ゴールデンカムイ最新第304話歴史ネタバレ含む感想と考察。尾形の核心を突く鶴見中尉。

スポンサーリンク

第304話 歴史

前話第303話あらすじ

月島軍曹は牛山に向けて銃剣を投げつける。

牛山は銃剣を左腕で防ぐが、腕を貫いた剣先は牛山の額に刺さる。

牛山の攻撃をしゃがんでかわした月島軍曹は、牛山の腹に向けて銃剣を突き出す。

牛山は銃剣を抱え込むようにして掴み、完全に封じ込める。

(このオッサン)

「どうだ強いだろ?」
歯を剥く牛山。



スポンサードリンク



土方は相対していた第七師団兵の喉を突いて倒すと、背後に気配を感じる。
そこにいたのは鯉登少尉だった。

鯉登少尉は無言で示現流の構えをとる。

「うわさの薩摩隼人か」
そう呟き、土方は鯉登少尉と相対する。

牛山に投げ飛ばされた月島軍曹は、床に思いっきり叩きつけられて車両の入り口まで飛んでいく。

飛んできた月島軍曹をかわし、二両目に向かう杉元。

「牛山のダンナ!! 敗けんなよ!?」

牛山が答える。
「生き残ってまた金塊を拝もうぜ 杉元」



スポンサードリンク



白石は座席の下から抜け出し、杉元について行こうとアシリパに行動を促す。

鶴見中尉は三両目の屋根の上から、白石が立っている四両目の出口をピストルで狙っていた。

「鶴見中尉殿」
尾形が鶴見中尉の背後から声をかける。

「尾形百之助上等兵…」

全速力で走り続ける列車の先頭車両に熊の爪が食い込む。

第303話の感想記事です。

ゴールデンカムイ最新第303話暴走列車ネタバレ含む感想と考察。戦いは最終局面に。
第303話 暴走列車前話第302話あらすじ杉元は鶴見中尉を倒せばこの戦いが終わると考え、車両の外に出る。しかし鶴見中尉は車両の天井に上がっていた。杉元たちのいる客車の前方の車両では、第七師団兵たちが後方のドア付近に集結していた。後方の車両に向かうドアを兵...



スポンサードリンク



第304話 歴史

尾形の核心

花沢中将殺害後、尾形は、外で待機していた鶴見中尉の乗る馬車に乗り込む。

鶴見中尉は尾形に、第七師団は花沢中将の息子として尾形を担ぎ上げると告げる。
「失った軍神を貴様の中に見るだろう」

しかし尾形は、士官学校すら出ていない上等兵が第七師団長まで出世するのは不可能ではないかと問う。

それに対し鶴見中尉は、尾形に下駄を履かせて士官候補生として選抜すると返す。
「私が百之助の参謀として働こう」

列車の上で対峙する尾形と鶴見中尉。



スポンサードリンク



尾形は鶴見中尉に、ここまでの被害を出したことで、権利書を手に入れたところでどう責任を取るつもりなのかと問う。
「あんたはこのまま表舞台から消えて私の出世のために全力で働くしかない」

尾形の言葉から、鶴見中尉は確信を得た様子で呟く。
「…やはり第七師団長の肩書きが欲しいのだな」

少し前の札幌の教会。
「中央の飼い猫め わかっているぞ貴様の魂胆は!!」
月島軍曹が尾形に向けて叫ぶ。
「ご主人様に反乱分子を差し出し出世というご褒美が欲しいのだ」

「第七志位団長であった父君を超えたいがために仲間を売るのだッ」



スポンサードリンク



列車の上。
鶴見中尉は淡々と尾形に向けて言葉を発する。
「邪魔ばかりして引っ掻き回して私が追い詰められるのを待っていたわけか?」

それに対して、尾形が語気を強める。
「あなたが満州だのウラジオストクだのアヘンだの鯉登少尉だの月島軍曹だの宇佐美上等兵だのキョロキョロよそ見ばかりしているからでしょうが!!」

尾形は少年時代を回想する。
(おっ母 見て 見て)
獲った鴨を台所に立つ母に見せようとするが、母は尾形を見ない。

寝床で子守唄を歌う母が尾形に呼びかける。
(お父っつぁまみたいな 立派な将校さんになりなさいね)



