第183話 狼に追いつく
目次
前話第182話 私の知らない父のことのあらすじ
脱獄作戦成功
白石、アシリパ、尾形の前でキロランケを平手打ちするソフィア。
真っ直ぐキロランケを見据えるソフィアに、キロランケは無言で冷たい視線を返す。
「さあ行くよ!!」
ソフィアは振り返り、まるで何事もなかったように監獄の外へと一同を先導する。
監獄の敷地内は脱出しようとする囚人たちにより混乱状態に陥っていた。
見張りが撃っているらしき何発もの銃声が響いている。
銃を構えた看守が、爆弾により破られた塀の穴を見つけてほかの看守を集めていた。
そして、流氷の上の人影に銃口を向ける。
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しかし他の看守から、流氷の上にいるのはニヴフの猟師だと指摘された看守は銃を撃てない。
目の前を見渡す限り広がっている流氷の上では、そこかしこでニヴフの猟師が仕事をしている。
キロランケたちはそんな中を悠々と歩いて、亜港監獄から脱出していたのだった。
上手くいった! と笑う白石。
脱獄の決行時刻をニヴフの猟師が多くなる時間帯である明け方に設定し、彼らに紛れることで看守たちの発砲を防ぎ、逃げ切るという狙いは見事に当たったのだった。
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ソフィアしか知らないウイルク
流氷の上を歩きながら、アシリパがソフィアに”ソフィアしか知らないウイルクのこと”を教えて欲しいと問いかける。
キロランケの訳を通してアシリパの質問の意味を理解したソフィアはニッコリと笑うと、静かに語り始める。
「彼は純粋で美しかった」
当時ソフィアは貴族として豪華な家に住み、何不自由ない生活をしていた。
都会のお嬢様だった、と振り返るソフィア。
そして革命運動の最中にウイルクとキロランケに会ったのだという。
ソフィアは、ウイルクは自分が知らないことを教えてくれた、と教わったことを列挙していく。
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「コケモモの塩漬け」
「樺太アイヌの犬ぞり」
「前髪に結んだホホチリ」
「ウイルタのトナカイの骨占い」
「ニヴフのアザラシや魚の皮で作った服」
「極東に住む少数民族たちの生活」
キロランケが訳していく。
「我々が話す独自の言葉」
「信じている神様」
森の中、ソフィアとウイルクは小さな川のせせらぎを挟んで腰を下ろしている。
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二人は草むらに成っている実を食べる。
「戦って守らないとすべて消えてしまう」
ウイルクはソフィアに静かに訴えかける。
「生まれてくる子どもたちは言葉も神様も忘れてしまうだろう」
アシリパはキロランケの訳を通じてソフィアの話をじっと聞いている。
ウイルクはアメリカの先住民族が白人に負けたのは各部族が対立し合っていた協力できなかったためだという考えを持っていた。
そして日本の北海道にも樺太アイヌと似たような文化を持つ民族がいるのであれば、それぞれの民族の人口が少なくても協力し合うことでロシアに対抗できると”ある構想”をソフィアに披露する。
「樺太・北海道を含めた極東連邦国家を作ればいい」
でっかいな、と、ウイルクのスケールに圧倒され思わず薄ら笑いを浮かべる白石。
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接近
その頃、杉元たちはあちこちで黒煙が上がる亜港監獄に到着していた。
谷垣は塀の穴を見て、キロランケが爆破して囚人を逃がしたのだと推測する。
一歩遅かったが奴らは近い、と月島軍曹。
杉元はアシリパから預かったマキリの匂いをリュウに嗅がせていた。
リュウは流氷の方を向いてソワソワしている。
流氷の上を逃げたとでもいうんじゃなかろうか? と鯉登少尉。
「リュウがあっちと言うなら俺は信じるぜ」
杉元がリュウを撫でる。
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突然叫ぶチカパシとエノノカに、どうしたんだ? と谷垣が問いかける。
「うわうッ」
塀の穴から現れたアムールトラに驚く谷垣。コートのボタンが弾け飛ぶ。
