ゴールデンカムイ最新第125話実りの季節の感想(ネタバレを含む)と考察。嵐の前の静けさ。真実を前に恐れるアシリパ。

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第125話 実りの季節

第124話のあらすじ

廃旅館に土方を始めとして、永倉、牛山も登場する。

土方らの説得に従う形で都丹庵士は争いの鉾を収める。

杉元は都丹庵士を生かしておくのは安心できないので出来れば始末したいと言うが、永倉やアシリパの言葉で都丹庵士は救われる。

一方、鶴見中尉第七師団は会議を行っていた。

会議の場に参加していたのはいつもの顔ぶれ。

そして、その中に網走で新人看守として潜入していた宇佐美上等兵が参加していた。

会議に参加していた鯉登少尉と同様に鶴見中尉に心酔している宇佐美上等兵。

鶴見中尉から失敗を咎められても内心で鶴見中尉の接近を喜ぶ。

鶴見中尉のお仕置き、もといじゃれつきに喜ぶ宇佐美上等兵。

その様子を見て笑う二階堂。嫉妬する鯉登少尉。

杉元たちの情報を聞き出し、アシリパのことも気に掛ける鶴見中尉。

北見に着いた杉元達は集合写真を撮っていた。

杉元は土方たちに裏切り者について報告していた。

北見までの道すがら、土方はキロランケとインカラマッの二人の写真を撮って誰かに調べさせることを提案していた。

集合写真を撮影したあと、それぞれの写真を撮る一行。

最後に撮られた谷垣は何故か写真師の田本によって脱がされ、ポーズをとらされていた。

一方、白石と啄木は土方からの資金を元手に遊郭でどんちゃん騒ぎをしていた。

啄木になにをさせるのかという白石の問いに新聞社を買うから記者を探していたのだと答える啄木。

啄木は続けて、新聞に絵や写真を取り入れて新聞王の名を欲しいままにしてついにはアメリカとスペインの戦争の原因を作ったと言われるウィリアム・ハーストについて話をされたと答える。

土方が北見へと呼び寄せていた田本研造から一枚の写真を渡された土方は意外な表情になる。

ゴールデンカムイ最新第124話思い出の写真の感想(ネタバレを含む)と考察。北見で...
第124話 思い出の写真第123話のおさらい都丹庵士に有利な夜の暗闇が夜明けが近づいて徐々に日が射していく。都丹庵士は部下と一緒に杉元たちから逃げる。逃がすまいと都丹庵士の仲間に蹴りを打つ杉元。アシリパが木に縛り付ける。杉元の負った傷の具合を心配して杉...

124話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第125話

アイヌの恵み

フチが、坂本慶一郎とお銀の間に生まれた赤ちゃんに子守唄を歌いながら収穫作業をしている。


ホルルルルッ

イテキ チシノ モコロ モコロ
(泣かずにねんねしな)

エモコロ ヤクネ エコロ ミチ カ エコロ ハポ カ
(ねんねしたならお父ちゃんもお母ちゃんも)

ネプキ ヤクネ ソモ イペルスイ エキ ナンコンナ
(働けるだろうからひもじい思いはしないよ)

ニシパ エネ クニ カムイ エヌカラ キ クスネ ナ
(立派な人になれるように神さま見ていて下さろう)

モコロ モコロ イテキ チシノ モコロ モコロ
(ねんねん泣かずにねんねしな)

「アイヌ民族誌」久保寺逸彦訳


夏が終わる。

フチがリズミカルに歌を歌いながら収穫作業に勤しんでいる。

「オンタロ シク オハオ♪」
(樽がいっぱいだ)

「オンタロ シク オハオ♪」
(空けなさい)

アシリパと杉元は山道を歩く。
「今ごろフチは穀物を収穫しているんだろうな」
フチの作業しているであろう風景を想うアシリパ。
カワシンジュガイの貝殻を研いだピパで穂をちぎって収穫すると説明する。

