ゴールデンカムイ最新第135話鎖デスマッチの感想(ネタバレ含む)と考察。杉元に迫る二階堂の仕込み銃。そして土方と犬童の因縁の死闘。

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第135話 鎖デスマッチ

第134話のあらすじ

土方と都丹庵士の虚をついて、アシリパは杉元の元へと駆け出していた。

アシリパを追うかと問う都丹庵士に土方は今は教誨堂の犬童を逃がさないことを優先し、教誨堂へと向かう。

一方、アシリパはまずキロランケ、そしてすぐにアシリパを探して駆けまわっていた白石と合流する。

杉元の元へ行こうとするアシリパを兵士が沢山いると白石が引き留め、代わりにキロランケが助けに行くと申し出る。

のっぺら坊が自分の父か否かを判定するために教誨堂に行こうとするアシリパを再び白石が引き留める。

杉元に、アシリパと一緒に正門で待つように言われた、と言い、そして土方がアシリパと杉元を離そうとしていると続けて、アシリパが教誨堂に向かわないように白石は必死に説得する。

それを聞き入れたアシリパは、杉元を助けに行こうとするキロランケに、ウイルクの作ったメノコマキリを託す。

杉元を閉じ込めている壁を手投げ弾で爆破し、救出された杉元はキロランケからのっぺら坊に見せろ、とアシリパのメノコマキリを渡される。
ゴールデンカムイ134話 メノコマキリ
キロランケに自分がのっぺら坊を連れてくるから、正門で白石達と待っててくれと言い、杉元は一人で教誨堂へと向かう。

教誨堂へ向かうその途中、杉元は曳光弾の光に照らされた自分の影のすぐ背後に自分を狙う銃口があるのに気づく。

杉元は左手を大きく振り銃口を逸らして、寸でのところで銃撃を躱す。

杉元に距離を詰められて銃が使えない二階堂は屈んで左手に銃剣を持ち杉元の顔に突きつける。

杉元は開けた口から頬に銃剣を貫かせ、横に寝ていた銃剣の刃を噛んで固定する。

教誨堂に潜入した都丹庵士と土方。

地下室では犬童典獄が本物ののっぺら坊を閉じ込めている鉄格子の鍵を開けていた。

教誨堂内を探索する都丹庵士と土方。

土方とは別の部屋の扉を開いた瞬間、都丹庵士の前頭部に思いっきり鉄球が振り下ろされる。

都丹庵士は崩れ落ちながらも目の前で鉄球を振り落ろした犬童に向けてピストルを放つ。

その銃声がした方に土方が近づいていくと、仰向けに横たわった都丹庵士とその近くの壁にもたれた犬童典獄の姿がある。

土方が都丹庵士の首元に触れて息の有無を確認すると、背後に気配を感じる。

振り向くとそこにはのっぺら坊が杖をついて立ち、土方を真っ直ぐ見つめている。
ゴールデンカムイ134話 のっぺら坊
突然、ライフルを持った土方の左手首に錠がかかる。

犬童が腕を引くとライフルが土方の手から離れ、床に転がる。

犬童と土方はそれぞれ左手首に錠をつけ、互いに引き合う。

二人の間で張り詰める鎖。

犬童は右手にサーベルを持ち、さらに左手で鎖を引き絞る。
「死が…ふたりを分かるまで…」

ゴールデンカムイ最新第134話教誨堂の感想(ネタバレ含む)と考察。ついに登場した...
第134話 教誨堂第133話のあらすじ鶴見中尉に追い詰められた杉元。金塊の在り処を聞けていないことを盾に、のっぺらぼう(偽)に銃口を突きつけて鶴見中尉を脅す杉元。杉元の剣幕に動じない鶴見中尉。その背後から、突如、憎しみに我を忘れた二階堂が杉元に向けて発...

