ゴールデンカムイ最新第252話 貯酒室ネタバレ含む感想と考察。ビール工場内での戦い。

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第252話 貯酒室

前話第251話 札幌ビール工場あらすじ

杉元チームは花火の上がった牛山たちの持ち場へ急ぐ。

牛山は宇佐美上等兵の襟を掴んでいた。
宇佐美が銃を撃とうとするが、牛山は銃身を持ち自分に向かないようにしてかわす。

そこに鯉登、月島、菊田、二階堂がやって来る。
宇佐美に弾が当たるのを避けるために、鯉登少尉はサーベルを抜いて牛山と宇佐美のところへ向かう。

牛山は宇佐美が銃剣を突き出そうとするよりも先に宇佐美を投げ飛すと、ビール工場の内部に逃げていた。

その頃、土方たちは本物の連続殺人犯マイケルと遭遇していた。
夏太郎の顔を斬りつけて路地へ逃げていくマイケル、

土方は、永倉に訂正の花火を上げるよう指示していた。

そうして上げられた花火に杉元は困惑するが、都丹と海賊はその意図を汲み、二手に分かれる方針に柔軟に対応していた。



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一方、屋根の上で双眼鏡を除いていたヴァシリは、物見櫓に尾形の姿を発見する。

花火の上がったあたりに来ていた杉元たちは、キラウシと出会う。
杉元から牛山たちの所在を訊ねられ、キラウシは工場の中だと答える。

ビール工場の中に入っていく杉元。

白石とはぐれた杉元は、アシリパと一緒に両脇を樽に囲まれた通路に来ていた。
そこでか何者かの気配を感じていた。

「杉元ォ」
立っていたのは二階堂だった。

銃を構える杉元。

第251話の感想記事です。

ゴールデンカムイ最新第251話札幌ビール工場ネタバレ含む感想と考察。
第251話 札幌ビール工場前話第250話 打ち上げ花火あらすじ時計台で鯉登少尉、月島軍曹、菊田特務曹長は、宇佐美上等兵がいなくなった事に気付く。菊田は宇佐美が次の殺人が起こる場所に先行し、犯人を捕まえようと訴えるのだった。その頃宇佐美上等兵は札幌ビール工...



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第252話 貯酒室

杉元ピンチ

憎き敵杉元を発見した二階堂は、激高して杉元に襲いかかる。

しかし先に杉元に飛び掛かったのは、サーベルを振るう鯉登少尉だった。

鯉登少尉の一撃は巨大な酒樽を直撃する。
樽についた傷から噴出するビールを、鯉登少尉はまともに顔に浴びてしまう。

樽から噴き出したのがビールだと気づいた杉元。

二階堂が杉元を腕の仕込み銃で銃撃する。
銃弾は杉元の傍らの樽に着弾。

そこにアシリパが駆けつける。
立ち上がろうとしている杉元の盾になりながら、矢筒から矢を取り出すのだった。

月島軍曹は、杉元を追撃しようとしている二階堂を、アシリパに銃弾が当たると言って制止する。



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発砲する杉元。
鯉登少尉は杉元の銃の銃身を左で持って銃弾をかわしつつ、右手でサーベルを振り上げる。

