第105話 夏の虫
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帯、襟に挟んだり手にこすりつけたりして使うこともあるという。
アシリパは自らのトレードマークでもある鉢巻きにもアマニュウを挟み、懐には盛り上がる位に沢山入れて、さらには顔にもごしごしとこすりつける。
杉元「しかし本当にあんな大蛇が存在したとはな…」
前回の膨らみ切った杉元の顏は元に戻っているが、リーゼント上になった白石の頭は治らず。
「この土地で毒のあるヘビはマムシだけだからマムシの主かもしれないな」とアシリパ。
「アオダイショウは良い守り神だけどマムシは嫌われてる」
民話(ウエペケレ)においてはマムシは盗賊の死んだ後の魂の成れの果てだという。
とりあえず杉元の男前が思ったより早く治って良かった。
白石の坊主の丸いフォルムが戻ってないのに爆笑。
坂本とお銀は警察と警察犬に追われまさに崖っぷち。
蝮のお銀に向けて手を伸ばす坂本慶一郎。
「海へ飛び込んで逃げよう 仮に死んでも一緒だ」と坂本が言う。
お銀はその言葉に思わず頬を染めて喜ぶ。
「俺たちの地が海でぐちゃぐちゃに混ざり合って新しい命になる」と坂本。
「私たちにそっくりな? 素敵ね……逢ってみたい」うっとりと答えるお銀。
崖の上で固く手を握るふたり。
お銀は坂本の背中に確りと掴まって、そのままふたりは海へとダイブする。
ふたりは派手な水しぶきと音をたてて沈んでいった。
「なんて命知らずな…」
追って来ていた警官が驚愕する。
「この高さを飛びやがった」
坂本とお銀の絆の強さはなんなんだ。
やはり周囲が敵だと仲間意識は強固にならざるを得ず、さらに男女であれば強く結びつくということか。
最悪の極悪犯罪者ふたりが互いに惹かれ合っているのにその関係性が羨ましいと思えてしまう。
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亀蔵、夏太郎とともに荒らしに入る予定の賭場の前で坂本らが話している。
「嵐のごとく奪い取ったら」坂本が口を開く。
「稲妻のごとくずらかる」
「相手が面食らって頭の中が白いうちに 仕事を済ますのが強盗の鉄則だ」
「ちょっとでも抵抗する奴は容赦すんな」
「え?もう今やんのか?」戸惑う亀蔵。
「寝込みを襲うんじゃなくて?」
「ああ? 賭場荒らしは来てる客ごと襲うもんだろ」坂本がさも当然の事と言わんばかりに言い放つ。
「寝込みなんてつまんないよ やるなら派手に行かないと」坂本に同意するお銀。
「やっぱりお銀はオレの女房だ」と坂本。
やはり頭がイカれてるとしか思えない。
普通は可能な限り人数が少なくなった瞬間や寝込みなど気の緩んだ瞬間を襲いたいものだと思うけど……。
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「慶さん…」お銀。
「ああ」坂本の手がお銀の太ももに伸びる。
「はああッ」
押し倒されたお銀は色っぽい声を出す。
ただただ茫然とする亀蔵。
「こんな時におっ始めたぞ」
「声がでかいッ」と夏太郎。
夏太郎は周囲を警戒する。
これは亀蔵と夏太郎は気まずいし、気付かれたら状況的にマズイ。
お銀と坂本がとことんブッとんでて笑う。
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「聞こえるか?」と男。
「ああ やってるなぁ どこかで」請け負うもう一人の男。
「見張りが来るッ」夏太郎は焦りを隠せない。
「はあッ」「あああッ」
男たちは声の聞こえる方へと歩いていく。
「うるせえから他所でやれよ?」
と、次の瞬間、お銀は千枚通しで瞬時に店員を殺す。
もう一人も坂本が羽交い締めにして動きを制している。
お銀は身動きの取れない男の鼻の穴へと千枚通しを滑らせていく。
「うお…」恐怖の声を出す男。
お銀は全く躊躇なく、むしろ楽しんでいるかのように高笑いし難なく男を殺す。
鮮やか過ぎ。手慣れ過ぎ。
このふたりの殺しの技量は半端なものじゃないのが分かる。
そしてそれ故の余裕でもあるのだろう。
敵に回したら一筋縄ではいきそうもないなぁ。
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「こいつら頭がぶっ飛んでる こんなのと組めるかよ」ビビる亀蔵。
「これっぽちも信用してねぇさ」夏太郎が請け負う。
しかし脳裏では冷静に情報を整理していた。
(だが土方歳三さんの情報が正しいならお銀の旦那『稲妻強盗』坂本慶一郎は網走監獄の24人の脱獄囚のひとりだ…!!)
