ゴールデンカムイ最新第167話白くらみの感想(ネタバレ含む)と考察。猛吹雪で体力を削られていく杉元たちに射した希望の光。

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前話第166話 頼みのあらすじ

占い

ウイルタ民族の男が何かを削っている。

それを見たアシリパが何をしているのかと疑問を口にすると、キロランケは自分たちを占う為にトナカイの肩甲骨の肉を削いできれいにしてくれているのだと答える。

ウイルタ民族は骨を焼き、そこに表出した亀裂で様々な事を占う。

占いの結果を顔を強張らせて問う白石。

結果は『後方から人が来る』というものだった。


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「……」
無言のアシリパ。

不吉な結果ではないかと若干青ざめた様子の白石に、占いを行った人物は顔を横に振って見せる。

キロランケは他の肩甲骨を手に取り、不吉な亀裂はこんな形らしい、とそこに表れている亀裂を指さす。
「意味は…『誰か死ぬ』」

「そんな亀裂が出なくてよかったぁ」
白石は顔を緩ませて胸を撫でおろす。


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別れ

翌朝。

キロランケ達はウイルタ民族に見送られテントを後にしようとしている。

彼らはウイルタの好意で、北に住む兄弟に届けるお使いとして飼馴鹿を一頭貸与されていた。

「ブー シュッタイ オルキンバ アンドゥチプ(あなた方には申し訳ないことをした)」
キロランケは負傷したおじさんを真っ直ぐ見つめながら本当に申し訳なさそうに、誠実に謝罪する。

「アヤーアヤー(いいよいいよ)」
頭に包帯を巻いたおじさんは笑顔を浮かべてキロランケの肩に触れる。


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「白石由竹…お前ともここで別れよう」
キロランケは白石に振り返り話しかける。

キロランケは、白石が恐れているように自分はロシアから追われるお尋ね者で、行動を共にすることで非常に危険が伴うと前置きし、白石の肩に手を置く。
「俺から『逃げる』必要なんかねえんだぜ」

それを黙って聞いていた尾形は、白石の刺青の写しは土方歳三と鶴見中尉が持っているので引き止める理由も無いと白石の逃亡を後押しする。

アシリパはじっとそのやりとりを見つめている。

「確かに命あっての物種ってな」
白石は、自分とアシリパでは背負うものが違う、と目を伏せる。


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「お前にはいろいろ助けられた シライシありがとう」
白石に感謝と共に笑顔で別れを告げるアシリパ。
「元気でな 変なやつに捕まるなよ」

白石は吹っ切れたような晴れやかな表情でキロランケ、尾形、飼馴鹿にまたがるアシリパの背中を見送っていた。

「さてと…」
ウイルタたちと手を振っていた白石は、こういう時はうまく立ち回らなくては駄目なんだ、と傍らのウイルタに得意気に講釈を垂れ始める。
「俯瞰で見て誰がこの金塊争奪戦に勝ち残るのか見極め…勝ち馬にダニのようにしがみついて美味しいとこを頂く」
分かるかい? と人差し指を立てて見せる。

「さて…北海道に戻って鶴見中尉にでもうまくすり寄るかなぁ」
ニタ、といやらしく笑う白石。


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白石の脳裏に浮かぶのは……

白石は雪原を息を弾ませて走っていた。

その脳裏には、杉元にアシリパの事を託された時のことが断片的に思い浮かんでいた。

旭川で囚われの白石を鈴川と共に救いに来た杉元が、銃弾を身体に受けながら必死に白石と並走する。
(俺の…足が止まったら…お前がアシリパさんを網走監獄まで…)

網走監獄で壁の内側から白石の襟を掴んで、挑みかかるような表情を白石に向ける。
(アシリパさんを頼むぞッ白石!!)

「待ってくれッ」
白石は必死に叫ぶ。

何かが近付いてくるのに気づいたアシリパが振り返る。


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そこには前のめりに転ぶ白石の姿があった。
白石は起き上がり、まってー、と声を上げてキロランケ達を呼び止めようとする。

「シライシだ!!」
アシリパが気付く。

白石はキロランケ達に追いついていた。
両膝に手をつき、肩で息をしている。

「なんだ? 気が変わったのか?」

キロランケの問いかけに、白石は両掌を胸の前で広げながら、ロシアには金髪の姉ちゃんと遊べるところがたくさんあるんだろ? とおどけてみせる。
「『白石由竹 世界を股にかける』なんつって」

