ゴールデンカムイ第84話獄中の感想(ネタバレを含む)と考察。獄中で熊岸長庵から得た”絵”が白石の運命を変える。

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第84話 獄中

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前回第83話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

白石過去の脱獄劇。動機は熊岸の描いた修道女の絵。ピュアな恋?

凄む白石

野営している土方、家永、永倉、白石、キロランケの5人が
焚火を囲んでいる。
白石は熊岸長庵と出会った時の事を語り出す。
樺戸監獄の前身である樺戸集治監に白石が入れられたのは20歳の時。
幼年監獄(少年院)を何度も脱走していた白石は
樺戸で看守から強く警戒されていた。

白石は本当に若いころからずっと監獄だったんだなぁ。

しかも何度も脱獄していたとは。

脱獄の才能に恵まれていることがわかる。

看守が怒号を飛ばす。
「全員房から出ろッ」「廊下に整列ッ」

「なんだ?」「何ごとだ?」と囚人たちが廊下に出ると
看守が板を担架にして、
そこに血まみれで事切れた囚人が乗せられている。
外での作業中に見張りの看守を殺して逃げた囚人だ。

「逃走を企てている者はこの斬死体をよく見ておくんだな!!」

白石は特に動じる事無く一言。
「外役中に逃げるなんてバカですよねぇ旦那?」

熊岸が白石を「何を言っているんだ?」と興味深い様子で見る。

看守、白石を警戒して脅す。
「お前さっそく針金を隠し持ってて闇堂(懲罰房)へブチ込まれたそうだな」
「幼年監獄でも脱走の要注意人物だったと聞いているぞ」

白石舌を出して「てへへ」という表情をする。

「舐めやがって」
「お前だけ今から検身だ 服を脱げ」

「ええ?ひどーい」

取り調べ中、白石の脇の下からコガネムシが落ちる。
当然看守の追及を受ける白石。
「何のつもりだこれは!!」

全裸で両手を上げている白石は動じる事無く答える。
「オオセンチコガネの【センちゃん】です!」
「俺の話し相手ですよ」
「懲罰房や独居房に入れられた時は寂しいので」

「ふざけるな」
そう言って、看守はコガネムシを踏みつぶそうとする。

「わ~!!待って待って!!」慌てる白石
「わかった!!」
「逃がすから殺さないでッ」

コガネムシを手にしてホッとする白石。
「んも~~…あんまり俺にいじわるしないでくださいよ」

その刹那、眼光鋭く横目で看守を睨む。

凄む白石

「あんたが当直の時に脱獄しちゃうよ?」

気圧される看守。「嫌な野郎だ」とその場を立ち去る。


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白石メンタル強いなぁと思う。

若いころからお茶目さんだったんだな。

暴力は使わないが強い男だと思う。

こういう頭を使った強さは見ていて楽しい。

熊岸が白石にさっきの看守とのやり取りの中で白石が発言した
「外役中に逃げる奴はバカ」という発言の真意を話しかける。

白石は明快に答える。
・外役中に逃走はつきものだから看守の警戒が厳重
・逃げてもすぐ見つかって馬で追跡される
・二人一組で鎖で繋がれて機動力が落ちる
・そもそも外役は昼間だから赤い獄衣は目立つ

「監獄で大事なのは逃げた瞬間から看守がそれに気づくまで…」
「この時間をいかに長く作るかだろ?」

「脱獄するなら夜にこっそりと…これに限る」

やはり頭の良さが無いと脱獄は出来ない。

20歳にして既に脱獄の方法論だけでなく
哲学までも身に着けているように思う。

ここから脱獄王と呼ばれるようになっていくんだと納得。


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白石が話すのを聞いて熊岸は脱獄する際には連れて行って欲しいと頼む。

それには答えず熊岸に問う白石。「あんた何やったの?」

「熊岸長庵」
「紙幣贋造で無期徒刑です」
「終身懲役で出られません」
正座して淡々と答える熊岸。

考えてもいいがあんたは俺に何をしてくれるかと問う白石。
「なにか得意なことってあるの?」

「絵は得意です!」
即答する熊岸。

出ました熊岸長庵。

どんな変態かと思えば意外と普通というかまともというか。

「なんだコリャ」
白石は熊岸の描いた絵を手にしていた。

シスター宮沢

「シスター宮沢です」熊岸は答える。
キリスト教が廃止されるまで以前まで樺戸集治監に出入りしていた女性だという。

「美しい顔をした修道女で今でも彼女を思い出すのです」

「全然美人に見えねぇよ下手くそ!」
「あんたの偽札がバレた理由が分かった気がするぜ」

「春画って言ったんだぞ俺は」
「こんな絵でどうしろってんだ」
「ったく」
熊岸の絵を手放す白石。

深夜、白石は寝床で横向きに寝て熊岸の絵を見ながら自慰をしていた。

白石、きっちりフリを利かせて高速で落としてきた(笑)。

野田先生コマ割り、ページ配分上手すぎでしょ。

ここはマジで笑った。


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「シライシ…」

同室の囚人に急に話しかけられてギクッとする白石。

「雑居房は必ず囚人が奇数なんだってよ」
「3人5人7人……」
「どうしてかわかるか?」

相手の迫力に呑まれそうになりながら白石は答える。
「え……二人だと脱獄の相談がしやすいから?」

「男色防止だ」

「……って言われてさぁ!!」
回想が一端途切れる。

「お前さっきから何の話してんだよ」とキロランケ。

キロランケのツッコミは読者のツッコミでもある。

だけどここまでの話も必要といえば必要な話。

白石の恋に関わる話だから。


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「…でさ」
「獄衣の襟には囚人番号を書く厚い布が縫い付けてあんだけどね」
「そこの隙間に絵を隠せば検身でも見つからなかった」

