第310話 祝福
第309話の感想記事です。
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第310話 感想
戦地で殺害した勇作に対する罪悪感を認めたことで、自ら命を絶つことを選ぶとは……。
そして、明らかに尾形を愛してくれていた勇作への罪悪感には及ばないものの、自ら手にかけてきた父や母に対しても罪悪感を感じつつあるように見えた。
尾形は元々、罪悪感自体はあったんだろうけど、これまで心の内では長い間、決して認められなかったのかなと思った。
そして、それを否定しようと、余計に心を凍りつかせてきたようなところもあるのかもしれない。
自死の直前に、勇作の幻影から、尾形は祝福されて生まれてきたのだと告げられた。
勇作の幻影が存在するわけではなく、尾形自身が生み出した幻覚だから、これはつまり、尾形自身がずっと心の奥深くで考えていたことなのだと思う。
自分が愛されて生まれたとは全く信じられなかった尾形にとって、罪悪感を自覚できた瞬間とは、つまり、これまで求めてやまななった「愛」の、小さなかけらを手にできた実感を得た瞬間だったのか……?
しかし、これは幸せな最期とは中々言い難いように感じた。
だからと言って、ずっと罪悪感を自覚することなく、これまで通りの人生を送ることも、とても幸せとは思えないんだが……。
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どちらにせよ、もう尾形の人生には普通の幸せなど有り得なかったということだろうな。
自分の血縁にある人をことごとく手をかけてきた人生が、その後、幸せになるというのは中々考えづらいか……。
今回の決着は、尾形自身の人生のケリのつけ方として最高だったと納得するより他ないだろう。
自分のこれまでの歩みが丸ごと否定されて逝くという、残酷な最期に見えてしまったとしても……。
あとアシリパさんから受けた毒の効果も手伝ってのことなのかもしれないけど、尾形の命を奪ったのは尾形自身だった。
結果的に、アシリパさんは人を殺してはいかなったことになる。
それは救いだけど、ラストの敵として残った鶴見中尉に対するアシリパさんの目を見ると、鶴見中尉を手にかけてしまうのかと一抹の不安に駆られてしまった。
果たして次はどんな展開になるのか。
以上、ゴールデンカムイ第310話のネタバレを含む感想と考察でした。
第311話に続きます。