ゴールデンカムイ最新第231話出産ネタバレ含む感想と考察。第230話あらすじ。インカラマッの出産。立ち会ったのは……。

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第231話 出産

前話第230話 家永カノのあらすじ

完璧になる

谷垣に頭突きし、さらに腹を蹴り上げる月島軍曹。

谷垣の上に覆いかぶさりピストルを突きつけようとするが、谷垣は左手で何とか銃口をそらし続ける。

パン。

発砲する月島軍曹。
谷垣の顔のすぐ横の床に穴が空く。

もう一発、今度は谷垣の顔に銃弾を撃ち込むべく、月島軍曹は谷垣の手を強引にねじ伏せてピストルの照準を谷垣の顔に合わせようとする。

しかし家永に打たれた筋弛緩剤の効果により、月島軍曹は谷垣の胸に抱き着くように脱力するのだった。



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「2時間は動けません… 出来るだけ遠くへ…」
月島軍曹の銃弾を胸に受け、倒れた家永は蚊の鳴くようなか細い声を振り絞る。
「私のように利己的な凶悪犯がどうしてって顔ね…」
無言で自分を見つめている谷垣に家永はその心を見透かし、そして続ける。
「インカラマッさんはこれから完璧になる… どうか見逃さないでね谷垣さん 」

家永さん…、と呟くインカラマッに谷垣が声をかける。
「行こう!」

目を閉じる家永。

谷垣とインカラマッが部屋から出てすぐの廊下で、二人は鯉登少尉が待ち構えていることに気付く。

鯉登少尉は手に持ったピストルの銃口を谷垣たちに向ける。

身重のインカラマッと、彼女を守るようにして前に出る谷垣の様子に鯉登少尉は暫し無言で何か思いつめたような表情を浮かべた後、ピストルを下ろす。
「行け」

谷垣は鯉登少尉の思いもよらぬ行動に驚きつつも、その気が変わらない内にすぐさま病棟を出るのだった。



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追跡

「あの鯉登少尉が…一体どうしたんだろう?」
インカラマッに自分のコートを着せながら、谷垣は疑問を口にせずにはいられなかった。

鯉登少尉が動けない時によく占いをしてあげたからかも、というインカラマッを抱え、谷垣は馬を走らせ始める。
「その程度で許すはずがない 今までの鯉登少尉なら」

ドオオン

銃声は月島軍曹によって、病室から自分たちに向けて放たれたものだった。
排莢し、月島軍曹は力尽きてその場に倒れる。

谷垣はインカラマッを気遣いながら、馬で夜の街を行く。

街の外れまで逃げてきた二人。

馬の揺れによりインカラマッが苦しんでいるのに気づいた谷垣は、彼女の体を休めるべく一軒の廃屋に向かう。



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「谷垣ニシパ 頭から血が…」
囲炉裏で火を起こしている谷垣の頭から血が流れているのを気にするインカラマッ

「これでいい………」
谷垣は頭にアイヌらしい柄ものの布を鉢巻の様に巻き付けると、インカラマッに声をかける。
「もう少し休んだら出発しよう もっと遠くへ逃げないと」

インカラマッは谷垣が足からも出血していることに気付く。

その指摘で谷垣は馬に乗って逃げた自分たちに向けて月島軍曹が放った一発が自分の足を掠めていたことに気付く。
「必死で気づかなかった」
そして谷垣は自分の足から流れた血が地面に血痕を残していることに気付く。

立ち上がり、廃屋の外を確認すると血はずっと続いている。
「まずいぞ…」



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ドオオン。

銃弾を発射したのは動けないはずの月島軍曹だった。

銃を構えながら近づいてきていた月島軍曹に気付いた谷垣は、のけぞってギリギリで銃弾をかわしていた。

慌ててインカラマッに廃屋の裏から外へ逃げるように指示する。

廃屋に駆け込んでくる月島軍曹に、谷垣は一発ピストルを撃つ。

しゃがんでかわす月島軍曹。身に着けているコードのフードに銃撃による穴が空く。

月島軍曹は谷垣の腰にタックルし、仰向けに倒した谷垣の顔に向けて何度も拳を振り下ろしていく。

その攻撃に口から出血しながらも、谷垣は月島軍曹の両脚を抱えて持ち上げると家の壁に叩きつける。

谷垣は家の壁を破壊しながら外に転がっていく月島軍曹に向けて、彼が持っていた銃で狙おうとするが、視界から姿を消していた。
裏口で待っていたインカラマッと馬に乗り逃げようとする谷垣。

