ゴールデンカムイ最新第158話大トリの感想(ネタバレ含む)と考察。ショー続行の覚悟を見せる杉元に迫る危機。そして山田座長の意外な正体が判明。

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前話第157話 樺太島大サーカスのあらすじ

サーカス開始

満員の観客を前に、拍子木を鳴らしながら前口上を述べる山田座長。

早速サーカスが始まる。

仰向けに寝た男が足の裏でいくつも重ねたタライを支える。
その上で逆立ちする長吉。

観客の歓声が巻き起こり、長吉はそれにV字バランスで応える。

鯉登少尉の演目『一本竹上乗芸』を披露する。

固唾を飲んで鯉登少尉を見守っている観客の女性達に、鯉戸少尉が投げキッスをする。

ヒイッ、と悲鳴を上げる女性達。

杉元は舞台が盛り上がっているのを舞台袖から覗きこみながら呟く。
「むう… 見ておれ 鯉登少尉め」


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少女団の舞踊

少女団の舞踊が始まる。

少女たちと同じ衣装に身を包んだ谷垣と月島軍曹も、きちんと少女たちと動きを合わせて踊っている。

月島軍曹と谷垣が手を繋ぎ、ぐるぐる回転する。

紅子がその様子を見てニコッとほほ笑む。

(紅子先輩…)
紅子とアイコンタクトをした谷垣は小さく頷く。
その表情は自信に満ちている。

練習時と同様に、平常心で踊り続ける月島軍曹。


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チカパシの大独楽

「大独楽回しでございますッ」
裃のような衣装に身を包んだ演者が走りながら太いロープを引く。

ゴロロロ、と大きな独楽が回り、それがバカッと開くと中からチカパシが現れる。

ヤアッ、という気合の入った声を出し、両手を左右に平行に伸ばしたポースを決めるチカパシを見て盛り上がる観客たち。

「チカパシィ!!」
エノノカが歓声を上げる。

チカパシが突然、ゲエーッ、とゲロを吐く。

「おお~~…」
それも芸のひとつだと勘違いしたのか観客たちが普通に拍手を送る。


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とんでもない演目

「お次は鯉登音之進の『坂綱』でございますッ」

キャアア、と黄色い歓声が上がる中、鯉登少尉は40度もの急角度で張られたロープを、開いた傘でバランスをとりながら登っていく。

そして、ロープの先に何かを発見する。
「あれは…私が大切にしている鶴見中尉殿のお写真!!」

なんでこんなところに、と言っている間に、ロープから写真が離れて宙を舞う。

「キエエエエエエッ」
猿のような叫び声をあげて写真をキャッチすべく、鯉登少尉はロープから宙に飛び上がる。

着地したのは、ちょうど今まさに演目が行われている最中の梯子の上。

長吉が梯子の最上段で逆さになってバランスをとっていたが、鯉登少尉の着地した衝撃で梯子が崩れる。
崩梯子上乗芸(くずれはしごうわのりのげい)という演目が鯉登少尉の乱入で思わぬ形に変化していく。

その様子をハラハラしながら見つめる観客たち。

崩れた梯子の内、まだ立ったまま残っている二本の長い竹のそれぞれに、長吉は抱き着くようにしてつかまり、鯉戸少尉は頭だけでバランスを保っている。

離れ技を行っているにも関わらず、鯉戸少尉の注意は空中を舞う鶴見中尉の写真に向いている。
キエエエッ、と叫びながら写真を掴もうとブンブン手を回す。


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「キエエッ」
鯉登少尉は竹の上を踏み切って、鶴見中尉の写真に向けてジャンプする。
横にピンと張られた紙の上を渡る演目「紙渡り」を行いつつ写真を追う。

紙を踏み切って飛び上がる鯉戸少尉。
今度は自転車で、木で組まれた舞台の内側を走る「サイカホール」を演じている真っ最中の演者の肩に着地する。

再び飛び上がる鯉戸少尉。
今度は二頭の馬の背にそれぞれ演者が一人ずつ立ち、二人が一緒に担いでいる一本の棒の上でバランスをとっている最中の演者の肩の上に軽やかに着地する。

