ゴールデンカムイ最新第243話上等兵たちネタバレ含む感想と考察。宇佐美上等兵の尾形との回想。

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第243話 上等兵たち

前話第242話 交互にあらすじ

杉元の告白

迫り来る倒木からアシリパを庇う杉元。

大量の木が一気に倒れている光景を前に、何が起こったのかと狼狽する白石に、海賊房太郎は自分の家は林業を営んでいたのでわかるが、これは北海道での伐採方法と答える。

それを知り、白石は杉元たちがこの大量の倒木に巻き込まれていないかと焦り、二人を探し始める。

杉元とアシリパは倒木の下敷きになっていた。
しかし倒木が積み重なっているため、自力で脱出することができない。

額から血を流し、意識が若干朦朧としているアシリパを気遣う杉元。



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(故郷に戻って好きだった人と暮らすのか?)
杉元はかつてアシリパから問われたことを思い出していた。
「……梅ちゃんっていうひとがいるんだ」

おもむろに語りだした杉元の言葉にアシリパは薄目を開けて耳を傾ける。

梅子と一緒になるはずだったが、家族が結核で死んでしまったため彼女から離れることになり、結局幼馴染の寅次が梅子と結婚したこと。
梅子の目の病気のために高額な治療費が必要となったこと。
そして戦地で寅次に身を挺して命を救われたことを語る。
「約束を守るために故郷へ戻って寅次の奥さんにカネを渡さなきゃならない」



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発見

必死に杉元とアシリパを探し回る白石。
その様子に海賊房太郎は、アシリパが金塊争奪戦における勝算だからかと問う。

うっせーな、と白石。
「んなことどうでもいいんだよ!!」

杉元の話を聞いたアシリパは、じゃあ埋蔵金はどうしても必要だな、と相槌を打つ。

杉元はアシリパを真っ直ぐ見据えて答える。
「俺は埋蔵金が見つかってもアシリパさんがこの事件に納得が出来るまで相棒のままでいるから」

(本当に聞きたかった答えはそれじゃないんだけどな……)
そう思いつつ、まず今はここから脱出することが先決だとアシリパ。

杉元は、出られそうにないが、白石たちがきっと助けに来ると答える。



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それに対して、白石たちも下敷きになっているかもしれないとアシリパは冷静に返す。

「それでもモゾモゾと木の中から出てくるんじゃねぇの?」

そして、あいつなら一生懸命俺たちを探してくれるさと続ける杉元に、白石はよほど金が欲しいんだろうなと呟くアシリパ。

杉元はそれに同意しつつも、白石は自分との約束を守って、樺太でアシリパのそばにいてくれたと答える。

アシリパは、そうだな、と笑みを浮かべる。
「本当はもっと早く教えても良かったけど言いそびれてしまったな」



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「『アッカムイ(モモンガ)』が助けに来た」
アシリパはすぐそばで白石が顔を出していることに気付く。
白石は泣くのをこらえていた。
「樺太でのことが無駄じゃなくて良かったよう……」

よくここにいることがわかったな、というアシリパに、ズキンちゃんが見てたと白石。

海賊房太郎はきこりたちに、木の下敷きになっている杉元たちを救うよう呼び掛けていた。

そして杉元とアシリパは、きこりたちに救助されるのだった。



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確信

杉元は、あらかた伐採され尽くした森を前に呟く。
「ここにいたカムイはどこに行ってしまったんだろうな」

森のこっち側はこんな有様だったのか、と白石。

「私達の生活だって樹を切る 和人と一緒に鹿も熊も 狼だって殺して毛皮を売った」
アシリパが続ける。
「裕福に暮らそうとするのは誰にも責められないと思う」

「取りすぎなければいいだけなんだ」

狩りでの獲物の肉を少し山に返すことや、来年も採れるように山菜を少し残しておくことなどを既に自分たちは実践してきたとアシリパ。
「全部取らずに残しておけば私達のカムイは消えない… アチャがそう言ってたのを思い出した」



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白石は、この子はのっぺらぼうの娘だと言って、さっきの金貨をアシリパに見せるようにと海賊房太郎に呼びかける。

情報を開示したことを注意しようとしてきた杉元に、白石は、ボウタロウはすでに感づいていると答える。

房太郎は支笏湖に沈んでいたと金貨をアシリパに手渡す。
刻まれている模様が刺青と似ていることから、金貨に関してウイルクが作ったものだろうと白石。

アシリパは、金貨に刻まれている模様がアイヌの文様では『交互に』『交差』を意味すると呟く。



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海賊房太郎は、各地のアイヌが地元で採れた砂金を互いに集め合って、『自分たちの国』という夢を掲げて記念に作ったのではないかと自分の見解を述べる。

