第219話 平太師匠
目次
前話第218話 砂金堀り師たちのあらすじ
砂金掘り
落ちかけたところを救われた平太は、杉元に礼を言う。
杉元は平太の額に傷があることに気付き、大丈夫かと問いかける。
これはちょっと前のものなので、と返す平太。
内心で杉元のことを、やさしい、と評する。
平太の元にやってきたのは、平太が嵩にいと呼ぶ男だった。
白石は二人を指さしながら問いかける。
「もしかして砂金掘り師?」
道具を下に置いてきているのによくわかりましたねと平太。
白石は平太の履いている舶来ものの長靴はかなり高価であり、漁師が山で履くものではないと指摘する。
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杉元は、これまで何人か砂金堀り師に会って来たが、少し採れたら酒とバクチに消える貧乏人ばかりだったと笑う。
金の匂いがするぞあんた、と白石。
嵩にいは、少し警戒している様子で、杉元と白石を黙って見つめていた。
杉元は雨竜川で砂金が採れると聞いて、自分達も砂金を採りに来たのだと続ける。
それを聞いて、ああそうなんですが、と平太。
「探せばまだ結構ありますよ」
平太、嵩にいに着いていく形で、川へと下りていく杉元たち。
銃を持っていると不安げな坊主頭の仲間。
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砂金掘りのプロ
高にいは白髭の爺さんに、杉元たちが大丈夫か、怪しくないかと問いかける。
じいさんは杉元たちが危ない思いをして助けてくれた以上、強盗がそんなことをするわけがないと嵩にいの心配を一蹴するのだった。
「アラアラ なんだか変わった組み合わせの方たちね」
近付いてきたのは女だった。
「楽しそうですこと…皆さんどういったご関係?」
微笑みながらヴァシリに視線を送る。
「あら外国の方まで…」
「まあ…『仲間』ってやつ?」
白石の言葉を、いや、と否定する杉元。
「『烏合の衆』」
「ノリ子!! 小屋に戻ってろ」
ノリ子は嵩にいに言われ、不満そうに頬をぷうと膨らませる。
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杉元は平太が手にしている道具の用途を問う。
「カナベラ」という道具だと答える平太。
ガラス箱で川底の割れ目の中にある砂金を探して、カナベラの棒の先、カギ状になった部分につけた松脂を割れ目の砂金に押し付けて砂金を採取する「ガラス掘り」という手法だと説明する。
そして平太は揺り板、カッチャを持った杉元と白石の様子を見て、ふたりがやろうとしているのは「板どり」という手法であり、場所選びが難しいのだと助言する。
やっぱそうか、と納得する杉元。
「前にちょっとやったけど全然採れなかったもん」
そして杉元はその勢いのままに、どこを掘ったら良いか教えてくれないか、と平太を爽やかに問い質す。
お願い、と白石。
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しかし平太は嫌がる素振りさえみせず、このあたりならああいう大きな岩の下とか、と二人に助言する。
言われた通りの場所で板どりを行う杉元と白石。
白石は、川の冷水によりあっという間にかじかんでしまった手をみつめる。
「はうううう…水が冷たいよぉ」
そして、もうダメだ、と言いながら川から上がると、火を起こしていたアシリパに湯を所望する。
「ふひいいいい…」
バケツに注がれた湯に手を付けてほっとする白石。
「……ヘブン」
平太の仲間の一人、白髭の爺さんは自分の手に息を吹きかけながら杉元たちに、この時期の砂金採りは正午の4時間程度しかできないと告げる。
さらに、実は『板どり』は一番効率が悪い採り方だとダメ押しをするのだった。
やっぱ上手くいかねぇな、と白石は天を仰ぐ。
「雨竜川で一日50円稼いだ男なんてのもガセネタかぁ」
自らのかじかんだ手に息を吐きかける杉元。
平太は、本当ですよ、と答える。
