ゴールデンカムイ最新第205話シネマトグラフネタバレ含む感想と考察。第204話あらすじ。活動写真の興行主稲葉にアシリパがある話を持ちかける。

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第205話 シネマトグラフ

前話第204話 残したいもののあらすじ

自由時間

鶴見中尉が2週間後に大泊まで迎えに来るので、しばらく大泊の北にある大きな街、豊原に滞在することになった杉元たち。

町外れを歩いてる谷垣とチカパシの元に樺太アイヌの男2人が近付いてくる。

男たちがアイヌ語でどこから来たのか、その男(谷垣)は誰なのか、とアイヌの格好をしているチカパシに尋ねる。

それに対して南から来たことや、谷垣が自分のおじさんであるとアイヌ語で答えたチカパシ。
さらに一言付け加える。
「ノキヒ ポロ(金玉が大きい)」

男たちはその一言に笑うと、安心したのか立ち去っていく。


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樺太でことあるごとにチカパシがこうして対応してくれたため、自分たちが大して警戒されずに済んだと呟く谷垣。
「毎回あのネタ使うから樺太中のアイヌに俺の金玉がデカイと知れてしまったけどな」
そして、樺太に着いた時、チカパシとリュウが荷物に紛れこんでついて来たのを追い返さなくて良かった思っている、とチカパシに感謝するのだった。

北海道でも家族のフリがうまくいった、とチカパシ。
インカラマッのことを思い出し、元気になったかを気にする。

元気になってる、と谷垣は即答する。
「帰ったら会いに行こうな」

「チカパシ…」
二人の背後から声をかけたのはエノノカだった。
「帰るの?」

「…え」
わずかに戸惑った様子を見せるチカパシ。


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儀式

その頃、杉元とアシリパは林の中を歩いていた。

クズリの足跡を見つけたアシリパは、杉元はクズリに会ったのに自分は会えなかったとクズリを獲ることを決める。
「せっかく樺太に来たんだから帰る前に杉元も脳みその味を知りたいよな?」

「脳みその味なんて全部一緒でしょうが!!」

アシリパは山に入る前のお祈りの儀式の準備を始める。

カロプ(火打ち用具入れ)からカラパシ(きのこを炭にしたもの)が入っているカラパシシントコ(火つけ炭入れ)を出し、そこにカラスマ(火打ち石)にカラカニ(火打ち金)を打ち付けて出た火花を落としていく。

そして出来た火種をチキサニ(ストロー状になっている木の根)を使ってシラカバの皮に移していく。

「新しいアイヌの女なのにそういう儀式はいつも大切にするんだな」
杉元が厳かに儀式を行っているアシリパに声をかける。


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山に入る上で遭遇する数々の危険に備えるために、こういった儀式は気を引き締める効果があるのだと思う、と答えるアシリパ。
ただ、今ではマッチがあるため、これらの道具を使うのは自分たちが猟に出る時くらいになってしまったと付け加える。
「どうすれば残せるんだろう」

どことなく寂しそうな表情をしているアシリパの様子に杉元が気付く。

そんな杉元を、その後方から月島軍曹が双眼鏡で観察している。

月島軍曹が双眼鏡から目を外し、隣に視線をやる。
そこには自分と同じように杉元たちを双眼鏡で見ているヴァシリがいる。

視線を感じたヴァシリが月島軍曹を見返す。

「(ロシアに帰れ)」


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記録者

「アイヌの子供!!」
杉元たちの前に突然二人の男が現れる。

アシリパの行っていた儀式に興味を示し、もう一度最初からやってみてほしいと男が声をかける。
その後ろに三脚付きのカメラらしき機材を抱えている男がいる。

何だよお前らいきなり、という杉元の問いかけに男は、活動写真の撮影と答える。

「なんだそれは」

アシリパからの質問の直後、男の背にクズリがのしかかるように落下する。

「出たーッ」
杉元とアシリパが叫ぶ。

なんだこいつは、と慌てる男。

「引き剥がせッ 毒矢で射る」
矢筒から矢を取り出すアシリパ。

カメラを抱えていた男が表情を活き活きさせて三脚を立てて撮影の準備をする。


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杉元は男にのしかかっているクズリを掴むと引き剥がして放り投げる。