「どんなに辛い時でも絵を見てると癒されたよ」
「毎日絵を見てはどんな人か想像した」

恋する白石

「あなたはどんな声をしている?」
「どんな顔をしている?」
「本人に会ってみたい」

恋をしたから脱獄することにした

かくして、白石は樺戸集治監からの脱獄を決意する。

恋ってこういうことかよ!!(笑)

前回の引きがこういう形で回収されるとは……。

この絵を相手に恋が出来るなんて
ピュアにもほどがある。

ただこれは二次元に恋していたわけではなく
想像力で補ってモデルの女性のことを思ううちに
夢中になっているわけだ。

今後、物語が展開していく内に逢う事になるかもしれない。

期待したい。


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樺戸の周りには粘性の高い土が多く、
その土をスリの常習犯に頼んで
看守の腰にある鍵に粘土を押し付けて型を取らせる。
その型に、便せんに使う和紙とご飯粒を練り合わせて
鍵の形に成形していく。

しかしこれでは強度が足りない。

「亜麻仁油をくすねてきました」
「乾性油といって空気に触れると固まるんです」
熊岸は続ける「油絵の具とかに使ったりもしますね」。

熊岸の知識もちゃんと役に立ってる。

真面目な印象だ。

偽札作った犯罪者だけど。

監獄では自給自足のために鍛冶、炭焼き、味噌、醤油に至るまで
あらゆるものが囚人により製造されていた。
必要な材料は工夫して集めることができた。

そうこうして鍵は完成する。
火災時などを考慮して監獄内の鍵は扉は
もちろん拘束具まで一つで統一されていたので
この鍵一つですべての鍵が開けられる。

「検身だ白石!!服を脱げ!!」
「白石が鍵のようなものを隠し持っていると密告があった」

「密告…!?」青ざめる熊岸。

白石は舌の裏に隠しているものを発見され、闇堂行きとなった。

この方法で金属のようにカチカチの鍵を成形できるものなのか。

ここまで苦労して、せっかく作った鍵が見つかってしまったら
自分なら立ち直れないだろうな。


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「奴が口に入れてたコレ…どこで手に入れたんでしょうね?」
看守同士で会話。

「桶の金属のタガを引きちぎったのだ」

「へぇ~でもこんなので鍵が開きますかねぇ?」

実は、この金属片は白石の撒いたおとりだった。

「ホントの鍵はお尻の穴に隠してたんだ」
闇堂にいたミヤマクワガタに話しかける白石。

密告も白石が看守の巡回が少ない闇堂に入るために
他の囚人に頼んで行わせたものだった。

「熊岸ちゃんには悪いことしちゃったな」
「一番大事な脱獄の心得を言い忘れてた」

白石

「脱獄はひとりで実行すること」

看守の一枚上手をいく。

こうじゃないと脱獄王にはなれないということか。

あとは全ての物音がかき消される嵐の夜を待つのみ……
だが、事はそう簡単ではなかった。

「検身だ白石ッ」「裸になれッ」
「壁に向かって自分の足首を掴め」
「肛門の調べる」

ドキッとする白石。

「あんた下手だって奥さんに言われてない?」
茶化して相手より心理的優位に立つ姿勢を忘れない白石。

「部屋の隅々までしっかり調べろ!」
「桶も違うものと取り替えておけよ」

「はい…」若い看守がミヤマクワガタに気づく。

「俺の大切な友達だよ」
「殺さないでくださいね…」
「もし殺したらあんたが当直の時に脱獄するよ?」
「当直の時に脱獄されたら減給でしょ?」

ここで追及は終わる。

そして雷鳴轟く嵐の夜。

「逃走ッ!!逃走ッ!!」
「白石逃走ッ!!」

闇堂に到着した看守は白石の部屋の中をカンテラで照らす。

そこには羽の下が空洞になったミヤマクワガタの死体が置かれていた。

ミヤマクワガタの羽の下に鍵を隠していたのだった。

見事な脱獄劇だった。

白石すごい。

この後、熊岸は樺戸に収監されたままとなるわけだが、
一体どう変貌を遂げているのか。

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第85話 恋路いくとせ前回第84話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。白石が演じる恋愛一大叙事詩。まだ見ぬ女を求めて脱獄を繰り返した先に得たものとは。熊岸の描いた宮沢というシスターの絵を見てから彼女への思慕の念を抑えられずとうとう樺戸集治...

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