「キエエッ? キエエッ?」
鯉登少尉は猿叫を続けながら鶴見中尉の写真がどこなのか見回す。

「キエエッ!!」
ヒラヒラと舞う写真を発見し、飛び上がった先は空中ブランコ(「ロシア式飛び」)。

「キエエエェッ」
キャッチする側の演者の手に迷いなく飛びつき演目を成功させつつ写真を追う。


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軽業の神

ブランコの勢いそのままに空中に舞い上がり、膝を抱えて飛んでいく。

頭上を飛んでいく鯉戸少尉を下から見上げる谷垣と月島軍曹。

「エッッ!!」
鯉登少尉は左手を地面につけ、右手は横にピンと伸ばし格好良くポーズを決めて着地する。
鶴見中尉の写真は左手で確保している。

観客たちは一瞬静まり返ったかと思うと、次の瞬間、この日最大の歓声を鯉戸少尉に送る。

「軽業の神様は本当におわした…」
歓声で割れんばかりの舞台を舞台袖から涙を流しながら見つめる山田座長。

「……!!」
杉元は最大級の賛辞を自然に呟いた山田座長にショックを受ける。

自分の荷物から鶴見中尉の写真を盗み出して演目を妨害したことに怒りを燃やす鯉戸少尉。
「なんと卑劣な男だッ 許せん…!!」

その後も少女団の舞踊を、少女たちと動きを合わせてこなしていく谷垣と月島軍曹。

「かわいい」
観客の女性達から声援が上がる。

エノノカも笑顔で谷垣たちを見つめている。


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演目を終えて舞台袖に引っ込む谷垣を待っていたのは……

演目を終えた少女団は、観客たちの歓声を背に感じながら舞台袖に引き返す。

無事踊れたことに安堵の表情を浮かべる谷垣。

「源次郎ッ!!」

鋭く名前を呼ばれ、谷垣はビクつきながら声のした方向を振り返る。

フミエ先生は煙草を一吸いした後、谷垣に視線を移して煙草を吸っていた手でパチンッと指を鳴らす。
「よかったわよ」

谷垣の表情が輝く。
その様子をやはり冷静に見つめる月島軍曹。

少女たちはフミエ先生から褒められた谷垣を祝福するように谷垣に両手でタッチを求める。

照れながら少女たちからの祝福を受ける谷垣と、それを何とも言えない表情で見つめる月島軍曹。

サーカスのテントの外では、ロシア帽を被ったヒゲの男がテントに近付いていた。

外に響くのは最後の演目という声。
「ヤマダ曲馬団大トリでございます」

「不死身の杉元……ハラキリショ~オオゥ!!」

(オレは生きてるぞ!!)
杉元は両手を上げて観客にアピールする。
(アシリパさんに届け……!!)


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緊急事態

「どういうことだこれは…!!」
舞台袖では鯉戸少尉が鶴見中尉の写真を二枚持って見比べていた。
「なぜ同じものが …アッ ちょっと違う!!」

「杉元がこんな写真を持っているはずがない!!」
鯉登少尉が写真を凝視しながら呟く。

「犯人は私です」
月島軍曹が鯉戸少尉の背後から声をかける。

「月島ぁ!?」
慌てて振り向いた鯉戸少尉は、すぐにサッと何食わぬ顔で自分の荷物入れに二枚の写真をしまう。

月島軍曹はなぜ鯉登少尉の演目を邪魔するように鶴見中尉の写真を仕掛けたのかを説明する。

このままだと軽業の才能に長けた鯉戸少尉の方が杉元よりも目立つので樺太公演に出た意味がなくなってしまう。
それを憂慮した月島軍曹が鯉登少尉に杉元を煽らせるようにすれば杉元がハラキリを頑張るだろうと考えてのことだった。


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「私が手を汚せば丸く収まるという目論見でしたが裏目に出てしまいました」
どこまでも冷静な月島軍曹。

まずい、と言いながら鯉戸少尉が月島軍曹を見つめる。
「仕返しに手品の刀の刀身を私の軍刀のものとすり替えた」

「ハアァ 冷たいッ 冷たい冷たいッ」

杉元はチカパシから瓶の水を右手にかけられて水の冷たさをアピールしていた。

「水が冷たいってくだりもういいからッ」
山田座長は相変わらずの杉元に袖から小さい声で注意する。


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第157話樺太島大サーカスの振り返り感想

これ、杉元大丈夫(笑)?