そして杉元はアシリパの背後からもう一匹クズリが接近しているのに気づき、それを知らせる。

振り向きざまにクズリに向けて矢を放つアシリパ。
矢はクズリの背中にヒットする。

間髪入れず、今度は杉元が放り投げたクズリは、新しく矢を取り出そうとしているアシリパに迫っていた。

ダァァンッ

杉元の放った銃弾が当たり、横たわるクズリ。

「すばらしいッ いまの撮ったか!?」
男がカメラを構えている男に確認しつつ、横たわっているクズリに近づいていく。

「近づくなッ まだ毛が寝ていない」

杉元が注意を促したのを合図にしたかのようにクズリが起き上がる。

すかさず矢を放つアシリパ。

一連の猟の様子を、カメラマンはカメラについたレバーを回しながら撮影していた。


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シネマトグラフ

クズリの脳みその味を、(他の動物と)一緒の味に感じると感想を述べる杉元。

「クズリ食べられて良かったな? 杉元」
笑顔を浮かべてクズリの脳みそを匙で掬うアシリパ。
「ヒンナヒンナだな?」

そして杉元は、ここで何を撮っていたの? と男たちに尋ねる。

男は、樺太アイヌの撮影をしていたが、はぐれてしまったと答える。

「それは写真とは違うのか?」

男はアシリパの問いに、これはシネマトグラフという撮影機材だと答える。
そして何枚も連続して写真を撮影することで時間の流れ、人の動きの変化などといった、1枚の写真よりも多くのことを記録できると説明する。
「我々はシネマトグラフを使ってアイヌ文化をたくさん記録してきた」

興味を示すアシリパ。


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第204話 残したいものの振り返り感想

鉄板ネタ

どうやら谷垣の金玉はチカパシの鉄板ネタだったようだ。
樺太アイヌの間で谷垣のことが金玉のデカさで有名になってたら笑う。

でもおかげで樺太アイヌに警戒されずに済んだとか、かなり有用なネタだと思う。

適度な下ネタは心の距離を一気に縮めるということか。

あとそれが通じるのは、チカパシのコミュニケーション力もあるんだろうな。

チカパシもリュウも活躍する場面はいくつもあったし、谷垣が言うように、樺太に着いたばかりの時に北海道に帰さなくて良かったのだろう。


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久々の猟

アシリパさんはさすが、猟に慣れているだけあって弓の腕に安定感がある。

放った二本の矢はいずれも見事にクズリにヒットした。

獲れたクズリの脳みそはどうやら他の動物のものと味に大差はない模様。
久々に杉元とアシリパさんの猟の後の食事のやりとりが見られた。
アシリパさんが匙でクズリの脳みそを掬っている時の変顔要素が入った笑顔がたまらない(笑)。

まだ2週間近く自由時間はあるし、もうちょっと今回のようなのんびりした回があるのかな。

アシリパさんの変顔に期待したい。


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記録

アシリパが伝統をどう伝えていったらいいのかと悩んでいたタイミングで現れたのは、アイヌの狩りを撮影していた男たちだった。

これまでアイヌ文化をたくさん記録してきたという彼らは、おそらく学者か何かかな?

調べてみたら、シネマトグラフは1895年に発明されたらしい。
明治時代だとまだまだ貴重だっただろう。

どうやらアシリパさんは初めて見たようだ。最後のコマから、興味津々なのがわかる。

多分アシリパさんは儀式の撮影をお願いするんだろうな。
字で残すより絵、絵で残すより映像の方が正確に伝わる。

次回は撮影かな?

そうなるとギャグ要素が多めになってくる予感がする。
シリアス展開が続いていたので思いっきりはっちゃけることを期待したい。

写真家の田本がやったみたいに、谷垣が脱がされる展開とかあったら賛否両論だろうな……(笑)。

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第205話 シネマトグラフ

「言うはずねえ」

豊原。

月島軍曹は、キロランケがアシリパを樺太に連れていったのは、金塊の暗号の鍵に気づかせようという狙いがあったこと、そしてキロランケの死に際、アシリパのつぶやきをきっかけにキロランケが安堵の表情を浮かべ、あとは頼んだぞと言ったことを杉元に説明する。

それはキロランケの思惑通り、アシリパが金塊の暗号の鍵に気づいたからではないのかとする月島軍曹。
そこからさらに推理を進め、尾形がアシリパを殺そうとしたのは暗号の解読方法を聞いて彼女が用なしになったためでは、と続ける。

「言うはずねえ」
それまでずっと黙っていた杉元が即答する。
杉元は自分が話すから邪魔はするなと月島軍曹に釘を刺すのだった。
「鶴見中尉がやって来るまで時間は無い」

