ゴールデンカムイ最新第271話まだら模様の金貨ネタバレ含む感想と考察。圧巻のタイトル回収。ついに鶴見中尉に屈服するアシリパ。

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第271話 まだら模様の金貨

前話第270話あらすじ

杉元、白石と合流した有古一等卒は、アシリパが第七師団と共に教会にいると知り、自分が教会に向かい、アシリパを救うと申し出る。

向こうだってお前を信用してない、自分たちもそうだという杉元と白石に、有古一等卒は、アシリパが自分よりもアイヌのことを真剣に考えているから力になりたいと返す。

杉元はその言葉を信じ、教会に向かう有古一等卒を見送るのだった。

鶴見中尉はアシリパに、全ての元凶はどこにあると思う? と問う。

ウイルクが初めから自分の身の上をきちんと明かしていれば、七人のアイヌは殺し合わなかったと言って、さらに言えば…フィーナとオリガも、と続ける。

オリガとフィーナの骨を今日まで捨てられなかった 諜報活動を命じられた軍人として失格だと言う鶴見中尉。

月島軍曹はその言葉に怒りを感じていた。



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鶴見中尉はここまで話してくれたソフィアに礼を言い、さらに、長年に渡る罪悪感からあなたを解放してあげようと言って、荷物から一発の銃弾を取り出す。
「これは娘…オリガの頭の中から見つかった弾丸だ」

この弾丸が、あの時ソフィアが持っていたベルダンではなく、ユルバルス(キロランケ)の機関銃でもなく、拳銃の弾であること。
そして長谷川写真館にやってきた秘密警察が装備していた銃S&Wだと口径が大きいが、ウイルクが持っていたシュミットM1882は7.5ミリ弾であることから、鶴見中尉はフィーナとオリガを撃ったのはウイルクだと断定する。

鶴見中尉は、ウイルクの顔の皮を被っていた。

その異様にアシリパとソフィアは恐怖する。

ウイルクの皮を被ったまま立ち上がる鶴見中尉。
「私の 愛する娘 アシリパ 私の娘」



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「長谷川サン…」
鶴見中尉に憐れみの目を向けるソフィアを見て、アシリパは理解する。
(アチャが鶴見中尉をこんな哀しい人にしてしまったのか)

そしって、これまでの全てはウイルクや、ウイルクの大切にしていたアシリパへの恨みによるものだったのかとソフィアが鶴見中尉に問う。

部屋の外で盗み聞きしていた月島軍曹は、激しい怒りを覚えていた。
(それが本当の目的ならぶっ殺してやる)

鶴見中尉は、復讐ならばいくらでも機会はあったとソフィアの言葉を否定しあくまで自分の目的が日本国の繁栄だと主張する。

満州で眠る戦友たちや ウラジオストクで眠るフィーナとオリガの土地が日本の領土になればという個人的な祈り、弔いだけのために道をそらすなどということは断じて無いという鶴見中尉の言葉に、月島軍曹は安堵の表情を浮かべていた。

日本の分断は軍人として私は許せないという鶴見中尉は、父から金塊を託されたアシリパにはアイヌと和人の未来を選択出来るとし、アシリパに暗に金塊についての情報を吐くように迫る。
「父親の罪を償えるのはお前だけだ」

第270話の感想記事です。

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第270話 全ての元凶前話第269話あらすじアイヌたちは同士討ちの末、絶命していた。その場から一人逃げたアイヌのラッチも、腹部の負傷により息絶える。そのラッチの死体を抱え、第七師団が向かった先にはウイルクを含む六人の生首が地面に置いてあった。生首はいずれ...



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第271話 まだら模様の金貨

『ゴールデンカムイ』

教会に向かう有古一等卒は、二階堂に呼び止められる。

銃を突きつける二階堂に、有古一等卒は今なら土方たちの居場所を伝えに来たと答える。
今なら土方たちを一網打尽に出来ると言う有古一等卒に対して、二階堂は銃口を執拗に顔に押し付ける。

有古一等卒から、鶴見中尉が教会にいるのかと問われた二階堂は、教会のことを誰から聞いたのかと問い返す。

それに対して有古一等卒は菊田特務曹長から、と咄嗟に嘘を吐き、さらに教会の裏の方で杉元が来ていたらしいと苦し紛れに続ける。

すると次の瞬間、二階堂は有古一等卒を放置し、杉元を追うべく教会の裏の方へと走り去っていくのだった。



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「キロランケやウイルクの危機感は我々大和民族にとっても全く他人事ではないよ」
鶴見中尉は続ける。
「百年後の日本は他国によってすり潰されて消えているかもしれない」

「百年後だろうが百年前だろうがこの世界は弱肉強食…弱いものは食われる」

そして鶴見中尉は、キロランケ、ソフィアが作ろうとしていた極東連邦が出来た場合、辿るであろう運命を語る。

それは、大陸に出来た連邦政府が制圧された場合、自動的に連邦の一部となっていた北海道もロシアに取られてしまうというものだった。

さらにウイルクや土方の蝦夷共和国についても、国力増強のために遺民に頼らざるを得ず、その場合蝦夷共和国政府に日本に敵対する人間が入り込む危険性があると指摘する。



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「あくまで北海道は日本に帰属意識がある者によって統治されるべきだ」

