ゴールデンカムイ最新第156話不死身の杉元ハラキリショーの感想(ネタバレ含む)と考察。ショーの練習をする杉元は鯉登少尉に対抗意識を燃やす。

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第155話 ヤマダ曲馬団のあらすじ

「向いている」

杉元から”ハラキリショーに出演させろ”と言われ、いきなり言われても、と渋るヤマダ座長。

杉元は長吉を置き引きの罪で警察に突き出してもいいのかと長吉を指さす。

ヤマダ座長は、長吉はヤマダ曲馬団の花形なのでそれは困る、と焦る。
さらに、杉元に演じさせるということは、ハラキリの手品のタネを明かすことだと拒否の意を示す。

杉元は、自分は芸人になる気はサラサラなく、ハラキリのからくりは墓場まで持っていくとヤマダ座長の首に腕を回す。

「ええ~? でもぉ」
ヤマダ座長はそれでも首を縦に振らない。

その交渉を見ていた長吉は、杉元以外の面々にも出演してもらえるなら良いのでは? と提案する。

なに? と意外そうな月島軍曹。そして谷垣。

唯一長吉を追跡出来た鯉登少尉は、長吉をじっと見つめている。

長吉は、数名の体調不良者により演目に穴があきそうだからと杉元以外にも出演して欲しい理由を付け加える。

「とくに…そちらの方」
長吉は鯉登少尉に手を伸ばす。
「オイラが見るにこの世界が向いていると思いますよ」
確信している様子で鯉戸少尉を見つめる。


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意外な才能

テント内に入った杉元たちは軽業の練習を見学している。

地面に仰向けになった男が両足で大きな樽を支え、不安定な樽の上にタライを載せた上でもう一人の男がバランスをとる。

「色んな物を手・足・肩などで持ち上げそれを操って見せる」
ヤマダ座長は杉元たちに説明する。
「日本に古くからある『曲持(きょくもち)』という芸です」

タライの上でバランスをとっていた男が飛び上がり、下で樽を支えていた男の両足に着地する。

「うおおッ すげえ」
歓声をあげる杉元たち。

ヤマダ座長は、幕末から海外で興行するようになった日本の軽業師の技は欧米の曲芸を凌駕しているのだ、と説明を続ける。

「ええ? ウソ…!?」
驚くヤマダ座長。

鯉登少尉は樽のフチを掴んで逆立ちの状態でバランスをとっている。

「なんという身体能力…!!」
バランスをとっている手を片手にしても見事に樽の上に留まっている鯉登少尉の技に、ヤマダ座長はただただ驚愕するのみ。

思った通りだ、と笑う長吉。

鯉登少尉は樽の上から降り、下で樽を支えていた男の足に見事にお尻で着地する。

そしてその流れで、鯉登少尉は体育座りの姿勢でバランスをとり、下の男にグルグルと体を回転させられる。

気持ちわりい、と呟く杉元。

「あなた達いったい何者なんですか!?」
ヤマダ座長は月島軍曹に真剣な表情で問いかける。

…いや、とだけ答える月島軍曹。


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今度は谷垣が挑戦するが……

谷垣と、イマイチやる気が無い様子の杉元が樽を支える。

「なんで俺が下なんだ ちょっと待て いったん置いてくれ」
地面に仰向けに寝て足で樽を支える役になっている月島軍曹。
「いや…!! お前じゃないだろッ」
樽の上に谷垣が登ろうとするのを突っ込む。

