ゴールデンカムイ第102話稲妻強盗と蝮のお銀の感想(ネタバレを含む)と考察。稀代の犯罪者同士だからこそ生まれた凶悪カップル。

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第102回 稲妻強盗と蝮のお銀

ゴールデンカムイ第101話鯉登少尉叱られるの感想(ネタバレを含む)と考察。心酔し...
第101回 鯉登少尉叱られる前回第100の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。白石を逃がした鯉登少尉が鶴見中尉から叱られる。かわいそう。エゾシカの皮の中でアシリパと寝ている杉元は、わずかな振動に気づいて目を覚ます。「アシリパさん起きてくれッ」...

前回第101話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

新たな刺青人皮を持つ坂本慶一郎登場。妻お銀との凶悪タッグ。
「フチの様子を聞くために夕張を出るとき小樽へ電報を送っておいた」
インカㇻマッとチカパシに説明しながら谷垣が電報を開く。
「この郵便局留めで返事が届いているはずだ」

誰から?とチカパシ。

相手はアシリパの叔父であるマカナックル。
昔和人と仕事をしていた関係で日本語の読み書きができるという。

内容を問うチカパシ。

「フチ ライクル シユク ツクル」
「……?」
谷垣が疑問を口に出す。
「『ライクルシユク』ってなんだ?」

「ライクルシユクは」
インカㇻマッが答える。
「死装束です」
「死期が近づくのを意識したアイヌの老人は家族に隠れて自分の死装束を用意するのです」

フチ

谷垣が苦しそうに目を閉じる。
「どうしてあんなことを言ったんだ」
絞り出すようにインカㇻマッに問い質す谷垣。

谷垣が辛そうで読んでる方も辛い。

確かにわざわざ言わなくても良かった。

老人に限らず、心労は心身を疲弊させて弱らせるからなぁ。


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毅然とした表情で答えるインカㇻマッ。
「私は占いで出たことを伝えたまでです」
「アシリパさんのまわりに裏切者がいます」

インカㇻマッ

「…………」
絶句する谷垣。

「フチ死んで欲しくない」
チカパシが話始める。
「フチはオレにもごはん食わせてくれた」
「『アイヌは子供がだいじ』だって」
「子供いないとあっちの世界にいけないから」

アイヌは死んだ後、残された者、つまり家族などに送る儀式をしてもらわないと死後の世界に行くことが出来ないから、たとえ自分の子供ではなくとも必死に育てるという。
それを知っている、貧しさに窮した和人がアイヌの村へ子供を捨てることもあるという。
インカㇻマッが解説する。

「チカパシ心配するな…!」
谷垣の表情が決意で引き締まる。
「必ず無事にアシリパを連れて帰ってフチを元気にさせる」
「俺もフチに食べさせてもらった」
「俺もフチの子供だ!」

「いやいや…谷垣ニシパはヒモだよ~」とチカパシ。
「ヒモですね」とインカㇻマッ。

ヒモですね

え~。ここ、感動する流れじゃないの?(笑)

せっかく谷垣がかっこよかったのに残念。


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場面転換。

河原で大きな石に座り込んで苦しそうにしている女性に話しかける男。

「お嬢さんどうかされましたか?」
ハンチング帽をかぶり、バッグを持ち、右目に傷のある男。
「随分と具合が悪そうですが誰か呼びましょうか?」

「持病の癪が…しばらく休めば楽になります」
苦しそうに答える女性。

女性

「ここで休めば体が冷えるでしょう」

「ひょっとしてこの川を渡るおつもりでしたか?」

「はい……向こう岸の病院へ」

「背負っていこう」
背中を見せて屈む男。
「私も旅の途中でちょうど渡るところだ」

「……でも」
戸惑う女性。

「いいからいいから」

促され、おんぶされる女性。
男はおんぶして川を渡っていく。

おんぶ

「ありがとうございます」

左手を男の口に、右手に千枚通しを持つ女性。

「ありがとうございます」

お銀

女は、血で汚れるので頸動脈を狙わず、力がいるので心臓も狙わず、首の後ろから頭蓋骨の穴に千枚通しを入れて脳を掻きだした。

そのまま倒れた死体を川に流す。

女の手には男のバッグが握られている。

蝮のお銀という実在した盗賊だった。

蝮お銀

これは怖すぎる。

どんだけ冷静に人殺しできるんだよ。


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場面転換。

裸足の男が荒野を走っている。

樺戸集治監を脱獄し、二人一組で繋がれていた相方を列車に轢かせて自由を確保し、1日200キロ走って逃げ切った韋駄天。

稲妻強盗坂本慶一郎。

坂本慶一郎

河原でお銀と坂本が見つめ合う。

凶悪同士だからこそ惹かれ合う二人。

お銀と坂本慶一郎

ええ~~!?

急にこの話の展開はなんだ? と思ったけど、これは面白い。

日本版ナチュラルボーンキラーって感じ。

1日200キロ走って逃げるとか強靭な肉体を持っていることを伺わせるエピソードだと思う。

場面転換。

銀行で発砲音。飛び出て来るのは左手に銀行から奪った包みを持ち、右手に銃を持った坂本。

「銀行強盗だ」
馬に乗った警官が叫ぶ。
「あっちへ逃げたぞ」

裸足で駆けていく坂本。

「慶さんッ」
馬に乗ったお銀が坂本の横につけ、坂本が後ろに飛び乗る。

お銀は坂本から受け取った銃を排莢して後ろに撃つ。

夫婦で郵便局、銀行を襲うふたりはこの時代の反権力の象徴となったという。

(走って走って走り続けよう)
馬に乗ったままキスするふたり。
(誰かが俺たちの息の根を止めるまで)

お銀と坂本慶一郎

凶悪だけどどこかロマンチックだよなぁ。

普通に生きてる夫婦より幸福度のピークの値は高いかもしれん。

確か逃亡犯の方が人生の幸福度は高いとかって研究があったような。


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裸のお銀。胴体に大きく蛇の入れ墨がある。

お銀の入れ墨

蝮のお銀のあだ名はお銀の胴に巻き付いたように彫られた蝮の入れ墨が由来だという。

「寂しかったわ」

「俺もさ」
「もうお前を独りにさせない」

「少しでも私のこと考えた?」

強盗を繰り返す凶悪な夫婦生活は10年以上続いたとされた。
しかし空白期間もあり、明治32年に水戸で捕まり監獄へ収監されていたという。

「毎日お銀を思ってたさ」

お銀と坂本慶一郎

お銀を抱く坂本の背には黄金の在り処を示す刺青人皮が。

燃える二人。

次の刺青争奪のターゲットは坂本慶一郎になるということか。

坂本を狙うとしたらお銀も敵に回すことになる。

以上、ゴールデンカムイ第102話のネタバレを含む感想と考察でした。

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