しかし月島軍曹は諦めていなかった。
遠くなっていく谷垣に向けて撃ったピストルの銃弾は谷垣の肩に当たる。

構わず逃げ続ける谷垣。



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全部上手くいく

逃げ続けている内、夜はいつの間にか明けていた。

「朝だ…」
谷垣はまるで自分を勇気付けるようにインカラマッに言葉をかけ続ける。
「でもこっちに小銃があればうかつに近づけない 山を逃げれば何とか撒ける 俺のほうが山は慣れてる」

しかし月島軍曹は諦めていなかった。
雪上に残っている血痕を辿り、谷垣とインカラマッをひたすら追い続ける。

「あ…!」
インカラマッの反応に、追手に見つかったのかと問う谷垣。
インカラマッは青ざめた顔で谷垣を見つめる。
「破水したみたいです」

「世話になったのにスマン 許せ…」
馬に謝罪する谷垣。



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雪上の、あるいは草についている血痕を追い続けてきた月島軍曹は、やがて前方に馬が一頭で歩いているのに気づく。
馬の後ろ脚の付け根あたりにからは血が流れている。

「馬の血痕を追わされたか…」
後ろを振りかえる月島軍曹。

「頑張れインカラマッ 辛抱してくれ」
谷垣は抱きかかえたインカラマッを励ましながら山を駆けていた。
「大丈夫だ!! 俺がついているから 頑張れ!!」



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「全部上手くいくから…!!」
真っ直ぐ前を見つめて、息を切らしている谷垣の姿を前に笑顔を浮かべるインカラマッ。
ひしと谷垣に抱き着く。

迷わず一軒の家に入っていく谷垣。
「フチ…!!」
そこはフチの家だった。

フチは囲炉裏の前で縫物をしていた。
その背後には坂本慶一郎とお竜の赤子がきょとんとした表情で座っている。

「ごめん ただいま」



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第230話 家永カノの振り返り感想

出産

さらば家永……。

人の命を奪い続けて生きてきた人生の最期の最期に谷垣にかけた言葉があまりにも素晴らしい……。
これは家永による命への賛辞といえるだろう。

彼の今際の際の言葉は思いもよらぬ名言となった。

二人は月島軍曹の追跡から逃れ、何とか辿り着いたフチの元で出産を行う。

インカラマッが家永の言葉通りになるところをこれから谷垣は目撃する。

次回は出産シーンになるのかな。

自分が漫画で見た出産で最も印象的なのは、からくりサーカスのエレオノール誕生シーンだった。

奇しくも時代はゴールデンカムイよりも少し昔くらいだったかな。

ゴールデンカムイでは明治大正の頃のアイヌの出産を見られることになるのか。

次回、いきなり産まれていてもおかしくない。

でも野田先生の取材力は半端じゃないから詳細な出産の様子の描写を期待していまう。



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月島軍曹の執念の源泉とは?

谷垣とインカラマッを追える状態だった鯉登少尉が追わずに、筋弛緩剤で本来は二人を追えない状態だったはずの月島軍曹が追跡をやめなかった。

月島軍曹と鯉登少尉で完全に行動が分かれた。

これは鶴見中尉への忠誠の多寡の違いを如実に表していると思う。

鯉登少尉は谷垣とインカラマッを見逃し、月島軍曹は本来動けないはずなのに死力を振り絞って追跡を続けるというこの二人の違いだが、鶴見中尉への忠誠の多寡と合わせて、何か他にも違いがある気がしてならない。

鯉登少尉はもう鶴見中尉への忠誠を失っており、谷垣やインカラマッの人柄を知っているのに加えてインカラマッは出産間近……。
「自分はまだケガで動けなかった」で、上への言い訳は何とかなる。

月島軍曹も家永に不意を突かれて筋弛緩剤を投与されてしまい、動けなかったと言い訳することもできた。
それは自分の不手際になってしまうが、家永は仕留めたわけだし、倒れていてもよかったと思う……。

月島軍曹が筋弛緩剤の効力を跳ねのけて谷垣たちを追えたのは、鶴見中尉への忠誠だけではないのではないか? と思う。



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こんなこと考えたらゲスかもしれないけど、恋人を得て幸せになろうとしている谷垣への嫉妬に近い感情があったのかもしれない。

自分は好きな人をおそらくは失い、鶴見中尉の元で「この人のやることを最後まで見たい」と理由付けして忠実に働き続けている。

かたや谷垣は好きな人を得て、鶴見中尉と袂を分かつことが出来た。

自分には決して出来ない行動をとれた谷垣に対する羨みみたいな感情が、今回の月島軍曹の行動の底にあったのではないか。

月島軍曹の良さの一つである任務遂行能力の高さを腐してしまうようで気が引けるが、ただ単に谷垣やインカラマッが嫌いだとか、鶴見中尉の命令だからというだけではここまで出来ないと思う。