アシリパは、ウイルクがかつてロシアでソフィアに対して、アイヌや極東の少数民族は団結すべきだと言ったことと、支笏湖に沈むまでこの金貨を持っていたということは『ひとつになって守ろう』という想いは変わっていなかったことを挙げて、救おうとしていた人たちを殺そうと思うはずがないと結論していた。
「アチャはアイヌを殺してない…そして私はアイヌのためにやるべきことがようやくわかってきた」


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第242話 交互にの振り返り感想

良い話

倒木のドミノ倒しは、新たな敵の来襲だったわけではなかったようだ。
ただ単にタイミング悪く、木こりたちの仕事現場に居合わせていたことで、ちょうど倒木に巻き込まれたと。

しかし結果的にではあるが、杉元とアシリパさんが一緒に倒木の下敷きになったことで、ついに杉元がアシリパさんに自分が金を求めている理由を話すことになったわけだ。

元々、杉元が梅子の目の治療費を欲しているのはすでに読者が知るところだった。
そして、その理由に関しても、梅子が幼馴染であること、そして同じく幼馴染で梅子の夫の寅次のためだと思っていた。
しかし理由はそれだけではなかったようだ。



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本来梅子のために戦地から帰還しなくてはならないはずの寅次に救われていたからこそ、寅次の分まで梅子の助けになりたかったんだな。

これまでの話で、確かここまで深く杉元が金を求める理由が明らかにはなっていなかったはず。

確かにこんな経験をしていたのであれば、杉元のような実直な男であれば梅子を救うことに執着するのは当然といえる。

ようやくこの動機をアシリパさんに詳しく話したわけだが、その後の、自分はアシリパさんの納得がいくまで相棒のままでいるという言葉もまた杉元が心の底から言っているのがわかってジーンときた。

その後、樺太で白石がずっと一緒にいてくれたのだから信用しても良いのではないか、と杉元に諭され、それを受け入れるアシリパさん……。

白石も金塊が欲しいだけではなく、きちんと杉元やアシリパさんのことを大切に想っているのがわかったし、良い話だったわ……。



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モモンガ白石

白石良い奴じゃん……。
金塊の分け前も大切だが、それと同じか、もしくはそれ以上に杉元やアシリパも大切なんだと感じた。

大量の倒木の下敷きになったアシリパをここまで必死で探すということは、やはりアシリパの存在こそが金塊争奪戦における勝算だからか、と海賊房太郎に訊ねられ、白石は、そんなことはどうでもいいと答える。

これは白石の本心だろうな。
つまり白石は、すでにこの旅の中で金塊以上に大切なものをすでに手に入れていることに気付いているということではないだろうか。



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杉元とアシリパさんを発見した時の白石の表情が超ブサイクで笑った。
その顔をアシリパさんにモモンガだと言われてるし……(笑)。

白石には暗号の鍵を思い出したことを教えてあげても良いのではないかと杉元がアシリパに話しているのを聞いたことも原因かな。
それを提案した杉元、受け入れたアシリパさんのどちらにも泣きつきたいくらいに嬉しいだろうな。

これで杉元、アシリパさん、白石のトリオの絆はさらに深まった。



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アシリパの確信

父はアイヌ殺しなどやっていない。

自分が見聞きしてきた情報を元に、そう結論を導き出したアシリパさん。

ウイルクはかつてロシアで少数民族の団結の重要性を説いた。
そして今回、海賊房太郎が持っていた支笏湖の底に沈んでいた金貨に込められている「ひとつになって守ろう」という想い……。

確かに、それらの情報とアイヌ殺しが結びつかない。



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アシリパは父はアイヌ殺しを行っていないと確信したことで、アイヌのためにやるべきことを見いだせたようだ。

これまで、一体どれくらい孤独に悩み続けていたのだろうか。
それは、さぞかし苦しい作業だったに違いない。
ましてや、家族が祖母しかいない、まだ幼い少女が……。

それがここにきてようやく父の無罪を確信し、同時に自分がどう動いたら良いのかを定めることができた。

ここから物語はさらに加速していく予感がする。

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242話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第243話 上等兵たち