「か~え~れ~」
白石を適当にあしらうキロランケ。

「ったく…またチンポ痛くなっても知らないぞ!!」
アシリパは嬉しそうな表情で白石に突っ込む。

これがあるから大丈夫ッ、とおどけた表情で白石が掲げたのは、ウイルタからもらったチンポを象った人形(セワ)だった。


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不吉な兆候

その頃、ウイルタのテントの囲炉裏に放置されていた占いで使った肩甲骨に異変が生じていた。

『後方から人が来る』という意味だった肩甲骨の亀裂に新しい亀裂が走り始める。

そこに追加で新しく表れたのは、『誰か死ぬ』という不吉な兆候を示す占い結果だった。

自然の猛威が杉元たちを襲う

「トホトホトー!! トホトホトー!!」
掛け声をかけながら、杉元たちは大雪の雪原を二台の犬橇で進んでいく。

先行するのはエノノカの祖父を先頭に、エノノカ、鯉登少尉、最後尾に月島軍曹の犬橇。

後に続くもう一台の犬橇には、杉元を先頭に、チカパシ、最後尾に谷垣が乗っている。


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「頑張れーッ」
大きな声で鼓舞する杉元。

豊原を後にした杉元たちは、豊原と国境のほぼ中間地点に差し掛かっていた。

「急に天候が崩れてきた!!」
表情を強張らせる鯉登少尉。

避難しないとまずいです、と月島軍曹が続く。

強い風が吹き、それと共に雪が雪上を覆い隠していく。


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ホワイトアウトし、杉元の犬橇に先行していたエノノカの祖父が駆る犬橇が見えなくなってしまう。

「もう前が見えねえッ」
杉元の目には自分の橇を引く犬たちの姿しか見えない。

犬の隊列に混じっていたリュウが列から外れようとする。
「キャンッ」
しかし首に繋がっていた紐がピンと張ってそれを許さず、リュウは鳴き声を上げる。

「リュウ何やってんだ 列から外れるな」
必死にリュウに呼びかける杉元。


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谷垣はリュウのただならぬ様子から、彼が列から外れようとした事には何か理由があるのではないかと杉元に進言する。

しかし杉元はリュウはあくまで猟犬で、橇を引かせるのには向いていないのだと言うのみ。

「リュウおまえどこへ行く気だ まっすぐ走れ」
杉元たちの犬橇は直進しているのに、リュウはただ一匹、左へ進路をとろうとしていた。

しかし、リュウの行こうとしていた先こそエノノカの祖父の駆る犬橇が向かった方向だった。
雪上に残る先行していた犬橇の跡から、杉元たちの犬橇は大きく右にそれていく。


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「アフッ」
小さく鳴き声を上げて健気に孤軍奮闘するリュウだったが、その働きも虚しく杉元たちの橇は間違った方向へと進んでいく。

「……」
先行する犬橇の最後尾に乗っている月島軍曹は、後ろをじっと見つめていた。

「ヘンケ あっち建物見えたって!!」
エノノカが必死に祖父に呼びかける。

「止まってくれッ」
ようやく月島軍曹が声を上げる。
「杉元たちがついて来てないぞ」


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「杉元ォ」
犬橇は停止し、一人降りた月島軍曹は杉元を呼ぶ。
しかし強風が掻き消し、周囲には響かない。

月島軍曹は銃のレバーを引く。

タァーン…

「今の銃声じゃないか?」
強風の中、かろうじて月島軍曹の銃声を聞き取った谷垣が疑問を口にする。

「もしかしてはぐれた?」
杉元はようやく状況に気付き始める。
「銃声はどっちから聞こえた?」


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多分あっちだよ、とチカパシが銃声の聞こえた方向を指さす。

谷垣も自分たちの位置を知らせる為に、天に向かって銃弾を放つ。

「何か聞こえましたか?」
すぐ背後にいる鯉登少尉に月島軍曹が問いかける。

鯉登少尉は、何だって? と月島軍曹に問い返すばかり。

谷垣の銃声は、ほぼ完璧に強風によって掻き消されていた。


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「駄目だッ 月島軍曹たちを見つけるよりもどこかに避難しよう」
杉元は月島軍曹らの犬橇の位置を見極めるのを諦め、ホワイトアウトの中を必死になって犬橇を走らせていた。
「風をよけられる場所を探すんだ」

杉元たちが行き着いたのは海岸だった。

海岸に出ちまったのか? と杉元。

杉元の唇はひび割れ、睫毛は白く凍結している。

谷垣もチカパシも呆然と周囲を見渡すのみ。

「まずい…何とかしないと死ぬぞ…!!」
杉元が深刻な表情で呟く。


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第166話 頼みの振り返り感想

白石最高

良いキャラだよ本当に。

小賢しさ、狡さはあるし、いざとなれば我が身可愛さに仲間を見捨てて逃げてもおかしくない。
危機察知の本能が強いからというのもあるだろう。
しかし白石は、仮に逃げたとしても、多分それで好感度が劇的に下がるようなことはない、とてもおいしいキャラだと思う。