「だって私が稼いだんですから」
驚く杉元と白石。
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砂白金
クチが軽いぞ、と平太を諫める嵩にい。
平太は、杉元たちが命の恩人だから伝えるのだと答えると、すかさず次の情報を口にする。
「『ハク』というのをご存知ですか?」
平太を止めようとする嵩にいを、白髭のじいさんが止める。
「どうせ短い時間しか作業できないのならみんなで協力して大規模に掘った方が効率がいい」
ハクとは何かと白石に問われた平太は、持っているハクがどんなものなのか見せる。
砂金堀り師の間では黄金を『アカ』と呼び、それを掘り続けた最後に必ず混じっている白いものを「ハク」、ぞれを「砂白金」だと答える。
これまで、砂白金は硬く、熱に解けないため売れず、売価が低く、砂金掘り師は「アカ」と「シロ」で呼び分けるのだという。
『ハク』は北海道でのみ採れるが、特に雨竜川の砂金には特に『ハク』が多めなのだという。
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ダメじゃんという杉元に平太は、最近、一匁三円という高値で買い取る者が現れたのだと答える。
「しかも価格はどんどん上がってます」
普通の砂金とほぼ同じ価格だと杉元。
日露戦争後に暇になった軍需工場で国産の万年筆を作ろうとした人が、舶来桃のペン先に砂白金が使われていることに気付き、さらにそれが北海道で採れるのだと突き止めたのだという。
「その万年筆が大成功…!! バカ売れしてるんです 利用価値がないと思っていた『ハク』の需要はうなぎ上り」
外国からの需要も上がっていると平太。
「『ハク』はいままで全部捨てられていたんですよ!! 北海道中の川に!! 全部!! これは第二のゴールドラッシュなんですよ!!」
平太の言葉に表情を輝かせる杉元と白石。
その手は互いに強く握られていた。
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ウェンカムイ
平太は、斜面の上にクマを発見する。
「またあいつだ…同じヒグマだ」
周りの人たちはみな、クマがどこにいるのか辺りを見回し始める。
「ほらあそこ こっちを見ている!!」
アシリパも平太の言うヒグマを見失っていた。
「どんどん近づいてきてる 昨日はもっと遠くにいたのに」
平太の顔が青くなっていく。
「あれはウェンカムイだ」
アシリパとクマの捜索に向かった杉元。
「アシリパさんどう? 足跡みつけた?」
「いや…ない 笹の上を上手く逃げられたか」
杉元は、せっかく仕留めたシロクマを流氷に載せたまま、送ることができなかったから山の神に嫌われたかなと呟く。
「……どうだろう?」
呟くアシリパ。
その頃、森の中で貪るようにして一心不乱に死体を食っているクマがいた。
それは、平太の仲間の爺さんだった。
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第218話 砂金堀り師たちの振り返り感想
三毛別羆事件?
不吉な次回予告だ……。
ウェンカムイ、そして最悪の食害というキーワード……。
多分、クマによる史上最悪の被害を出した三毛別羆事件を連想した人は多いのではないか。
三毛別羆事件をテーマに、多少の脚色を交えて書かれたほぼノンフィクションの小説。
事件が起こった時代は大正。まさにゴールデンカムイ作中の時代と同じだから取り上げられてもおかしくない。
三毛別羆事件をモチーフにしたエピソードになっていくとしたら、今回出てきた5人の砂金堀り師グループの中のキャラが一人一人、徐々にウェンカムイに食われていくのか……?
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ノリ子は近くの小屋に戻っていったようだ。
その小屋が惨劇の場になるとか……?
あと今回のラストで被害者となった白髭のじいさん、食われるの早過ぎない?
