第88話 耳ながお化けがやってくる!
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「アイヌ語にも方言がある」それを受けて杉元は納得。
「ギョウジャニンニクだけでも
【プクサ】【フラルイキナ】とか違う呼び方があるからね」
尾形に失礼なことを言うなと叱る杉元。
杉元、本当に素直で良い奴だなぁと思う。
そういう人って怒るとマジで怖いけど……。
全く動じず問う尾形。緊張高まる一同。
やはり尾形かっこいいわ。
このパーティーの中で、冷静さでは一番と言っていい。
場面は捕まったアシリパにうつる。
「ムㇱオンカミとは」アシリパが言う。
「蠅のようにせかせか早く手を動かす無作法なオンカミ(礼拝)をあざける言葉だ」
「それをあいつら……意味が分かってなかった」
「私がわざと鉢巻をつけたまま挨拶の場にいても誰も注意してこなかった」
「オリに入っているヒグマだってそうだ」
「あんな粗末なゴミを食べさせて…」
飼っている子熊は大人になったら熊送りの儀式でカムイの世界に送る。
それまでに、アイヌの世界がとても良い所だったと伝えてもらうために
自分たちと同等、もしくはそれ以上の良い食べ物を与えるという。
熊送りが出来なくて手が付けられなくなったんだとアシリパは指摘する。
「アイヌのふりをしてここで何をしている?」
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なるほど!
確かに村長の動きはせかせか動く蠅のそれに似ていたと思う。
ってことは、笑った女性はムㇱオンカミの意味が分かり、
男たちはわからなかったということは、
やはり男たちはアイヌではないことがほぼ確定したわけだ。
あと、熊、かわいそう。
とんでもなく狂暴になってると思うわ。
エクロクの耳たぶを指して、
耳たぶが分厚いからシンナキサラじゃなくてアイヌの耳たぶだと主張する。
尾形はただの福耳にしか見えないと冷静に主張。
杉元、普通にアイヌの単語が口から出るあたり
だいぶアイヌに染まってきてるね。
場面は再びアシリパと熊岸。
「静かに!」と熊岸。
「そんな話聞かれたら子供だろうと殺されてしまうよ」
そっとアシリパの口を塞いて熊岸は語りだす。
去年の春に連れてこられて以来
訪ねてきた旅人は皆殺されてしまったという。
なぜ殺すとアシリパは問う。
「奴らは樺戸監獄から集団脱獄してきた囚人たちで」
「アイヌの村を乗っ取り潜伏しているからだ」
政府の偉い人間になりすまして内部から脱獄の手引きをした男がいるという。
恐ろしい現実。
凶悪過ぎるだろ脱獄犯たちは。
熊岸は引きずられてここまで来た感じがする。
彼らの仲間でいるのは本意ではないんだろう。
というか、仲間だと思っていないだろう。
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「その男は何のためにお前を脱獄させた?」アシリパは熊岸に問う。
熊岸は監禁され、贋札を作らされているという。
男、鈴川聖弘(スズカワキヨヒロ)は詐欺師でいろいろな人間に化ける天才で、
網走監獄に収監されたが最近脱獄したという。
ってことは刺青人皮を持つ24人の脱獄死刑囚の中の一人!?
「ここから逃がすから助けを呼んでくれ」熊岸は、警察は困るが、アイヌの仲間にこのことを話せと熊岸は言う。
アシリパ後ろ手の縄をほどいてもらいながら熊岸に問う。
「網走監獄を脱獄してきた男は」
「変わった入れ墨を体に彫っていないか?」
なるほどね。
村長の家でムㇱオンカミの言葉で笑った女性は本物のアイヌだったということか。
これで謎は解けた。あとはどうこの状況を打開するかだ。
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村長の家に突如アイヌの女性が叫ぶ。すぐに後を追いかけてきた男に口を塞がれた。
「今のご婦人はなんと?」と牛山。大分怪しんでいる目をしている。
「知らない方がいい」とエクロク。
「和人を良く思わない者もいる」「でも我々は歓迎するよ」
「今夜は酒でも飲んで…」
「ウンカオピウキヤン!(私たちを助けて!)」
目を伏せつつ、隣の妻役のアイヌの女性が言う。
「出てけ」と女性に言うエクロク。
「何か気に障ったかな?失礼があったらすまない」と杉元。
「いやいや…」
もどかしい。アイヌの女性たちは気の毒だと思う。
アイヌ語が分かるメンバーがいないから緊張感が高まる。
そして杉元はどこまでも常識人。
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「やっぱりどうも様子がおかしいぞ」と尾形。
「まだ言うか尾形!!」と杉元。
よしわかった!と落ちていたという妙な道具を取り出す。
「ほんとのアイヌなら使い方を知ってるはずだ」
固まる村長とエクロク。
(な……なんだ?その変な棒は…!!)
