杉元佐一についてまとめてみました。
目次
杉元佐一の外見的特徴
顔に縦横に走った傷跡をもち、軍帽を被った青年。
年齢は20代中盤~30代前半か。
その肉体は引き締まっていて、体中に激戦地を体験したことによる夥しい傷跡が残っている。
杉元佐一のモデルは野田サトル先生の曽祖父「杉本佐一」
情報は野田サトル先生のブログから。
一部引用すると、
曽祖父たちは無傷で包囲網を突破。
4000人の援軍を連れて戻ってきた。
それを見たロシア兵は蜘蛛の子を散らすように逃げて行ったそうだ。
部隊に戻ったとき大隊長が曽祖父を抱きかかえて迎えてくれ、大隊は一人の死者も出さずに済んだ。
その功績が認められ、曽祖父は二階級特進。金鵄勲章を賜ることとなり、死ぬまで結構な額の年金を貰っていた。曽祖父の名前は杉本佐一だ。
スギモトサイチのこと
http://723000451898910026.weebly.com/125021252512464/4
かといって、ご自身の曽祖父を描いているわけではなく、あくまで別人だそうで、また曽祖父を英雄と自慢されるつもりはないとのこと。
500名もの命を繋いだ働きをしたんだから十分英雄です!!
時期は違うけど、舩坂弘っぽいなぁと思っていた。
特に軍医が駄目だと思って諦めていたような怪我をしても翌日にはある程度回復していたという驚異の回復力とか。
1巻冒頭で頸部を撃たれても死なずに戦ったとか共通点は多いと思っていた。
『船坂弘』が戦史叢書に唯一記載された個人名とかカッコよすぎるんだけど違ったか……。
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不死身の杉元
1巻冒頭、杉元は日露戦争の激戦地二〇三高地において敵地への突撃する。
運悪く、杉元は突撃中に、左側の側頸部(首の横)に敵の銃弾を浴びてしまう。
銃弾は貫通して、杉元はほんの一瞬白目をむいて気を失いかける。
しかしすぐに目に力を取り戻し、何事も無かったように突撃を続けてロシア兵に向け銃剣を突き刺す。
普通ならば倒れるか、もしくは委縮してその場に立ち止まったり、逃げ帰ったりしてもおかしくないくらいのケガなのに、まるで動じる事無く敵に一撃を加えに行くその気力の充実っぷりが、杉元が優れた戦士であることを見ている者に悟らせる。
一撃で終わることなく、杉元は銃床で背後のロシア兵を思いっきりぶん殴り、さらにその銃剣を別のロシア兵の顔に向けて投げつけて突き刺す。
徒手空拳になった杉元はまた別のロシア兵を思いっきり殴りつけ、敵の両目それぞれに親指を突っ込む。
そして「死ねえええ」と鬼気迫る表情。
まさに鬼神の如き戦いぶりで、自分の死など恐れないような闘争本能の表現がこの1巻冒頭の描写に集約されている。
およそ人間性など保っていられないような狂乱の戦場を経験した杉元は、帰国後、金塊の在り処を探すことになって第七師団や荒くれ、土方勢との戦いでもしばしばその闘争本能、不死身っぷりを発揮する。
第七師団に捕えられてしまった杉元を尋問する鶴見中尉から団子の串を両の頬に突き通された時も全く動じる事が無い。
椅子に縛られて部屋に監禁されても、看守役の兵(二階堂兄弟)が拷問をチラつかせてきてもビビった様子は見せず、逆に不自由な状態にも関わらず自ら奇襲を仕掛けるへこたれなさ。
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杉元佐一の性格
気に入らない相手は目上でも構わず牙を剥くかっこよさ
1巻冒頭、砂金を採っている杉元の傍らで酒瓶を片手に話しかけて来る元囚人の後藤との会話で、「日露戦争で活躍した割りには貧乏だ、勲章モノの活躍だったはず」という後藤に対して、杉元は「気に入らない上官を半殺しにしてなければ勲章及び年金暮らしだった」と答える。
描写されたわけではないのでそれが本当のことなのか、単に場をごまかす軽口なのかは分からないが、わざわざ嘘をつく意味も無いので、そこからは決して計算高く生きようとはしていない、気に入らない人物なら目上の人間にも牙を剥くという杉元の性格の一面が汲み取れる。
かといって、杉元は決して傍若無人な無頼漢というわけではなく、そもそも、帰国してもその腕っぷしを活かしてヤクザな道に堕ちるわけでもなく、堅実とはいえないまでも、北海道で砂金採りをしているという真面目さを持ち合わせている。
幼馴染の為に大金を求める人としての真っ当さ
仕事中にひっきりなしに話しかけて来る後藤に対しても決して邪険にすることなく相手をしてあげていることからも杉元には単に不死身の杉元としての闘争本能に溢れた面だけではないことがわかる。
そもそも杉元は幼馴染の寅次の嫁で、同じく幼馴染で病気の梅子のために海外での治療を受けさせるための大金を稼ぎたいと思って、まだ砂金が採れるという北海道にわざわざ働きに来ている。
夫の寅次が戦死し、未亡人となってしまい、病気で日々視力の弱っていく幼馴染の梅子を見捨てることが出来なかったことから、真っ当な考えを持って、それに従って行動できる好感を持てる人物といって良い。
そんな杉元に気を許したのもあって、杉元は酔って心地よくなった後藤から金塊の話を聞き出すことができたといえはしないだろうか。
杉元が梅子の事が好きでも、厳しい環境である北海道に働きに出て苦労しようというのは中々出来ないことではないか?