「トラ!?」
杉元や鯉登少尉も気づく。
一斉に逃げる犬ぞり用の犬たち。
月島軍曹、谷垣がトラに向けて発砲する。
トラは塀の中に逃げ、弾は外れる。
カーン
カーン
ガーン…
その銃声に、尾形は亜港監獄の方を振り向く。
「……」
(古い銃で使われるような黒色火薬の間延びした銃声……)
まさかな、と呟く尾形。
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第182話 私の知らない父のことの振り返り感想
ウイルクの巨大なビジョン
脈々と受け継がれてきた少数民族の文化を守りたいという素朴な想いがウイルクを動かしていた。
しかしただそれを思っているだけではなく、きちんと実現する為にはどうしたらいいかを真剣に考えていた。
なぜアメリカにおいて先住民族が白人に負けたのかという分析がきちんとできているあたり、やはりウイルクはとても頭が良かったのだと思う。
ただ、その上で”少数民族は協力し合わないと負ける”という教訓を活かして極東の少数民族による連邦国家を建設しようと発想するところがすごいな。
白石が呟いていたけど、ウイルクの考えは確かにスケールがでかいと思う。
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仮に考えたとしても、こんな風に”ひょっとしたら実現できるかも”と聞き手に思わせることは誰にでもできることではない。
ウイルクは傑物と言ってよいのではないだろうか。
「生まれてくる子どもたちは言葉も神様も忘れてしまうだろう」
伝統を後世に伝えて行きたいという想いがウイルクは特に強い。
アシリパの回想で、幼いアシリパに優しく語り掛けていた描写があったが、そのイメージと重なった。
こういう人が国の中枢に入ったらいい国になるんじゃないかな。
その上で、革新を求める人材もバランスよく取り揃えることでその国は安定すると思う。
しかし現実としてウイルクは政府と真っ向から対立するパルチザンだ。
国の現体制を完全に変えない限りは、国家元首を殺した最悪の犯罪者に他ならない。
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まだソフィアによるウイルクの話は続くのだろうか。
気になるのはウイルクとキロランケの間に何があったのかということ。
ソフィアが何か知っているんだと思うけど、それが何なのか予測がつかない。
キロランケに平手打ちしたソフィアの様子から、ウイルクを裏切るような行為を行ったのかな?
多分、ウイルクを守り切れなかったからなのかなと漠然と思ってるんだけど……。
キロランケがウイルクを裏切るとはあまり思えないんだよなー。
ソフィアの語り口からウイルクが本当に好きなことが伝わってくる。
尊敬しているし、好意も持っているのがわかる。
だからこそ、久しぶりに再会したキロランケへの問答無用の平手打ちが、ウイルクの身に起った不吉な何かを想像させる。
次号でさらにウイルクに関する情報が分かるかな? 楽しみだわ。
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亜港監獄に到着した杉元たち
杉元は、谷垣と一緒に凍え死にかけた一件以来、どうやらリュウに全幅の信頼を置いているようだ。
「リュウがあっちというなら俺は信じるぜ」
ここのセリフはマジで主人公だと思った。
それに対して、トラの姿を発見した際の谷垣のリアクションは面白い。
ボタンが弾けるのは完全に谷垣の芸になったのか。
杉元たちの面子の中ではコメディリリーフになってしまっている。
鯉戸少尉が頭角を現してきているけど、まだまだ谷垣の天下だと思う(笑)。
でもきちんとやるときはやるので魅力的なんだよなー。
今回もトラを撃退していたし。
さてここから杉元たちはリュウの導きによりキロランケたちに追いつくことができるのか。
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杉元チームがキロランケチームに追いつく
杉元たちはあと少しでキロランケたちに追いつくだろう。
キロランケたちは徒歩で移動しているし、距離的には数キロっぽい。
銃声から”ひょっとしたら杉元たちが来ているのでは?”という感覚を得ている尾形はさすがだわ。
これは、二つの勢力は流氷の上で出会うことになるのかな?