「大きな袋がピヤパ(ひえ)とかムンチロ(あわ)でいっぱいになる」
「空には雁が渡ってきて子供たちが追いかける」

オソマたちアイヌの子供たちが楽しそうに遊んでいる。
ゴールデンカムイ125話 オソマたち
エムシ ランケ♪
(刀 落とせ)

タマ ランケ♪
(珠 落とせ)

「エムシというのは男の儀式用の刀でタマというのはタマサイという女の首飾りのこと」

アシリパが説明を続ける。

「アイヌは鮭を獲って和人からエムシやタマサイを手に入れた」
酒や食べ物とかを入れる漆器であるシントコは鮭100匹と交換したと説明するアシリパ。

雁が毎年渡って来る姿はアイヌに宝物を齎すという。

それは、鮭が川を遡ってくる。
つまり漁の知らせ。

アイヌは鮭のことをカムイチェプ『神の魚』、もしくはチュクチェプ『秋の魚』と呼ぶという。

小舟に乗ったキロランケと谷垣が鈎棒を手に鮭を獲っている。


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ニセウ トゥイ ナー フイー♪
(どんぐりがおちてるよ)

ニセウ トゥイ ナー フー♪
(どんぐりがおちてるよ)

木の根元のドングリを拾う杉元とアシリパ。


アシリパが説明を続ける。

ニセウ(どんぐり)は実を茹でてから干して渋味を抜いて甘みを出す。

そうして、シントコに保存し、おやつや、ニセウを挽いた粉を使って餅にも出来る。

ヒグマもこの時期、ニセウをたくさん食べる。

「見ろ杉元」
靴に注目させるアシリパ。
「ハッ(ヤマブドウ)だ」

「わたしの靴はこのヤマブドウの蔓で編んだものだ」


蔓を指すアシリパ。
「カムイがこの蔓を耳たぶに下げた」
自らの耳のアクセサリーを見せる。
「私たちの耳輪はそれを見習ったものだ」

「小さい頃 耳たぶに穴を開けると塞がらないようにヤマブドウの蔓を通しておく」

クルクルと巻いた蔓が耳たぶを通っている。

酸味が効いていて元気が出ると杉元。

「食べすぎるな」
アシリパは、ハッを沢山食べると舌が痛くなる、と杉元に注意する。

揃って、「チュパ」と音を立てる。
ゴールデンカムイ125話 杉元とアシリパ

「杉元あれ採ってくれ」
アシリパが指を差した先にある実。
「クッチだ」
アイヌ達はサルナシの実をクッチと呼ぶ。

「サルナシの蔓はかんじきになるんだよな? アシリパさん」
思い出し、アシリパに問いかける杉元。
「そうだ!」
「よく覚えてたな杉元」

「クッチ美味いよアシリパさん」
感想を言う杉元。
「とっても甘い」

「クッチはヒグマも大好きでこの時期たくさん食べるんだ」
アシリパが続ける。
「いっぱい食べろ杉元」

たくさん食べろとクッチを勧めておきながら、食べ過ぎると肛門がとても痒くなると言うアシリパ。

「チュパチュパ」
「チュパチュパ」
「チュパチュパ」

無言で食べる杉元。

再び、アシリパが説明を始める。

「東に住むアイヌは野いちごをサケイチゴと呼ぶそうだ」

その理由を、実が赤くなると鮭が遡ってくる知らせになるから、と説明するアシリパ。

他にも、ホザキシモツケの花が散ると鮭が遡ってくる知らせという地域もあると続ける。」

「そうやってアイヌは鮭を待ち望んでいたんだねぇ」と杉元。


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漁をしているキロランケが谷垣相手に説明をしている。

「これは俺達がマレクと呼んでる鈎銛だ」
ゴールデンカムイ125話 キロランケ
「突く時はモリとなり魚を引き上げる時は先端が回転してカギの役目に変わる」

説明はさらに続く。

「イサパキクニといって魚の頭をたたいて殺す『なづち棒』だ」

その来歴を説明するキロランケ。

この棒でたたくと鮭はこれをくわえて喜んでカムイの国に帰って行く。

逆ん、腐った木や石で殴ると鮭はくやし泣きしてカムイの国に帰る。

だから、下手なことをすると、魚を支配するカムイの怒りを買ってしまうことになるかもしれない。

鮭は鹿と同様、それ自身がカムイというわけではなく、天上のカムイの袋の中に入っており、その都度海に放流されるもの。
アイヌにとって、鮭は主食であり、水や空気と同じで自分の身の回りに極自然に、当然のものとして存在していると考えてられている。

