第302話 車内暴力
前話第301話あらすじ
この汽車に乗っていた師団兵たちは追加の第二陣だった。
師団兵を、まるで棒切れを振り回して、他の師団兵をなぎ倒していく牛山。
師団兵はこの怪物が不敗の牛山だと気づく、
投げ飛ばされた兵のj身体の直撃を受ける師団兵たち。
牛山の後を土方が追う。
客車で乱戦が起こったことで、杉元は白石にアシリパを連れて汽車を降りるように指示する。
アシリパは谷垣に、汽車から降りるようにと伝える。
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その時、一発の銃弾が谷垣の腹を撃ち抜く。
銃弾の飛んできた方向を睨みながら、谷垣は客車の扉を閉める。
そして谷垣は汽車に追い付いてきた何者かから蹴りを食らい、汽車から落ちてしまう。
ガラスが割れ、出来た穴から、権利書が入ったアシリパの矢筒を奪い取ろうと、矢筒の紐を掴む鶴見中尉。
その手を銃剣で突き刺し、扉に固定する杉元。
鶴見中尉が反撃として客車内の杉元に向けて撃ち込んだ銃弾は、杉元の左肩と胸の上部に当たる。
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杉元の銃剣を、体を逸らしてかわす鶴見中尉。
アシリパは杉元の指示を受け、座席の下に腹這いになって前方に向かっていく。
汽車の外に勢いよく放られていく師団兵たち。
牛山により、次々に汽車の外に投げ捨てられていた。
座席の下を這い、前方に進むアシリパ。
牛山はアシリパに、自分をアイヌの神話に加えるようにと主張する。
「この牛山辰馬と神話に加えなよ 百年後のアイヌにだって大ウケするぜ」
第301話の感想記事です。
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第302話 車内暴力
重戦車牛山
杉元は、兵をまとめている鶴見中尉を倒せばこの戦いが終わると考え、鶴見中尉を追撃すべく車両の外に出る。
「あら?」
しかし鶴見中尉が見つからない。
鶴見中尉は車両の天井に上がっていたのだった。
杉元たちのいる客車の前方の車両では、後方の車両で何かが起こっていることを察知した第七師団兵たちが銃剣を持って後方のドア付近に集結していた。
「開けるぞ!」
後方の車両に向かうドアを開けようとした瞬間、牛山がドアごと客車内に突進する。
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十名以上の第七師団兵たちは、ドアを盾にして突進してくる牛山の勢いを止められず、みるみるうちに客車の中央に押し戻されていく。
ドアを蹴り、前方の第七師団兵を吹っ飛ばす牛山。
牛山の後から客車内に入った土方は、ライフルで牛山の援護を行っていた。
そして、アシリパにこの汽車から逃げるべく飛び降りるようにと叫ぶ。
しかし、飛び降りようと連結部に向かったアシリパは、汽車と馬で並走している月島軍曹がバッチリ監視しているために飛び降りることができない。
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杉元を認める土方
「うへッ!!」
月島軍曹に続き、部下を連れて鯉登少尉も追い付いてくるのを客車の窓越しに確認した白石は、今飛び降りても逃げられないと、アシリパに前方へ向かうように告げる。
鶴見中尉は車両の屋根から月島軍曹に指示を出す。
「先頭の車両から回り込め アシリパを挟み撃ちにして矢筒を奪う」
鶴見中尉の位置にあたりを付けた杉元が、客車の連結部から鶴見中尉がいる頭上を狙って撃つ。
しかし銃弾は当たらず、鶴見中尉は前方の客車に飛び移る。
牛山と土方がいる車両に入る杉元。
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前方の第七師団兵に銃を向けている土方が杉元に、アシリパと飛び降りて森にでも逃げろと声をかける。
しかし杉元を、車両に残って出来るだけ追っ手を減らす、とその申し出を断る。
「アシリパさんの権利書を守るにはそれしか無い」
金塊の分け前なんて忘れてそうだな、という土方に杉元が答える。
「自分のためだけならとっくに辞めてる 親譲りのおせっかいさ」
「いや……武士道だよ 杉元佐一」
杉元の言葉を受けて、土方が返す。
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煮詰まっていく状況
土方がライフルを捨てるのを合図にしたかのように、土方は刀、杉元は銃剣を構えて、第七師団兵に向かっていく。
杉元たちの前では牛山が多くの第七師団兵相手に孤軍奮闘していた。
牛山によって、客車の窓から次々と兵が投げ捨てられていく。
師団兵を倒しながら前方に向かう牛山。
「どけ!!」
牛山の前に立ちふさがったのは銃剣を携えた月島軍曹だった。
睨み合う二人。
先頭車両の二人の運転士は、後方の客車でただならぬことが起こっていることを感じていた。緊急停止した方が良いかもしれないと話していると、銃弾が運転士の一人の頭を貫く。
その犯人は尾形だった。尾形は馬で先頭車両に追い付き、車両に乗り移りながらもう一人の運転士を撃つ。
鯉登少尉もまた、馬から客車に乗り移っていた。
「ふう!!」
尾形は左手で髪を撫でつける。
「暴走列車地獄行きだぜ」
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感想
牛山強すぎ。
十人以上の第七師団兵を押し込む様は、まさに重戦車だわ。
丸腰なのに銃剣等を装備している何十名もの兵を相手に優位に戦いを進めている。銃器をまともに食らわない、肉弾戦が主体の戦場においては作中最強と言って間違いない。
キャラ的にも好きだし、何とか生き残って欲しいんだけど、銃による一撃でコロッとやられそうな感じがするんだよなぁ……。
たとえば今回、車内で対峙することになった月島軍曹、もしくは先頭車両を乗っ取った尾形。あとは車両の上を歩いている鶴見中尉。このあたりの敵対しているキャラによる銃撃が怖いように思った。
いかに不敗の牛山とはいえ、銃弾や刃物を通さない身体を持っているわけではない。今回も第七師団兵の銃剣の先が腕に刺さっているし、牛山と言えど、さすがに不死身ではない。
いよいよ最終局面を迎えているわけで、愛着のあるキャラだから、ここまで来たらなんとか生き残って欲しいところだ。
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そして生き残って欲しいのは牛山だけではない。かつての戦友の死地である五稜郭で戦闘を行うという、死亡フラグ気味の状況を脱出した土方についても同じだ。
特に土方は今回、杉元にかけた最高の一言があるから余計にそう思う。
これまで杉元と土方は手を組んでいるようで、互いに信用し切ることはなかった。だが今回の杉元と土方の共闘は、大量の第七師団兵を相手にしなければならないという極限状況に置かれていることもあってか、これまでに無い高いレベルで互いに背中を預け合っていることが伝わってくる。
このまま牛山の大活躍によってこの場を切り抜けて欲しい。
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やはりラスボスの位置には、鶴見中尉か、もしくは尾形が収まることになりそうな雰囲気だ。
尾形の動きを見ていると、もう杉元たちと手を組むことは無いように思う。そして鶴見中尉にも与しない。あくまで一匹狼として最後まで行動するのだろう。何の罪もない運転士を徒に射殺し、汽車に飛び移った尾形には破滅願望でもあるのか? 汽車を暴走列車に仕立て上げたことといい、行動自体からはそうとしか思えないんだけど、でも表情は楽しそうで、病んでいる風ではないんだよな……。
果たしてどういう展開になっていくのか。
以上、ゴールデンカムイ第302話のネタバレを含む感想と考察でした。
第303話に続きます。
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