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月島軍曹は筋弛緩剤で行動不能になるのを気力で拒否し、谷垣の血の跡を追って一時は二人を追い詰めた。
もうそれで充分。

馬の血を追わされて、もう見失ったことにしてくれ……。これ以上は追わなくていい……。

もし谷垣とインカラマッの痕跡を見つけて、二人を追った先にいるのは二人だけではない。
フチと、まだ赤子の坂本とお竜の息子も一緒なんだよ。

もう月島軍曹が追うのを諦めており、もう谷垣との激突はないと思いたい。

出産シーンでは谷垣もフチを手伝うのが理想だ。次回が楽しみ。

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第230話 家永カノ前話第229話 完璧な母のあらすじ諦め気味の谷垣谷垣は男に絡まれていた高齢の貴婦人を救った礼に馬と路銀を得ていた。馬でどこかに向かいながら、谷垣は自分が杉元を殺せるような冷血漢ではないと考えていた。その脳裏では樺太で杉元、チカパシと一...

230話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

前話第231話 出産

追跡

谷垣はこのコタンにも第七師団の見張りが来ていると心配していた。

しかしオソマの母曰く、兵に大量の酒を飲ませており、起きる心配はないのだという。

アイヌの出産は男の子はうつ伏せに、女の子は仰向けにして出さないと長生きしないと言われており、フチはその確認のためにインカラマッの腹部を触っていた。

フチは骨盤の大きさで性別を見分けるほか、首の後ろの憑神にも性別を教えてもらうのだという。
「フチは19歳の頃からお産を助けてる百戦錬磨のイコインカラマッ(とりあげ女)なのよ アシリパだってフチがとりあげたんだから」

谷垣はインカラマッをフチに任せることにして、このコタンにやってくるであろう月島軍曹をコタンにやってくる前に迎え撃とうとしていた。

止めようとするインカラマッに、谷垣は微笑する。
「必ず戻る 俺は不死身だ」



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慌てるインカラマッ。
「あなたは不死身じゃありません! あなただけで逃げてッ」

谷垣が家を出た直後、まるでその瞬間を見計らうように月島軍曹が谷垣の不意を突いて銃を奪い、谷垣の顎を銃で殴りつける。
谷垣は家の中に倒れる。

「やめてッ」
インカラマッは谷垣の身に何が起こっているかを即座に察していた。

谷垣はインカラマッを背にする。
「俺だけ殺せ インカラマッやフチたちには何もするな」

「谷垣一等卒」
谷垣に銃を突きつける月島軍曹。
「お前はずっとずっと前に選択を間違った 隊に戻らずその女や老婆に出会ったときから……」



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「月島ッ」
外から鯉登少尉が月島軍曹を呼ぶ。
鯉登少尉は馬で月島軍曹の後を追ってコタンまでやってきていたのだった。
「もういい 月島やめろッ」

月島軍曹は、谷垣たちが無事に逃げられるか自分をつけてきたのかと鯉登少尉に訊ねる。

鯉登少尉は馬から降り、月島軍曹に向かっていく。
「そのふたりを殺したところで何になる 谷垣に頼るのがアシリパを見つける唯一の方法では無いだろう!? 逃げたいものは放っておけばいい!!」

「『脅し』実行しなければ意味がない 他の者にも示しがつかない」
月島軍曹は奪った銃を谷垣たちに突きつけたまま、自身のピストルは鯉登少尉に向ける。
「邪魔をするなら殺すと言ったでしょう あなたも鶴見中尉を裏切ったということでいいですか?」
怒りを押し殺すようにして訊ねる。
「鯉登少尉はどちらですか? 親子共々利用されたことで鶴見中尉殿に不信感を抱く造反組ですか?」



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お産の準備

「銃を下ろせ これは上官命令だ」
堂々とした態度で命令する鯉登少尉。
「私は鶴見中尉殿と月島軍曹を最後まで見届ける覚悟でいる」

鯉登少尉は、かつて月島軍曹が言った「鶴見中尉殿の行く道の途中でみんなが救われるなら別に良い」という発言を挙げて、自分もそれに同意見だと続ける。
「そのために私や父が利用されていたとしてもそれは構わない」

月島軍曹はその意外な言葉に目を見張る。

「ただ私は鶴見中尉殿に本当の目的があるのなら見定めたい!!」
鯉登少尉は、もしその先に納得する正義がひとつも無いのなら後悔と罪悪感にさいなまれると続ける。
「だからこそ我々はあの二人だけは殺してはいけない」