杉元は鯉登少尉に体当たりし、樽に鯉登少尉の身体を押し付けてから頭で鯉登少尉の顎をかち上げる。

「杉元ォ!!」
悲鳴に近い叫びを上げる二階堂。

月島軍曹は必至に二階堂を落ち着かせようとする。

菊田特務曹長は、樽の上に登り、頭上という死角から杉元をピストルで狙っていた。
しかし牛山が樽を押して、樽が激しく動いたことにより、バランスを崩してしまう。

衝撃を受けた樽から大量のビールが流れだす。

杉元と鯉登少尉は樽から出てくるビールをモロに顔面に浴びながら、大量に飲んでしまう。
そして床に大量に撒かれ、濁流となったビールに流されていく。



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ビール

別の部屋にいた白石は、ゴゴゴという音を耳にしていた。
直後、杉元たちと共に大量のビールが流れてくる。

必死に逃げる白石。

「なんて……爽やかなノド越し」
立ち上がろうとする杉元。しかし完全に泥酔しており、ふらついてしまう。

すかさず二階堂が襲い掛かるが、杉元はひらりと身をかわす。

酔拳のようなポーズをとる杉元。
「オラかかって来いやぁ!! 俺は不死身の」

月島軍曹が杉元の後頭部に鉄槌を食らわす。



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床に流れるビールに足を取られ、杉元と共に月島軍曹も転んでしまう。

「うい~!!」
鯉登少尉は完全に酔い潰れてしまい、床に仰向けになっていた。

アシリパは杉元を探していた。
しかし菊田特務曹長がアシリパをひょいと担ぎ上げてしまう。
「アシリパ確保」

そのままビール工場を出る菊田特務曹長。
しかしアシリパに矢尻を鼻に突っ込まれ、足を止める。

アシリパは矢尻の毒は小樽産のトリカブトで、人間なら即死だと脅すのだった。



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狙撃

尾形は物見の塔からアシリパたちの様子を見ていた。

アシリパは矢を菊田特務曹長に向けて、もっと離れるようにと命令する。

菊田特務曹長は両手を前に突き出しながらアシリパに、おまえは知りたくないのか? と切り出す。
「七人のアイヌがどうして殺されたのか」

何故お前が知っているという問いに、菊田特務曹長は、事件当時現場を調べて遺体と遺品を回収したのは自分たちだと答える。

尾形は、宇佐美上等兵がアシリパを発見したことに気付く。

鶴見中尉と話すといい、とアシリパを説得する菊田特務曹長。
父親に何が起きたのか知ることは、金塊の在り処よりも知りたいことではないのか、と言われ、アシリパは閉口する。



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アシリパが菊田特務曹長に釘付けにされ、さらに宇佐美上等兵が迫っていることに気付いていない。
「鶴見中尉に渡っちまうな」
そう言って、尾形はアシリパに照準を合わせる。

その時、尾形の右側に勇作が出現する。
「うッ!!」
思わず仰け反る尾形。

直後、銃に横からの弾が当たる。
弾着地点は、ちょうど尾形の頭があったあたりだった。

「……」
弾が飛んできた方向に視線を送る尾形。

初撃を外したヴァシリが尾形を睨む。

尾形が呟く。
「手練れの狙撃手だ…」



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感想

ビールの濁流

二階堂のみならず、鯉登少尉にまで同時に襲い掛かられる杉元。

さらに死角から菊田特務曹長にピストルで狙われて、全く気付いていない杉元、大ピンチ!

……かと思ったら牛山の酒樽押しというファインプレイにより菊田転倒でピンチを脱出した。
牛山出現のタイミングの良さに、杉元の悪運の強さを感じる。

そしてビールを浴びるように、いや、浴びながら飲む杉元と鯉登少尉……。

当然杉元と鯉登少尉は酔っぱらってしまった。
杉元の酔拳モーションも、ひどく酔ったために足元がふらついているだけだ。

しかし、実はビールを直接飲んでいないその場にいた他の面々も、かなりきついと思う。



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以前、ビールかけの現場に居合わせたことがある。
ビールかけが終わった後の室内にはビールの香りが充満し、飲んでいないにもかかわらず酔いそうなくらいだったことを鮮明に覚えている。
床に撒かれたビールから立ち昇るアルコールを多分に含んだ臭気が、鼻や口の粘膜を、まるで圧迫してくるように容赦なく入ってくるんだよ……。