134話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第135話

杉元の左拳が二階堂の右頬にヒット。

続けて銃床で二階堂の顎を救い上げるように打ち付ける。
ゴールデンカムイ135話 杉元と二階堂

そして杉元は銃床を振り上げた腕を戻しながらその流れで、右頬に刺さったままだった二階堂の銃剣を右手で素早く引き抜き、二階堂の顔を狙って突き立てる。

二階堂は杉元を睨みつけながら自身の左頬を右腕で銃剣の刃先をガード。刃先は手首に埋まる。

杉元はさらに二階堂を足裏で思いっきり蹴とばし、二階堂が倒れ込んで距離が出来た所を狙い撃ちにしようと銃を構える。

二階堂は立ち上がるどころか寝転がったまま右膝を腹につけるように折り畳み、右足の裏を杉元に向ける。
ゴールデンカムイ135話 二階堂

杉元は二階堂に銃で狙いを定めながら、二階堂の足裏を自分に向けて来るその妙な仕草に疑問を抱く。

その瞬間、構えていた照準を放棄し、自分に足裏を向けている二階堂の右足に向けて銃床を打ち付ける。

自身に向けられていた足裏が下にずれ、その瞬間に二階堂の右足に仕込まれた銃が火を噴く。

杉元の左足ふくらはぎに銃弾がヒットし、肉が抉れる。

二階堂が腕を後ろに突き出して素早く起き上がり、仰向けに倒れた杉元の顔の上に右足を乗せる。
その右足裏の土踏まずの辺りには銃が発射された穴が露出している。

「洋平ッ 杉元がそっちに行くぜぇ!!」
二階堂は自身のしているヘッドギアの顎の耳に向けて呼びかける。

メギョッ

杉元は素早く二階堂の右足の義手を膝から真反対に折り、足裏を二階堂に向ける。

その瞬間に再び火を噴く仕込み銃。

二階堂に右手にヒットし、右手は原型を留めないほどにまで吹っ飛ぶ。

杉元は二階堂の右足からもぎ取った仕込み銃の義足で二階堂の左頬を激しくフルスイングし、仰向けに倒れた二階堂の顔を何度も義足で打ち付ける。

その時、背後から聞こえた銃声。杉元は素早く反応する。

走ってきた第七師団兵が倒れている二階堂を発見する。

杉元はすぐそばの建物の床下にうつ伏せに身を潜めて第七師団兵の目を免れていた。
二階堂の仕込み銃でえぐれた左ふくらはぎから地面に血が流れている。
ゴールデンカムイ135話 杉元
歯を食いしばり、前を向く杉元。その息は荒い。
「のっぺら坊をアシリパさんに会わせる…アシリパさんに……!!」


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土方対犬童の鎖デスマッチ

教誨堂。

土方と犬童がそれぞれ左手首を鎖で繋がれ、向かい合っている。

「榎本武揚は…いまや『子爵』だ」
サーベルを構える犬童が土方に語り掛ける。
「旧幕府軍として箱館戦争で共に戦った男は貴族になり…かたや土方歳三は年老いた脱獄囚…」

鎖がジャギッ、と音を立て、お互いの間で張り詰める。

土方は鎖に繋がれた左手首を引きながら、犬童を静かに、真っ直ぐ見据える。

「榎本武揚のように明治新政府軍へ下り『任官』でもしていれば30年以上も鎖に繋がれずに済んだものを…!!」
犬童は左手首の鎖をギリギリと引きながら土方を憎らしそうに、恨めしそうに睨め上げる。

土方は右手で腰元の刀をすらりと抜く。
ゴールデンカムイ135話 土方

それを合図にしたように犬童が左腕の鎖を思いっきり後ろに引き、引き寄せられた土方に向けて真っ直ぐにサーベルを突き出す。

刀の腹で軌道を逸らしてサーベルの刃先を躱す土方。

返す刀で切り返す土方の袈裟懸けの斬撃を犬童は眼前に張り詰めた鎖で防ぎ、サーベルで土方の右肩を切り上げる。

土方の右肩に大きな傷が出来、ブワッと血が流れ出る。
ゴールデンカムイ135話 土方

「ふんッ」
犬童は再び思いっきり左手首の鎖を後ろに回すように引き、犬童を中心にして生じた遠心力で土方はバランスを失って床に倒れ込む。

片膝をつき起き上がる土方。肩からの出血は激しさを増し、床をしとどに濡らす。

「命乞いをしろ!!」
犬童が土方にサーベルの刃先を突きつけて叫ぶ。
「私に服従し私の部下になれ」

「毎朝私の靴を磨きご機嫌をとれ!!」

土方は、この期に及んでまだ私に明治新政府へ転べと? と揺るぎない拒否の意思を見せる。

犬童のサーベルによる斬撃。

土方は刀で受ける。


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犬童の土方への執着の理由

土方は、自らの軍門に下れという犬童の真意を見透かしていた。

犬童を始めとした新政府の人間は、徳川への「忠」を新政府は「仇」で返したにも関わらず、国策として国民に対して「忠」を教えなければならなかった。
その自己矛盾の解決のために、今なお「忠」を尽くす土方のような旧幕府軍人の思想を「転向」させて配下に置く事で正当化を図ろうとしていた。