「あんな男にアシリパさんが心を開くとは全く思えねえからな」


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昔話を残す

杉元たちは旅館の一室に集まっていた。

日本に来て10年以上の撮影技師のジュレールがシネマトグラフを映す準備中、リュミエール社から日本で上映する興行権を得ている活動写真の興行主である稲葉勝太郎はシネマトグラフを発明したフランスのリュミノール社は世界中に撮影技師を派遣していること、フランスでの日本文化の流行により日本で多くの撮影が行われていると解説する。

活動写真はどう見るのか、というアシリパに、稲葉は、シネマトグラフに後ろから強い光を当てた光を布に投影するのだと説明し、本来は料金を支払ってもらうが特別だとアイヌの映像を映し始める。

ふすまに映ったアイヌが踊っている映像を観てアシリパは思わず笑顔を浮かべる。

稲葉はリュミエール社において北海道アイヌの活動写真の評判が良く、樺太アイヌも映像にしようと樺太にやって来たと続ける。

アシリパは稲葉に、これ以外の踊りや、ユカラやウエペケレのようなアイヌの昔話は撮ったのかと質問する。


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撮影開始

アイヌの昔話の撮影が始まる。

監督のアシリパが撮影を決めたのは『パナンペペナンペ物語』。

それはパナンペ(川下の者)の成功を羨んで真似するペナンペ(川上の者)がことごとく失敗する話だった。

稲葉はアシリパから聞いて、既に脚本をパナンペ役を杉元、ペナンペ役を白石で書いていた。

さっそく撮影が始まる。

撮影は、パナンペが凍り付いた川にあけた穴に局部を挿し入れ、魚を誘き寄せるシーンからのスタートだった。

そうしてたくさんの魚を捕まえたパナンペを大喜びで迎えるのは、その奥さん役の鯉登少尉。

しかしあまりにも杉元と鯉登少尉の芝居が下手なのが気に障ったアシリパ。思わず撮影を止める。

冬に大量の食糧が手に入った時にそんな表情をするのか、というの演技指導に杉元と鯉登少尉は、すみません、と素直に応じる。


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チカパシの名演

アシリパはこれまで撮影した芝居では残らないし伝わらないと真剣に考えていた。

杉元から、真面目な話もやってみたら? と言われ、アシリパは次の話を『斑文鳥の身の上話』に決めるのだった。

主人公をチカパシに決めて撮影が始まる。

チカパシ演じる主人公は三兄弟の末っ子で、いつも二人の兄と一緒に狩りに行っていた。

ある日、遠くへ狩りに行くと、三人の娘がいる家を見つける。

三人が獲った獲物でその場のみんなで食事をしながら、主人公はユカラという口承文芸を披露していた。

そこに怪しい男(白石)が入ってくる。

主人公は兄の指示により、主人公がユカラで使っていた棒で怪しい男を殴る。
すると怪しい男は本来の姿である大きな熊に姿を変えていた。

娘しかいないこの家では熊の肉が獲れなかった。そのため、娘たちは主人公たちに大層感謝するのだった。

その後も、三人の兄弟たちは長い旅を続け、再び娘たちの家に立ち寄っていた。
するとそこの父親(エノノカのおじいちゃん)から、娘たちを嫁にもらってくれと頼まれる。

呆然としている主人公に、大きい兄(谷垣)が突然、自分がケソラプという鳥のカムイだったと告白する。
そして鳥の姿に変わると、天高く飛んでいくのだった。


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第205話 シネマトグラフの感想

役に自分の境遇を重ねるチカパシ

ふざけた芝居の傍ら、チカパシの見事な演技がアシリパを唸らせた。

チカパシが泣いたのは、三人兄弟の末っ子の主人公と、谷垣や杉元たちと一緒に行動している自分の境遇に重ねたためだろう。

大きな兄、谷垣が自分を旅に連れていってくれて、家族まで持たせてくれたあと、自分の前から消えてしまった。

まさしく谷垣とチカパシの関係性だよなー。

昔話の中では、自分を助けてくれたかけがえのない恩人と別れが描かれていたようだが、それが現実になる日をチカパシは感じていたのかもしれない。

チカパシのこの先を暗示しているように思った。

アシリパさんはそれを狙ってるようには感じない。
しかしかなり上手なキャスティングとなったようだ。

家を壊せとか無茶言うけど、実は自己中心的で理不尽な要求をする監督ほど良い作品を撮れる、という話を何かで知ったことがある。

その定義に照らせば、アシリパさんは案外良い活動写真の監督になれるのではないか。

意外な才能の発掘となるのか(笑)?

以上、ゴールデンカムイ第205話のネタバレを含む感想と考察でした。

第206話に続きます。

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