そうなったら、一体どうなるんだろう。
杉元はアシリパを連れて帰ることができればいいのだろうか。
尾形とキロランケ、特に自分の頭を撃ち抜いた尾形とは問答無用で戦いに突入しそうな気がする。
キロランケもただじゃすまない気がするわ……。
杉元たちもキロランケたちもいずれも好きな自分からしたら、二つのチームがぶつかり合っているところに熊とか強大な敵が割って入る、邪魔をすることで二つのチームがいつの間にか協力し合っているというのが理想かな。
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そうすれば話し合いもできそうな気がする。
ただ流氷の上だとさすがに熊は出てきそうにないよなー。
そうなると亜港監獄のアムールトラかな。
それともそのトラとは別の個体が出てくるとか。
でもそんな都合のよい展開はどうなのかな……。
少なくとも人間の邪魔は入らない気がする。
だから最悪死闘が繰り広げられる可能性もあるわけだ。
いずれも良いキャラばかりなんだから簡単に死ぬことはないと思いたい。
ひょっとしたらアシリパにウイルクに関する何か決定的な証言をしようとしたソフィアがそれを言えずに杉元たちの流れ弾に当たってそれが叶わなくなるとか、そういう悲劇的な展開はあるかも。
果たして杉元の選択は? 杉元たちを裏切った尾形、キロランケは追いついてきた杉元たちに対してどう応じるのか。
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前話第183話 狼に追いつく
”間違った情けや優しさ”
アシリパの記憶。
ウイルクとアシリパが岩場の熊の親子を遠くから観察する。
アシリパは子熊はコタンへ連れ帰らずに殺してしまうのかとウイルクに訊ねる。
ウイルクはコタンに連れ帰るには大きく育ち過ぎているとその理由に答え、続けてアシリパに残酷だと思うか? と問う。
熊の親子を食べることで自分たちの生命に置き換わる。そして子熊でも貴重な食料には違いなく、殺すことが残酷だからと迷うことは飢えにつながるとアシリパを諭していくウイルク。
「間違った情けや優しさは弱さにもなるんだ 弱いものは負けて喰われる」
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キロランケがアシリパに見ろ、と声をかける。
キロランケがそう促した先では、流氷の上を数匹の狼の群れが歩いていた。
記憶から我に返ったアシリパはそれを見て、オオカミだ、と呟く。
狼を警戒して尾形が銃に手をかける。
「こっちに来るか?」
大丈夫だろう、と答えるキロランケ。
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ウイルクの合理性を示すエピソード
ソフィアはアシリパの背後に立ち狼をじっと見つめながら呟く。
「ウイルクは狼が好きだったわ 『純粋で美しい』と…」
その言葉に振り返るキロランケ。
ソフィアは再び、ウイルクとの昔話を始めるのだった。
秘密警察に追われていたソフィア、ウイルク、キロランケ他仲間たちは森へ逃げ込んでいた。
仲間の中には腹に深手を負っている者がいた。
しかしキロランケとウイルクは彼を見捨てることなく、それぞれ重傷の彼に肩を貸し共に逃げていた。
逃げ続ける内、ついに重傷の仲間は意識を失う。
ソフィアたちも足を止めて倒木の陰に隠れることになるのだった。
徐々に周囲は秘密警察に囲まれていく。
さらにタイミングが悪いことに、意識を失った仲間は呻き声を上げ始めていた。
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秘密警察が近くを通る。
負傷者から漏れた呻き声が聞こえそうになったその瞬間、ウイルクは彼の首にすっとナイフを入れる。
その思い切った行動にソフィアとキロランケは驚いていた。
しかし結果的にその夜、ソフィアたちは秘密警察に見つからずに済むのだった。
ソフィアは、そもそも重傷の仲間は助かりそうもなかったし、もし自分がウイルクの立場であれば、迷った末に結局はウイルクと同じ決断に辿り着いたかもしれないと振り返る。
そしてソフィアは、ウイルクは合理的な解決までの経路を最短で動ける人だった、と評するのだった。
「俺もそんなウイルクを心から信頼して愛していたよ」
黙ってじっと話を聞いていたキロランケもソフィアに続く。
その言葉の内容とは裏腹に、目つきは鋭い。
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ウイルクという名の由来
