第290話 観音様
前話第289話の感想記事です。
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第290話 観音様
銃弾飛び交う戦場
五稜郭の東口。
ソフィアたちパルチザンは五稜郭内に侵入しようとする第七師団兵たちを迎え撃っていた。
第七師団兵たちはパルチザンからの銃弾に倒れていくが、それでも構わず、必死に五稜郭内に通じる橋を渡ろうと突撃していく。
南口でも、パルチザンたちは塹壕から機関銃を鶴見中尉たちに浴びせていた。
載っていた馬が撃たれ、前進を止められる鶴見中尉。サーベルを抜いて五稜郭内へ向かう橋を渡ろうとしていた鯉登少尉もまた、すぐ前を行く第七師団兵が撃たれ、足を止められる。
鯉登少尉は第七師団兵の死体を盾にしてパルチザンの発砲や機関銃による銃弾を防ぎ、様子を伺う。
土方、都丹も、意識が五稜郭内へ前進することに偏っている第七師団兵を撃っていく。
鶴見中尉は馬の死体を盾にして、稜堡や入口の橋付近への艦砲射撃を要請するように近くの師団兵に命じる。
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「稜堡に近すぎます」
月島軍曹は、橋の上に、師団兵の死体を盾にすることで何とか生存している鯉登少尉がまだいることを鶴見中尉に指摘する。
しかし鶴見中尉は命令を取り消すどころか気持ち楽しそうに答える。
「鯉登少尉が我々の旗手にふさわしいかどうか信じてみようではないか」
アシリパは権利書を確認していた。
「この権利書は何が何でも守らないと」
白石が呟く。
「戊辰戦争の生き残りと日露戦争の生き残り……さあどっちが勝つかね 「経験」か「勢い」か……」
牛山は遠くで手旗信号を行っている師団兵に気付く。
土方は、それが艦砲射撃の合図だと察知し、すぐにあの手旗信号を送っている師団兵を撃つように牛山に命じる。
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銃弾は手旗信号を送っている師団兵に命中する。
しかし撃たれた師団兵は地面に倒れてもなお、戦う表情を保っていた。
それを見た牛山が、よし、止めた、と呟いたその時、牛山のすぐそばのパルチザン数人が飛行船からの艦砲射撃でバラバラになりながら吹っ飛んでいく。
鶴見中尉はすぐそばの月島軍曹にありったけの手投げ弾を用意するように命じていた。
すぐにそばの師団兵に集めさせる月島軍曹。
艦砲射撃は五稜郭の入り口付近の橋に向かって行われていく。
鶴見中尉や鯉登少尉たちがいる南口に艦砲射撃が行われた直後、鶴見中尉は月島軍曹を伴い橋を渡ろうとしていた。
「鯉登少尉ついて来い」
橋の上で転がっている鯉登少尉に命じる。
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回収
五稜郭内への侵入を防ぐため、パルチザンが鶴見中尉たちに機関銃を撃つ。
しかし月島軍曹は怯むことなく、さきほど収集した手投げ弾の一つをパルチザンに向けて投げて、機関銃を撃っていたパルチザンを仕留めることに成功するのだった。
それを受けて、鶴見中尉は叫ぶ。
「稜堡の敵を排除する」
塹壕から出てきて、銃弾の弾幕で鶴見中尉たちの侵入を防ごうとするパルチザンたち。
しかし鶴見中尉はパルチザンの顔に銃弾を命中させて、前進を止めない。
「ハアアッ!!」
排莢しながら叫ぶ鶴見中尉。
ソフィアは、奴らを中に入れるなと激を飛ばす、
第七師団の躍動を受けて、都丹は慌てて土方にこの場から引いて塹壕に隠れることを提案する。
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土方は、引けば艦砲に巻き込まれるのを覚悟で第七師団兵に五稜郭内に突入されるため、ここで食い止めると都丹の提案を却下。
このままじゃみんな吹き飛ばされると牛山。
土方は答える。
「門倉たちを信じる!!」
門倉、永倉、キラウシ、マンスールの四人は観音様の像の前に来ていた。
観音様の像、さらに石をどかしたところに生じた穴に入っていく永倉。
中に入ったキラウシはそこにあったものを見て呟く。
「なんだこれ」
永倉は、函館戦争の真っ最中に土方たち新選組が函館山のここに隠したそうだと答える。
「回天丸の主砲だ」
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感想
なんという激しい戦闘……。
両軍ともに激しく銃弾やら手投げ弾やら砲撃が飛び交う中で、士気を落とさずに戦っているのがすごすぎる。もし自分がここにいたら、速攻で逃げだすか、陰で震えているかだと思う。何も出来ないだろうなということだけは感じた。こんな地獄のような光景を前に戦闘の意欲を保つなんて自分には無理。五稜郭内に乗り込む? 集中的な発砲や、さらには機関銃による弾幕の嵐を越えて? あり得ないでしょう。
でも鶴見中尉は構わず馬で五稜郭内に乗り込むための橋を渡ろうとして、機関銃で馬を撃たれて足を止められても、取り乱すことなく冷静に頭を働かせている。月島軍曹も同じだ。きっと日露戦争でもこの程度の修羅場は何度も経験済なんだろな……。この戦場にいる全員が、胆の座り方からして根本から違う。これは勇敢というよりも、狂気と表現する方が正確なのかもしれないな……。恐怖感なぞとっくに麻痺しているんだろう。鯉登少尉は日露経験者ではないけど、勇敢に戦っていると思う。敵からの集中的な発砲を仲間の遺体を盾にして受けることで次の反撃の機会を待つとかすごいな。
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それに主要な登場人物だけではなく、それ以外の名もなき戦士たちもまた、強者ばかりだ。
たとえば艦砲射撃を要請する手旗信号を送っていた師団兵は、撃たれることを完全に覚悟の上で自分の使命として命令を実行していたのだろう。自分の命を顧みることなく命令を優先した。そしれそれを行って悔いなしという表情で死んでいった。まさに猛者という感じだ。その死にざまは、死ぬまで突撃ラッパを吹き続けた日露戦争の兵士木口小平を彷彿とさせる。きっとこの場にいる第七師団兵はこんな戦士ばかりなのだろう。
そして死と引き換えに通った号令による艦砲射撃の威力がとんでもないな……。さすがにこれを食らったら作中最強クラスのフィジカルを持つ牛山であってもひとたまりもない。近代兵器は、食らった人間に等しく死をもたらすことがよく分かる。
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両軍ともに強者なのに、武器が近代化しているせいで互いに顔をまともに合わせることなくあっさりと死んでしまうのが惜しい。近接戦闘やあるいは一騎打ちみたいなロマンは存在しない。ただただ、圧倒的な威力の武器に蹂躙されるか、それを避けるために隠れるかが基本になってしまう。しかしそこは漫画だし、何しろラストの局面なんだから各キャラの見せ場はいくらでも期待できるだろう。これから毎週どんな展開になるのか、そして誰が死ぬのか目が離せない。
観音様の裏に隠してあったのは回天丸の主砲だった。
こうまでしたこれを回収にきたということは、艦砲射撃に匹敵する高威力が期待できるということなのか? ひょっとしてマンスールは砲撃の名手なのだろうか? 熱い展開に期待したい。
以上、ゴールデンカムイ第290話のネタバレを含む感想と考察でした。
第291話に続きます。