あまりにも呆気ない。
人を食うことに何ら抵抗がなくなったクマというのは、ここまで恐ろしいハンターと化すのか。
ウェンカムイ、マジで怖いな……。
最近の杉元たちはそこまでクマの対処に苦労しているように見えなかったので麻痺していたけど、今回の話で久々にクマが怖いと思った。
死んだはずの平太の謎といい、先週からの話の展開が何とも不気味だ。
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砂白金
砂白金って、要するにプラチナのことなのかなと思ったけど、どうやら純粋なプラチナというわけではないらしい。
杉元たちに砂白金の需要が上がってきているという話を教えた平太、普通に良い奴だな……。
いくら助けられた借りを返すとは言え、かなり親切だと思う。
おそらくまだ砂白金需要が熱いことに気づいている人間がそう多くないのと、あとそもそも雨竜川流域はウェンカムイ出没によって他のライバルが砂金掘りをしていないということなのかな。
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ウェンカムイさえ退治できれば、雨竜川の砂白金は平太たちと山分けになる。
路銀の足しなんてレベルじゃない。下手すれば砂白金だけで梅子の治療費用を賄えるんじゃないか?
まぁ、杉元が砂白金で梅子の治療費用を稼いだとしても、アシリパさんの背負おうとしている宿命を知る彼が、「もう金塊不要だ」とこの戦いから降りるようなことは考えられないが……。
砂白金でボロ儲けできる可能性を知った杉元と白石がぎゅっと手を握り合うのと、その握り合った手を見つめるアシリパさんの視線にも笑った。
杉元をはじめ、アシリパさんも、そしてヴァシリもいるし、ウェンカムイ退治は全く無理な話ではない。
ウェンカムイと戦うことになるのだろうか……。
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平太が怪しい?
今回、ウェンカムイを目撃したのが平太しかないのが気になった。
他の仲間や、杉元たち、アシリパさんも平太が見たというウェンカムイを目にすることはなかった。
クマを狩り慣れているアシリパさんでさえ足跡すら見失うのが何だか気になる……。彼女は、笹の上を上手く逃げられたと結論付けていたが、そもそもクマがそこにいたのか? 平太の嘘ということは考えられないか?
実は平太がじいさんを殺した犯人だったりしないかな。
クマがじいさんの死体を貪っているのは、クマが殺したのではなく単に死体を漁っているだけ(それでも人間の味を覚えている時点で人間の脅威でしかないんだけど……)。
今のところウェンカムイを目撃したのは平太だけだし、ひょっとしたら平太はウェンカムイの噂を利用して砂白金の独り占めを画策しているのではないかと思った。
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平太たち5人組がどういう関係なのかわからないが、どうやら協力して砂白金を掘っているらしい。
つまり平太が杉元たちに解説した、砂白金の需要が非常に高まっているという情報を共有し合っている間柄ということになる。
独り占めすることを考えて、まずは5人組で砂白金を集めて、その上でウェンカムイのせいにして一人ずつ殺そうとしている?
しかし、前回の話の時点では平太を刺青囚人だと思っていたけど、そうではないのかな……。
平太、嵩にぃと呼び合っている関係性から、最近二人が仲良くなったとは思えない。
元々嵩にぃとは幼馴染で、何か犯罪を犯して収監された網走から脱走、刺青を背に入れた状態で嵩にぃたちと再会し、砂金、砂白金を掘っているとか?