実際、白石はアシリパを連れてキロランケの元から逃げようとした。
キロランケと行くということは、ロシアという国を相手取るということであり、白石じゃなくても普通の人間であれば衝突を回避しようとするのが自然だろう。

一国を敵に回すというのは極めて危険であり、命を失うという最大のリスクがある以上、白石個人にはもう同行する理由がない。
金塊を得る為と言っても、命を失うのと秤にかければ即座に”意味がない”と結論して当然だ。


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それを察したキロランケ、そして尾形とアシリパも白石の離脱をあっさり許した。
そうして白石は円満に危険な道中からドロップアウト出来た。

……しかし、白石はキロランケたちを追いかける。

それは白石個人の思惑を超えた理由。
すなわち杉元からアシリパの事を託されたという一点によるものだった。

白石は、もちろんアシリパが心配だというのもあるだろうけど、自分の大切な存在であるアシリパを託してくれた杉元を裏切りたくないのだろう。

これまでに杉元は自分の事を信じてくれたし、命を救ってくれた。


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白石自身は杉元に嘘をついていた罪悪感や杉元への恐怖心から杉元を避けていたけど、そんな白石を杉元は自分の命を危うくしてまで助けてくれた。
たとえそれがアシリパや梅子の病気の治療費を稼ぐ為でもあるとしても、白石からしたら身を挺して救ってくれたことに変わりはないのだ。

そんな男を裏切ることなんて白石には出来なかったということ。

白石は作中におけるコメディリリーフの筆頭だ。
しかしただ面白いだけではこうまで突き抜けた人気キャラにはならない。

白石が素晴らしいのは、最後のところで仲間からの信頼を裏切れないところと、恩着せがましくないところだと思う。

キロランケ達と同行する白石が述べた理由である”ロシア美女と遊ぶため”というのは明らかに彼なりの照れ隠しでしかない。
死の危険を前にこんな冗談を言って自分のキャラを貫きながら、杉元からの信頼を死守しようとする奴を好きにならない読者がいないわけがないのだ。


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戦闘能力がほぼ皆無であるにも関わらず、こんな血生臭いバトルトロイヤルに関わるということは、金塊のおこぼれに与りたいというだけではモチベーションにはならないと思う。
やはり杉元やアシリパに関わったことが大きい。

結局、白石はロシアから狙われるというリスクをとり、杉元からの頼みを守る形で、アシリパのそばにいることに決めた。
しかし仮にここで白石がキロランケ達を追わなくても、杉元たちと合流して再びキロランケ達を追うという展開になっていたのではないかと思う。

ゴールデンカムイ開始数巻は”白石大ボス説”もあったように記憶しているが、単純な自分の心の内では、今はもうその説は雲散霧消してしまった。

……とはいえ、そうやって油断させておいて実は犯人でしたというのがあり得るから怖い。

尾形の裏切りも相当ショックだったし、白石が裏切ったらマジで放心しそうだ。
話としては最高に面白いだろうけどさ……。


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やっぱキロランケも好き

別れ際、負傷させてしまったおじさんへの謝罪は本当に誠意が籠っていた。

そういえばおじさんが撃たれた直後、ヴァシリから狙撃を受ける危険を冒して彼を救う為に橇の陰から姿を現してたっけ。
焦るわけでもなく、淡々と行動するキロランケの様子から、これで死んでもいい、見捨ててまで生きている理由はない、という一種のヤケっぱちな感情と同時に、おじさんへの贖罪も感じられたのを思い出す。

金塊に拘泥するならこんな行動はとらないと思う。

あと、白石の心情を汲んでパーティーからの離脱を促したのも良いよなぁ。


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思いやりというか、気が遣えるというか……。

そういうキャラを装っているようにはとても見えない。

ロシア皇帝を暗殺したのもひとえに不遇の仲間たちの為だったわけだし、その心の底流にあるのは正義だと思う。

今後、また杉元と同行する可能性は十分ある。

というか、退場して欲しくないわー。切に思う。


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不吉な予感

肩甲骨に追加で亀裂が生じて不穏な展開が起こるフラグが立ってしまった。

見事なまでに表れた不吉な兆候をもう一度おさらいする。

まず表れたのは『後方から人が来る』

そして時間差で表れたのは『誰か死ぬ』

『後方から人が来る』は、不吉な兆候ではないということだし、当初はいよいよ杉元たちがキロランケたちに追いついてきた事を指しているのかなと思っていた。


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でも『誰か死ぬ』というのが、仮に『後方から人が来る』と繋がっていた場合、キロランケたちを狙う何者かということになる?
おそらくはロシアからの刺客になるのかな……。

まさか鶴見中尉が動いているなんてことは?

