ゴールデンカムイ最新第144話激突!壁デスマッチの感想(ネタバレ含む)と考察。男の名は岩息舞治。薄らハゲから八百長を指示されるが杉元は……。

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第144話 激突!壁デスマッチ

第143話のあらすじ

夜な夜な行われる男同士での殴り合い、ロシア伝統のスチェンカ。

杉元が、酒場で自身が殴り倒したロシア人の代わりに出場することになる。

月島軍曹が酒場の薄ら禿から聞き出した情報によると、スチェンカは元々は祭りの余興として村対抗で行われていただけだったが、そこに賭けの要素を持ち込んだのは日本から樺太にやってきた奇妙な刺青を持つ日本人なのだという。
ゴールデンカムイ143話 月島軍曹
その囚人は強い相手でなくては戦わないと聞き、杉元はその囚人をおびき寄せる為にもスチェンカで強さを示す必要性を認識する。

杉元はさり気なく谷垣、鯉戸少尉、月島軍曹を巻き込もうとするが、みんなはスチェンカの場に連れてこられたのはそもそもは杉元の短絡的な行動による自業自得に過ぎないと冷静にスチェンカ出場を拒否する。

杉元劣勢の中、ロシア人薄ら禿がやれやれ、と言った調子で日本人だけではロシア人に敵う訳がないと挑発する。

「この薄らハゲ…」

「もう日露戦争を忘れたか」
ゴールデンカムイ143話 谷垣と鯉登少尉
薄ら禿の挑発に乗る形で、杉元と共に日本軍人全員でスチェンカに出場する事に。

歓声と罵声が入り混じる中、舞台に立つ杉元たち。

殴り合いが始まると、杉元たちは自分たちより体格で勝るロシア人を圧倒する躍動を見せる。

そんな杉元たちの活躍を壁際でじっと見つめる囚人。
殴り合いならば不敗の牛山にも勝ったことがあるというその囚人は、熱心に杉元達を見つめる。

日本軍人チームが勝利し、会場は最高潮の盛り上がりを見せる中、杉元は会場の奥、壁にもたれてこちらを見つめる視線に気付く。

「善き哉」
囚人が杉元たちにキラキラと目を輝かせて熱視線を送るのだった。

ゴールデンカムイ最新第143話スチェンカの感想(ネタバレ含む)と考察。ロシア伝統...
第143話 スチェンカ第142話のあらすじ徒歩を嫌い、犬橇での捜索を望む鯉登少尉は、エノノカとの交渉の末にお爺さんを雇うことに成功する。 そして一同は情報収集の為に村唯一の酒場に立ち寄る。 キロランケの写真を見せて、マスターや客に見なかったかと...

143話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第143話 激突!壁デスマッチ

挨拶

ガタイの良い坊主頭の男を追いかけるようにしてスチェンカ会場の外に出た杉元。

おいそこのあんた、と杉元が眼鏡をかけ、男を呼び止める。

「やあ」
振り向く男。カイゼル髭に眼鏡、杉元を見る目は心なしか輝いている。
「良いスチェンカだったぜ君たち……」

「服の上からでも分かるくらい日本人にしてはガタイが良いね」
杉元は男をじっと睨むように見つめながら男に問いかける。
「あんたもスチェンカやるのかい?」

男は質問に答えず杉元をじっと見返す。

俺は杉元佐一だ、と名乗りながら杉元は男に向けて握手を求める。

「岩息舞治(ガンソクマイハル)と申します」
岩息と名乗った男は杉元の手とガシッと握手する。
「日本人が握手で挨拶とは珍しいですな」

ゴールデンカムイ144話 岩息舞治

手を握り合う二人の間にスパークが生じる。

杉元は黙ったまま、臨戦体制に近い雰囲気でじっと岩息を見つめ続ける。

「杉元さん 近いうちにまた会おう」
岩息は目を輝かせて杉元の視線を受ける。

ここにいたのか、と谷垣が杉元に声をかける。
杉元は去り行く岩息を見送っている。

鯉登少尉は杉元に、誰なのか、何を話していたのか、と問いかけるも、杉元は男から視線を外し、何も、と返すのみ。

谷垣は岩息の背中を見つめている。

「……」
彼らのやりとりに加わらず一人沈黙する月島軍曹。


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八百長を持ちかけられる

薄らハゲがマスターを務める村の酒場。

「(日本兵の話はすぐに広まった)」

「(刺青の男に勝てる奴らが現れたと噂になってる)」

薄らハゲは、刺青の男――岩息が今夜のスチェンカに出て、たくさんの客が杉元たちの勝利に金を賭ける。そして杉元たちがわざと負ければ岩息に賭ける予定の俺が大勝出来る、と続ける。

