第95話 似ているもの
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川の水をフキの葉で掬って飲もうとすると尾形の銃によって葉っぱだけが撃ち抜かれる。
さらに鈴川の目の前を矢が走って木の幹に刺さる。
「エンカ オピウキ ヤン(私を助けて!)」
民家に逃げ込んで助けを求める鈴川。とそこにいたのはキロランケだった。
鈴川、自分たちが監視監禁していたアイヌの村の女達が言ってた助けを求めるアイヌ語をきちんと学んでいたようだ。
そして何気なく飛び出す尾形の神業。
水を求める鈴川に背後から杉元が尻を銃剣で突く。
民家から逃げ出そうとする鈴川の足をひっかけて土方がうつ伏せに転ばし、その上に尻からのしかかる牛山。
「俺たちから逃げられると思ったか?」
鈴川が言うけど、まさにさるかに合戦だ(笑)。
鈴川は本当にひどいことをアイヌの村に行ったからしょうがないね。
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二千メートルまで目盛りがあるからそこまで弾丸が届く、二千メートル以上逃げ切れるか試すかとすごむ尾形。
「その前にストゥでぶん殴ってやる」大きな制裁棒をよたつきながら構えるアシリパ。
「あんたの…デカイな…」とキロランケ、
「お前のも立派だぜ…」応える牛山がお互いの持つ制裁棒を見せあう。
尾形の射撃技術は半端じゃないから脅しが単なるハッタリじゃなく、本気なんだと分かるんだよなぁ。
キロランケと牛山のやりとり、野田サトル先生は腐女子層の掘り起こしを狙ったか(笑)。
キロランケはともかく牛山は無いだろう(笑)。
民家の中、鈴川が吠える。
「俺にどうしろっていうんだ!!」
端的に答える土方。「お前が樺戸監獄に潜入して熊岸長庵を脱獄させたように第七師団から白石を助け出せ」
付け足す永倉。「方法を考えろ!お前は詐欺師だろ」
助け出せ。それが自分たちの戦力、知識では困難なことはみんな分かっているから、だから熊岸を脱獄させたスキルのある鈴川に頼んでいるわけだ。
たしかに永倉の言う通り鈴川に考えさせた方がいいかも。
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「おい鈴川…協力しないなら俺がお前の皮を剥ぐ」
「この計画でドジを踏めばお前は第七師団に皮を剥がされる」
「お前が皮を剥がされずに済む道は計画を成功させるしかない」
「白石が旭川第七師団の兵営のどこにいるのか…中に潜入して探らなければなるまい」とキロランケ。
「関係者に成りすますか?」と牛山。
「カムイコタンでの一件で警戒しているはずだからよほどの関係者じゃない限り簡単に教えるはずがない」と永倉。
「東京の師団の上級将校とかは?」と杉元。
「いや…軍は上に行くほど横のつながりが強いから架空の上級将校はバレる」と尾形。
外で犬が吠える。
「イヌ…」反応する鈴川。「犬童四郎助はどうだろうか」
あの樺戸監獄で土方の目の輝きが無くなるまで閉じ込めると執念を見せていた犬童。
彼に変身などできるのだろうか。
変装というと特殊メイクが思い浮かぶけど、そういう技術は使うのか?
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「似てるのか?」と杉元。
「似てないですよね」
「似てない」
永倉と土方が即答。
たしかに現時点では似ていない。果たしてあのいかめしい顔付きに変装可能なのだろうか。
「誰か実在の人物に成りすますってのはその人物と似ていない部分を減らすってことだ」
「まず髪を切り眉毛も薄くする 髪の毛を前に流していたっけ」
驚く牛山。「おお……なんとなく似てきたかも」
「第七師団内に網走監獄の典獄と親しい人間がいる可能性は低いがよほど似てないと多少面識のある人間にならバレちまうぞ?大丈夫か?」と尾形。
「犬童は…厳格で潔癖 規律の鬼といわれながらも個人的な恨みで私を幽閉する矛盾を持ち合わせている 心の歪みが顔に現れている」と土方。
「たしかに……性格って顔に出るよな ヒグマもキツネっぽい顔付きしてて睨んでくるのは気性の荒いヒグマだって そうなんだよねアシリパさん」アシリパを見る杉元。
寝ているアシリパに対して「ダメだ…おねむの時間だ」
「ふむふむ ならばこれでどうかな」そこには犬童そのものといって良いほど似ている鈴川の姿。
「……!!」息を飲む一同。
「…で 網走監獄の典獄に化けて第七師団相手にどうしようってんだ?」と杉元。
「俺に考えがある」寝転がりながら答える鈴川。「まあ……焦るなって 準備が必要だ」
あの冷徹な犬童がそこにそのまま現れたかのような変装。
鈴川聖弘おそるべし。
相対した経験がある人間から全く反駁が無いことからもその出来の良さがうかがえる。
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「ほっとけよ 眠いと機嫌が……」と杉元。
アシリパを膝に座らせる土方。「やれやれこの子は大物だ…」
「…あッ!!」何かを思い出す杉元。
胡坐をかいていて顔が見えない何者か。「アシリパを裏切り……命を脅かす人間がいる」
たしかにアシリパさんは大物だと思う。
杉元は何に気づいたんだろう。ここは正直よくわからない。
「インカㇻマッが勝手に言ってることだから信じる必要は無いが……この旅の目的はアシリパを無事にお婆ちゃんの元へ連れて帰ること」と谷垣。「これは俺に役目なのだ」
「うん」チカパシが答える。
「だがヒモは良くない 自分たちの食い扶持は稼がなくてはな 獲物を見つけたら教えろチカパシ!」
「谷垣ニㇱパいたよ!」
「チカパシ!クワガタはカネにならない 鹿とかだ」
場面転換。夕張。
真面目だなぁ谷垣は。
たしかにヒモは良くないし、チカパシがいるから余計に仕事する姿を見せないといけないけどね。
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「すみません!このへんで…」
「当てましょう。当たったら鑑定料を頂きます」とインカㇻマッ。
男に向けて手のひらを上にして腕を伸ばすインカㇻマッ。
「なんですか?」戸惑う男。
「ウエインカㇻ…「千里眼」です 手のひらを上にして指先を透かすようにして相手の顔を見る」
「あなたは女性を探していますね? 血縁でも恋人でも友人でもない関係……」
目を見張る男。
さすがはインカㇻマッ。能力は本物。
「あんんた逃げる千鶴子に会ったんだな? だから知ってるんだ」怒りに満ちた表情の男。
「畜生……舐めやがって何が千里眼だ どいつもこいつも使えるわけねえだろ」
「三船千鶴子は熊本の炭鉱脈を探し当て大金を手に入れたこともある有名な超能力者だ」
「大学教授ですら透視能力を認めた まあ眉唾だが……大事なのはその肩書だ」
「これから夕張炭鉱会社のお偉いさん方と会う約束をしていたが金づるに逃げられちまった」
「はるばる夕張まで来て手ぶらじゃ帰れねぇ」銃口をインカㇻマッに突きつける男。
「あんたが三船千鶴子に成りすませ!」
微笑を崩さないインカㇻマッ。
三船千鶴子といえば映画リングで出てきたのを思い出す。
実在の人物で、東大の福来博士による千里眼実験で結果を出したとかそんな人だったはず。
こういう実在の人物が名前だけでも出てくると個人的には話ががぜん面白くなってくる。
時代設定も合っているし、次が気になる。
以上、ゴールデンカムイ第95話のネタバレを含む感想と考察でした。
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