軍刀にすり替えたって……。
それだと刃をあてた部位がスパスパ切れちゃう。

右腕に水を流したから、もう次の瞬間には右腕に刃を当ててるってことでしょ。

切れ味の鋭い刀は、上に向けた刃にティッシュを落とすとそのわずかな重みだけで真っ二つに切れる。
そこまでの域かは分からないけど、鯉登少尉の軍刀の手入れが行き届いていないとは思えない。

それに、腕にあてた刃を引くから、多少切れ味が鈍くても十分肉を斬り裂くだろう。

不死身の杉元ハラキリショーが本当に不死身さを証明するショーになってしまいそう。

腕を切り裂いた時点で演目は中止にするだろうからまさか腹は切らないだろうけど、しかしまさかこんな展開で次号への引きになるとは(笑)。

この後の展開がどうなるか楽しみでならない。


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谷垣の踊り

谷垣は成り行きで少女団に参加したとは言え、少女団の一員になれて満足そうだ。

きちんと踊れて舞台袖に引っ込んだ後に見せたほっとした表情や、フミエ先生に認めてもらえた時の谷垣がかわいすぎる。
そして無表情で谷垣を見つめ続ける月島軍曹の存在自体がツッコミになっているという、もはや秀逸なコント状態(笑)。

谷垣が上手く踊れたのはもちろん練習の賜物だろうけど、踊っている途中に紅子先輩に落ち着かせてもらったおかげでもある。
紅子先輩や、少女団の他のメンバーにも感謝だな。

上手く踊れなくて泣くほどだったから、谷垣は達成感があるだろう。

色んなキャラが積み重なって、谷垣がどんどん輝いていくなぁ。
本当に面白い。

あと、谷垣の首がいつになく太く見えた。
太すぎる首と少女団の衣装のミスマッチに笑ったわ。

月島軍曹はそつなくこなした。さすが。


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鯉戸少尉、躍動する

月島軍曹の仕掛けた鶴見中尉のブロマイドを夢中で追う内に、結果的に神演技を見せた。

何この展開(笑)。

長年サーカスの最前線に立ってきた山田座長の涙が、鯉登少尉改め貴公子鯉登音之進の持つサーカス演者としての計り知れないポテンシャルを証明していると言って良いだろう。

山田座長は割とマジで鯉登少尉を欲しがるだろうな。
鯉登少尉もまんざらでもないと思う。

しかし今回の話で改めて分かったのは、鯉戸少尉の鶴見中尉への想いは狂信的なまでに強いということだ。

以前も鯉登少尉から注意を受けて猿叫していたが、今回、何度も猿叫しつつ追っていたのは鶴見中尉の写真に過ぎない。
それも演目の真っ最中にも関わらず、結果的には観客を盛り上げたものの、芸を忘れて一心不乱に追い続けていた。

一言で言えば異常(笑)。

でもこのくらいのキャラじゃないとこの濃すぎる面々の中で存在感を示せないよなぁ。
樺太公演で身につけた軽業により、鯉登少尉のキャラのみならず戦法にも変化が起こりそう。


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月島軍曹の誤算

杉元よりも鯉戸少尉が目立つことで樺太公演への出演の意味がなくなることを心配していた月島軍曹はさすがだわ。
メンバーの中で一番状況が見えている。

しかし本人も裏目に出たと言った通り、鯉戸少尉の才能がこの場にいる誰もの想像を遥かに超えていたのと、写真であっても鶴見中尉への想いがここまで強かった、その二つの予想外が重なっての事態だろう。

仕掛けた写真のおかげでむしろ演技のクオリティが大幅に上がってしまうという漫画的な展開には笑うしかない。

各演目が滅茶苦茶になったように見えるけど、結果的に演目は成功しているし、会場を盛り上げている。

つまり月島軍曹も公演の成功に一役買っていたってことだな。


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エノノカかわいい

鯉登少尉や、大独楽から出てきたチカパシに声援を送るエノノカがかわいい。
その隣でじいちゃんが驚いているのも良い。

純粋に楽しんでいる感じが伝わって来て良かったわ。

あと、チカパシが吐いた後の反応が観たかった(笑)。

観客が”おお~~ッ”と言って拍手してるのがシュール過ぎる。
その時エノノカはどんな顔してたのかな。

サーカスが楽しめているようで良かった。


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ゴールデンカムイ最新第157話樺太島大サーカスの感想(ネタバレ含む)と考察。
前話第156話不死身の杉元ハラキリショーのあらすじハラキリショーの手本たすき掛けをした山田座長が刀の根元部分に近い刃で和紙を切りながら、この動作で刀が本物だと観客に確認させるのだと説明する。 それ本物じゃないの、と怖がるチカパシ。 杉元も、本...