色々と妄想が進んだが、そもそも前回、平太死んでたからなー。まずはその謎を考える必要があるか……。
予告にあった通り、次回はクマによる惨殺が起こるのか。
218話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。
第219話 平太師匠
平太を信頼する杉元と白石
嵩と三郎は川で砂金採取を行っている。
嵩に父の所在を問われ、黙って一人で酒を買いに行ったのだろうと三郎。
ヴァシリは倒木に腰を下ろしてミソサザイをスケッチしていた。
ミソサザイを見て、チャクチャクカムイだ、と呟くアシリパ。
アシリパは、チャクチャクカムイは熊が近くにいればチャクチャクと鳴き、熊のところに案内しようとするはずと考えていた。
その頃、平太は砂金掘りに使用するネコ板を杉元たちに見せながら「流し掘り」について説明していた。
流し掘りは川底にある玉石で堰を作り川の流れを弱めて、その下流にネコ板を設置。その上流から砂礫を流し、ネコ板にアカ(砂金)やハク(砂白金)を溜めるという、少人数ではもっとも効率の良い手法なのだという。
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場所選びが重要で、その正しい選択には経験がいると平太。
並の砂金掘り師なら試し掘りをする必要があるが、自分は川の雰囲気で分かると言って杉元たちに場所を指定する。
このあたりなら1日の作業で10匁以上は採れるという平太の見通しを聞いて、杉元と白石は生唾を飲み込む。
平太から、取り分は折半にしましょうと呼びかけられる杉元と白石。
「一日15円以上の儲け」
「命懸けでヒグマ倒すのより遥かに割に合うぜ」
欲に目がくらんでいる二人に向けてアシリパが言い放つ。
「そうやってみんな猟をやめて砂金を採ったから川が汚れたんだ」
「平太師匠 よろしくお願いいたします!!」
アシリパを無視して、杉元と白石は平太に全力で頭を下げていた。
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平太の一言
アシリパは平太に、腰にある煙草入れはアイヌのものではないかと確認する。
その質問に対して、昔、一緒に砂金を掘って仲良くなったアイヌからもらったと答える平太。
アシリパは、だからアイヌの言葉「ウェンカムイ」を知っていたのかと納得する。
杉元は、自分たちも雨竜川で砂金掘り師を襲っているウェンカムイの話は聞いていると平太に話しかける。
ご安心ください、と白石。
こちらにはヒグマ狩りの専門家がついている、とアシリパを指し示して、平太に砂金掘りに集中してくださいと呼びかける。
アシリパは平太に、ウェンカムイが近づいてきていると言ったが、何日前からこの付近をうろついているのかを問いかける。
「もう何年もです」
え? とアシリパは聞き返す。
杉元と白石は既に作業に取り掛かろうとしており、平太の言葉を完全に聞き逃していた。
平太は何事もなかったように、アシリパに向けて笑いかける。
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ノリ子
スケッチに集中しているヴァシリに、ノリ子が話しかける。
「楽しい?」
身振り手振りを交えて、自分の事も描いて欲しいと伝えるノリ子。
そしてノリ子はヴァシリをすぐ近くの簡易小屋に連れ込む。
ノリ子は、綺麗に描いてね、と近づいていく。
ヴァシリは特に取り乱すことなくノリ子を見つめていた。
「あたしの〇〇…好き?」
ヴァシリは黙々とスケッチを始める。
ノリ子は傍らの何かに気付く。
「まただわ…捨てたはずなのに…」
直前までとはうって変わって、その表情は青ざめていた。
「ノリ子!! 何やってんだッ」
突如、嵩が小屋に怒鳴り込む。
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「来いッ」
嵩はノリ子に服を着せると、強引に外に引っ張り出す。
小屋からの去り際、嵩はヴァシリを睨みつめていた。
ヴァシリもまた嵩から目を離さない。
小屋から離れた嵩は、ヴァシリを小屋に引っ張り込んだのは暇だったから、と言い訳するノリ子に、会ったばかりの男にあんな真似するな、と怒りをぶつける。
しかしノリ子は特に悪びれずに、興味はヴァシリではなく、自分の体を絵できれいな状態で残しておきたかったのだと答える。
山で嵩の砂金掘りが終わるのを待っていたらすぐにお婆ちゃんになってしまうと考えたからと言って、もうしないと謝るのだった。
嵩はノリ子の主張に理解を示し、ハク(砂白金)で儲けたら東京に行って商売すると言ってノリ子と口づけを交わす。
その様子を、平太は樹上から見ていた。