ソフィアはアシリパに”ウイルク”の由来を知っているかと問う。
キロランケは、聞いたことがない、と言いアシリパに振る。
アシリパは、昔アチャから聞いたことがあったような……、と自信なさげに悩んでいる。
「なんだっけ…」
ウイルクがさっき話したような人間になったきっかけとなる出来事がある、とソフィア。
ウイルクが、まだ名前がつけられていないくらい幼かった頃、少年は村の近くの森で弱った狼を見つけた。
少年は森へ毎日その狼の様子を見に行っていた。
その内に、狼が遠吠えをし、それに遠吠えが応える光景を目にするようになる。
少年はその光景に、遠吠えをしていた彼は、群れに帰りたいのだと理解していた。
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やがてその一匹狼を迎えにやってきたかに見えた群れは、しかし少年の前で彼を殺してしまう。
それは弱っていた彼が、群れの中では役目を果たさないと判断されたためだった。
狼の群れには各々に役割がある。
しかしその役割をこなせないとなると、群れ全体が機能しなくなり、群れとして弱体化してしまう。
それは飢えや他の群れからの敗北――つまり死へと直結している。
少年は、そんな狼の群れの中にある生き残るための合理性、無駄のない機能的な美しさを狼たちの生き様に魅せられるようになったのだった。
それ以来、狼に憧れるようになった少年は、狼の毛皮を被り辺りを走り回るようになる。
その様子からポーランド人の父親が”ウイルク”と命名したのだという。
「ウイルクはポーランド語で『オオカミ』という意味だそうだ」
キロランケがソフィアの言葉をアシリパに翻訳して伝える。
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アシリパに甦った記憶と閃き
その話はアシリパのウイルクとの記憶を呼び覚ましていた。
雪の降る夜。小屋の中でウイルクと幼いアシリパが一夜を明かしている。
お母さんのお話して、とせがむアシリパにウイルクはアシリパにそっくりなピリカメノコ(美しい女)だったよ、と語り始めるのだった。
小樽で出会い、北海道のアイヌの言葉や信じていることなど全て、知らないことを教えてくれたとウイルクは妻のことを振り返る。
そしてウイルクは、今から教えることを決して忘れるな、とアシリパに念を押す。
「ウイルクという名がどうやってついたのかお前の母親に話したことがある」
「そしたら彼女は私にアイヌ語の名前をつけてくれた」
「ホロケウオシコニ」
その言葉を復唱するアシリパ。
ウイルクはその言葉が「オオカミに追いつく」という意味だと続ける。
「オオカミのようになりたかったから」
「この名前を知っているのは名付けてくれたオマエの母親と私だけだ…」
「誰にも教えてはいけないよ」
アシリパは、ウイルクとの会話を完全に思い出していた。
そして今度は杉元と罠にかけて捕えた囚人ことを思い出す。
彼の刺青人皮を描き写している最中、杉元に刺青人皮に描かれていた漢字の読み方を問いかける。
「『ウ』だよ 『迂回する』とか…」
白石の背中、左肩甲骨のあたりにあった「弐」、後藤の左二の腕のあたりの「歯」という漢字。
「……あッ!!」
アシリパは思わず声を上げていた。
その様子に尾形だけが気付いていた。
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第182話 狼に追いつくの感想
アシリパの記憶
前にあった回想の続きがこんなにも重要だったとは……。
この回想は前もあったよなーと思って探したら第73話にあった。
ちなみに、この時の回想は「決して忘れるな」まで。
第73話ではそこまでで終わっていたんだけど、今回第183話ではその続きとなる記憶が出てきた。
それまでずっと思い出せずにいたけど、ウイルクという名の由来とポーランド語で狼を意味するとソフィアから聞いたのをきっかけに、アシリパの頭の中でアイヌ語でウイルクに付けられていた名前を思い出した。
「ホロケウオシコイ」
狼に追いつくという意味はまさにウイルクそのものだよなー。
お母さんはなかなか粋な命名をするなぁと思った。
そしてすぐに刺青人皮に入っている漢字が「ホロケウオシコイ」とつながるわけだ。
実際それが何を意味するのかはわからないけど、アシリパは何かヒントを掴んだっぽいんだよなー。
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それに気付いたのが尾形だけという演出もニクい。
尾形がアシリパに直接それを問い質す?