157話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

第158話 大トリ

杉元の決断と覚悟

いよいよ右腕を刀で斬ろうという素振りを見せる杉元に、観客達の視線が集まる。

しかし杉元は腕を斬らない。勿体付けたように身体を揺らしつつ、変顔で観客にアピールする。

観客からはただただ安堵の溜め息が漏れる。

そして再度斬る構えを見せる杉元に、観客の緊張がまた高まっていく。

さきほどと同じく、勿体付けて斬らない杉元に対し、今度は焦れた観客から野次が飛ぶ。

エノノカも、斬れーッ、と無邪気にそれに同調する。

斬ります!! と気合を入れて杉元は構える。

舞台袖で見守っている山田座長が、痛いと言わなければいいが、と練習中に杉元がわざとらしく痛がっていた様を想って不安そうに呟く。

腕に刃を滑らせた杉元。痛だだッ、と呟く。

んも~!! と山田座長。

仕込み刀での練習の際の感覚と違い、杉元の腕は切れている。
流れる血も本物だ。


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杉元の腕の血を目の当たりにした観客たちから、わあ、と一気に悲鳴が上げる。

「これ…ホントに痛いけどマジで斬れてる?」
杉元は顔を強張らせる。
そして舞台袖に視線を向けると、鯉登少尉と月島軍曹が本来それでハラキリショーを行うはずだった、仕掛けをしてある刀らしき刀身を持っている。

それで杉元は、自分の持っている刀が手品を仕込んだ刀ではなく真剣であることに気付き、中断か、それとも刀身と取り替えるのか考える。
演目は既に開始しており、刀身の交換は不自然。観客が盛り下がることは必死。

杉元は段取り通り、右足のふくらはぎ辺りを斬りつけて、演目続行の意思を示す。

驚く鯉登少尉と月島軍曹。

観客から再び悲鳴が上がる。

(こんな大舞台で引き下がるわけにはいかんッ)
杉元は演目を完了させる覚悟をする。

ホントの血みたいだナ~、と呑気に呟くチカパシに、杉元は、ホンモノじゃいッ、とヤケになる。


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闖入者

いよいよ切腹の段になり、太鼓の音がテント内にリズムよく響き渡る。

杉元は着物をはだけ、正座で右手に刀身を持ち、腹の前に構える。

固唾を飲み、静まり返る観客達。

(ハラワタだけは…傷つかないように…)
下唇を噛んで覚悟を決める杉元。
(アシリパさんを見つけるためだ…!!)