「ぐあッ」
樽の上に登ることすらできず、谷垣は樽と一緒に地面に転がる。

杉元は樽の中に入ってしまった谷垣を樽ごと転がす。
キャッキャッと喜ぶチカパシ。

その光景を見つめていたヤマダ座長は、背後の鯉登少尉に問いかける。
「あなたどこの曲馬団に所属してらしたの?」

「陸軍第七師団だ」
即答する鯉戸少尉。


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自転車芸

「こちらは『サイカホール』という演目の舞台です」
急斜面になった格子で出来たすり鉢状の器具の前に立ち杉元たちに説明するヤマダ座長。

「ええ~ なにすんのコレ」
杉元がヤマダ座長に問いかける。

器具の中に入った演者二人が演目を披露する。
自転車に乗った男が女性を肩車し、すり鉢の急斜面を走ってグルグルと器具の中を回転する。

ヤマダ座長は、日本の伝統的な芸を軸にしつつ、しかし海外巡業で観た芸を積極的に取り入れているのだと説明する。

すげーッ、と驚く杉元。


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自転車芸挑戦の結果

杉元と谷垣が自転車に挑戦する。

「チカパシッ 危ないから離れてなさい」
グラグラしながら谷垣は必死に自転車でその場でバランスをとる。

月島軍曹は、谷垣と同じくその場でバランスをとっている杉元の自転車を後ろから支えている。

「離すなよッ 月島軍曹」
杉元は自転車でバランスをとりながら、必死の形相で背後の月島軍曹に呼びかける。
「絶対に離すなよッ」

「頑張って谷垣ニシパ 勃起だよッ」
チカパシが谷垣を応援する。

「ぬうう ボ…〇起ッ」
真剣な表情でバランスをとる谷垣。
「〇起ッ 〇起ッ 〇起ッ」

「うるっっせえッ!!」
目を剥いて怒る杉元。

ガシャアア、と派手にこける杉元の横で、同じく自転車に挑戦していた鯉登少尉は見事な曲乗りを見せる。

「なんてこった こいつは軽業の天才だ!!」
涼しい顔で難しい曲乗りをこなす鯉戸少尉に、ヤマダ座長は驚きを隠せない。

絶対離すなっていったのにッ、と杉元は月島軍曹に怒る。

無言で杉元を無視する月島軍曹。

ヤマダ座長は杉元に、曲芸よりも「ハラキリ」をしっかり練習しろと指をさす。

練習いるの? と言う杉元に、ヤマダ座長は客を盛り上げつつハラキリという手品を見せるのだから当たり前だと若干気色ばむ。

そして、ヤマダ座長は谷垣と月島軍曹に関しても曲芸の才能がないから別のことをやってもらうと指示する。
「あんたたちは曲芸の演目のわきで踊る『少女団』に入ってください」


