第126話 門倉看守部長
第125話のあらすじ
杉元とアシリパは山でドングリを獲ったりしてリラックスしていた。
キロランケだけではなく谷垣までもアイヌの衣装を身にまとい、活き活きと鮭を獲っている。
故郷のフチは今頃穀物を収穫しているのだろう、と懐かしむアシリパ。
はしゃいでいる子供たちの姿も思い出す。
アシリパは網走監獄でのっぺらぼうに会う瞬間が近づいていることを恐れていた。
もしのっぺらぼうがアイヌを殺害し、金塊を強奪した犯人だったらどうしよう、と杉元に不安を打ち明ける。
鮭漁をしていたキロランケたち。
操船していたのはアイヌ衣装を身にまとった土方で、網走監獄の外周の河を小舟で進みつつ、土方もキロランケも谷垣もその外壁をじっと睨んでいる。
高台から眼下に広がる網走監獄の敷地を見下ろす杉元とアシリパ。
杉元はアシリパに、ここまで来たら会うしかない、と告げ覚悟を促す。
「何があっても最後まで俺がついてるから」
杉元はアシリパの肩に手を置き、力強く宣言する。
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第126話
門倉看守部長が部下に、どこだ? と問いかけている。
部下は、あの煙の出てるところ、と指摘。
そこには、刑務所の外壁、そのすぐ側に小さな掘立小屋がある。
ええ~? マジかよ、と門倉看守部長。
あんなところに小屋作ったらマズイだろ、と言い、部下に、注意しに行けよと命令する。
部下は、いやあ~、ほっときゃ良いんじゃないですか? と適当な返し。
どうせ鮭の漁期が終わればいなくなるし、と続ける。
「良いわけねぇだろ 面倒くせえな」
門倉看守部長は呟く。
採掘計画
一方、杉元たち。
広げた網走監獄の図面を前にして、潜入作戦を練っている。
「網走監獄は周囲三方が山に囲まれている」
杉元が状況を説明している。
「山の数十カ所には見張りの看守がいる」
「全員モシンナガンで武装していた」
「マキシム機関銃まであったぜ」
「戦争にでも備えてんのか? あいつら」
「山側は囚人の舎房があるので特に厳重なんだ」
白石が杉元に答える。
「舎房から脱獄したとして 看守たちがいる建物の前は通って逃げたくないからな」
「それもあるが監獄側はのっぺら坊を奪いに来る連中も警戒しているということだ」
永倉が後に続く。
「とすればやはり侵入経路は警備の手薄な網走川に面した堀しかねえ」
白石が指摘する。
「ここだ」
網走監獄の図面の一部を指差す。
「手薄と行っても誰も見に来ないわけじゃないだろう?」
牛山が問う。
小舟での偵察から帰って来た谷垣とキロランケが、堀に浮かべた小舟に載せた鮭を小屋に運ぶ。
「この計画は今の時期しか出来ねえぜ」
「鮭が獲れる今だからこそな」
白石が自らの計画に自信を見せる。
「トンネルの入り口をアイヌの小屋で偽装する」
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危機一髪
杉元は夏太郎やチカパシと共に、白石の案に従いトンネルを掘る。
坑内の崩落を防ぐために本格的な工法で木杭で補強。
暗所を照らすために明かりも置いている。
「掘り出した土は一箇所に捨てず舟に積んで川のあちこちに少しずつ流す」と杉元。
「キロランケは日露戦争では工兵だった」
「203高地でロシアの堡塁を破壊するためにトンネルを掘った経験がある」
「トンネル堀はキロランケが指揮する」
刑務所の見張り兵士が杉元たちが作業をしている小屋にやってくる。
門倉看守部長が注意する。
「あんた達さ~ 困るよこんなところに」
谷垣が小屋から顔を出したタイミングで門倉から声がかかる。
チカパシが、誰か来たよ、と杉元と夏太郎に警告を発する。
門倉看守部長は、すぐに片付けろと谷垣に注意する。