幸せそうに微笑みを交わし合うお銀と坂本。
(油問屋の刺青人皮と稲妻の入れ墨…)夏太郎が野心を燃やし自らを奮い立たせる。
(どっちも手に入れてやるッ)
夏太郎、ギラギラしてていいね~。
良いキャラなんだから簡単に死ぬなよ~。
まぁ、かなりまともなキャラだから、もう棺桶に片足をつっこんでるのかも……。
野田サトル先生は変態をどんどん出したいって言ってるし、まともなキャラはすぐ殺しちゃいそう……。
「何だテメエらぁ!!」客の一人が語気強く叫ぶ。
やおら刀を取り出そうとする客の頭を銃で粉々にする坂本。
その場に振り撒かれる鼻や目玉などの人の顔を構成するパーツ。
そうしている内にも坂本は、ただただ驚いて停止している亀蔵と夏太郎に向けて鋭く指示を出す。
「ボケッとすんなッ」やり慣れた様子の坂本。
「カネ集めろ」
「……」絶句するも動き出す夏太郎。
容赦無ぇ。そしてやり慣れ過ぎ。殺しも強盗も。
これは少なくとも仲間にはならないだろうな。
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「奥へ行きな」
「なんで?」やっとそれだけ口にする太った男。
お銀は千枚通しを男に向けてずいっと突き出す。
「あああッ やめろぉ」
「暴れると脊髄に刺さるよ」冷静に言い放つお銀。
「お前ら……稲妻強盗と蝮のお銀だな?」正体に気づいた太った男――店主。
「銀行を襲う義賊じゃねえのかよ ここはケチな賭場だぞ?」
「何が欲しいか分かってんだろ?」お銀が鋭く言い放つ。
階段を登っていく店主とお銀。
隠し引き出しが開く。
「これのことか?持ってけ泥棒」店主が捨て台詞を吐く。
出てきた物は刺青人皮。お銀が手にして坂本に声をかける。
「あったよ 慶さん」
刺青人皮発見。しかしこれは月島軍曹が放出した江渡貝の作った偽物なんだよなぁ。
「やっぱテメェらも刺青人皮があるのを知ってたな」夏太郎が言う。
「他にも持ってるのか?」
しかしお銀は慌てることなくニヤリと笑った。
夏太郎、まだちょっと早いんじゃないのか。
少なくとも賭場を脱出してからでも良いような……。
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次の瞬間、客が皆に懐から銃を取り出し構える。
その中には頭巾を被り客に化けていた二階堂がいた。
二階堂キター!
作中1、2を争う狂気が炸裂することに期待!
次の瞬間、頭巾が地に落ちて、あらわになった二階堂のヘッドギア。縫い付けられている乳首が立つ。
やっぱヤバい(笑)。
鶴見中尉の、映画レオンのゲイリーオールドマンそのままの登場の仕方にニヤリ。
これはもう完全に罠張ってたな。
偽物刺青人皮をエサに食いついてくるのを待ってたということか。
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「第七師団…!!」
「建物は包囲した」鶴見中尉が言う。
さすが鶴見中尉。亀蔵はもう生還は絶望的だな……。
「なんか様子がおかしいぞ」階下の異変に気付く夏太郎。
「……ヤバそうだね 死にたくなきゃ手を貸しな 可愛子ちゃん」お銀が夏太郎に言う。
お銀は鋭いなぁ。やはり修羅場を潜り抜けようという勘がすごい。
「ここへ来るまでに他所で刺青人皮は手に入れたか? 何処かに隠されていると厄介だ……」
「なぜなら貴様ら夫婦はこのあと蜂の巣になる」
「……」静かに聞いている坂本。
「稲妻は残念だが皮を剥がさせてもらう……もし刺青人皮を隠し持っているなら」
条件を持ちかける鶴見中尉。
「女房だけは殺さないでやってもいい」
「あんた お銀がどんな女か知らねぇのさ」坂本が即座に言い放つ。
「生かしておいてただで済む女じゃねぇ」
全く慌てず、余裕さえある坂本は亀蔵を掴んで猛スピードで逃げる。
「え? ちょっと やめろッ」戸惑う亀蔵。
「撃て!!」容赦なく号令を出す鶴見中尉。
号令に反応して斉射する第七師団。
坂本は掴んでいた亀蔵を盾にして、蜂の巣を免れる。
「ごあっ」亀蔵は穴だらけになる。
坂本はどうしようもない悪党だけどかっこいいな。
亀蔵は……残念。やはりやられキャラだった……。
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「そっちの階段だッ」兵が叫ぶ。
「気をつけろ 散弾銃を持ってる」
兵たちは、倒れ、だーっと口から血を流している亀蔵の横を通って坂本を追う。
「鯉登少尉、先走るなッ」
月島軍曹は階段を駆け上がる鯉登少尉を語気鋭く叫んで止める。
「む!?」
鯉登が何かに気づく。
「奴ら食用の油を階段にまいてるぞ」と月島軍曹。
「滑るッ」
夏太郎がお銀に指示されて、二階から階段へ向けて油を流していた。
「急げッ どんどん流しなッ」お銀が急かす。
こっちはしばらく共闘できるか?
でも夏太郎も亀蔵と同じようにあっさりやられそうだ。
この修羅場を切り抜けられるような感じがしない……。
「きええええッ 月島あッ」テンパった鯉登少尉はいつものように猿の如く叫ぶ。
亀蔵は坂本に裏切られて(?)死んだけど、お銀と夏太郎は今のところ共闘出来ている。
でも次で夏太郎死にそう……。
今のところ亀蔵と対になっているようなキャラだし。
今回は鼻を千枚通しで刺された男と穴だらけの亀蔵がカワイソウだったな……。
以上、ゴールデンカムイ第104話のネタバレを含む感想と考察でした。
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