第240話 菊田特務曹長
目次
前話第239話 発射あらすじ
接敵
犯人の行動をトレースしながら犯人像を推理していた宇佐美上等兵。
すぐそばに怪しげな山高帽の人物を発見する。
菊田特務曹長もまた、怪しげな人物をほぼ同時に発見し、思わず声を上げる。
「何なんだこれはッ」
「こいつが犯人です!!」
そう言って宇佐美上等兵は自分の汁を犯人に向けて飛ばす。
それを避けた犯人は、すぐさま宇佐美上等兵に向けて自身の汁を飛ばして反撃する。
それを華麗に避ける宇佐美上等兵。
菊田特務曹長は”犯人”に発砲するが、その場から逃げられてしまう。
宇佐美上等兵に回り込むように追跡するよう指示を出しつつ、自身も”犯人”を追うのだった。
逃げる”犯人”に発砲するも、弾は当たらない。
宇佐美上等兵は”犯人”が乗った馬とぶつかる。
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逃げる”犯人”
追いついた菊田特務曹長は馬に乗った”犯人”目掛けて銃撃する。
”犯人”がとっさに屈んだことにより、被っていた山高帽を撃ち抜くのみだったが、動きが硬直した隙をついて菊田特務曹長は”犯人”につかみかかり、馬に乗っていた。
そして左手で自分の銃を取り出し、”犯人”の頭に突きつける。
「獲った」
しかし菊田特務曹長は、”犯人”が丸出しにしていた自分の〇〇〇を菊田特務曹長に向けて、しごいている事に気付く。
銃を”犯人”の頭に突きつけていた左手を顔の前に戻し、ガードする姿勢をとる菊田特務曹長。
次の瞬間、菊田特務曹長は”犯人”の汁を浴びせかけられ馬から転がり落ちてしまう。
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「大丈夫ですか 菊田特務曹長どの」
駆けてきた宇佐美上等兵が声をかける。
目に入ったッ、と苦しむ菊田特務曹長。
二人は”犯人”を捜して深夜の札幌を駆けまわっていた。
女性の悲鳴が聞こえてきた方に向かうと、そこにはすでに事切れた様子の売春婦が仰向けで倒れていた。
「あいつがやったのか?」
菊田特務曹長が女性の死体を見つめながら呟く。
「俺たちから逃げ回りながら」
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「旦那さんどこ行くの? そんなに急いで」
息を切らしながら夜道を急ぎ足で進む人物に女性が声をかける。
その人物は問答無用で女性の首に血の滴るナイフを突き立てるのだった。
翌朝、事件現場は新聞記者や野次馬でごった返していた。
その現場近くで宇佐美上等兵と菊田特務曹長が会話している。
「一晩にふたりも殺しやがった」
「逃走のための攪乱だったのか? それともおちょくって楽しんでいたのか…」
宇佐美上等兵が答える。
「僕たちに関係なく『やるって決めていたこと』だったのかもしれませんよ」
菊田特務曹長は”犯人”がまた戻って来るのか懐疑的だった。
そして張り込むにしても現場がさらに二か所増え、四つになってしまったことで二人での実施が難しくなってしまったと感じていた。
今後も増えるかもしれない、と宇佐美上等兵。
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菊田特務曹長は、”犯人”を逃がしてしまったが、その横顔を見たと手ごたえを語る。
もう一つの現場に行こうという宇佐見上等兵。
しかし菊田特務曹長は用を足すから一人で先に向かうようにと答える。
「有古力松一等卒」
菊田特務曹長は野次馬の中に変装した有古一等卒の姿を見つけており、声をかけるのだった。
「振り返るな」
固まっている有古一等卒に向かって続ける。
「その見慣れたガタイの良さで俺にバレねぇと思ったかよ」
菊田特務曹長は続けて、有古一等卒が札幌にいることは鶴見中尉から聞いていないと言って、土方歳三と行動を共にしているのかと問うのだった。
オホーツク海沿岸で部下と共にアシリパ捜索にあたっていた鶴見中尉は、部下を集めていた。
菊田特務曹長から電報があったことを伝えて、これから二人だけこの地域でアシリパ捜索を続行させ、残り全員で札幌に向かうと方針を示すのだった。
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第239話 発射の振り返り感想
よくネーム通ったな(笑)
史上最低の『撃ち合い』だった(笑)。
人気作品なのになんだこの内容……。野田先生は描きたいものを自由に描きまくっている……と理解して良いのだろうか。だってこんな内容、普通に読者減るでしょ……。特に女性は離れてもおかしくはない(笑)。
そして、こんなネームを通して、あまつさえ掲載されてしまうあたり、ヤングジャンプとは本当に恐るべき雑誌だと思う。
青年誌って懐広いけど、やっぱ限界はあるからなぁ。
とりあえず今回は、女性が被害者として出て来ないから別に良いのかな?
