第101回 鯉登少尉叱られる
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「アシリパさん起きてくれッ」
「何か揺らされてるッ」
「追っ手か!?」と杉元。
アシリパも起きて杉元ら一行を追跡してきた第七師団の兵士たちかが来たのかと周囲を警戒しつつ外を伺う。
「あッ」
そこにはヒグマが群れを成していた。
「シカの内臓のニオイで集まってきやがったか」と尾形。
エゾシカからくり抜いた内臓の匂いがヒグマを集めてしまったらしい。
まだ寝ている白石が肛門から首を出した状態のエゾシカ皮が、獲物だと認識したヒグマによって運ばれていく。
「白石が持って行かれる!!」杉元がにわかに焦る。
しかし、次の瞬間、白石は幸いにも(?)ブリッとエゾシカ皮の肛門から外へ抜け出ることに成功する。
「おぎゃあ」とまるで赤ちゃんのように声を上げる白石のその不気味さからか、「ブオオッ」と怯んだ様子で逃走を図るヒグマ。
杉元が驚愕の様子で見つめる。
これは怖い。
面白いけど、実際出くわしたらこれはマジで恐怖しかない(笑)。
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「『ヒグマがたくさんいるところ』という意味だ」
さすが、ヒグマの生態から、ライフサイクルまでを知り尽くしているアシリパ。
ヒグマは今まさに繁殖期の真っ最中で、群れを成して行動しているとのこと。
シカの肉はあきらめることに。
また物語上のヒグマの脅威度が増してきた。
「さすがに追っ手もあの天候では進めなかっただろうが…」と杉元。
「このまま諦めて帰るとは思えない」
「追っ手は俺達が網走方面へ下山すると読んでるはずだ」と杉元。
杉元は、その思惑をついて十勝方面へ降り、追っ手を撒きつつ別方向の釧路へ渡ることを提案。
網走は大雪山から真東の方角。それに対して釧路は東南の方角になる。
結構大きく方角が変わるので、追跡者である第七師団の勘違いを突ければ彼らを撒けて、時間稼ぎになるだろう。
杉元は以前、もう既に死んでしまった鈴川の口から「釧路に囚人がいる」と情報を得ていた。
杉元の読みは当たるか。
当たればまたしばらく時間が稼げる。
釧路に行ったらまた新しい囚人に会えるのだろうか。
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「鹿肉を食べたかったぜ」杉元が、罠でぺったんこになったネズミを持ちながら言う。
「ヒグマめ」
罠が作動する音がして、アシリパの顔が輝く。
罠にかかったのは白石だった。
白石は何をやっとる(笑)。
相変わらずだなぁ。
一室で鶴見中尉を正座で待つ、月島軍曹と鯉登中尉。
白石を奪還されてしまった鯉登は落ち着きがない様子でため息をつく鯉登少尉。
「鶴見中尉殿に叱られる」
「白石由竹を逃したと聞いてさぞかしお怒りだろう?」焦る鯉登。
「どんな様子だった? 月島軍曹ぉ……」そわそわしている。
「鶴見中尉殿は私の事を何か言っていなかったか?」
失敗を気にしまくる鯉登少尉が可愛すぎる。
鶴見中尉への報告、一体どうするんだ鯉登少尉。
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「言わなくていいッ」
月島軍曹が鯉登に答えようとした瞬間、強い語気で遮る鯉登中尉。
「わかってる月島ぁ!!」
現実を直視したくない鯉登少尉。
鶴見中尉から逃がすなと厳命を受けていた白石を逃がすという失態。
やはりあれはあまりにも痛すぎる失敗だったもんなぁ。
杉元らにとってもキーマンだったことを鶴見中尉が知っていたかどうかは分からないけど、白石は絶対逃がしてはいけない男だった。
尊敬してやまない鶴見が絶対逃がしてはいけないと思っていた白石の監禁に失敗した。
これは鯉登からしたらつらいだろう。
意味不明に取り乱し、正座のまま後ろに倒れ、吠えまくる鯉登中尉。
まぁこうなってもしょうがない(笑)。
月島軍曹が鯉登少尉の気を紛らわすように写真を出す。
「ホラホラ頼まれていた写真を持ってきましたよ」
即座に反応する鯉登少尉。
「おお~ッ」
その写真は鶴見中尉と月島軍曹のツーショットだった。
newブロマイドキターーーー。
鯉登少尉も異常者なんだよなぁ。
野田サトル先生、ちょっと色々キャラ立ちさせすぎじゃないですか?(笑)
確かに過去、インタビューで変態をいっぱい出したいと言ってたけど本当にいっぱい出して来るなんて(笑)。
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興奮した様子で月島軍曹に言う鯉登。
「鶴見中尉殿のお顔に傷が無いから 奉天会戦の前くらいか?」
鶴見中尉と月島軍曹は絆が強いなと思っていたけど、やはり激戦を生き抜いた戦友というのは大きいよなぁと思う。
以前、尾形に江渡貝の館で鶴見に唆されているようなことを言っていたけど、月島軍曹はそんなつもりはないんだろう。
心から羨ましそうな様子で言う鯉登少尉。
「あとほんの少し早く生まれていれば…私もお供することが出来たのに…」
