第283話 神の刺青
第282話の感想記事です。
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第283話 神の刺青
五稜郭の機能
土方は五稜郭が星の形をしているのは戦うためだと説明する。
星の先端は稜堡としての機能を持っており、室町の頃にヨーロッパで発明された稜堡式城郭だった。
土方から、五稜郭は全方位に死角を作らない、戦闘に特化した城郭だという説明を受けて、杉元が、このままじゃ駄目だろ? と問いかける。
「さらに塹壕が必要だぜ」
そのとおり、と土方。
「新しい時代の戦争を経験した人間は分かっているな」
土方は、ソフィアたちを待つ6時間の間、戦闘準備と金塊捜索を並行して行うと方針を示す。
14時間前の札幌停留場で土方はソフィアと会話していた。
ソフィアはアシリパを追い駆けてここまで来たと言い、日本軍と戦える武装をした120名の仲間が小樽で待っていると続ける。
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そんなソフィアに土方は、小樽で仲間を連れて午後の列車で函館まで来て欲しいと告げる。
ソフィアはそばで自分をじっと見ているアシリパに視線をやる。
ソフィアがよく土方歳三に協力する気になったもんだな、と杉元。
極東ロシアの少数民族のために戦ってきたソフィアたちパルチザンが、昔の仲間だったウイルクが土方と同じ多民族国家を考えていても、方針を変えるか? と杉元。
キロランケは命を懸けた、その通りだと白石。
「信用できるのかよ! ソフィアたちに金塊を全部奪われるかもしれねえぞ」
その時はその時だと土方。
手を組まないと勝ち目が薄く、鶴見中尉に奪われるならば手に入る金塊はゼロだと続ける。
「私はソフィアを信じていいと思う」
アシリパは確信を込めて呟く。
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戦いの意味
函館に向かう列車の中でソフィアは仲間たちにこれから待つ戦いの意味を説明していた。
自分たちは同志ウイルクが望んだ北海道の多民族国家を実現すべく、北海道で移民として足元を固めること。そしてその上でゆくゆくは北海道からロシア極東へ勢力を広げて、同志ユルバルスが望んだ極東連邦国家を作るのだと続ける。
「ウイルクとユルバルスの意志 私はどちらも無駄にしない」
「私がそう決めた ついて来るか決めてくれ」
その様子を見ていた同じ客室の乗客は、ソフィアたちがどこの外人さんたちなのかと呟いていた。
その隣ではフードを被り、目を閉じている尾形が座っている。
尾形は幼い頃、母に枕元で「行きはよいよい 帰りはこわい」と子守唄を歌ってくれた時のことを思い出していた。
そして鶴見中尉たちは札幌停車場でこれから出発しようとしていた。
ヴァシリはその運搬車両の最後尾に乗り込んでいた。
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『神』
白石は建物内の地面を掘り、金塊を探していた。
しかし一向に見つからず、意気消沈する。
やっぱり建物の中じゃなくて堀に隠したと思うと杉元。
でもジジイはが『ここ掘れわんわん』って、と白石。
杉元は土方に訊ねる。
「何か確信が? そうなんだろ?」
そして隠していることがあるなら情報を共有しろと杉元は詰め寄る。
一方、外で五稜郭の戦闘準備を進めていた門倉が、見つけた土嚢の袋を牛山に報告していた。
「きた……」
門倉はソフィアたちの到着を確認して呟く。
土方は杉元、白石、アシリパの前でシャツを脱ぎ刺青人皮を見せていた。
そして土方は、土方の刺青の模様の心臓のあたりには「神」という文字が彫られており、刺青の暗号を解いた際にこの神の文字が、今、自分たちが金塊を探している兵糧庫と重なっていたと説明を続ける。
「ここに必ず何かが埋まっている」
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感想
土方に彫られていた神の文字……。
しかも神の文字の位置が心臓というのが何とも意味深だわ……。
これは真っ先に調査したくなるわ。
確かにたとえ金塊が無かったとしても、何も埋まっていないということは考え辛い。
wikipediaによると、尾形が思い出していた『通りゃんせ』は埋蔵金伝説とも関連付けられるらしい。何か関係あるのか?
かなり不穏な雰囲気の歌だし、果たして五稜郭でどんな犠牲が出るのか……。
鶴見中尉率いる第七師団との戦いが迫っている。
これは、これまでの勢力同士の争いよりもさらに熾烈な戦闘になるんじゃないか?
今はまさに、嵐の前の静けさだ。
函館に向かっていたのはソフィアたちパルチザンだけではなく、尾形、そしてヴァシリも向かっていた。
ヴァシリはここで尾形とのスナイパー対決に決着をつけることになるのだろうか。
次回、もしくはさらに次の回くらいからいよいよ戦いが始まるのか?
今から次回以降が楽しみでしょうがない。
以上、ゴールデンカムイ第282話のネタバレを含む感想と考察でした。
第284話に続きます。