ゴールデンカムイ最新第153話京都の感想(ネタバレ含む)と考察。京都に生きる人斬り用一郎を呼び戻す土方。そして決着。

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労働者が大勢働く根室の漁場に混じって働くヨボヨボのじいさん。

根室の街に、仇討ちを依頼されて人斬り用一郎を追う男たちが集っていた。

一方、人斬り用一郎を追って根室アイヌのコタンにやってきた土方は重要な情報を得る。

第152話 人斬りのあらすじ

ジジイ

冬毛を蓄えたエトピリカが飛ぶ。

根室の漁場。

魚で満杯の木の容器を背負って運んでいる男たちの中に、同じように働くヨボヨボのじいさんの姿がある。

じいさんは、魚を降ろして戻ってきた男とすれ違う際よろめいてぶつかる。
背中に背負った木の容器から地面に魚が零れてしまう。

真っ直ぐ歩けよ、と男がじいさんを詰る。

じいさんの後ろから来た髭の男が、若いんだから避けろよ、と男に言いながらじいさんの体を支える。

注意された男は、なんだとテメエ? と髭の男に食って掛かる。

「じいさん大丈夫か?」
じいさんを立たせてやる髭の男。

じいさんは、すまんのぉ、と呟き、口をモゴモゴさせながら再び歩き始める。

あのジジイ見てると気が滅入る、とじいさんの背中を睨む男。
なぜアイヌでもないのにアイヌの服を着ているのか、と文句を続ける。

さらに頭に布を巻いた別の男が、アイヌの厚司(あつし)は乾くのが早い、知らないのか、と諫めるように話しかける。

言われた男は、今度は布を巻いた男に食って掛かり、ああ? やんのか、とお互い威嚇の応酬になる。

仕事を終え、地面に座っているじいさんに髭の男が話しかける。
「家族は? 故郷は? 名前は?」

口をモゴモゴさせているじいさんは呟く。
「さあ…何だったかな」


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復讐者たち

根室の街中。

スーツに身を包んだいかつい男たちが会話している。

犬童典獄の死により、「人斬り用一郎」を殺しても引き渡す相手がいないのだと眼鏡の男から説明を受けるも、辺鄙なところに来たのにここで手を引いたら依頼人から報酬がもらえないと刀傷で片目を失明している男が呟く。

帽子の男は、元々「人斬り用一郎」の看守だった眼鏡の男だけがその顔を知っているとして、眼鏡の男に最後まで付き合うように言い含める。

だったら他にも用一郎の捜索を命じられた看守がいるので急いだほうが良い、と眼鏡の男。
さらに、幕末に用一郎に暗殺された要人の遺族(地位が高く金持ち)といった用一郎に恨みを持つ人間たちにも犬童は声をかけていたので彼らからも刺客が送られているはずだと説明する。

手がかりを掴んだ土方たち

根室アイヌのコタンに辿り着いた土方たち。

村長は、土井新蔵はこのコタンに住んでいたので良く知っているのだという。

やはり人斬り用一郎は根室にいたか、と永倉。

土井は30年程前にコタンにやってきてアイヌの女と結婚していた。

そして静かに暮らしていたが、8年前に土井に恨みがあるという和人が土井の妻を人質にさらっていったのだという。

土井新蔵は妻を取り戻す為に誘拐した和人を殺し、網走監獄へと収監される。
しかし病気となった妻の死期が近い事を知った土井は脱走する。

妻の最期を看取った後はコタンを出て近くの漁場で働いているのだという。


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解雇

漁場で労働者が働いている。

しかしじいさんは働くことなく、漁場とは違う方向を向き、ブツブツと何かを呟くばかり。

そんなじいさんの様子を見て、労働者たちが会話する。
「何やってんだあのじじい 働きもしねぇで…」

今朝、寝小便していたらしく、自分のじいさんも似たような感じで寝たきりになって間もなく死んでしまったと別の男が返す。

食事をしている労働者たち。
話が弾んでいる。

その輪から外れ、ぽつんと座っているじいさんのそばに二人の男が立っている。
「ジイさんすまんが…」

「昼飯食ったら荷物をまとめてくれ」

雇用者の二人の男は口々に、迎えはいないか? 自分で歩けるうちに出て行って欲しい、とじいさんに告げる。

じいさんは口をモゴモゴさせるだけで何も答えない。

その光景を横目で見ながらため息をつく労働者。

じいさんを庇った髭の男もじっと見つめるのみ。

その時、建物の扉が開き、いかつい男たちが現れる。

あのじいさんです、とちょび髭の男が指を差す。

それを聞いてズカズカと上がり込むいかつい男。
「貴様が『人斬り用一郎』か?」
男はじいさんの目の前に立ち問いかける。
「…『人斬り』!?」
前にじいさんとぶつかった男がブーッ、と吹き出す。

