままとらえ、そのうえで諭している。

滲み出るカリスマ性。

(黙れズルムケおでこ!!)
(お父さんは他の男と同じ悪い男 あなたを愛する人間はいない)

「うううう!もうやめてくれ」頭を抱える江渡貝。

(あなたを去勢したのもお父さんに似て来たからよ)
(全部あなたのために あなたの為を思って…)

「江渡貝くん私の声を聞きなさい」鶴見が江渡貝に語り掛ける。

「やめてくれッ」幻聴に苦しむ江渡貝。

「江渡貝くん…」
江渡貝くぅん
「江渡貝くぅぅん」
鶴見は自らの上着を脱ぎ、その下に着ていた刺青人皮を見せる。

江渡貝、去勢されていたという衝撃がさらっと幻聴で表現される。

ものすごい歪みっぷり。この母親は好き好んでモンスターを育てようとしているようにしか見えない。

ズルムケおでこ、とかは江渡貝の幻聴だから江渡貝がそう思っているということだろう(笑)。


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「なんてことだ…!!」江渡貝、目を輝かせて刺青人皮に両手で触れる。
鶴見
「うん 似合うかね?」「自分で死体から剥がして作ったんだよ?」ウィンクする鶴見。

「ご自分で? すごいッとてもお似合いです」嬉しそうに言う江渡貝。

「でしょ?」

(こんな男に心を許しちゃダメよ!!)

「母さんは黙っててッ」

「工房で話そうか」鶴見は、プリプリ起こる江渡貝に肩を叩きながら部屋を後にする。

まさか人の皮を使って服を作るような人間が自分以外にいようとは思ってもみなかったんだろう。

鶴見への食いつきがすごい。

江渡貝は鶴見の来ていた刺青人皮の裏を見ている。
「ふむふむ鞣しの工程で剪が少し甘かったかもしれませんね~」

「せん?」問う鶴見。

「皮に残っている肉片や脂を削ぎ落とす工程のことです」
「これが甘いと長持ちしません」「夏になり気温が高くなると皮が腐る可能性があります」

「お肌が少し荒れていますね」鶴見の肩を見る江渡貝。
「鞣し材にミョウバンを使いましたか?」
うなづく鶴見に続ける江渡貝。「お肌が敏感な人はミョウバンが合わないんです」

ミョウバン鞣し、クロム鞣しと化学薬品を使うため肌によくないと説明する江渡貝。
饒舌は終始変わらず、タンニン鞣しがおすすめと続ける。

「江渡貝くん」「他にもキミの作品があるなら着て見せてくれないかな?」

「…いいんですか?」マスクの中で目を輝かせる江渡貝。

鶴見中尉はさすがのカリスマ性を発揮している。

江渡貝は目、輝かせすぎ(笑)。

欲しくてしょうがなかった最新ゲーム機を買ってもらった瞬間の子供のようだ。

それだけ理解者と感じられる人が身の回りにいなかったんだなぁ。

狂った男の狂った仕事を理解する人なんかいてもらっちゃ困るけど、理解されないことは悲しいことだ。


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「どうですか? 鶴見さん」人の顔を胸部や下腹部にあしらった剥製スーツを着て鶴見に見せる江渡貝。
江渡貝
「いいねえ~とても素敵だよ江渡貝くぅん こっちに歩いてきてごらんよ」
「ハイそこで回ってみせてッ」

「おや 背中にまで……いいねえ~」

その場で回ると背中にも二人の男の顔が縫い付けられている。お尻には指がまるでしっぽのように使われている。
江渡貝
「ちっちゃいシッポもかわいいね」

「ほかのに着替えてきますッ」鼻息荒く部屋から退室していく江渡貝。
「じゃんじゃん持ってきてぇ!!」その背中に呼びかける鶴見中尉。

狂ってます。

人体剥製からスーツを作ってしまい、なおかつこのデザイン。

江渡貝がまともな精神の持ち主ではないことが分かるシーン。

(弥作!目を覚ましなさい)
(その男はあなたを利用する気よ)
(私たちの静かな暮らしを破壊しに来た悪魔よ)