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谷垣と月島軍曹の仕事

扇子を片手に舞う少女たちに混じる谷垣と月島軍曹。

月島軍曹は涼しい顔で少女たちの真似をして扇子を上げているが、谷垣は周りの様子を窺うばかりで動きがぎこちない。

「おらおら源次郎ッ」
振り付け担当の山田フミエ先生が、パンパンと手を打ちながら谷垣を指導する。
「また手がお留守だよッ 足にばっかり集中してるからッ」

すみません、と小さくなる谷垣。

「源次郎の手は〇ンポいじるだけの手なのかい?」
フミエ先生は谷垣の間近に迫り、目を剥く。

違います、と短く答える谷垣。

「少女団だからって舐めてんのかい? 舐めるなら座長の〇玉の裏でも舐めてなッ」
谷垣をボロクソに詰るフミエ先生。

「何見てんだよあんた!! アタシに惚れたのかい?」
月島軍曹に向かって食って掛かるフミエ先生。

いいえ、と冷静な表情で答える月島軍曹。

「アタシと寝たらえこ贔屓すると思ったかい?」

「いいえ」

「アタシに枕は効かないよ」

「はい」
月島軍曹は表情を全く変えず、迫ってくるフミエ先生をいなす。


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花形の器

鯉登少尉は並走する二頭の馬の手綱を右手に、左手に傘を持ち、馬の背中に左右それぞれの足を乗せてバランスをとりながら走っている。

その見事なパフォーマンスにヤマダ座長は、技を磨けば花形になれるどころではない、と興奮する。
「鯉登音之進くんは見た目も貴公子だッ」

樺太巡業は鯉登少尉に関する話題で沸騰する、と言うヤマダ座長の言葉に反応し、鯉登少尉に声をかける杉元。

「鯉登少尉! もういいやめろッ」
綱渡りに集中している鯉登少尉に手を伸ばす杉元。
「『不死身の杉元ハラキリショー』が話題にならなきゃ意味がないんだぞ」

鯉戸少尉の方が目立つのは本末転倒だ、と言う杉元に、鯉登少尉は一言、嫉妬か!! と切って捨てる。
「見苦しいぞ杉元佐一ッ」
勝ち誇ったように杉元を見下ろす。

「いやアホか!!」
ツッコむ杉元。


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練習を終えて谷垣は……

谷垣は少女団の踊りの練習を終え、テントの外で木箱に座って汗を拭っている。

そのそばで、月島軍曹はイマイチ元気の無い谷垣を見つめる。
「杉元を公演に出してもらう引き換えとしての条件なんだ ボロクソに言われて悔しいだろうが耐えろ」
表情はいつもと変わらないが、谷垣を元気づける月島軍曹。
「これもアシリパを見つけることに繋がれば…やる意味はあるだろ?」

「俺は少女団のお荷物です…ッ」
涙を流して堰を切ったように、ブヒィッという呼吸音と共に弱音を吐き出す谷垣。
「うまく…踊れない!!」

俯いて震える谷垣を、月島軍曹は眉一つ動かさずに無言で見つめる。


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第155話 ヤマダ曲馬団の振り返り感想

軽業の天才

鯉登少尉に意外な才能が判明した。
ヤマダ座長から惜しみなく賛辞を送られている様子を見るに、鯉登少尉には本当に軽業師としての天賦の才があるようだ。

おそらく、体操競技なんかにも適性があるのだろう。
このメンバーの中では一番体のこなしが軽やかなんだと判断して良いと思う。

かたや杉元、谷垣には軽業をはじめとした芸事の才能は一般人並みか、もしくは皆無のようだ。
月島軍曹に関しても杉元、谷垣よりはマシかもしれないが、ヤマダから見れば鯉登少尉以外のメンバーは舞台ではロクに使えないと判断された。

それが普通だと思う。

何の訓練もしてないのにヤマダ座長を驚かせるほどのパフォーマンスを見せる鯉登少尉がおかしいのは明らかだし、谷垣は泣かなくていいと思う(笑)。

また、本当は自分の名前を樺太に轟かせるつもりだったのに、ヤマダ座長の熱視線は鯉登少尉に集中する。
ヤマダ座長から褒められまくってすげーいい気分になってる鯉登少尉がちょっと微笑ましい。

軍人としての仕事が一区切りしたら軽業師への転職もあるかもしれない。


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ライバル意識丸出しの杉元

鯉戸少尉に軽業師としての才能が開花。

それに対し、杉元は谷垣と同様に軽業の才能は無いらしい。
訓練すれば多少はこなせるようになっていく可能性はあるけど、そんな時間は無いんだよね。

鯉戸少尉が軽業の天才であることが判明するというこの予期せぬ事態。

得意になっている鯉登少尉に”自分の名が広まらないと意味がない”と杉元がツッコむシーンが好きだ。

これ、ちょっと嫉妬が交じってるでしょ(笑)。

杉元はアシリパに自身の生存を知らせる目的でハラキリショー出演を考えたわけだけど、鯉登少尉が目立ってしまうのはアシリパさん云々関係なく面白くないのではないか。

元々、この二人の関係性の始まりは戦いだった。
ライバル意識が出ても仕方ない。


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不器用な谷垣

ブヒィッ(笑)。
オチに使われてしまった谷垣。

うまく踊れないからってそこまで落ち込まなくても……。
元々真面目だから、一生懸命頑張っているのにうまく出来ない自分が悔しくて泣いちゃったんだな。
可哀想だけど笑える。

谷垣は体格ががっちりしているし、鯉登少尉とはタイプが違い過ぎる。
不器用な谷垣には軽業には向かないんだろうな。

それに、自転車で”〇起”って言いながらバランスとってる様子もおかしいわ。
ウケ狙いというわけでもなさそうだし、二瓶やチカパシに毒され過ぎなんだよなぁ(笑)。

しかし今回の話で谷垣からひしひしと感じる親近感はなんだろう。
運動の苦手な人にとっては谷垣の健気な姿に笑いつつも共感する部分があるのではないか。

曲馬団に順応出来てる鯉登少尉がひたすら異常なだけで、うまくこなせない杉元や谷垣の反応こそが普通!