少なくとも小学生に読ませたい内容ではないことは確かだ。おそらく子供が親御さんに「この犯人は何をしているのか」と聞くという悲劇が生まれるはずだから……。
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次回以降がどうなってしまうのか、今から楽しみであり、怖くもなってきたんだが……。
まだ犯人の正体が判明していないのに、紙面に立ち込めるこの強烈な変態濃度はヤバイ。
宇佐美上等兵とのセッションの結果でもあるのかもしれないが、果たして、これから本格的に出てきた際には一体どんな主張を始めるのだろうか。
今回、宇佐美上等兵と菊田特務曹長の追撃を逃れた犯人と思しき男は二人の女性被害者を出した。
そして菊田特務曹長もまた、ある意味で被害者に……。
翌日の菊田特務曹長の様子を見れば、何事もなかったのはわかる。しかし本来、アレを目の粘膜に浴びせられるというのは結構マズイそうだ。
すぐ洗い流せば良いのかもしれないが、そもそも目に入ること自体がおかしい。アレは目に入れるためのものではないのでマネしないようにしましょう(?)。
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犯人の意図は?
犯人は宇佐美上等兵と菊田特務曹長の追跡から逃れながら、二人の売春婦を殺害したようだ。
犯人の狙いは未だにわからない。もし宇佐美上等兵や菊田特務曹長と接敵し、危うく捕まりかけたたことが二人殺害した理由に含まれるのであれば、いよいよ犯人は頭がイカれているとしか思えない。もしそうなら、この夜味わったスリルに触発されて本来一人だったところを二人殺害した? というとんでもない動機も浮かび上がってくる。
これまでは一晩に一人だったのに、この日は二人……。ここには何かの意味があるのかもしれない。
少なくともこの点に関し、宇佐美上等兵は「やると決めていたことなのかもしれない」と直観しているようだ。
前回、同じ変態としての感性を活かす形で、実に驚異的な方法で犯人の行動を完全に読んだ実績があるだけに、この宇佐美上等兵の見立ては無視できるものではないだろう。
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ひょっとしたら、被害者の一人目と二人目は、それぞれ別々の犯人による犯行という可能性もあるのではないか。まさかの二人目の犯人?
菊田特務曹長は自分たちから逃げながら犯行を実行していることに対して少し違和感を抱いているように見えた。
本来はそれまで一晩に一人殺害してきた犯人が、この日も一人手にかける予定だった。
しかしそこに想定外のもう一人の模倣犯が現れていた……、とか?