決して外れてないんだよなぁこの幻聴。

江渡貝自身は鶴見に何かしらの思惑があることなんてわかり切ったうえで
剥製への理解が嬉しくて心を開いているんだろうな。

江渡貝の本質を見抜いて的確に欲しいものを与えて利を得ようとする鶴見中尉の頭は間違いなく切れる。


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「い~ね~!!時代の最先端だよ江渡貝くぅん」江渡貝をノセる鶴見中尉。
江渡貝
「もっと見たいっ江渡貝くんの素敵な衣装もっと見たいよ!?」
江渡貝
マスクの目の部分にそれぞれ縫い付けられた鼻。肘部分にあしらわれた人の指がアクセントになっているスーツ。

「猫ちゃんのようにッ猫ちゃんのように歩くんだッ」
江渡貝

いよいよヤバくなって参りました。

今回の話の一番狂気が炸裂しているところだろう。

常人がこの空間にいたら間違いないく狂う。

下半身部分を尻の穴を広げてそこから顔を出すようにしてあるマスク。
股間部分に長く伸ばした人体の腕部分をつけて振り回している江渡貝。

「いいよ江渡貝くん!!江渡貝くぅぅん!!」ノセて江渡貝を気持ちよくさせる鶴見中尉。

「カワイイカワイイ」鶴見は親指を加えるセクシーなポーズをとっている江渡貝に気持ちよくなるような声をかける。

ここ、元ネタがありそうなくらい決まってる江渡貝のポーズ(笑)

その様子を見ていた月島軍曹「なんなのだこれは…!」目をこすってみせる。
「あれ…二階堂?どこいった?」

「うーん違うな…」江渡貝の人体剥製部屋で江渡貝の母の耳と自分の耳を見比べる二階堂。
「やっぱり鶴見中尉のがいい」

自らの耳を江渡貝の母の胸元に落としそれを拾おうとして母を押し倒してしまう。

「はあはあ…」「楽しい……」そこへ着替えに入ってきた江渡貝。
押し倒されている母に気づく。「母さんッ」

「母さんになんてことを!!」二階堂を止めようとする江渡貝。

あとをついて来ていた鶴見中尉が江渡貝の首に腕を回して江渡貝を引き留める。

二階堂頭おかしい(笑)。

この場にまともな人間はいない。

少し離れたところにいる月島軍曹がまともなくらい。


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「ホラ握りなさい」鶴見中尉は江渡貝に銃を握らせていた。「キミが母親を撃つんだ」
「えッ!?」
江渡貝と鶴見
(母に銃を向けるなんてなんて酷い息子なの?)

「決めるんだ江渡貝くんの意思で…」
「巣立たなきゃいけない」

「そんな………ハアハア」

(やめてッ撃たないでッ)

「巣が歪んでいるからキミは歪んで大きくなった」
撃つ江渡貝
撃つ江渡貝。

「声が……止みました」
「母さんは心臓発作で死んだ」
「生きてるうちに決着をつけるべきでした」
「ありがとうございます」

江渡貝はトラウマを克服した。
認知行動療法に近いものを感じる。

母を銃で撃って殺害するというとんでもない方法ではあるが、
撃った母にはとっくの昔から命は失われており、
もう母はいないということを江渡貝は自らの行動によって納得した。


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二階堂の太鼓を加えて再開するファッションショー。

鶴見中尉も江渡貝の手をとり歩く。
江渡貝と鶴見
「江渡貝くんが落した皮手袋 これを見て思いついたんだ」
「この天才職人にぜひ協力してもらおうと」

「ボクが何かのお役に立てるでしょうか」

おそらく江渡貝は鶴見中尉にホレた。

ひょっとしたら去勢されていることで恋愛に近い感情を抱いているのかもしれない。

鶴見中尉は、江渡貝と踊りながら偽の刺青人皮を作って欲しいと話す。

「いま江渡貝くんと私が着ている刺青人皮は暗号になっている」

「デタラメの暗号が彫られたニセの刺青人皮を作りたい」

「我々にしか判別できない精巧な偽物を複数枚つくる」
「この刺青人皮争奪戦に大混乱を巻き起こすのだ」

攪乱作戦を仕掛けようとする鶴見中尉。

さすがは情報を扱う軍人なだけある。

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