ぜひ次回は少女団の一員としてうまく踊って欲しい。



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安定の月島軍曹

月島軍曹は相変わらずの安定したツッコミ役を見せてくれる。

第七師団でも、そして杉元一味でも立ち位置は変わらないのね。

月島軍曹が振り付け担当の山田フミエ先生に気に入られてるあたり、やはりいい男なんだなぁと改めて思った。

明らかにフミエ先生から言い寄られてて笑ったし、それを月島軍曹が冷静に捌いててさらに笑った。

ごく自然にタルを支える役になったり、自転車に乗ってフラついている杉元を支えていたりするあたり、やはり杉元一行における縁の下の力持ちだわ。

第155話はそれぞれのメンバーの適正や人間性、グループの中における立ち位置がきちんと反映されていて面白かった。

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155話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第156話 不死身の杉元ハラキリショー

ハラキリショーを実践してみせる山田座長

たすき掛けをした山田座長。
刀の根元部分に近い部位で和紙を切る。

そして、この動作で刀が本物だと観客に確認させるのだ、と杉元とチカパシに向けて説明する。

チカパシは、その刀が本物ではないのかと怖がりながら問いかける。

杉元も、本物の刀を使ったら危ないと食って掛かる。

山田座長はまるで動じることなく、仕掛けがあるから大丈夫と答える。
そして祈ります、と言いながら両手を上に上げる動作をしてみせる。

杉元は、仕掛けがあるなら、今のその祈りの動作自体には意味がないのでは、と問いかける。
しかし山田座長はその杉元の質問には答えず、切る部分を清める、と言いながら腕に瓶の水を流す。

それも必要かという杉元の問いに、山田座長は、とても重要です、と即答する。
そして山田座長は、右手で刀を持ち上げて左腕の内側を刃で往復させる。
何度か腕をなぞり客席によく見せて、と付け加える山田座長。


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冷静に見ていることができず、チカパシは慌てて杉元に問いかける。
「〇玉が…! ひゅんひゅんするッ どうして? 杉元ニシパ」

わからん、と杉元が即答する。

山田座長は続けて右足のふくらはぎあたりを切りつける。
左足でケンケンをしつつ客席に歩み寄り、ここまでで切った部位の血を客に見せつけるのだと説明する。
この頃には観客の様子は阿鼻叫喚だといってから舞台の中央に戻る。
そして、おもむろに上半身をはだけて瓶で水をかける。

山田座長は白布で包んだ刀身を持って刃を自分の腹に突きつけると腹からどんどん血が流れていく。

チカパシは苦しむ山田座長を震えながら見ている。

こんな感じですね、と表情を杉元たちに向ける山田座長。
このあとは助手が演者を布で包み、奥へ運んでハラキリショーが終わるのだという。


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ハラキリ手品のタネ明かし

山田座長のショーに盛り上がる杉元とチカパシ。

山田座長はこの手品のタネ明かしを始める。
まず、刃には深い溝が設けられており、そこに固めた唐紅の染料を詰めている。
なので、水を流した所に刃をつけると赤い染料が溶けだし、それがまるで血が流れたように見せられるのだという。

そんな仕掛けになってたのか、と納得する杉元。

さらに山田座長は、一番最初に見せたお祈りは、切る部位に水をかける行為が一連の儀式として自然に見せかけられるようにする為の効果があると説明する。

杉元は、お祈りの動きの理屈にも納得する。

最初に和紙を切った刀の鍔の辺りの刃は本物だと補足する山田座長。
杉元に練習を勧める。


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杉元のわざとらしい演技

杉元はたすき掛けをして気合を入れ、右手の刀を勢いよく振り上げる。
「南無阿弥陀仏ぁ!!」

唐突な念仏に驚く山田座長。

チカパシが杉元の左腕に瓶に入った水をかける。
杉元は、わざとらしく冷たいとしつこく感想を言い続ける。
そして、頭を左右に振って大げさなリアクションをしてみせる。

『水が冷たい』という情報はいらないと山田座長。

杉元は真剣な表情で刃を左腕にあてたかと思うと一気に動かしてわざとらしく、痛いと連呼する。
続けて右足の脛あたりを切るがやはりわざとらしい悲鳴を上げる。
山田座長は杉元に痛がる声が過剰なのを注意する。
そして格好良く優雅に振舞うようにとアドバイスを送る。