いや、それよりはアシリパの行動を逐一見張って情報を拾うことに集中するようになるんじゃないかな……。
元々スナイパーとして攻めの待ちの姿勢(?)は得意だし。
あとは尾形がキロランケにこのことを話して一緒にアシリパを探るのか、それとも尾形単独で行っていくのかが気になるところだ。
そもそも、まだキロランケと尾形が組んでいる意味がはっきりしてないんだよね。
ひょっとしたらただ自分の読解力がないだけで、どこかに答えがあるのかもしれないけど……。
とりあえず利害が一致しているから一緒に行動してはいるけど、でも尾形がキロランケを出し抜くという選択をするのは展開として充分にあり得ると思う。
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狼に憧れたウイルク
ウイルクの心の形成に大きく影響したのは狼だった。
狼の佇まいと、生き方を貫く合理性。
狼は群れとしての生存を最優先する。
そのためには弱った仲間を殺してしまう。
子供ならその光景の残酷さに泣いてもおかしくない。
というかそれが普通な気がする……。
でもウイルクは感動した。
その純粋な原理に基づいた生き方に憧れるようになるとは……。
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狼の合理性を見抜いた彼の頭の良さがあってこそだろう。
彼くらいの子供の頃にそんなことに気づくかな。
まぁ自分も子供の頃の方が遥かに色々なことに気付けていたような気もする。それは多分、いや間違いなく錯覚だけど……。
たとえ親から習ったとしても、狼の合理性よりは残酷さに目が向くと思うんだよなー。
ウイルクには頭脳と、残酷さを恐れるよりも合理性に憧れるというリーダーシップをとるために必要と思われる感性を併せ持っていた。
その二つがウイルクを非凡な運動家へと導いたといえるかもしれない。
普通の人間なら躊躇うようなことでも、そこに合理性が認められるのであれば迷わずに行動できるというのはカリスマ性を生む源泉になり得ると思う。
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樺太の旅の終わりは近い?
キロランケと尾形にアシリパがさらわれてこの度は始まった。
今回の話で、目的が果たされたのではないか。
キロランケの思惑通り、アシリパの記憶の底に眠っていた金塊に関する重要な情報が呼び起こされたのだから。
キロランケの、アシリパの記憶にヒントがあるはずという読みはすごい。
正直、「樺太の旅でアシリパの記憶を刺激する」のがうまくいくのかな、と思っていた。
ウイルクのアイヌ名「ホロケウオシオニ」と、刺青人皮の漢字を照らし合わせていくことで、今後は金塊の隠し場所へとつながっていくということかな?
それともまだ、あくまで刺青人皮の地図の読み方を知っただけに過ぎないのか。
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「ホロケウオシコイ」を知るのはウイルク本人と母とアシリパの3人だけ。
母はすでに亡くなっていたような?
あと尾形が撃ち殺したのっぺら坊が本当にウイルクならば、あとは知っているのはアシリパだけということになる。
アシリパがこの情報を守り切れるかは注目すべき点か。
ラストページでは、アシリパが閃いているのを、尾形は感じ取った。
しかしアシリパはまだそれに気付いていない。
だとすれば尾形の行動にも注目すべきだろう。
今のところ、尾形が次にとる行動が気になる。
あとキロランケチームの中で死人が出るという占いのフラグもあったっけ。
あれに尾形が何らかの形で絡んできそうな感じがしてたんだけど、今回のことでますます怪しくなったと思う。
尾形が死ぬのか。それとも尾形が殺すのか。
もうすぐ杉元たちがキロランケたちに追いつくはずだ。
一体どうなるのだろう。
以上、ゴールデンカムイ第183話のネタバレを含む感想と考察でした。
第184話に続きます。