ペロペロと舌なめずりをすると、木から飛び降りる。
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アマッポ
流し掘りを行っていた杉元と白石は、平太が消えていることに気付く。
そばで沸かしているアシリパに、平太を探してくれと頼む杉元と白石。
「あいつが熊に食われたら俺らの砂金掘りが台無しなんだから!!」
「本当に熊がいるんならな…」
意味深な呟きをするアシリパ。
「なあ兄ちゃん」
倒木に腰を下ろしスケッチしていたヴァシリに嵩が話しかける。
嵩が双眼鏡のジェスチャーをしたことで、ヴァシリは枝にかけておいた双眼鏡がなくなっていることに気付く。
嵩は少し離れた木を指差して、サルノコシカケの上に置いてあるのは兄ちゃんの双眼鏡じゃない? と続ける。
「ノリ子のいたずらじゃねえかなぁ」
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木の幹に生えている大きなキノコ、サルノコシカケには双眼鏡が載せられていた。
ヴァシリはさっそく双眼鏡を取りに向かう。
その行く手には紐が張られていた。
それに触れた刹那、仕掛け弓(アマッポ)が起動する。
しかしギリギリで、アシリパの飛び蹴りを背に受け、ヴァシリは無傷だった。
「鹿を狙った仕掛け弓だ 危なかった」
その光景を、嵩は離れたところから観察していた。
アシリパはアマッポがある場所には印がある、とヴァシリに説明して、木の幹にある印を指さす。
「頭巾ちゃんも覚えておけよ」
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アシリパは平太が熊を見た場所よりもさらに範囲を広げて熊を探していた。
その結果、穴ごもりをし損なった熊、マタカリプの痕跡は一切なく、周辺のヒグマは巣穴に籠っていると結論するのだった。
そしてアシリパは、平太はなぜ『ヒグマがいる』と嘘をつくのかと考える。
杉元は白石が指さした方向を見る。
微妙に木に隠れるような位置に熊の後ろ姿があった。
丁度よく戻ってきたアシリパに、杉元はヒグマを目撃したことを伝える。
「平太師匠の言う通り近くにいるッ ウェンカムイから平太師匠を守らないと!!」
ヒグマの足元には、三郎の父と三郎のそれぞれの死体が雑に埋められていた。
平太は目と口を大きく見開く。
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第219話 平太師匠の感想
ミステリー?
分からないことがまだまだ多い。
そもそも推理するのは苦手なんだよ……。
とりあえじ、前回よりもわかったことがある。
一番は、アシリパさんが周囲にウェンカムイの気配がないと結論付けたこと。
それも一つの証拠、シグナルを以て判断しているのではなく、ミソサザイの存在や周辺のマタカリプの痕跡、そしてヒグマの巣穴など、複数の要素を確認した上で、このあたりにクマがいないとしているので、ヒグマ狩りのプロであるアシリパさんがまず判断を間違えることはないだろう。
しかし今回のラストで杉元と白石はヒグマの背中を目撃した。
うーん……。どういうこと?
まさか誰かが着ぐるみを着ている?
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もしそうなら、ヒグマの犯行にみせかけて人を殺しているということかなと思うんだけど……。
平太たちの関係性がきちんと解説させていないから、多分それが今回のエピソードの謎を解く鍵になりそう。
ノリ子は簡易小屋で何を見て取り乱したのか?
何かに怯えているような、怖れているようなそんな様子だった。さもなくば後ろめたさ?
平太もおかしい。
アシリパさんから、周辺にウェンカムイが出没するようになってどのくらいなのかを問われて、何年もです、と真剣に答えるのは明らかに異常だ。
ひょっとしたら、今回のエピソードの初めに平太が熊に食われたのは、今、杉元たちと砂金掘りをしている平太とは別の人物なのではないか?
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三郎、その父、嵩、ノリ子は、熊に食われた男を見殺しにした?
平太はその復讐のためにウェンカムイを装って殺している?
平太は幽霊などではないと考えるなら、ヒグマに襲われても生きていたというより、別人である可能性を疑うべきではないか。
でも数年後に平太が復讐しているのであれば、アイヌのタバコ入れは形見だとして、ヒグマに食われる直前に枝で切った額の傷は説明がつかない……。
果たして真相は如何に?
以上、ゴールデンカムイ第219話のネタバレを含む感想と考察でした。
第220話はこちらです。