「そんなことより犬を返す約束は?」
チカパシが訊ねる。

ゴールデンカムイ144話 チカパシ、エノノカ、じいちゃん

心配そうにその様子を見つめるエノノカとじいちゃん。

「『八百長が終わったら返す』と言ってる」
不敵な笑いを見せる薄らハゲの言い分を月島軍曹が訳す。

ブッチン ブッチン

「Aaaaaaa!」
悲鳴を上げる薄らハゲ。

杉元は薄らハゲを俯せに床に組み伏せ、乱暴に髪の毛をむしりとる。

「北海道のアイヌは刑罰で鼻や耳を削ぐものがあるそうだが…樺太アイヌはどうなんだ? エノノカ」
谷垣は杉元と薄らハゲを横目で見つめながら傍らのエノノカに冷静に訊ねる。

谷垣をじっと見上げていたエノノカ。
「指のさきっちょ きるよ!」
目を鋭くして、盗人に対する樺太アイヌの刑罰である人差し指を切断するジェスチャーを交えて答える。

ゴールデンカムイ144話 エノノカ


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薄らハゲが床に組み伏せられたまま何やらわめいている。

「俺たちが刺青の男を追っていたことを本人にバラすと言ってるぞコイツ」
月島軍曹が訳す。

薄らハゲの上に圧し掛かった杉元が、お前交渉の相手を間違えたな、と冷たく一言声をかける。

「月島軍曹 このあとの我々の予定をこいつに伝えろ」

犬を返すまで指を斬り落としていき、裏庭に埋めた後スチェンカ会場に行って刺青の男を確認。

スチェンカをすることなく男を射殺。刺青を剥ぐ。

鯉登少尉は淡々と述べていく。


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キロランケの情報をちらつかせる薄らハゲ

「(お前たちが持っていた写真の男の情報がまだある)」
必死にわめく薄らハゲ。

「こいつの情報がまだあるのか? 行方を知ってるのか?」
月島軍曹はキロランケの写真を薄らハゲに見せながら問いかける。

杉元は薄らハゲの顔を床に押し付けたまま、ハゲをじっと見つめる。

人指し指からだ、と鯉登少尉が軍刀を抜く。

ちょっと待った、と杉元が鯉登少尉の前に手をかざして動きを制する。
「本当に何か知っているかもしれない」

この場を逃れる為のでまかせだ、と鯉登少尉。

谷垣も、一切信用出来ないと鯉登少尉に同意する。
「杉元らしくないな もっと合理的な奴だと思っていたが」

「こいつの口車に乗ってまた『賭けスチェンカ』なんぞ時間と労力の無駄だ」
月島軍曹も続く。

ごめんなエノノカちゃん、と杉元はエノノカに謝りながらも、アシリパに繋がる情報として万にひとつでも可能性があるなら無視は出来ないと続ける。


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全てが丸く収まる妙案

盛り上がっているスチェンカ会場。

「来た来た 待ってましたッ」

「お前らに張ったぞ日本軍」

「絶対勝てよ 兵隊さん」

オーディエンスの熱気に包まれた舞台へと進む杉元たち。

既に上半身裸の谷垣。
鯉登少尉と月島軍曹は裸の上半身にコートを羽織っている。

対戦相手のロシア人チーム。

4人の内3人のロシア人は既に上半身裸で、杉元たちを睨みつける。

杉元たちに背を向ける形で、コートを羽織っていた岩息が両腕を天に突き上げる。

ゴールデンカムイ144話 岩息舞治

コートが剥がれるように落ちると、筋骨隆々の背筋と、そこに刻まれている刺青が露出する。


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(暗号の刺青…!!)
岩息を見つめる杉元たち。

「はあッ☆」
目を輝かせて杉元たちに振り返る岩息。

杉元以外の日本軍チームメンバーが気付く。

「あの時の男じゃないか」

もしかして刺青の囚人だって気付いてたのか? と谷垣は杉元に問いかける。

「杉元おまえ…こいつとスチェンカしたくて黙ってたろ」

ゴールデンカムイ144話 月島軍曹

月島軍曹の言葉を肯定するように何も言い返す事無く、杉元はコートをゆっくりと脱ぐ。

じゃあ八百長はどうするんだ? と谷垣。

ワザと負ける気なんてさらさら無さそうだ、と月島軍曹。

勝ったら情報は得られず、杉元の言う「万にひとつの可能性」も無くなるじゃないか、と鯉登少尉。

杉元はバンテージを巻いた両拳を胸の前で合わせてロシア人たちを見つめたまま、全てがきれいに収まる妙案があるから遠慮なく全力で殴り合えとだけ答える。


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犬奪還作戦

村の酒場。

エノノカがチカパシに、こちらに歩いてくるロシア人に見つからないよう隠れるように注意する。

チカパシとエノノカ、そしてリュウは酒場の壁に身を隠しながら、犬を盗んだおしゃべりロシア人を見張っている。

仲間なのにスチェンカ会場に行っていないのはおかしい、とエノノカが呟く。

チカパシは、あのおしゃべりロシア人が犬を見張っていると見抜く。

「今のうちに俺たちで取り返すぞ!」

スチェンカ会場では殴り合いが開始されようとしていた。

「(用意!)」

「(殴れッ!)」

ボコンッ

開始早々、吹っ飛ぶ杉元。

他のメンバーは吹っ飛んだ杉元を目で追う。

驚きを隠せない様子の谷垣と鯉登少尉。

月島軍曹は少し驚いたように目を開くのみ。

