第89話 沈黙のコタン
前回第88話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。
杉元の叫びが村中にこだまする。
潜伏している脱獄囚たちが様子を感じ取って緊張感が高まる。
「今の叫び声は一緒に来た人かね?」と熊岸。
男たちは皆樺戸監獄の脱獄囚。凶悪で、自分には止められないという。
「杉元が怒ってる…」とアシリパ。
「むしろ気の毒なのは偽アイヌの囚人たちだ…!」
鬼神の如き杉元が見られる。嬉しい。
アシリパは杉元の力を認めてることが改めて良くわかる。
弟は正体を現し叫ぶ。
「俺のひと声で外にいる仲間があのガキの喉を掻き切るぜ」
「お前ら武器を捨てろッ」
小刀を抜こうとする。
次の刹那、棒を弟の口に突っ込んで
テコの原理で一瞬で首の骨を折る杉元。
「ひと声出せるもんなら出してみろッ」
怖ぇぇ。容赦のない描写に凄みを感じる。
アシリパが心配なあまりこうなったんだから
杉元のアシリパに対する思いの深さが知れようもの。
囚人たちはついてなかった。
よりによってアシリパさんを初めに狙うとは。
スポンサードリンク
そのエクロクの動きを察知して背中に銃弾を撃ち込む尾形。
「エクロク爺さん」排莢しながら尾形。
「アイヌ語で命乞いはどういうんだ?」
尾形、杉元の銃を拾って持ち主に投げ渡す。
「銃から目を離すな一等卒ッ」
キャッチする杉元。
尾形いい仕事するね。
問題が芽の内に冷静に摘むこの判断力。
牛山は向かってきた矢を防ぐために
エクロクの足を掴んで振り回して盾にする。
エクロクは腹に矢を受ける。
牛山、そのままエクロクの身体を持ち上げ、
矢を放ってきた男たちに向けて投げる。
牛山はつくづく化け物だな。
不敗の牛山の名は伊達じゃない。
実際杉元と戦っても勝つんじゃないか?
スポンサードリンク
手斧を銃身で防ぎ、銃剣を包丁の男の喉元に突き刺す。
そのまま包丁を奪って今度は手斧の男の目から頭に刺す。
一瞬で襲ってきた二人を無力化する杉元。
「アシリパさん!!」
流れるような動きが歴戦の勇士であることを物語る。
杉元強すぎだろ。
「待ちなさい」と熊岸。「まだ見張りが…」
そこへ手斧を持った男がやってくる。
「おいおい熊岸ッそのガキ逃がす気か?」
アイヌの女が杵のような道具で男の後頭部を打つ。
アイヌの女たちは機をみて各々手に武器をとり、
男たちに抗戦するために立ち上がっていた。
アシリパさんは大丈夫か?
アイヌの女性に救われた形にはなったが、
まだ戦闘の状況は続くはず。
スポンサードリンク
次の瞬間、脱獄囚の頭が弾け飛ぶ。
「俺も別に好きじゃねぇぜ杉元…」排莢しながら尾形。
杉元をフォローしていた。
騒ぎに乗じてそーっと逃げ出そうとする村長。
尾形、杉元のフォロー役になってる。
冷静に状況を見て杉元、牛山が先行するなら
二人を援護しようという方針のように思える。
ある意味尾形にぴったりの役目と言えるかも。
スポンサードリンク
ふいをつかれて脱獄囚の突き出した槍が右上腕に刺さる。
筋肉に力を込めて槍の刃を折り、
後ろに回り込んで抱き込むと裏投げの要領で投げ飛ばす。
投げた先には熊の檻の支柱があり、破壊してしまう。
「しまった」
崩れ落ちる熊の檻。
筋肉で槍を折っちゃうってどういうこと(笑)。
牛山はきっと、急所に致命傷を受けない限り活動を止めないんだろう。
ぎゅうぎゅうに羆の身体が詰まった熊の檻はやはりフラグだったか。
ずっと身動き出来ずに閉じ込められて狂気をまとったヒグマが降臨。
「今出て行くと巻き込まれるぞ」とアシリパ。
「お前に何かあれば私たちが困る」
続けてアシリパは刺青人皮の判別をして欲しい、そのために熊岸に会いに樺戸へ向かっていたことを伝える。
「お前が贋作師の熊岸長庵だな?」
果たして協力してくれるのか?
スポンサードリンク
猛烈な勢いで叫び、近くの家にいた脱獄囚に襲い掛かる。
解き放たれたヒグマは囚人たちを次々に襲う。
なすすべなくやられていく囚人たち。
加えてアイヌの女性たちも武器を持ち
囚人たちに反撃をくらわす。
杉元乱戦。奪った手斧を脱獄囚の男の頭に振り下ろし、
銃床で別の男の顔を打つ。
囚人たちは徐々に制圧されていってるようでよかった。
だが、狂暴なヒグマがいるから次はこいつをなんとかしないと。
絵だけでは食べられず、贋作、贋札は頼まれたからで好きで作っていないという。
「でもね…これはさっきキミが知りたがっていたことの糸口になるかもしれないんだが……」
「アシリパさん!!良かった無事だったか!!」
杉元が駆け込んで来た。
「キミの仲間か?」
問う熊岸に杉元無表情で銃口を向ける。
「駄目だ杉元ッ」アシリパが制止する。
「この男が熊岸長庵だ!!」
銃を下ろし、
「え?熊岸がなんでこんな所に?」当然の疑問を口にする杉元。
「ううっ」
次の瞬間杉元の背後から発射された矢が、熊岸の腹に刺さる。
あああ。
せっかく、幸運にも会えたというのに。
果たして熊岸の運命は。
第90話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。