「私にはもう遅い」
月島軍曹は鯉登少尉に食って掛かる。しかしそのあとに続く言葉は弱弱しかった。
「たくさん殺してきた…利用して死なせてしまった者もいる」



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まだ遅くない、と即答する鯉登少尉。

「本当に大切だったものを諦めて…捨ててきました 私は自分の仕事をやるしかない」
月島軍曹は声を絞り出す。

「その厳格さは捨てたものの大きさゆえか? 月島…!!」

月島軍曹の脳裏には笑ういご草ちゃんの姿。

「インカラマッ…」
月島軍曹は泣きそうだった。
「あの子は…」

インカラマッは占いをしようと無言で左手を月島軍曹に差し伸べる。
しかし直後に陣痛に苦しみ始める。

「アンタたちもう終わった?」
オソマの母が月島軍曹たちに呼びかける。
「続きはあとでやって!! もう産まれちゃうから!!」
オソマの母は谷垣、鯉登少尉、月島軍曹に出産を行うための準備を指示をしていく。



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産まれる

谷垣はお湯、鯉登少尉は藁を収集すべく外に出ていた。その二人にオソマの母はノヤハムというヨモギの葉から作った綿を他の家々から集めてくるようにと追加で指示をする。

さらに消毒液の元となるラスパカブや、いきむために助けになるタラ(背負紐)を用意する。

その間、月島軍曹は坂本慶一郎の子供を相手していた。

出産に入る直前、フチはインカラマッに向かって唱え始める。

ウワリカムイピリカノ
エンテクサマ
エンプキネヤクン

(お産の神様が私のそばを良く見守ってくだされば)

ピリカヌワプ
ハプルヌワプキワ
カムイキリサム
エポンペサンケクスネナ

(良きお産 穏やかなお産をして神様のかたわらに赤子が授けられることでしょう)

オソマの母は家の外でぼーっとしている男たちに家の中に臼を運ばせ、ニスホリピレッ(臼踊らせ)なる難産のおまじないを行わせる。

梁にかけたタラを掴み、インカラマッは必死にいきむ。

何もやることがなくなった男たちは改めて外で出産の終わりを待つ。

「おぎゃあおぎゃあ」



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第231話 出産の感想

おめでた

坂本の子に続く、二人目の赤ちゃんか。

無事産まれて良かった~。

前回の、谷垣とインカラマッをどこまでも追いかける月島軍曹が怖すぎた。
いくら予想がつかない展開がゴールデンカムイの魅力のひとつだとしても、いくらなんでも赤ちゃんに被害が及ぶ流れだとは思わなかった。さすがにそこは野田先生の良心を信じていたわ(笑)。

しかし出産までに色々とあったなー。
月島軍曹のマシーンっぷりが怖すぎたし、そんな月島軍曹に立ち向かう谷垣はかっこよかった。

そして極め付きは月島軍曹を馬で追ってきた鯉登少尉だ。
これまでの月島軍曹に頼る姿勢は一切見せず、上官として堂々とインカラマッ、谷垣を殺さないようにと命令を下した。

鯉登少尉の成長ぶりには感動した。

ただ、最終的には彼らに対して「出産を手伝え」と言い放ったオソマの母が一番強かったと(笑)。



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いご草ちゃん

果たして生きているのか?

どっちかと言えば死んでそうだなと思っていたんだけど、案外生きてたりして……。

たとえ生きていたとしても月島軍曹は会いに行くとは思えない。でも何らかの形で月島軍曹には報われて欲しい……。
鶴見中尉の粋な計らいとかあっていいのよ?

結局、今回の話ではインカラマッに占ってもらうことはできなかった。

しかし出産は終わったので、じきに占いをしてもらい、いご草ちゃんの現在を知ることができるだろう。
果たしてそれを知ることは月島軍曹にとって良かったのか。もうじきはっきりとする。

次回以降が楽しみ。

以上、ゴールデンカムイ第231話のネタバレを含む感想と考察でした。

第232話はこちらです。

ゴールデンカムイ最新第232話家族ネタバレ含む感想と考察。第231話あらすじ。札幌...
第232話 家族前話第231話 出産のあらすじ説得谷垣はフチの村にも第七師団兵が見張りとして来ているはずだと心配していた。しかしオソマの母は兵隊に大量の酒を飲ませており、起きる心配はないと返す。アイヌの出産では男の子はうつ伏せに、女の子は仰向けにして分娩...



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