しかし、当たり前のものだからといって鮭を粗末に扱ったり、川を汚したりすれば、鮭を放流してくれているはずのカムイの袋の口は固く閉じられ、人間はひもじい思いで冬を越すはめになってしまう。
「見ろ杉元」
杉元の視線を集めるアシリパ。
「尾根じゃない立木にヒグマが爪で横に引っ掻いた跡がある」

それは、熊同士に通じる印であり、熊自身のテリトリーを周囲の生き物に知らしめる効果がある。

猟師はチセシロシ『家の印』と呼んでおり、近くにヒグマの巣穴があるとされる。

一帯の笹が刈り取られていることから、冬に備えたヒグマが巣へと運び込んだからだと判断するアシリパ。

「かなり巣穴が近い証拠だ」

アシリパは、この時期はサルナシの実ばかり偏食した結果、まるで肉がクッチのような味がするヒグマがたまにいると言う。

「どうする? 獲ってみるか? 杉元」


「いや俺クッチでいいわ」
チュパ、と再び食べる杉元。
アシリパは再度説明する。

雪が降り出すとヒグマは、サルナシ、ヤマブドウの蔓の硬い皮などを頻繁に食べるようになる。

それは、肛門に栓をするためであり、その頃にはお腹が空っぽになってるという。

その工程を終えて、晴れて穴に篭もる島民の準備が完了する。」


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アシリパの知識量に感心する杉元。
「本当によく知ってるねえアシリパさんは」

「全部アチャ(お父さん)が教えてくれた 山のこともアイヌのこともすべて・・・」

アシリパは照れ隠しでふざけてごまかしたりせずに、本当の気持ちを答える。

「杉元…」
アシリパが話を切り出そうとした間際、表情が重くなる。
「私は…怖い」
「アイヌを殺して金塊を奪ったのっぺら坊が私の父だったらどうしよう・・・」
ゴールデンカムイ125話 杉元とアシリパ

難攻不落の網走監獄のすぐそばの河を小舟で行く土方、キロランケ、谷垣。

鮭を獲る小舟に乗り、漁師に偽装したキロランケ・谷垣・土方の3人は網走監獄の外壁に近づいていた。

土方は、煮え湯を飲まされ続けた末に、一度はめでたく脱出できた監獄の異様を眺める。
ゴールデンカムイ125話 土方

谷垣、キロランケも土方と共に外壁をじっと見つめる。

「アシリパさん」
アシリパの名前を呼ぶ杉元。
「ここまで来たらもう会うしかない」
網走監獄を高台から眺める杉元とアシリパ。

杉元はアシリパの背後から肩に手を置く。

「何があっても最後まで俺がついてるから」

監獄の中にはのっぺらぼう。そして嗤う犬童。

感想

杉元のセリフかっこいい。かくあるべき。

閑話休題的ではあったけど、次の嵐の前の静けさを表現したような回だった。

果たして杉元たちは鉄壁の要塞網走監獄で、犬童の目をかいくぐって目的であるのっぺらぼうに会うことができるのか。

以上、ゴールデンカムイ第125話のネタバレ感想でした。

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第126話 門倉看守部長第125話のあらすじ杉元とアシリパは山でドングリを獲ったりしてリラックスしていた。キロランケだけではなく谷垣までもアイヌの衣装を身にまとい、活き活きと鮭を獲っている。故郷のフチは今頃穀物を収穫しているのだろう、と懐かしむアシリパ...

第126話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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