第91話 トゥレプ
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土方たちも熊岸が樺戸にいないことを知っただろう。
だが、まさか自分たちが熊岸を埋葬しているとは思うまいと杉元。
「タント アキ カトゥ アオイラ クニㇷ゚ ネ ナ(今日私たちがしたことは忘れるべきだ)」
「ネン カ アヌレ ヤㇰ アシトマㇷ゚ ネ ナ(誰かに聞かせたら恐ろしいことになる)」
囚人たちの死体をすべて埋葬して、
エクロクの妻を演じていたアイヌの女性が言う。
実際に脱獄囚がアイヌに成りすましていた噂があるそうで。
本当だったらたまらなく怖い話だ。
川岸でトゥレㇷ゚をイウタニ(杵)とニス(臼)でゆり根をつぶす作業。
尾形が「それ囚人の頭を殴ってたやつだろ」と指摘する。
返答シーン無し(笑)。
いくらなんでも血を洗うくらいはしたよね。
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抽出された澱粉の、通常は貴重だから使用されない一番粉が振舞われることに。
ヨブスマソウの茎に澱粉を溶かした汁を流し込み、
表面が焦げるまで火に当ててできたクトゥマという団子を頂く一行。
くずきりのようだと評する牛山。
「ヨブスマソウの香りがうつって甘くてうまい」とアシリパ。「ヒンナヒンナ」
二番粉をフキの葉で包んで焼いたものを頂く杉元。
「団子の甘さに筋子ダレのしょっぱさがあいまってとぉ~ってもヒンナ!!」
杉元大丈夫か(笑)。ここの杉元、面白過ぎる。
「わあああおおお」杉元の手から味噌を奪うアシリパ。
ここのアシリパさんの顔(笑)。久々の変顔が見れてうれしい。
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「オソマ?」「オソマ…」ざわつく女達。
「ほらほらアシリパさんがオソマ言うからうんこ食べてると思ってるよ」と杉元。
アシリパ、ドヤ顔気味に
「タンペ アエ エアㇱカイ オソマ ネ ナ(これは食べられるオソマです)」
杉元の味噌を容器ごと観察する女達。
「ウンコじゃなくて味噌なんですよ?」フォローするも女達には通じていない様子。
アシリパさんいい加減味噌をオソマ言うのやめなさい(笑)。
しかも得意げに「食べられるオソマ」なんて恐ろしい。
この間違いが長期化すると、いつか本当に大惨事が起きそうな気がしてならない。
杉元が、味噌は大豆から出来ていることを説明しないからいけない。誤解は早めに解かねば。
「ケラアンフミー!(まあおいしい!)」
これは一刻も早く味噌はオソマではないと分かってもらわないと。
いや、本当に怖いでしょ。
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何かアシリパに向けて言っているようだ。
意味を聞く杉元。
「私がオオウバユリの神様みたいだって」とアシリパ。
ある村長が、二人の小さい女の子が村ごとに村長を訪ね、
お椀を借りて物陰で脱糞し食べろと言って差し出し、
拒否すると大変罵倒されるという噂を聞いた。
理不尽な話だ、と杉元。
ある日自分の村にやってきて聞いていた話の通りの行為をする女の子。
椀いっぱいにどろどろしたものが入っている。
村長がそれを食べてみたらおいしかったという。
「登場人物全員変態かよ」と痛烈なツッコミをする杉元。
実はその二人はギョウジャニンニクとオオウバユリの化身であり、
自分たちのことを食料だと認識していなかった人間に食べて欲しかったのだ。
なぜなら人間に感謝され祀られないと神様になることが出来ないからだという。
「その村長のおかげでこの食料を知った人々は
飢えから守られて暮らせるようになった……というお話だ」とアシリパは語り終える。
「お椀のどろどろはウンコだったの?」と杉元。
家の中は皆の楽し気な笑いで満たされた。
微笑ましいよなぁ。この空気感。
しかしオソマネタが鉄板になっているアシリパさんには困ったものだ(笑)。
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一番の被害者である女たちはこれ以上もう関わりたくないのだという。
「面倒だ……殺して皮を剥いでいこうぜ」と尾形。
「無抵抗の人間まで殺すのか?」とそれは許さないという顔のアシリパ。
「……」沈黙する杉元。
鈴川、自分と同じく網走から脱走した他の囚人の情報を武器に交渉する。
尾形は冷静に鈴川が詐欺師であることを指摘する。
結論として、鈴川を連れていくことに。土方らと合流して処遇を相談することに。
これで大丈夫かな。鈴川、油断ならない相手だと思うけど。
これは、当然の事ながら仲間にはならない感じだな。
何しろ脱走後さらに重ねたえげつなさ過ぎで罪が大き過ぎる。
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クマを倒した牛山が人気だという。
口々にチンポセンセイと言う女達。
「熊に勝ったし強い子供が出来ると言ってる」と女達の言い分を通訳するアシリパ。
ピコリンッと反応する牛山。
「悪いが用事があるんでね」と尾形。
「子種だけ置いていけないだろうか」と杉元に引きずられながら名残惜しそうな牛山。
牛山を引きずりながら「責任とれるのか? 弱みにつけこむのは良くないぞ牛山」と杉元。
「弱くなんかない」
「アイヌの女だってしたたかなんだ」
「このコタンは必ず生き返る」
さあ先を急ごうとアシリパ。
「白石もきっと杉元に逢いたくて寂しがっている」
残ってたら本当にチンポ先生になってしまう(笑)。
実際この村の女達なら村を立て直せるだろうと思わせる強さがある。
人間、たくましくなくてはね。
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屋根によじ登り、屋根伝いに走ってジャンプで地面に降りる。
降りた先で何十丁もの銃口を突きつけられ完全に退路を断たれる白石。
「逃げてみろ脱獄王!!」
これは完全にアウト。
白石の重要度がマックスまで高まった瞬間に
一番捕まってはいけない相手にとっ捕まる間の悪さ。
「鶴見中尉か?」とキロランケ。
「いや、鶴見は見当たらなかった」と土方。
「別の隊だ」
永倉は言う。住民によれば旭川に戻る途中だった、第七師団本部から作業で駆り出された兵たちらしい。
助けるには人数が多すぎたと土方。「だがこのまま旭川の本部に連行されれば非常に厄介だ」
「白石なんだからほっとけば勝手に逃げてくるのでは?」とキロランケ。
「今この瞬間殺されて皮を剥がされているかも」と家永。
「本部のどこかに監禁されたら自力で脱出するのに下手すりゃ数か月もかかる」と永倉。
土方、方針を決める。「永倉と家永は月形で杉元たちを待て」「奴らが到着したら旭川へ迎え」
「私とキロランケで白石と奪還する」
贋作で刺青人皮の暗号が解けなくなってしまったなら
白石に網走監獄ののっぺらぼうに接触してもらい、
娘のアシリパに金塊の在り処を伝えてもらうという役目は
白石のみが可能なため。
土方とキロランケかっこいいわ~。
白石の重要度が再認識され、どうしても救わなければならなくなった。
果たして多人数の第七師団から白石を救う方法はあるのか?
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