「先祖からその国に住み育てられた故郷を大切にし暮らす人々を愛する者だ」

「日本は結束し続けねば生き残れない まして極東連邦や蝦夷共和国など言語道断である」

そして鶴見中尉は苫小牧で亡くなったアイヌたちの遺品から見つかった金貨をアシリパに見せて、自分たちの独立国を夢見て通貨を作り、それを各々の村で見せてアイヌの結束を呼びかけようと考えたのだろうという推測を述べる。
「だが見給え このまだら模様!!」
金貨の表面は部分的に色が違っていた。
「各地で採れた砂金は金の含有率が違うため混ざり合わなかった」
それを指して、皮肉にも互いに結束してひとつになろうとした彼らのようではないかと鶴見中尉。



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革命家たちに仲間割れはつきもの、と言って、鶴見中尉は全ての元凶はウイルクだけではないと思うと再度アシリパに語り掛ける。

鶴見中尉は、アイヌが昔から大切にしてきた宝物の中に黄金を使った宝物が一つもないと指摘する。
それはつまりアイヌにとって黄金は役に立たないものであり、それどころか、砂金を掘ることで川が汚れてアイヌが飢えてしまったと続ける。

アシリパは、砂金掘りによって川が汚れ、神の魚が川をのぼってこなくなった、とフチが言っていたことを思い出す。

すべてのものにアイヌがいると言ったね、と鶴見中尉。
「服や小刀 煙草入れや食器 家などにもカムイがいる 天災や疱瘡など人間をおびやかすカムイもいるのだろう?」

「黄金にもカムイがいるとすれば…!! それはアイヌにとって災厄をもたらす悪い神様なのではないかね?」

「触れる者に無残な死をもたらし どんなカムイよりも醜悪で 凶暴で眩いほどに美しく黄金色に輝くカムイ」

「いわば…ゴールデンカムイか」



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自白

有古一等卒は周囲を警戒しながら、教会に近づいていく。

杉元たちは車の中で有古一等卒をじっと待っていた。

鶴見中尉はアシリパに向かって続ける。
「7人のアイヌは殺し合った ウイルクもキロランケも 網走監獄にいた者たちも 入れ墨を彫られた囚人たちも」

「土方歳三たちもみんな殺し合う 白石由竹も杉元佐一もお前の愛する人間はみんな殺される」

「私の愛するフィーナとオリガのように」

苦しそうに目を閉じるアシリパに、金塊を放棄しろと鶴見中尉。
「暗号の解き方をすでに知っているのだろう?」

「アシリパ駄目ッ!!」
ソフィアは必死になってアシリパに呼びかける。

鶴見中尉はすっくと立ちあがり、床に落ちているウイルクの顔の皮を拾って乱暴にソフィアに被せると、息が出来ないよう、皮を思いっきり引っ張って、口元に皮を押し当てる。



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息が出来ず苦しむソフィア。身体を拘束されているため、何も抵抗できない。

「やめろッ」

鶴見中尉は目を閉じ、万力のような力を込めてソフィアの呼吸を止めようとしながらアシリパに呼びかける。
「アシリパに脅しは通用しないと最初から分かっていたが迷っているなら言い訳をあげよう」
口調は極めて穏やかだったが、力を込めるあまり、微かに震える鶴見中尉。
その額からは汁が漏れ始めている。

有古一等卒は教会のドアに手をかけようとしていた。

「教えなさいアシリパ」
鶴見中尉は小刻みに震えながら、優しく呼びかける。

息が出来ず苦しむソフィア。



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アシリパの呼吸は明らかに荒くなり、身体が震え始めていた。
「思い当たることはあるけれど…それはまだ…はっきりとは…」

「『思い当たる』というのか?」
鶴見中尉は話の先を促す。

「私しか知らない アチャのアイヌ語の名前…」

「それは何だアシリパ」
鶴見中尉の額から漏れ出る汁の勢いが増す。
「教えなさい」

有古一等卒は教会の入り口の扉を開く。

「ホロケウオシコニ」
震える声で白状するアシリパ。



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感想

圧巻のタイトル回収

ここでタイトル回収か……!