「こういうゆっくり引き裂く斬り方は痛えんだよ 刺されたりすんのはすぐには痛くねえけど」

山田座長は、そんな怖いこだわりはいいですから、と杉元にピシャリとツッコむ。


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ますます芸を磨く鯉登少尉

黄色い歓声に思わず気をとられる杉元。

歓声のは鯉登少尉による一本竹上乗芸(いっぽんだけうわのりのげい)という芸を観ている女性陣から起こったものだった。
下で男が長い竹を支え、鯉登少尉はその竹に登り、布を回してそこに足を引っかけて空中でバランスをとっている。

長吉は、絶好調の鯉登少尉に、観客に向かって投げキスをせよと指導する。

キスを投げる意味が分からない様子の鯉戸少尉に、長吉は投げキッスの真似をして見せて海外では受けるのだと説明する。

鯉登少尉は自分を見ている女性陣に向けて投げキッスをする。

女性陣は3人とも興奮した様子を見せる。


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鯉登少尉の芸人としての実力に焦る杉元

鯉登少尉に関して、華がある、と感心する山田座長。

一方、杉元はいい加減にしろと鯉戸少尉にケチをつける。
お前は樺太公演に必要ないと怒気を込めて指をさす。

しかし鯉登少尉は、文句があるなら実力で私の芸を凌駕すれば良い、と杉元の言葉をぴしゃりと跳ね除ける。
バランスをとっていた態勢を変えて、自分に軽業をやめさせようとするのは杉元が芸に自信がない証拠だと言い放つ。
「その程度の気概で『この街に杉元の名前を轟かそう』など片腹痛いわ!!」

杉元は鯉登少尉の正論を前に黙る。
しかし、他に客が熱狂するような妙案は無いかと知恵を絞り思いつく。
「そうだ! ローラースケートを使った芸はどうだろうか?」

明治10年に日本国民はその存在を知り、大正2年には大ブームとなったローラースケートがあった。
それを履いて歌ったり踊ったりすれば客にウケるのではないかと杉元は山田座長に提案する。

しかし山田座長にべもなく却下されてしまう。


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山田座長は焦る杉本に、ハラキリ芸も完璧にやれば話題になる、と語り掛ける。
以前、海外で披露した際に、本当に死んだものと誤解されて最終的には現地の新聞に載ったこともあるのだと自身の経験を語る山田座長は、さらなる練習を杉元に課す。

練習を再開する二人。わざとらしく痛がる杉元に山田座長がツッコむ。

チカパシは杉元の練習を見ているのに飽き、近くで大きな独楽が回っているのに目を向ける。

独楽が真っ二つに割れ、子供がポーズをとるのを見てチカパシは自分もやりたいと言い始める。

この演目は目が回るという忠告を受けてもチカパシは、踊るより簡単だとやる気を見せる。


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フミエ先生に絞られる谷垣

月島軍曹と谷垣は少女団の踊りの練習に参加している。

月島軍曹は他の少女たちと一緒に踊れているのに対し、谷垣は動きがズレてしまう。

「源次郎 またあんただけ遅れてるよ」
谷垣を罵倒するフミエ先生。
「尻がデカ過ぎて重いのかい?」

谷垣は何も言い返せず、浮かない表情で、すみません、とだけ答える。

練習が終わり、谷垣はまたテントの外に置いてある木箱に座り泣いていた。
その周りに少女たちが集い、谷垣を心配して慰めている。

月島軍曹は、その光景をただ黙って、無表情で見つめている。

「ほらみんな! 早く戻らないと」
そこに一人の女性がやって来て、フミエ先生に怒られるよと言って少女たちにテント内に戻るよう指示する。


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公演成功を誓い合う谷垣と紅子

女性が、ゲンジロちゃん、と谷垣に声をかける。
「アタイね この街の公演で踊るのが最後なの」

谷垣は振り向き、問いかける。
「紅子先輩… ウソだろう?」

紅子は少女団のメンバーは全員が孤児で、ヤマダ曲馬団に面倒を見てもらっている立場なのだと説明する。
そして、成長するとともに少女団を卒業し、公演を行った街のどこかの誰かにもらわれ、曲馬団はまた別の土地に移っていくのだという。