宇佐美の回想

宇佐美上等兵は菊田特務曹長と一緒に、取り逃した犯人を探していた。

宇佐美は自慰行為で犯人を呼び寄せようとする。

菊田特務曹長は相変わらず異常な行動をとっている宇佐美に、同じ上等兵の尾形を例に挙げて、第七師団の上等兵はどうなっているんだと呆れ半分で呟く。

宇佐美上等兵は尾形と一緒にされることに対して不快感を隠さない。
自分は鶴見中尉の一番だと憤慨しつつ、その流れで203高地で戦死した尾形の腹違いの弟、勇作の話を切り出す。

まず宇佐美上等兵が振り返ったのは、尾形が杉元と初めて戦って重傷を負ったあと、入院した病院で尾形と会話した時のことだった。



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尾形は頭から顎にかけて包帯巻かれて、ベッドでうなされていた。
「ううう 勇作…殿」

その尾形のうわごとを聞いていた宇佐美は馬鹿にしたように吐き捨てる。
「勇作殿ぉ?」

目を覚ました尾形は、宇佐美上等兵がベッドのそばで、自分をバカにしていることに気付く。

「尾形のやつ うわ言で殺した弟の名前を…」
ヤワな野郎だと吐き捨てる宇佐美上等兵。

菊田特務曹長はさりげなく宇佐美が言った、花沢少尉を尾形が殺害したことを知らなかった。

後頭部の真ん中を撃たれていたことから、宇佐美上等兵は、犯人は尾形に決まっていると主張する。

菊田特務曹長は、なぜ尾形と仲が良かったように見えた勇作を殺す必要があったのか。

宇佐美は203高地の塹壕で尾形と会話した時のことを回想していた。



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塹壕で

尾形は塹壕で外に向けて銃を構えている。
鶴見中尉から勇作を殺すなと命令が来たのかと尾形に確認する。
「『勇作殿が消えれば百之助が父上から寵愛を受け花沢閣下を操れる』って言ってたのにな つまんね~」

勇作は汚れていないので、偶像として利用価値があると判断したのだろう、と尾形。

宇佐美上等兵は親の七光りと評する。
「鶴見中尉殿も勇作殿を美化し過ぎてないだろうな?」

「化けの皮を剥がせば鶴見中尉殿も気が変わる 一皮むけばみんな同じだ」
尾形はロシア兵を殺めて悪かったと思わないよなと前置きして主張する。
「殺されるのはそれなりの非があるからだ」

「誰だって罪を犯しうるんだ そいつらを殺したって罪悪感なんてわかないだろ?」



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「両親からの愛の有る無しで人間に違いなど生まれない」

「勇作を殺して父上がオレに愛情があったとわかればしょせん勇作だってオレと同じ人間になりえた道がある…そう思わないか?」

同意する宇佐美。

しかし宇佐美は花沢中将は見向きもしなかった、と嘲笑していた。
「だからアイツ 勇作殿が清いまま死んでったからモヤモヤしてるんです カワイイでしょ?」

宇佐美上等兵はまた尾形との回想を続ける。

病院のベッドで目を覚ました尾形に、裏で造反組を煽っていたのはわかってると宇佐美は尋問していた。
「鶴見中尉殿の何が不満だ?」



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怒りの宇佐美

宇佐美は以前尾形が花沢中将を殺害した夜に、馬車に戻ってきた馬車の運転士として二人のやりとりを密かに目撃していた。

宇佐美は尾形にねぇよ、と尾形。
尾形に満鉄のことを調べるように促す。
「鶴見中尉はお前の親父が邪魔だっただけさ」

宇佐美は、花沢閣下の殺害に尾形とは何の関係もない理由があったことが不満だったのではないかと問う。
「勇作を殺したのに親父は愛してくれなくて親父を殺したのに鶴見中尉殿は代わりに愛してくれなくて誰もお前を愛してくれる人がいなくて不貞腐れて全部鶴見中尉殿のせだって逆恨みしてんだろ?」

「百之助なんて勇作や鯉登のボンボンと同じ『駒』のくせに いっちょまえに鶴見中尉に楯突きやがって可愛さ余って憎さ百倍で執着してるんだろッ 僕には分かるんだ!! お見通しだぞ!!」