「い…いくぞッ」

響き渡る太鼓の音。
観客の視線が杉元に集中する。
そして杉元は腹に刃先を少しずつ刺し始める。

その時、舞台袖で舞台の杉元を見ていた鯉登少尉、月島軍曹、山田座長は、観客席から舞台内に入場してくる何者かの姿に気付く。

「なんだ? あのロシア人」

ロシア帽を被り、コートをを来たロシア人が杉元を見下ろしている。

切腹に集中していた杉元は、目の前のロシア人に気付き視線を上げる。

するとロシア人はポケットからピストルを出し、その銃口を杉元につきつけようとする。

演目の変更

その刹那、杉元は切腹しようとしていた手を止め、刀をロシア人の手に向けて素早く斬り上げる。

モロに刀を受けた指はポロポロと零れ落ち、銃ごと手や指が地に落ちていく。

杉元はさらに今度はロシア人に向けて刀を振り下ろす。


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斬り倒したロシア人の背後は別のロシア人がいる。

イレギュラーな事態にも関わらず、演目を盛り上げる太鼓は止まない。
観客は杉元とロシア人が演じる殺陣を、固唾を飲んで見つめている。

ロシア人が杉元をピストルで銃撃する。しかしそれ読んでしゃがんでいた杉元に銃弾は当たらない。
続けて何発も撃つが、転がって銃弾をかわしていく杉元。

杉元は立ち上がり、刀を投げる動作をとる。

ドドドドド、と太鼓の拍が早まっていき、演目の盛り上がりが最高潮になる。

次の瞬間、杉元が投げた刀はロシア人の胸に深々と刺さっていた。
それと同時に、ドドンッ、と太鼓が鳴り、演目の成功と理解した観客達は大いに盛り上がる。

杉元は堂々と立ち、観客たちの歓声を一身に受けるのだった。

一方、杉元を狙うロシア人はもう一人いた。
しかしロシア人の背後に忍び寄っていた月島軍曹は顎を殴りつけてノックアウトする。

段取り通り、最後の挨拶を指示する山田座長。
遺体の回収も命じる。

山田座長の指示で、わーッと舞台に向けて駆け出す谷垣。

ヤマダ曲馬団の演者たちは舞台で輪になり、観客たちに挨拶する。


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スパイ

その夜、杉元たちと山田座長は舞台袖に拘束していたロシア人を前にしていた。

ロシア人を尋問した月島軍曹が言うには、ロシア人たちは山田座長を狙うつもりだったと説明する。

ロシア人たちに山田座長殺害を依頼したのはロシア政府の人間であり、ハラキリ芸を演じるのが山田座長、とだけ伝えられていたため、たまたま山田座長に代わってハラキリを演じていた杉元を狙ったのだという。

それを聞き、杉元は何故山田座長がロシア政府から殺し屋を送られるのかという疑問を口にする。

スパイか、と月島軍曹に問われ、山田座長は肯定する。

山田座長は元は陸軍将校だった。
そして、ヤマダ曲馬団座長として日露戦争前からロシアを何年も巡業する傍ら、裏ではロシア各地の情報を日本陸軍の特務機関に報告してきたのだった。
そして山田座長は、今回自分に殺し屋が差し向けられたのは、ロシア政府が自分の正体に感づいたためだと答える。


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「…ッたく三流スパイだよあんたは」
話を黙って聞いていたフミエ先生は煙草を一吸いしてから呟く。
そして拘束されたロシア人の前に立ち、煙草を咥えたままロシア人の頭にピストルで2発の銃弾を躊躇なく撃ち込む。

3つの死体をテントの下に埋めろと言い、煙草の煙を吐き出すフミエ先生。
「明日の朝にはわたし達も立ち去ってここは元の空き地さね」

フミエ先生の振る舞いにただただ驚愕する谷垣。


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別れの朝

翌朝、豊原に残る紅子先輩を少女たちと谷垣が取り囲んでいる。

みんな元気でね、と笑う紅子先輩。
谷垣にも、自分のことや少女団のことも忘れないで、と呼びかける。

谷垣は涙で顔をくしゃくしゃにして、うん!! と返事をする。

月島軍曹は樺太新聞の記事中に今回の公演の記事が掲載されているのを見つけていた。

杉元が慌てて記事を覗き込む。

樺太日日新聞の豊原版、その最も大きな見出しは『彗星のように現れたヤマダ曲馬団の王子』。

それを見つけて杉元は、あ~~、と脱力したような声を上げる。

杉元に関する記述を見つけた月島軍曹。

『大トリは不痔身の杉元ハラキリショーだった。』

誤字ッ!! とツッコみ、ちきしょーッ、と悪態をつきつつ地面に転がって悔しそうにジタバタする杉元。


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一方、山田座長はこれからアメリカをまわると前置きして鯉登少尉を口説いていた。
鯉戸少尉の軽業師としての可能性を説き、必死に鯉登少尉を仲間に入れようとする。

しかし鯉登少尉は一切躊躇せずに、それは出来ない、と断る。

なぜ? と必死に食らいつく山田座長に対して鯉戸少尉が答える。
「鶴見中尉殿に叱られてしまう…!!」
2枚のブロマイドを指に挟み、決め顔をする鯉戸少尉。

地面に両手をつき、項垂れた山田座長に、月島軍曹は自分たちがある男たちを追っている、と声をかけていた。

月島軍曹から聞いたパルチザンと言うキーワードに心当たりがある様子に山田座長は知っていることを話し始める。


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次の目的地が決定

豊原から北へ約530キロ、国境を超えたロシア領の港町に樺太最大のアレクサンドロフサカヤ刑務所がある。
そこには数年前、帝政ロシアに対する解放運動で捕まった極東の少数民族が懲役囚としてたくさん移送されたのだという。

キロランケの目的地がそこだと確信する杉元。

月島軍曹は、樺太公演は失敗だったが貴重な情報は得られた、と今回の巡業出演の試みを総括する。

失敗じゃねえよ、と答える杉元。
目立たない記述で、おまけに誤字だった。
しかしアシリパは賢いから読めば気付くと期待する杉元。

(いまこの瞬間にアシリパさんの奇麗な青い目に俺が生きてる証拠が映っていますように…)

その頃、アシリパは白石に向けて呼びかけていた。
「ウンコだ!! まだ湯気が立ってる!! 近くに大きな獲物がいるぞ」
アシリパは嬉しそうな表情でウンコを指さしている。

それさっき俺が出したウンコだよ、とすかさずツッコむ白石


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第158話大トリの感想

久々の杉元回

岩息との殴り合い以来の杉元活躍回か?