今感じている感動は、これまでの物語の積み重ねがあってこそなんだろう。

確かに物語は終盤に差し掛かっているのを感じる。
でもここからさらに一つ、物語のテンションが上がっていくのではないかと期待してしまう。
この絶望的な状況から杉元やアシリパが鶴見中尉にどう反撃するのか、楽しみ過ぎるんだよな……。

眩く輝くほどに、関わる者たちを不幸に陥れていく黄金の神『ゴールデンカムイ』。

鶴見中尉のセンスが光っている。

アイヌの持ち物の中に黄金を使ったものが無いという鶴見中尉の指摘は、アシリパさんの反応を見るに間違ってはいなかったんだろう。
悪しきカムイだからアイヌはそれを身近に置こうとしなかったという鶴見中尉の考察はアシリパさんを追い込む有効な一手となった。



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そこにすかさず次の一手として、そんな黄金に関わり続けたら、同士討ちをしたアイヌたちやキロランケ、ウイルクのように杉元たちも死ぬという一言。

アシリパさんも金塊を追うことは危険が付き物だと分かっていたはずだった。
金塊を廻る激しい戦いがあり、実際に何人も人が死んでいく様を目撃してきた。

しかし杉元たちが死ぬという想像には繋がらなかったのではないか。

それが鶴見中尉の巧みな話術により、杉元たちが金塊を追わせていて良いのかという疑念に繋がった。

ダメ押しにソフィアをウイルクの顔の皮で窒息させようとしながら、アシリパに自白を迫る……。

これはダメだ。そりゃ吐きますわ。金塊を放棄するための理由があらゆる方向から完璧に用意されてしまっている。



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そしてアシリパさんは、ついに屈服してしまった。

震える声で、アシリパさんだからこそ知っていたワード「ホロケウオシコニ」……。

可哀そうに……。

しかし、今回ばかりは鶴見中尉の追い込みが見事過ぎた。
鶴見中尉はこうやって追い込めばアシリパさんから情報を引き出せると確信していたんだろうな。
つくづく恐ろしい男だ。

この「ホロケウオシコニ」というキーワードを知ったことで、果たして鶴見中尉は金塊に近づけるのだろうか。

どうやって金塊への道が拓かれるのか、そのあたりのギミックについて明かされるのが楽しみだ。



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鶴見中尉に隙があるとしたら……

アシリパ以外は、決して独力では到達しない「ホロケウオシコニ」というキーワードを知ったことで絶対的優位に立った鶴見中尉だが、隙がないわけではない。

それは第七師団の部下たちが一枚岩ではないこと。

鶴見中尉が土方陣営に潜り込ませた有古一等卒は、鶴見中尉に敵対する姿勢を見せている。
まぁ、有古一等卒に関して、鶴見中尉は当初から裏切りを織り込み済みなんだろうけど……。

かつては宇佐美上等兵に匹敵するほど鶴見中尉に心酔していた鯉登少尉は、樺太で鶴見中尉が自分や父親を騙していたことを知り、さらに重傷を負った際に鶴見中尉に見捨てられて以来、意識して鶴見中尉に従わなければいけなくなった。

さらに常にそんな鯉登少尉に随行していた月島軍曹に関しても、一見平気な顔をしながらも、実は鶴見中尉への忠誠心は揺れている。
特にここ数話の鶴見中尉に対しては下手すれば銃口を向けかねないほどだった。



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菊田特務曹長に関しても、昔から鶴見中尉のやり方には内心賛同していないように見える。

二階堂については、杉元が最優先でいざとなったら鶴見中尉の言うことを聞かなそうだし……(笑)。

最も鶴見中尉に忠実な部下と言えた宇佐美上等兵を失った今、鶴見中尉には忠実な部下はいないといってよいのかもしれない。

鶴見中尉はまだらになっている金塊を指して、決してまとまらないアイヌだと喩えた。
しかしそれは、第七師団にも言えることなのではないだろうか。

杉元たちが鶴見中尉に一矢報いるには、鶴見中尉の率いる結束の崩れかけている第七師団に対して、それ以上のまとまりを示して反撃していくことなのかもしれない。

その場合、土方陣営がどう動くかだな……。今のところ杉元たちと行動することを期待できるけど、第七師団が金塊争奪戦から離脱したら今度は敵対し合う可能性は十分にある。



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鶴見中尉の真意は?

結局土方の蝦夷共和国構想も、今回の話の前半で鶴見中尉が言っていたように上手くいかないと思う。

その辺りは、読んでいて鶴見中尉に賛同できた。

日本が生き残る為には、日本に帰属意識がある人間が一致団結しなければいけない。

「100年後の日本は他国にすり潰されて消えているかもしれない」という鶴見中尉の言葉も、尖閣諸島が中国に侵略されている今、とても真実味がある。尖閣とられて基地を造られたら、今度はそこを橋頭堡にして沖縄を侵略するだろう。

結局、鶴見中尉の話には納得できることも多いんだよな……。
だからこそアシリパさんも批判をせずに耳を傾けていた。その結果、「ホロケウオシコニ」を自白してしまった。



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しかし鶴見中尉の本当の目的が、他にありそうな気がするんだよな……。
鶴見中尉の話は、もっともらしいことを言っているだけのような気がしてしまう。
これまでの彼のやり方を見ていると、鶴見中尉のことを信用し切れない。

フィーナとオリガのことはあくまで目的に向かう途中にある小さな花のようなものだと言っていたけど、それは本当なのか。

ひとまず「ホロケウオシコニ」を知って、鶴見中尉がどう動くのか。

そして杉元たちがアシリパさんを救えるのか。
そのためには有古一等卒の動きがかなり重要になる。

ああ、次回が気になる……。

以上、ゴールデンカムイ第271話のネタバレを含む感想と考察でした。

第272話に続きます。

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