直接、第七師団の部下を向かわせているのではなく、あくまでロシアを利用して自分の描いた絵に現実を近づけているようなイメージ。

ロシアとのパイプがあるようだし、実際ヴァシリたちに襲われたのも元を辿れば鶴見中尉の差し金っぽいし……。


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鶴見中尉がロシアに指示したのではなく、キロランケがロシア国境付近に来ているという報告、つまり情報でロシアを操縦しているというのが正しい?

『誰か死ぬ』。

果たしてその占いは当たってしまうのか。

もしそれが当たるとして、一体誰が犠牲になるのか。

キロランケ一行だとしたらキロランケか尾形か白石かな?
まさかアシリパは退場しないでしょ。

もし杉元たちも含めてのことならいよいよ予想がつかなくなってくる。

とりあえず直近で気になるのは杉元、チカパシ、谷垣の安否だ。

近くにあった小屋に避難して……という展開かな?


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166話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

第167話 白くらみ

谷垣のマタギとしての知恵

杉元たちは猛吹雪に立ち往生する。

地面に穴を掘り、吹雪を避けようとするが、固い地面の為、掘る事を諦めた杉元たち。
ほんの少し掘っただけの浅い穴に伏せ、橇を破壊し始める。

その頃、月島軍曹は杉元たちを探していた。
しかし猛吹雪により捜索は進まず、これ以上続けると自分たちも危険だと鯉登少尉が声をかける。

杉元たちの捜索を止めた鯉登少尉と月島軍曹は、エノノカの祖父の操作する橇に乗って建物を見たという方向へと向かう。

杉元は浅い穴に横たわり、毛布を被っていた。
杉元と同様、毛布に包まるチカパシ。そしてチカパシと身体を寄せ合う杉元。


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「ついた」
垣は杉元と自分の間に薪を円錐状に並べ、そこに点火しようとしていた。

「やった」
点火に成功し、薪は燃え上がっていく。

「おい何やってんだ!?」
谷垣は火のついた薪を雪で埋め始める。

それを杉元が、どうして消すんだ、と咎める。

谷垣は、橇一台分の薪はそのまま燃やすとすぐに尽きるので、少しでも長持ちさせるためにはこうやって埋めてゆっくりと燃やし、長く暖を取るのだと杉元に説明する。

さすがマタギの谷垣さんだぜ、と谷垣を褒める杉元。

だが谷垣は、これでは穴が浅すぎて風よけにしかならないと深刻な表情で呟く。


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谷垣は橇を引いてくれた犬たちのリードを引き、自分たちの周りに結集させる。

「樺太犬の掛け布団だぜ」
杉元たちの周りを丸くなった犬たちが囲む。

チカパシが谷垣に、リュウを含め、犬たちがこの猛吹雪で凍死しないかと恐れて質問をする。

その問いかけに谷垣は、この犬たちは寒さに強い犬だから大丈夫だとシンプルに答える。

もうすぐ日が暮れる中で一体自分たちがどれだけもつのか、と、谷垣は不安を口にする。


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避難した建物

建物へ着いた鯉登少尉たち。

そこが牛舎であることを確認した鯉登少尉は、誰かが住んでる、と呟く。

住民を探すのは後にして今は火を起こして暖まりましょう、と月島軍曹

杉元たちはどうするかと話合うが、谷垣がいるから簡単には死なないと思うと月島軍曹。

「け」
谷垣は一つのカネ餅を割って杉元とチカパシに振舞う。
体温維持のために食べるのと食べないのとでは大きく違う、と説明を続ける。

杉元もカネ餅を咀嚼しながら、前にも同じものを食べたことがある気がする、と呟く。
そう言いつつ、杉元は睡魔に襲われ朦朧としていた。


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「それはない」
杉元の感想を、地元の秘伝の餅でありながら、味付けも少し変えたと違いを主張する谷垣。