「わざわざこんなところでやらなくたっていいだろ?」
杉元はその様子をトンネル内から窺う。
「もっと鮭をよこせというのか?」
谷垣が門倉看守部長に問いかける。
門倉看守部長は、なんのことだ? と返す。
谷垣が答える。
「和人にはわからんだろうがアイヌの中でも縄張りが決まってて良い漁場にありつくのはむずかしい」
アイヌのふりをして誤魔化す谷垣。
「それに向こう岸に小屋を作るとキツネが食い荒らすんだ」
「でもここでの漁を許すかわりに毎日鮭を3匹渡す取引をしたはずだ」
「そっちの看守に聞いてみろ」
看守たちはギクッ、と反応する。
門倉看守部長は看守たちに、賄賂をもらってたのか? と問いかける。
認めるそぶりを見せる看守たち。
「ハァ・・・・・」
門倉看守部長は、部下たちの体たらくに情けなくなり、思わず溜息をつく。
杉元はまだ、そのやりとりをトンネル内から窺っている。
「5匹持って来い」
門倉看守部長が谷垣に命じる。
「嫌なら強制的に撤去するぜ わかったな?」
無言の谷垣。
キロランケは、これじゃキツネに食われたほうがましだ!! と大げさな演技をする。
ワイロを受け取っていた看守たちは、犬童に内密にして、と門倉看守部長に縋る。
「当たり前だろバカたれ」
門倉看守部長は、自らもワイロに手を染めて同罪になったことで部下に安心感を与えた。
トンネルに気づくことなく去る看守たち。
キロランケは何とか窮地を切り抜け、ホッと息をつく。
「!?」
谷垣が何かに注目している。
谷垣の視線の方向には、川の向こう岸から谷垣たちの様子を見ていたインカラマッがいた。
インカラマッは占い道具の骨を頭頂から落とした。
斜里にて
網走から東へ40キロ行った港町、斜里。
「鶴見くん これが開発途中の三年式機関銃だよ 美しいだろう!!」
有坂中将が鶴見中尉に向けて銃を見せている。
「使ってもらいたくて持ってきちゃったよ?」
鶴見中尉が有坂中将を注意する。
「有坂閣下お静かにッ」
「シ~~ですぞ!!」
鯉登少尉は宇佐美上等兵に強い言葉を浴びせている。
「宇佐美上等兵!! 貴様あれから何日たったと思ってるのだ」
「いい加減にそのホクロを消せ!!」
「ああこれ・・・」
宇佐美上等兵が衝撃の告白をする。
「入れ墨にしたんです!!」
「う……」
思わず言葉に詰まる鯉登少尉。
(めちゃくちゃ気合い入ってる・・・!!)
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門倉と杉元
杉元たちはまだトンネルを掘っていた。
「おいキロランケ」
杉元が問いかける。
「この上はどこに出るんだ?大丈夫なのか?」
「囚人のいる舎房は敷地の反対側だぜ?」
杉元の言葉にキロランケが突っ込む。
「そんなところまで堀り進めてたら漁期が終わっちまうだろ」
杉元が返す。
「頭を出したら看守たちの酒盛りのど真ん中じゃしゃれにならん」
「土方歳三が指定した距離を掘ったんだ 信じるしかねえ」とキロランケ。
その時、杉元の頭上に穴が開く。
「あ…」
開通した穴から杉元が顔を出す。
すると、門倉看守部長と目が合ってしまう。
「!?」
驚く杉元。
「いらっしゃい」
門倉看守部長が杉元に声をかける。
「予定通りだな」
「ここは?」
杉元とキロランケが問いかける。
門倉看守部長は、俺の宿舎だ、と答える。
感想
犬童に散々な言葉を投げつけられていたけど、門倉は意外と切れ者だったのか?
自分もワイロに手を染めることで部下を掌握したり、杉元の出てくるポイントに気付いていたり、ただの間抜けキャラではなさそう。
相変わらず気になる引き。
楽しみだわ~。
以上、コールデンカムイ第126話ネタバレ感想と考察でした。
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