なるほど。鯉登少尉は日露戦争には行っていないということが分かる。
鯉登少尉は若くして出世してきたエリートなんだということが読み取れる。
士官学校を卒業したばかりの鯉登少尉は経験豊富な選任軍曹である月島軍曹の補佐を受けて上に上がるという。
鯉登少尉は写真の中の月島軍曹の顔の部分を自らの写真にコラージュする。
そんな鯉登少尉に若干引き気味の月島軍曹。
アイコラと発想が同じやんけ(笑)。
大丈夫なのか鯉登少尉。
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鯉登少尉が月島軍曹に頼む。
「米をつぶして糊を作ってくれ」
「嫌です」そっぽを向いて短く拒否する月島軍曹。
まぁ月島軍曹からしたらいい気分はしないし、何より怖いし(笑)。
月島軍曹は数少ない比較的まともな軍人だからあまり乗っかることもできないわな(笑)。
突如、鶴見中尉がやってくる。
「キエエエエエエエッ!!」
動物の如く、あるいは剣術の気合の如く叫ぶ鯉登少尉。
「鶴見中尉殿!!」
花畑の中に鶴見中尉がいる様子が鯉登少尉の心象風景を飾る。
もはや好きすぎて怖いみたいな感じだなぁ。
怒られるというより嫌われるのが怖いと思ってそう。
「ytrじぇhぎkr@!!」土下座する鯉登少尉。
「あぺいrgp「@あえうぃry「うぇい「りぃ!!」薩摩弁で、ひたすら何事かをしゃべり続ける鯉登少尉。
薩摩弁デターーー。
鯉登少尉の切羽詰まった様子を良く示している。
「ふーー…」鶴見中尉の言葉に従うかたちで息を整える鯉登。
「sdふぁsdfがsがsdがsdfがsdfg」真顔で薩摩弁を離す鯉登少尉。
「分からんッ!!」突っ込む鶴見中尉。
面白すぎ。コント集団第七師団(笑)。
ただ、これも鶴見中尉のカリスマ性を伺わせる描写だと思う。
鯉登少尉みたいな従順で有能な人材には良く別に目をかけているだろうし。
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往生した鯉登少尉が月島軍曹に助けを求める。
「白石に逃げられはしましたが入れ墨は写しておきましたと言え」
ヒソヒソと耳うちする鯉登少尉。
「白石の入れ墨は写してあるそうです」鯉登少尉に素直に従う形で鶴見中尉に報告する月島軍曹。
「どうして私にだけ早口の薩摩弁になるのだ鯉登少尉」
鶴見中尉が鯉登少尉を詰める。
鶴見中尉は、鯉登少尉に対してそういう詰め方やめてあげて欲しい……。
かわいそう。
「それをみすみす敵の手に渡すとは」
「失望したぞ鯉登少尉」
鶴見中尉の言葉を受けて、思わず後ろに倒れて戸にぶつかってしまう鯉登少尉。
尊敬する人から得た仕事に失敗して、なおかつこういう詰め方されたら……と考えると鯉登少尉の気持ちが良くわかる。
そりゃ倒れるわ(笑)。
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ドヤ顔で身に着けていた刺青人皮を披露する鯉登。
「ほお……似合ってるじゃないか」と鶴見中尉。
「網走監獄の典獄に化けていた囚人の皮だな?」
あー! 鈴川聖弘の皮だ。
気づいて剥いだんだな
「情報を統合するに この刺青人皮は詐欺師の鈴川聖弘とみていいだろう」
そうか。よく考えてみれば、鈴川聖弘の囚人の刺青人皮を得るという思わぬ収穫があったんだ。
良かったね鯉登少尉。
ホッとする鯉登。
「ただ……『せん』が甘いな」鶴見中尉。
「そういうところだぞ! 鯉登少尉」
ビタンビタンお辞儀を繰り返す鯉登少尉。
これは江渡貝から得た知識。
せんとは皮についている肉を削ぎ落すことで、この工程が甘いとカビたり腐ったりするからしっかりと処理しないといけない。
ただ、これはちょっとかわいそうかも。
せんの工程に関して知識があるわけではないだろうし。
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「のっぺらぼうは囚人に小樽へ行けと指示している」
「罠をはれば脱獄囚がかかる可能性はまだあるはずだ」
ジョジョかよ、と思ったあなたは往年のジャンプフリーク(笑)。
このセリフは少なからずジョジョを意識してると思うけどどうなんだろう。
そして、鶴見中尉は一体どんな罠を仕掛けるんだろう。
鯉登少尉はへなへなと萎れるように座り込んでしまう。
「小樽で私の囚人狩りに参加するのだ」と鶴見中尉。
鯉登少尉の心象風景に再び花畑にいる鶴見中尉。
天にも昇るような顔つきの鯉登少尉。
良かったね。仕事はまだくれるみたい。
鯉登少尉の気持ちは地獄を這いまわっている状態から一気に天国に登ったのに等しい落差を味わっていると思う。
「精進いたしますと言ってます」と素直に鯉登少尉の言うことを鶴見に伝える月島軍曹。
(面倒くさい)面倒くさいという無表情で月島軍曹が心中で思う。
面倒くさいのはわかるけどね(笑)。
かわいいじゃないか。
まぁ位が上だから月島軍曹はしょうがないね。
次はいよいよ釧路か?
期待。
以上、ゴールデンカムイ第101話のネタバレを含む感想と考察でした。
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