確かに食べたことがあるんだけど、と納得いかない様子の杉元。
その時、猛吹雪による風の轟音に紛れて銃声らしき音が響く。

「おい今の…銃声か? それとも波の音か?」

谷垣は、音の方角に正しく行けるとは限らない、と合図が聞こえても動けない理由を答える。

銃声は月島軍曹によるものだった。
そうこうしている内、大切な光源を持った人物が近づいてくる。


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ロシア人の指示

近付いて来ていたのはランプを持ったロシア人男性だった。
「(どうしたんだ?)」
月島軍曹たちに呼びかける。

「(仲間が近くで迷っている)」
端的に答える月島軍曹。

ロシア人は月島軍曹と鯉登少尉に向かって、急げ、ついてこい、と叫ぶ。

一行は先程の牛舎とは別の建物に着く。

階段を登っていくと、つきあたりの部屋には燈台の光をより強めて拡散する為の大きなレンズがある。

「これは…」
部屋の中央に置かれた巨大なレンズに月島軍曹は驚く。


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「しばらく使ってない」
そう言うとロシア人は、レンズの内側のススを拭くように月島軍曹たちに要求する。

月島軍曹はレンズの内側を布で拭く。その間、ロシア人は灯油を入れていた。

給油が終わり、光源に火を付けて、レンズを装着する。

浅い穴に横たわり寒さに耐えている杉元たち。

寒い穴の中にいると…塹壕を思い出す、と谷垣。

「…」
杉元はほぼ目を閉じ、眠りに落ちようとしていた。


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「眠るなよ杉元…! 死ぬぞ」
谷垣が杉元の方を見て声をかける。

「ああ…」
必死に眠気に耐える杉元。

しかし夢の中で、寅次との会話が始まっていた。

寅次が杉元の隣に立ってじっと杉元を見つめる。
「帰りたいよ佐一…」

幼少時の寅次の泣き顔が現れ、次は内臓を漏らし意識を失う寸前の寅次。
「帰りたい…」


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次々と日本軍人が倒れていき、戦場は死体で埋まっていく。

敵のロシア人は殺気鋭く銃剣で襲い掛かってくる。

杉元は獅子奮迅の働きでロシア軍人を屠っていく。

いつしかその目には狂気が宿っていた。

(杉元…)
突然背後から、杉元の肩に何者かが小さな手を置く。


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杉元は目に涙を浮かべて振り向く。
(アシリパさん)

意識を撮り戻した杉元は遠くで光る何かを見つけていた。
「光だ…」
隣の谷垣に問いかける。
「見えるか? あの光…月かな?」

網走潜入がちょうど二カ月前だから月があれほど大きいはずがない、と谷垣。

燈台の光源の前に立つ鯉登少尉。

月島軍曹はそんな鯉登少尉に、光を遮るのでうろちょろしないでください、と告げる。

光が瞬いてることからそれが月の光ではないことを確信する一行。

杉元は完全に睡魔から覚醒し、思わず叫ぶ。
「あれは…燈台の明かりだ!!」


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第167話 白くらみの感想

杉元のトラウマ

仲が良く、梅子を取り合った恋敵である幼馴染の寅次の無残な死。

そして戦地で敵とはいえ人間を無慈悲に殺し続けてきたこと。

それらが杉元の心の奥底にトラウマを形成していた。

普段はなりを潜めているが、杉元の心の内にしっかりと根付いてしまっている。

しかしそれを救う存在こそがアシリパだったということか。

戦地での血塗られた記憶に囚われていた杉元は、まるで猛吹雪に立ち往生している現状と同じだった。
しかし燈台の光が見えたことで方角が分かり、希望を持つに至った。
アシリパもまた杉元にとっての燈台であったということに違いないだろう。

アシリパとは本当に偶然出会ったわけだが、しかしこれまで一緒の時間を過ごしてきて、杉元にとってはもはやかけがえのない存在になっている。

手がかりも希薄な中、彼女を追ってこんな樺太自然の猛威に晒されてまで追ってくるなんて本当にとんでもないことだと思うわ。

杉元の脳裏には金塊の為という意識より遥かにアシリパ救出の割合が大きいことは明らかだ。


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ロシア人

このロシア人は何者なのか。

やはりただの住民なのかな。燈台の管理もやってるような……。

もう既にキロランケ達はロシアの管理する地域に入る辺りだったはずなので、仮に彼がキロランケの接近を知ったロシア側が配置した監視役だったとしても杉元たちと敵対することはなさそう。

杉元がキロランケの写真を見せて彼がどこに行ったのかと尋ねるようなことがあった場合、戦いになるかも?

恐らくはただの住民だけど、物語の中でもう少し何かしらの役割があると思う。

と言っても、一晩休んで、次の地点への移動に関して何か助言してくれる程度の関わりかな。

以上、ゴールデンカムイ第167話のネタバレを含む感想と考察でした。

次回第168話の感想に続きます。

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自分はゴールデンカムイのアニメをこの方法で観てます。

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