「ゲンジロちゃんと最後に踊れて良かった」
紅子は穏やかな笑顔で谷垣を見つめ、樺太公演を成功させようと呼びかける。

谷垣は涙を滲ませて、紅子に返事をする。
「うん!!」

月島軍曹は何かモノ言いたげに、しかし無表情で谷垣を見ている。

その後も杉元たちは必死にそれぞれの演目を練習するのだった。


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サーカスの本番を迎える

大勢の客がテントに集まっていく。

その客たちの中にエノノカとお爺さんの姿もある。

テントの周囲に数あるのぼりの中に”不死身の杉元ハラキリショー”と書かれているものも見える。

満員御礼だとテンションを上げる山田座長。
団員たちに、気持ちを引き締めていこうと声をかける。

そして、樺太公演の開幕を迎える。


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第156話不死身の杉元ハラキリショーの感想

公演までの期間を楽しむ杉元たち

杉元たち、確実に楽しんでるよね。
こんな風に何事も楽しむような人間を目指したいわ。

月島軍曹一人だけが、多分何故こんなことをやっているのかという気分になっている。

他のメンバーは皆、公演に向けて必死に練習をしている。

この月島軍曹と他のメンバーたちとの温度差に笑う。

杉元はハラキリショーの手品を伝授してもらうことになった。

しかし山田座長の手本を見ても全くそれが活かされていないのが笑った。
芸に関しては、谷垣と似た位置にいると思う(笑)。

彼らの上の実力者は、あらゆることをそつなくこなす月島軍曹。

そして最も優秀な芸人は、鯉戸少尉。

今回の話では鯉戸少尉の芸に、なんだか前回よりも磨きがかかってるように感じる。

長吉からアドバイスされていた投げキッスが随分サマになっていたなー。
これは確実に芸人としての華があるよね。

華は天性だと思う。
山田座長の鯉戸少尉への高評価は留まることを知らない。
しかし杉元は鯉登少尉にライバル意識を持っている。

そして杉元が考えた”客を沸かせるアイデア”が、ローラースケートでダンスと歌を披露することだった。

うん。光GENJIだよね。

光GENJIと言えばこの曲だろう。

これを思いついた杉元は産まれるのが早過ぎた(笑)。


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頑張れ谷垣

前回悩みに悩んでいた谷垣。
今回もフミエ先生から罵詈雑言の嵐。
また泣いちゃった。かわいそうに……。

しかしその後、テントの外で木箱に座って泣いてる谷垣を、少女たちが慰めてるがあまりにも面白すぎた。
谷垣の泣き方も少女のそれなんだよなぁ。
こんなの笑わないわけがない。

谷垣は真面目だからこそ笑えるんだよね。
少女団のダンスという自分の専門外のことにも腐らないで真剣に取り組んでて偉い。

そんな姿勢を少女や紅子は認めてるんだろうな。
ゲンジロちゃんとか呼ばれて普通に馴染んでるのがいいよね。

ムキムキのごっつい男が普通に少女団のメンバーの一員として受け入れられている図に面白さと同時に癒しも感じてしまう。

ただ一人、月島軍曹が演目をそつなくこなしてるんだよなー。
鯉戸少尉ほどじゃないけどフミエ先生に注意されなくなっているということはある程度形になっているわけだ。

しかし、他のメンバーをただ黙って見つめている視線が何か言いたげで笑う。

以上、ゴールデンカムイ第156話のネタバレを含む感想と考察でした。

ゴールデンカムイ最新第157話樺太島大サーカスの感想(ネタバレ含む)と考察。
前話第156話不死身の杉元ハラキリショーのあらすじハラキリショーの手本たすき掛けをした山田座長が刀の根元部分に近い刃で和紙を切りながら、この動作で刀が本物だと観客に確認させるのだと説明する。 それ本物じゃないの、と怖がるチカパシ。 杉元も、本...

157話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

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