舞台の簀の子状の壁にもたれる杉元。

「もっと!! 杉元さんを!!」
杉元を吹っ飛ばした岩息が興奮した様子でまくしたてる。
「教えてくれッ」
首の血管は頬にまで達している。

ゴールデンカムイ144話 岩息舞治

「う”あッ☆」

杉元に思いっきり右ストレートを入れられて岩息が声を上げる。


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感想

岩息舞治と杉元

殴る事を自己表現だと言ってはばからない岩息。

これまで出てきた囚人とはまた別次元の変態だが、杉元との親和性は高そうだ(笑)。

杉元は岩息が刺青の男であると、実際に岩息の刺青を見る前に看破していたようだ。

岩息は、一度逃がしたらもう次に見つけ出すのは不可能かもしれないため、絶対に逃がしてはいけない相手。

しかし杉元があえて見逃したのはスチェンカで戦ってみたかったからだった。

岩息もまた杉元と戦いたがっていることを杉元ははっきりと感じ取っていた為、確信を持って次のスチェンカを待つ事を選択した。

自身の強さに誇りを持つ二人だからこそ成し得た絆と言えるのかもしれない。

当然、薄らハゲが付きつけてきた八百長なんてやってられないわな。

ヒョードルだけ分かった(笑)

真ん中のロシア人がヒョードルなのはわかる。

しかし何しろ格闘技に詳しくないものだから、あとの二人が分からない。

ゴールデンカムイ144話 ロシア人

分かる人、是非教えて欲しい……。

–追記–
なななあさんがコメントで教えてくれました。

左からヴォルク=ハン。
ヴォルク=ハン
エメリヤーエンコ=ヒョードル。

エメリヤーエンコ=ヒョードル

そしてミルコ=クロコップ。

ミルコ=クロコップ

調べてみましたが、いずれも総合格闘家。実績がヤバイ。

こんな連中(あくまでモデルですがw)の一員である岩息舞治の実力も相当なもの。

殴り合いなら牛山に勝つって言うんだから作中でもフィジカルはトップクラス。

杉元たちはボス級の相手と戦おうとしているわけですね……。

–追記終了–

月島軍曹……カッコ良過ぎ

月島軍曹は岩息との殴り合いを望む杉元に早い段階から気付いていた。
そこから導き出される結論として、岩息が刺青人皮を持つ囚人であることも察していたのではないか。

それでも、その場で杉元にそれを指摘せずに岩息を見逃したのは杉元と岩息がお互いに戦いたがっていることを察した為だろう。

これは「洞察力があって空気が読める」という方が正しいのだろうけど、それでもあえて「漢の会話が分かっている」と理解したい。

やはり月島軍曹はカッコ良い。


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チカパシ、男になれるか

チカパシとエノノカがおしゃべりロシア人から盗まれた犬を取り返そうと様子を窺っている。

これは恐らく杉元の指示だろう。

犬をとり戻せて、アシリパの情報も手に入れられる、という杉元の確信めいた言葉は何か手を打っているからに他ならない。

大切な役目を任せるあたり、杉元はチカパシを信用してるな~、と嬉しくなった。

そして、天涯孤独の身であるチカパシだからこそ杉元に頼られる経験は大切な事ではないかな、と思う。

谷垣や杉元を初め、色々な男から学ぶ事でチカパシは良い男になっていくに違いない。

最終的には、エノノカの村に居を構えそうな気がする。
樺太に辿り着き、杉元たちに言った「北海道に戻っても俺が居る場所がない」という哀しい言葉はそのフラグであり、チカパシは樺太に居場所を見つけるのだと思う。

ガンバレ、チカパシ~。


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八百長をやらずにアシリパの情報を得る手段

やはり今回の話で気になったのは、杉元が言った「全てが丸く収まる妙案」。

犬を取り戻すのはチカパシとして、アシリパの情報を得るならば薄らハゲの言う通りワザと負けなくてはいけない。

杉元たちが勝ったら喋らない、という事だろうが、良く考えれば律義に言うとおりにしなくても良いんじゃないか。

勝った後、薄らハゲを速やかに拘束して拷問するだけで良いような気がしてきた(笑)。

人質ならぬ、犬質をとられているためにスチェンカに出場せざるを得なかった杉元たちにとって、犬を取り戻せればそれで良いからだ。

でも、「妙案」はこんな荒い方法ではなく、もっと別のスマートな方法であって欲しいとも思う。

来週が楽しみだ。

以上、ゴールデンカムイ第144話のネタバレを含む感想と考察でした。

第145話に続きます。

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コメント

  1. なななあ より:

    左からヴォルクハン、ヒョードル、ミルコですね

    • ゴン より:

      おおお! ありがとうございます!!

      スッキリしました!!!

      右端はミルコなんですね。名前は知ってたのに繋がらなかった……。
      写真と見比べてみると確かに髪型がミルコですね。

      ヴォルクハンは恥ずかしながら聞いた事がありませんでした。
      なるほど。これは特長を良くとらえてる(笑)。

      いやー、勉強になりました。ありがとうございます!