ましてや、今回牛山が撒いた量は、自分が過去にビールかけの会場で見た量とは桁違いだ。
ビールの濁流に人が呑まれるとかとんでもないことだわ(笑)。

現場は戦うどころじゃない。
実際、ビールを飲んでいないはずの月島軍曹も二階堂もグダグダだった。

そんな中にあって、菊田特務曹長はアシリパさんを捕えて、一人ビール工場から脱出と、きっちり仕事をした。さすが。
菊田特務曹長はあまりコメディを演じていないように思う。
それだけに、非常にメタな感想になってしまうが、この漫画においては死に近いのではないかと思ってしまう。



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アシリパさんの急所を知る菊田特務曹長

アシリパさんは、たださらわれるだけのか弱い存在ではない。

アシリパさんは菊田特務曹長に身体を担がれたまま、彼の鼻に毒を載せた矢尻を突っ込むことで足を止めさせた。
冷静な判断と行動はさすがだ。

しかし、その後の菊田特務曹長も冷静だった。
アシリパさんを説得するために、アイヌ殺害事件の折にウイルクの身に何が起きたかという、彼女が最も知りたいであろうことを彼女の鼻先にぶらさげるとは……。

それこそがアシリパさんが金塊の在り処よりも知りたいことだと見事に喝破した菊田特務曹長は油断ならない敵だと言える。

アシリパさんは、菊田特務曹長の申し出に、どう反応すべきか迷っているように見える。



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さすがに、その話を聞きたいがために菊田についていくとは思わないけど、どうやってこの場で話を聞き出そうか必死に考えているんじゃないかな。

そうして足を止めている間にも、宇佐美上等兵が迫る。
アシリパさんはかなり旗色が悪い状況に置かれている。

それを敏感に感じ取った尾形は、このままだと鶴見中尉の元にアシリパさんが渡ると判断し、狙撃を決めたようだ。

杉元にも、鶴見中尉にも与しない。かといって土方にも完全に協力するわけでもない。

尾形は金塊に拘泥する理由が特段存在せず、あくまで独自の立場で戦っている。
そんな尾形が、アシリパさんに凶弾を発射して強制的に金塊争奪戦を終わらせてしまうのか。



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勇作に救われた尾形

……かと思いきや、尾形の元に現れた勇作の霊……。

アシリパさんを殺したくないという尾形の潜在意識が、勇作の霊という形をとって尾形に撃たせなかったのか。
それともヴァシリの殺気を知らせて、尾形の命を救ったのか……。

おそらく前者だろう。
尾形が勇作の霊の出現に驚き、のけぞったタイミングでヴァシリが発砲という流れだと思う。
ヴァシリの銃弾は尾形の頭部を見事に狙っていた。しかし発砲の直前に尾形が突如のけ反ったことで銃弾が外れた、と。

今回、尾形がアシリパを仕留められなかったことが、結果的に自分を救っている。
これは、実はかなり象徴的なシーンなのではないだろうか?

尾形にとって、アシリパは殺してはならない。
むしろアシリパを救うことで、彼自身もまた救われるのではないか。



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尾形はアシリパさんと接して、度々勇作を想起している。
アシリパさんと勇作の共通性は尾形と異なりその生き方が真っ直ぐで、さらに皆に愛されているということだろう。
いや、尾形には勇作やアシリパさんは、愛されているから真っ直ぐに生きているように見えているのか。

勇作やアシリパさんの在り方は、誰にも顧みられなかった尾形にとっては憧れであり、妬ましさの対象だった。
そうありたいと望んでも、もう決して叶わない。
尾形は既にそのことに気付いているんだけど、今更止まれないのではないか。

尾形は自らの内から沸く真っ直ぐな生き方への妬ましさを超えて、この金塊争奪戦からアシリパを守り抜くべきだ。
それを完遂した時に、尾形は新たな人生の地平を切り拓けるのではないだろうか。

今回、勇作の霊が出てきたことで、アシリパを殺害できなかった。
それによって、実は自分までもが救われていたことに尾形が気付ければ、杉元たちのパーティーには加わらないまでも、実質的な仲間になるかも……。

以上、ゴールデンカムイ第252話のネタバレを含む感想と考察でした。

第253話に続きます。

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