これは例のやつだね。アシリパさんが巧いやつ(笑)。
「まずは牛山やってみろ!」と牛山に棒を差し出す杉元。
なんで俺!?と狼狽する牛山。
(……)
暫く考える牛山。
未亡人を演じ、棒をまるで孫の手のように使って背中をかく。
「全然違うッ!!」
牛山(笑)。
それだと未亡人の真似である意味ないだろ。笑わすな(笑)。
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じゃあ次と村長に棒を差し出す杉元。
「今のやり取りで何して欲しいかわかりますよね?」
素晴らしい笑顔で村長に言う杉元。
固まる村長の顔に汗が滴る。
アイヌ語しか分からないと信じているんだなぁ。
杉元、とことん良い奴だ。
「早くやってくれよ爺さん」と尾形。
おもむろに奇麗好きを演じだす。
「ん?奇麗好き?奇麗好きなジジイ!」杉元が読み取って解説しだす。
「わかった!お気に入りの服だ!」牛山も参加。
「お気に入りの服で外へお出かけしてるッ」
腰を屈める真似をする村長。
「疲れた」「腰が痛い」
服が汚れるのを避けるために棒の上に座る村長。
一斉に杉元の表情を伺う一同。
「なるほど…!!そういう使い方もあるのか!!」
杉元(笑)。
この問題を出した意味ないだろそれ。
方言が違うことを知っているなら
地域で使用方法が異なると解釈しても無理はない。
でも間抜けで面白い。
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「俺が正しい使い方を当ててやる」「尾形に分かるかなぁ~」と棒を渡す杉元。
にっこり笑う尾形。
次の瞬間、尾形は村長の足の小指に棒を振り下ろした。
「痛たぁっ」
「この使い方が正しかったようだな」と尾形。
「ジイさん日本語話せたのか!?」と牛山。
絶句する村長。
日本語を話せるアイヌは珍しくないと村長を庇う杉元。
尾形かっけぇな。痺れるわ。
冷静さとこの容赦なさ。まるで承太郎みたいだ。
そしてどこまでも優しい杉元。
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「何てことをするんだ尾形ッ」と杉元。
「ほんとにアイヌなら痛いときとっさに日本語がでるもんかね?」と尾形。
アイヌのふりして何の得があると叫ぶ杉元。
アシリパの監禁を終え、ちょうど戻ってきてそれを聞いたエクロクの弟。
エクロクと一言相談しあっているとその様子を見た杉元。
「あれ? アシリパさんは?」
答えるエクロク。
「弟がいうにはあの娘は近所の女性に刺繡を教わって夢中になってるそうだ」
「まあこんなところは子供に見せない方がいいだろう」
間合いを一瞬で詰めて弟を棒で殴り倒す杉元。
尾形はどこまでも鋭い。
杉元ついに爆発。結局一番彼らのことを信じようとしていた杉元が
一番最初にキレたね。
この殴り倒すまでのスピード感が堪らない。これぞゴールデンカムイでしょ。
杉元かっこいいわ。
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「アシリパさんが【刺繍に夢中】だぁ?てめえ……あの子をどこへやった?」と杉元。
「あ?なんだその足」と倒れて見えるようになった弟の足の入れ墨を指摘する牛山。
さっき出ていく時に「くりからもんもん」が足首に見えたような気がしたと尾形。
「ヤクザがアイヌのふりか」
「ゔぇろろろろごうろろろあ゛あ゛ッッ」
苦手だったはずなのに、ごく自然に渾身のお化けを演じる杉元。
杉元の叫びが聞こえたアシリパ。
「耳ながお化けだ!」
さすがに気づいた杉元。
アシリパさんに危機が迫っていることを感じ取って
誰よりも爆発して男たちを圧倒している。
この叫びは怖い。
次はいろいろ戦いになりそう。楽しみ。
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