アシリパと出会って、エサと認識され内臓を食われた後藤に熊は執着するから後藤は置いてこの場から立ち去るべきと言われるも、後藤の背に描かれた刺青人皮をその場に置いていけない杉元は、アシリパに対して、どうしても後藤の死体を残していけない理由を「梅子の為にどうしても金がいるからだ」と素直に打ち明ける。
自分のしていることが正しいと信じ、その達成を望む杉元の姿は真っ当だと思う。
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下手に動じない胆力
金塊のことを話した後藤は「喋り過ぎた」と杉元に銃を突きつける。
しかし杉元は動じる事無く銃の先を掴んで自らの胸元に近づける。
後藤が銃の安全装置を解除しておらず撃てないことが分かっていたから杉元が動じることがなかったのかもしれないが、さっきまで仲良く話していた男にいきなり牙を剥かれてこの反応。
カッコよすぎ。
杉元佐一のかわいさ
獲物を得たあとの食事で、アシリパさんから目玉や脳ミソと言った部位をあくまで好意で振舞われる。
その際に断りきれない杉元は、頼りない反応を見せてくれてかわいい。
そして、覚悟を決めて食す際には高確率で変顔を見せてくれる。
仲間が増えていくにつれて、さり気なく彼らに目玉や脳ミソを押し付け(?)、自分でゲテモノの部位を食べることは減っていく。
杉元佐一を象徴する台詞「俺は不死身の杉元だ!」
激戦地203高地で鬼神の如き働きを見せた杉元。
それを見た他の日本兵が付けた異名こそが「不死身の杉元」だが、当の本人も気に入っているようで、積極的にこの言葉を使うことから、おそらく杉元のアイデンティティにもなっている。
人間は自分の考えている自分になるが、杉元にとって、自分で自分のことを「不死身の杉元」だと称することで自己暗示の効果もあるのではないか。
首元を銃弾が貫通しても怯まずに敵に突進していき、滅茶苦茶な乱戦を繰り広げてロシア兵を殺していく様は杉元の生命力の強さをそのまま表している。
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杉元佐一の戦法
日露戦争で磨かれた銃剣による刺突、斬撃。及び中距離射撃。
乱戦が得意で、容赦なく銃剣をふるい、脱獄囚に占拠された村で脱獄囚たちを皆殺しにしてしまう。
素手による格闘も行い、特に最強の柔道家牛山辰馬を投げ飛ばしてしまうほどのセンス、実力及びフィジカルの持ち主である。
温泉旅館で按摩からマッサージを受けている最中、今まで見たことがないくらい柔らかい筋肉だと評されることから、元々の肉体の質が相当ポテンシャルが高いことが伺える。
オールマイティーに能力が高いのでとれる戦術の幅は非常に広いと言える。
杉元佐一のゴールデンカムイ作中における強さのランクは?
戦闘評価:85/100
主人公らしく、とにかく強い。
銃剣の扱いや軍医が諦めてしまうような重症でも翌日には治ってしまうような驚異の回復力。そして、杉元の一番の強さは不死身の杉元、鬼神の異名が伊達ではないと感じさせる強さの源泉はメンタルだと思う。
一対一はもちろん、多人数相手でも生き残る強さ。
第七師団に捕えられていた時もそうだし、熊岸長庵が捕えられていたコタンでの脱走した囚人たちとの乱戦においても相手の数が多くても怯むことなく相手を殺害する戦争帰りの容赦の無さ。攻撃を食らっても戦うことを止めない闘争本能。
それが杉元に高得点を与えた理由。
主人公を殺しに来ている敵に対して、「戦ったら殺しちゃうかも……」なんて本来切羽詰まった命のやり取りの最中にモタモタ躊躇している主人公ような様子は全くない。
これはゴールデンカムイ作中に出て来る、日露帰りの軍人は割と容赦の無さを持ち合わせているが、やはり杉元は、たとえ攻撃の最中に反撃をくらっても怯まないその強靭な闘争本能や自らの命を顧みない思い切りの良さが優れていると思う。
サバイバル:50/100
アシリパさんからアイヌの知識を教わって着実に技術は備わってきている。
そもそも日露戦争で激戦を生きて戻って来た男だから生命力は高い。
水に落ちて寒さのあまり白石と共に凍死しかけた際も、自らの機転によって無事切り抜けている。