「貴様らは怖いのだ…」
犬童の魂胆を見透かしたような土方の静謐な目が刀と重なる。
「殉教者となった旧幕府軍人が怖くてたまらんのだ」

「忠」を保ったまま死んだ人間は二度と「転び」することもなく時間の経過とともに美化されていくため、自分を殺さなかった、と土方。

犬童自身の、そして死んだ兄の生き様を肯定するために、「忠」に生き、対立している土方を「任官」させて自身の配下に置く。

土方は、それが犬童の歪んだ復讐の成就の時だと喝破する。

「今日この瞬間まで私のような田舎育ちの農民が貴様ら武士を凌ぐ忠義を貫いているという真実に耐えられんのだ」

「四肢を切り落としてでも服従させるッ」
怒りを隠そうともせず、土方に向かって吠える犬童。


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決着

土方は犬童との会話の最中、左手を肩から流れる血を溜める器のような形にしていた。
ゴールデンカムイ135話 土方

流れる血は、いまや土方の掌になみなみと溜まっている。

ジャギィッ

犬童が怒りに任せて左手首の鎖を後ろに引く。

土方はその力に逆らわず、手のひらに溜めていた自らの血を犬童に向けて差し出す。
ゴールデンカムイ135話 土方と犬童

土方の血は犬童の目を塞ぐように目元を濡らす。

犬童の視界は暗転する。僅かに捉えていたのは横たわる都丹庵士のみ。

その瞬間、土方と犬童との間で張り詰めていた鎖がゆるむ。

ズドッ

土方は前に踏み込み、視界を失ってその身を屈めた犬童の左胴を刀で斬り上げる。

犬童に振り向く土方。
「生け捕りに出来るほどまだ老いちゃいない」


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感想

土方かっこよすぎだろ……。

「死んでいった彼らは二度と『転び』することなく時代の経過と共に美化される」

現代における新選組の人気の理由を言い当てたような土方の講釈だった。
確かに、主君に最後まで忠義を尽くす姿は美しい。

犬童が30年もの長い間、土方を牢に閉じ込めていた理由が判明した。
そもそも犬童が自分の生き方に頓着しない性格ならこんなことにはならなかったわけだ。
まぁその場合土方は即処刑だったかもしれないけど……。

犬童は、素直に土方たち旧幕府軍人の「忠」を讃えることは出来なかった。

自分が武士の本分たる「忠」に劣る者だと仮にも認める事など断じてできなかった。

犬童自身が旧幕府軍人の「忠」を認めているからこそ、どうしても土方を服従させたいという執着が生まれたわけだ

つまり、逆説的には犬童にもきちんと武士のプライドがあったということになる。

犬童の、常時、人を恨めしく睨め上げるような目つきは生来の物というだけではなく、後天的に得た執着も関係していたわけだ。

土方は見事に犬童の恨みを受け切って、撃破した。

ほぼ主人公みたいな活躍っぷりでかっこよかったなぁ。


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そして杉元対二階堂の戦い。

二階堂の右足が仕込み銃だと気づいたわけではないだろうけど、杉元の危機察知本能が致命傷を防いだ。

二階堂に止めを刺したわけではないので、また強力になって杉元の前に立つんだろうな。

しかし、失った右手に今度は何を仕込むんだろう……。

何となく、銃砲の類ではなく刃物である気がする。
何と言うか、フック船長みたいなイメージ。何となくだけど……。

さすがにちょっとしつこいなぁとも思うけど、どんどん化け物じみていく二階堂に期待もしている。

物語の最終局面、フルアーマー二階堂は杉元と一騎打ちするということかな。

そしてのっぺら坊を目指して教誨堂へと向かう、脚を負傷した杉元。

杉元は、犬童を片付けた土方とのっぺら坊を取り合って戦うことになるのだろうか?

そうなったら杉元に勝ち目は無い気がするんだけど……。

次回が楽しみ。

以上、ゴールデンカムイ135話のネタバレを含む感想でした。

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136話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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