スポンサードリンク



尾形は鶴見中尉に、反乱分子を全滅させ、さらに権利書を手に入れるという大手柄に対して、奥田閣下から士官学校入学という見返りを受けるつもりであることを告げる。
「陸軍大学校の卒業だって安いものでしょう」
そして、鶴見中尉にはこの列車の事故による死亡を偽装してもらい、自分が第七師団長になるために暗躍してくださいと続ける。
「まずは…尾形百之助少尉か…」
頭を撫でつけながら、フフ、と笑う尾形。



スポンサードリンク



鶴見中尉が口を開く。
「操り人形となって空っぽな権威だとしても死ぬまで母君が愛した男と同じ椅子に座れたら満足だと…」

「百之助 つまりお前は……『第七師団長なんぞ偽物でも成り上がれる』と証明したいのだろう?」

笑う尾形。

鶴見中尉は続ける。
「母君を捨てた男も選ばれたその息子もたいして立派なものではなかったと…欲しくても手に入らなかったものは価値など無かったと確かめてやりたいのだ」

尾形は、はああああ、と体と折ってから、体を真っ直ぐに起こし、そのとおりです、と鶴見中尉を真正面から見据える。
「やっぱり全部わかってくれてたんですねぇ鶴見中尉は」



スポンサードリンク



牛山は第七師団兵からの発砲を別の第七師団兵の襟を掴んで持ち上げて盾にして防ぐと、銃で兵を殴り倒す。
その牛山の背後の死角から、月島軍曹が牛山の後頭部を銃で思いっきり振り抜き、殴打する。

たまらず前に倒れ込む牛山。

しかし牛山はすぐさま月島軍曹の胸倉を掴み、頭が天井をぶち抜くほどその体を思いっきり吊り上げる。

尾形は天井を突き破って現れた月島軍曹の顔を見る。



スポンサードリンク



一本木関門

裂帛の気合と共に上段に構えたまま土方に突進する鯉登少尉。

土方は鯉登少尉から目を離さず、手元を探り、第七師団兵のサーベルを鯉登少尉に向けて投げつける。

鯉登少尉はそのサーベルを刀を振り下ろして弾く。
その隙に土方が鯉登少尉に向けて刀を振り下ろす。

サッと後退して距離をとることで、土方の攻撃をかわす鯉登少尉。

鯉登少尉は一息ついて、再び上段に構える。
「函館に住んでいたので父から新選組のことはよく聞かされていた 函館戦争で戦死した最後の侍のこと 剣を交えるなんて妙な気分だ」

「歴史上の土方歳三が死んだとされる場所『一本木関門』もよく知っている 現在そこは……この列車の執着駅だ」

土方は微かに口角を上げる。
「歴史のズレを正せるかね?」



スポンサードリンク



感想

尾形の動機

ようやく尾形の行動動機の核心が露見した。

妾の子という立場から父・花沢中将と同じ第七師団長に成り上がることで、これまで自分を苛んできた、母の愛を独り占めしていた花沢中将や、その息子・勇作の立場への嫉妬・渇望といった、自分の内で消化しきれなかったず、狂おしくさせてきた思いを成仏させようとしていたわけだ。
「すっぱい葡萄」として処理しておくことが出来ないくらい、尾形の人生にとってそれは大きなものだった。

そして、これまでの金塊争奪戦において、尾形が狙っていたのは鶴見中尉だったわけか。鶴見中尉を自分の為に働かせることで、具体的な目標となる第七師団長への道が拓けると考えたと……。



スポンサードリンク



わかってはいたけど、やはりポジティブな動機ではなかった……。単純な権力欲、立身出世のためではなく、どろどろとした私怨や、母への歪んた愛情が動機の核にあった。
一言で表すとすれば、やはり”復讐”になるのかな。花沢中将の存在は尾形の母の心を捉えて離さなかった。その母の視線は決して自分に注がれることがない。母の愛を得られなかった尾形にとって、こうすることだけが自分のいかんともし難い思いを成仏させる手だったのかなと自分は解釈した。

尾形少年は、殺鼠剤をあんこう鍋に混ぜて母を毒殺している。

ゴールデンカムイ第103話あんこう鍋の感想(ネタバレを含む)と考察。尾形の哀しく...
第103回 あんこう鍋前回第102の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。追っ手から逃れる時間稼ぎのために釧路へ向かう杉元たちは、その道中、ネズミを狩っていた。「獲れた!」アシリパは、岩で押しつぶす罠に引っかかったネズミをつまみ上げる。「そのネ...