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尾形が何かを喋ろうとしていることに答えた宇佐美。

尾形は宇佐美が嬉々として話している内容を陳腐な妄想だと切替える。
そして宇佐美を差して、鶴見中尉の『駒』でも一番『安い駒』だと答える

尾形は銃剣を尾形に振り下ろそうとする宇佐美の顔におまるをぶつけて、ベッドから起きて病室を出ていく。

宇佐美に別の兵士が報告を始める。
尾形の尾行には三島一等卒がついているので、他の造反組と合流するはずと報告する。

宇佐美報告に駒と言われたことを気にしていた。



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宇佐美上等兵は犯人を呼ぶために作業を再開していた。
「コンニャロ コンニャロ コンニャロ」
尾形とのやりとりを思い出し、イライラする宇佐美上等兵。
「尾形百之助もこの札幌n連続殺人事件を嗅ぎつけて来るはずだ 鶴見中尉を困らせに!!」

その頃、尾形は左目のみでの射撃で鴨を仕留めていた。
帰宅してそれを土方に鴨を差し出す。

やっと左撃ちに慣れてきたとと尾形。
土方が狙撃兵として完全復活したのかと問う。

いいや、と否定する尾形。
「狙撃兵は『人間を撃ってこそ』だ」



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第243話 上等兵たちの感想

宇佐美の尾形への敵意

宇佐美は重要な回想している最中は手を動かすのやめて(笑)。

今回も色々と情報が多かった。
宇佐美の尾形への敵意、そして尾形の勇作へのもやもやした気持ち。

まず、宇佐美と尾形の会話……いや、関係性は一触即発な感じだった。
宇佐美は鶴見中尉の寵愛を尾形が受けるかもしれないことを嫉妬してるのに加えて、鶴見中尉に反発していることが気に食わないわけだ。
逆に尾形は、特に宇佐美の存在は眼中にないようだ。しかし宇佐美が敵意満々で突っ掛かってくるから相応の態度で反撃しているといった感じか。



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そもそも尾形は第七師団から離れているから、これは当たり前ではあるけど、この二人が肩を並べて戦うことはないだろう。
もしかしたら話の展開次第では、尾形が対第七師団の策として、杉元たちと共闘することもあるかも?
網走刑務所で杉元を撃って以来、尾形とは決別した感じになっているけど、また同じパーティーになったら面白いと思う。
杉元たちと同行しているヴァシリがそれを許さないかもしれないが、なにしろ良いチームワークだったからちょっと期待したい。



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尾形の行動の動機?

尾形が悲し過ぎる……。

宇佐美は尾形が勇作の後頭部を撃ったと言っているけど、尾形は鶴見中尉から中止の命令を受けている。
うなされて、うわ言で勇作の名を呼ぶというのは、罪悪感からなのだろうか。
ひょっとしたら、勇作の頭を撃ち抜いたのは尾形わけではなく、敵兵という可能性もある?
自分の弟を守り切れなかったことがトラウマになっている部分があるのかな……。

勇作は全く無垢な存在というわけではなく、尾形と同じように汚れた時に、花沢中将に以前と同じように受け入れられただろうか?

勇作という跡取りを無くせば、父の関心は尾形に向くかもしれない。
自分が愛されなかったのは、あくまで生まれが良くなかったからに過ぎず、自分の存在そのものが忌避されているわけではないと確信したいのか……。

きっと彼は、きちんと親に愛された経験があれば、全く違った人生だっただろう。
やはり愛への渇望が尾形を突き動かす動機の根底を成しているように見える。



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宇佐美はそんな尾形の心を理解していたわけだ。
他には鶴見中尉くらいか。

相関がると、実は尾形は宇佐美に心を許していた面もあったのかな……。
尾形はかなり自分の内面の深い部分を吐露しているように感じる。無駄口を叩くタイプではないし、任務でもなければ他者と心の交流を積極的に図るとも思えない。

何より、宇佐美と同じように頭がイカれている者同士で通じるものがあるのか。
イカレ具合は一見宇佐美が飛びぬけているように思えるが、尾形の静かな狂気も怖い。

鴨撃ちは高い精度を保っている。
いよいよ尾形の復活も近いだろう。

死の淵から舞い戻った隻眼のスナイパー。
かっこいい要素を増して、金塊争奪戦の最前線にカムバックか……。

ヴァシリによるリベンジマッチも楽しみだ。

以上、ゴールデンカムイ第243話のネタバレを含む感想と考察でした。

第244話はこちらです。

ゴールデンカムイ最新第244話小樽上陸ネタバレ含む感想と考察。ソフィア、北海道に...
第244話※第243話のみ。第244話はヤングジャンプ発売後に更新予定です。前話第243話 上等兵たちあらすじ宇佐美と尾形宇佐美上等兵と菊田特務曹長は夜の札幌で、以前取り逃した犯人らしき男を探していた。遭遇した時と同じように、自慰行為を行うことで犯人と接触を図...

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