犯人が誰であれ、少なくとも狂人による犯行であることは間違いない。
動機なんて聞かされたって、どうせ常人に理解は出来ないような内容だろう。
次回以降、果たしてVS札幌の切り裂きジャックの顛末はどうなるのか。
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有古登場
有古を発見した菊田特務曹長。
次回以降、いよいよ鶴見陣営と土方陣営との激突を予感させる。
菊田特務曹長が宇佐美上等兵を立ち去るように誘導してから有古に話しかけたあたり、まだ有古を大切な仲間だと思っているのかなと感じた。
もし宇佐美上等兵が有古を発見したなら何かしら攻撃を加えないとは限らない。
この菊田特務曹長の有古への根強い仲間意識が、今後の話の流れに何かしら影響を与えるような気がする……。
この二人は共に死線を越えているし、非常に結びつきが強いと思う。少なくとも菊田特務曹長は有古のことを買っている。ただ有古は菊田特務曹長を裏切ってでも為したいことがあったから裏切ることになったわけだが……。
この二人の想いの非対称性が今後何か引き起こすことがあるのかもしれない。
そして部下を引き連れて札幌に向かう鶴見中尉……。
いよいよ札幌に役者が集う。
果たして札幌でどんな戦いが繰り広げられるのか。そしてその顛末は?
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第240話 菊田特務曹長
中央のスパイ
有古一等卒は菊田特務曹長に姿を見つけられ、焦っていた。
鶴見中尉も土方も、自分について疑いの目を向けていると有古一等卒が深刻な表情を見せる。
「じゃあ俺につけよ」
菊田特務曹長は続ける。
「お前を信じているのは俺だけだ」
そして菊田特務曹長は有古一等卒に、アイヌの父親の遺志、鶴見中尉に殺された親戚のことを忘れろと忠告する。
鶴見中尉、土方のどちらにしても有古一等卒にとっては破滅しかないとして、さらに言葉を続ける。
「『中央』は鶴見中尉に金塊を見つけさせて最後には消せといっている」
「あんた…中央政府のスパイか!!」
有古一等卒は驚愕していた。
土方たちはみんな扮装をして街に紛れ込んでいた。
乞食に扮した永倉。
啄木は土方に、今回の札幌の事件の犯行がジャックザリッパーにそっくりであること、そして、ジャックザリッパーにより被害者の体の一部が持ち去られたこと、新聞社に手紙を送って警察を挑発、犯行予告をしたことを説明する。
その後ロンドンではジャックはひと月ごとに一人ずつ殺害し、三人目、四人目は一夜の内に犯行を行っていた。
それは札幌の事件でも同様であることから、犯人はジャックを信奉しているというプロファイルを導き出すことに成功していた。
啄木は、ジャックの犯行の特徴として、犯人が捕まらず消えてしまった事にあり、最後の事件は四人目の殺人から40日後に行われたと呟く。
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子供が消えている
新聞を読みながら、北海道各地で子供が消えていると杉元に話を切り出したのは白石だった。
「名前は上エ地圭二 子供を何人もさらっては庭に埋めてた殺人犯で顔にいたずら描きみたいな刺青を入れた囚人さ」
「飴売りだ!」
と、アシリパ。
上エ地圭二はもちろん網走脱獄囚24人のひとり、と白石は続ける。
宇佐美上等兵は菊田特務曹長に鶴見中尉が札幌に向かっていると思うとハイテンションで叫ぶのだった。
啄木は新聞を読みあげていく。
子供が北海道各地で相次いで行方不明になっていると言って、被害地域を読み上げていく。
「最近だと旭川 歌志内に岩見沢 江別」
アシリパは、子供誘拐犯が自分たちと同じ方向に向かっていると理する。
「札幌で何が起きようとしているんだ?」
”親孝行”に扮していた尾形は、真剣に仕事をしていた。・
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第240話 菊田特務曹長の感想
札幌で激戦が起こる予感
札幌の地にこれほど大勢のキャラクターが集まったのは網走監獄以来じゃないだろうか。
菊田特務曹長は中央の息がかかった、第七師団監視のための職員だった。
正直、これは驚きだ。
この先の展開が超楽しみになってきた。
実際何かが起こるのはもう少し話数が進んでからかな?
もう少し嵐の前の静けさは続くかもしれないが、激しい戦いに向けて着々とお膳立てが整ってきていることは間違いない。
以上、ゴールデンカムイ第240話のネタバレを含む感想と考察でした。
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