花沢中将が葬式に来ることで、最期に顔を合わせられるというサイコパス的な理由を死にゆく花沢中将に向けて述べている。

その行動は、今後、母からの愛情を決して得ることが出来ないという深い絶望感も手伝っていたと思う。それくらい母の愛情を渇望していたのだと思うとやはり悲しい。



スポンサードリンク



尾形のこれまでの行動の動機は屈折しているが、戦慄よりも悲しさが先に立つなぁ……。尾形の母が花沢中将への思いを持ちつつも、尾形だけに愛情を注ぐ瞬間があったなら、尾形はこんなネガティブな動機ではなく、もっと前向きに生きて来れたんじゃないか……。
母がおかしくなったのは、母を妾の立場とした花沢中将に原因があると言えるから、やはり諸悪の根源は花沢中将ということなんだろうな。尾形のサイコパス気質のせいだけにはできない。

そして、追い詰められているとはいえ、さすがは鶴見中尉だと感じた。



スポンサードリンク



尾形の言葉からすぐに尾形の動機の理解に至ったのは、尾形に関する情報を余すことなく、正確に把握していたということ。その下地があってこそ、新たな情報を手に入れたその瞬間にすでにある情報と連結させることで、尾形の動機を言い当てたのだと思う。

手を負傷した鶴見中尉には、尾形との決闘は不利だと思う。だが鶴見中尉を殺してしまっては計画が狂ってしまう尾形と、特に尾形を倒すことに躊躇する理由がない鶴見中尉との間で尾形有利で戦いが推移するのだろうか? 列車の先頭に取り付いた熊のこともあるし、この二人の戦いがどうなるか予測がつかない。先が楽しみだ。



スポンサードリンク



牛山と土方

強すぎる牛山に対して、戦意を喪失するどころか、その後頭部を銃の持ち手で思いっきりフルスイングするという会心の反撃を見せる月島軍曹。
やはり強い男だ。
しかし牛山は、そんな月島軍曹の胸倉を掴み、体を高く吊り上げて、頭で天井を突き破るというとんでもない反撃を見せる。

無敵感がヤバイんだけど、でも月島軍曹を吊り上げた状態を少しでも長く維持していたなら、その隙に第七師団兵に撃たれそうな気がする。
何とかそれは避けて、最後まで生きていて欲しいな……。牛山はもちろん、月島軍曹にも……。次回この戦いがどうなるか見逃せないと思った。



スポンサードリンク



そして、鯉登VS土方。示現流の初撃という最大火力を、土方は傍らに落ちていたサーベルを鯉登少尉に投げて足を止めることで防ぐ。何という落ち着いた対処法。さすがに一合で勝負はつかなかったけど、ラストの雰囲気だと、次回には決着がついてもおかしくない。

列車の終着駅が、史実では土方が戦死した場所として伝えられている一本木関門というのが何とも洒落ている。

歴史のズレを戻せるか、と笑う土方がかっこよすぎる。
土方にも生き残って欲しいな……。

全ての局面において、次回が楽しみ過ぎる。

以上、ゴールデンカムイ第304話のネタバレを含む感想と考察でした。

第305話に続きます。

ゴールデンカムイ最新第305話迷いネタバレ含む感想と考察。相対する土方に立ち向か...
第305話 迷い前話第304話あらすじ列車の上で対峙する尾形と鶴見中尉。尾形は鶴見中尉に、このまま表舞台から消えて尾形の出世のために全力で働くしかないと告げる。その尾形の言葉から、鶴見中尉は、第七師団長の肩書きが欲しいのだなと確信を得る。それに対し尾形は...

スポンサーリンク
336×280
336×280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
336×280