手品に使う仕込みの済んだ刀が鯉登少尉によって真剣に替えられており、それに気付かないまま練習と同じ調子でおどけていた杉元が、腕に刀を滑らせてようやく真剣であることに気付く。

ズバッと斬れてて笑ったけど、その後、刀身を替えたら観客が盛り下がるという芸人魂、というか漢っぷりを発揮して真剣で演目を続けるという展開がかっこよかった。

自分が杉元の立場なら刀身の交換の為に舞台袖に引っ込むだろうな。

腕がザックリ斬れた時点で叫ぶと思う。練習では感じなかった痛みに過剰に反応しちゃうと思うわ。

ある意味、不死身の杉元ハラキリショーはハラキリショーではなかったが不死身っぷりの片鱗は観られる演目になっていたように思う。

闖入者であるロシア人を斃した杉元。
杉元の動き、ロシア人との戦闘の進度に合わせてリズムを変えて盛り上げていく太鼓の演出は、ロシア人の乱入までも舞台の本来の演目だと観客に勘違いさせることに成功する。
結果大いに舞台を盛り上げることが出来た。


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山田座長は実は……

元陸軍将校でスパイとか意外過ぎる。

コミカルな人柄だけど、実は陸軍でもエライ人だったのね。

しかし軍の命令でロシアでスパイ活動をしていたのではなく、あくまで曲馬団でロシア各地を回るそのついでに得た情報を陸軍に送っていたのか?。
わざわざ地位を捨てて、好きなことをやろうやっているのであればかっこいいな。

杉元たちとの別れ際、鯉戸少尉を必死にスカウトしていた様子からも曲馬団を盛り上げていくことに真剣なのが分かる。

次はアメリカで巡業するのだという。もうヤマダ曲馬団が登場することはないのかな。
面白かったからちょっと残念……。

あと、フミエ先生は何者なんだろう。
咥え煙草で躊躇なくロシア人を撃ち殺す様は外国映画で見たマフィアっぽかった。

山田座長がスパイだということはおそらくフミエ先生以外は知らないんじゃないかと思う。
フミエ先生は何故山田座長から聞いていたのか。

ヤマダ曲馬団に入る前から相当な人生経験があることを感じさせる。

死体を埋めろと慣れた風に指示するフミエ先生に谷垣が目を剥いて驚いてたのが面白かった。
というか、月島軍曹がいつもの服に着替えたのに何で谷垣は少女団の衣装のままなのか(笑)。


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次の目的地

ロシア各地を旅して情報を得てきた山田座長から思わぬ形で次の目的地となる場所の情報を得られた。

パルチザンが大勢収容されていると思われるアレクサンドロフサカヤ刑務所がキロランケの目的地、つまり杉元たちが目指す場所だということだが、一体そこでキロランケは何をしようとしているのだろう。

キロランケは杉元たちを裏切ったのはアシリパから金塊の情報を得るため。

金塊を得る目的は、おそらくパルチザンの独立の為ではないだろうか。
そうだとしたら、アレクサンドロフサカヤ刑務所に大勢収容されているとされるパルチザンをほうっておくわけがない。
ただ、助けるとしてもどうやって、という話だ。

樺太の旅は佳境に向かっていると思う。

杉元たちがキロランケと再会する時、キロランケの狙いが分かるのかな。

樺太の旅はそこで終わるのか。それとも帝政ロシアを巻き込んだ騒動へと発展していくのか。

もしロシア政府を巻き込むならそれはもう国際問題だよ。メチャクチャだ。

予想のつかない展開続く。

以上、ゴールデンカムイ第158話のネタバレを含む感想と考察でした。

第159話に続きます。

ゴールデンカムイ最新第159話ウイルタ民族の感想(ネタバレ含む)と考察。豊原より...
前話第158話 大トリのあらすじ真剣に気付いた杉元の決断サーカスの舞台に太鼓の音が鳴り響く。 右腕を刀で斬る素振りを見せる杉元を、観客達は固唾を飲んで見つめている。 「うぇへへ~い」刃が腕に触れるか触れないかで、勿体付けるようにして刀を持ち上...

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