他の男も、そのもうろくジイさんが? と揶揄うように笑う。

いかつい男は二人に睨みを利かせて黙らせる。


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『列の先頭』

「人違いじゃないのか?」
じいさんを庇った髭の男がその場を諫めようとする。
「人斬りとは真逆の人間だぞ」

ちょび髭の男が、刺青が上半身にあるはず、と指摘する。

いかつい男は取り巻きの鼻の高い男に確認を促す。

じいさんの着物の襟を開くと、そこには刺青がある。

労働者たちの間に動揺が走る。

雇用者の二人も驚く。

髭の男も目を見開き絶句する。

「『池田孫七郎暗殺事件』をおぼえているか?」
いかつい男が長ドスを抜く。
「父上の仇だ」

鼻の高い男も手斧を取り出している。

「死んでわびろ」
いかつい男の白刃がギラッと光る。

それに呼応するようにじいさん――用一郎の両目もギラつく。

じいさんの視界では、本来スーツを着ている男たちの姿が着物を着てちょんまげをした姿に変わる。

ペキ

用一郎は素早く、鼻の高い男が手斧を持つ手の親指を反対に折る。

奪い取った手斧を自分を追って来た男たちの爪先に正確に振り下ろしていく。

男たちは悲鳴を上げて一斉に床に倒れ込む。

「列に並べ」
用一郎の目が鋭くなる。
「この『人斬り用一郎』を殺したい奴なんぞたくさんいる」

床に倒れていたいかつい男が用一郎に向けて長ドスを振り上げる。

ドンッ

その頭に銃弾が撃ち込まれる。

建物の入口に、銃を構えて立っている男が一人。

用一郎の視界に入った男の姿が変化していく。

「私が『列の先頭』だ」
若き頃の土方歳三。

「新選組副長 土方歳三」
用一郎は土方を睨め上げる。


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152話の振り返り感想

じいさんたちのかっこよさ

人斬り用一郎、ものすごく強そうだなぁ。

徒手空拳だったにも関わらず、相手の武器を奪ってあっという間に追っ手全員の動きを止めた。

無駄のない、最短で相手を制する動き。
すげー達人感がある。

視界に入った標的が江戸時代の姿に変わっていくのは、自分が最も暗殺を行っていた、人斬りとして充実していた頃のモードに入るという事なのかな。

ギラッギラッと姿が切り替わっていく演出はSFっぽさを感じる。
人を斬りまくった男の辿り着いた境地なのか。

それとも一種の病なのか……。

ヨボヨボで働かずに解雇された直後だというのに、豹変してあっという間に追っ手を倒す。

そして、現れる土方。
何この展開。痺れるなぁ。

永倉との会話の際にも若土方出てきたけど、改めて思う。かっこいい。

じいさんになってもかっこいいけど、若い時の精悍さはたまらん。


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用一郎――土井新蔵の哀しい過去

どういう経緯から「人斬り用一郎」となったのか……。

暗殺稼業に身を染めて「人斬り」として名声を馳せた分、殺された被害者の関係者たちから買った恨みはあまりにも大きかったようだ。

おそらく用一郎は明治維新後、穏やかな余生を求めて北海道の東端、根室のアイヌコタンまで流れていったのだろう。

そして土方が村長から聞いた通り、コタンで妻となるアイヌの女性と出会って共に暮らす。
暗殺ばかり行っていた頃とは全く異なる穏やかな人生を歩んだ。

しかし、過去に用一郎が人斬りとして重ねていた業が、妻と慎ましく暮らすというささやかな幸せを奪っていった。

根室アイヌのコタンにやってきたのが約30年前。
30歳後半から40歳前半くらいだったのかな?

そして、人斬り用一郎に恨みがある和人によって妻がさらわれたのが8年前。

ということは還暦かそれ以上の歳で妻をさらった犯人を追跡して殺したのか……。

情状酌量の余地もあると思うんだけど、用一郎は大人しく網走監獄に収監される。

しかし妻の死期が近い事を知って脱獄。
壮絶すぎる。

妻の最期をきちんと看取る事が出来たのは良かった。
でも妻に先立たれて以降は死んだように生きているのかもしれない。

おそらく、妻となったアイヌの女性は年下だったんじゃないかな。
推理するための情報が全くないので全部想像だけど、なんとなくそう思った。

それだけに、まさか先立たれるとは夢にも思っていなかったのでは……。

自分に起こった不幸は全て人斬りとして生きてきた事に対する報いと思ってるのだろうか。

ヨボヨボの老人が若い労働者から詰られ、解雇されるというのは悲惨だと思う。
でも追っ手を簡単に制してしまう達人的な強さからか、不思議とそこまでの悲愴感は無いな。

土方とどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

じいさん対じいさん。

達人同士だし、案外一瞬で勝負がつくのかもしれない。

ゴールデンカムイ最新第152話人斬りの感想(ネタバレ含む)と考察。
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152話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第153話 京都

乱戦

用一郎たちがいる建物から銃声が響く。

それを聞いた人斬り用一郎を追う別のグループの男たちは、用一郎がいる場所だと判断し、襲う為に建物の裏へと回る。

「土方歳三…」
建物の中では用一郎が土方をじっと睨みつけていた。
用一郎には若き日の土方の姿が見えている。

「今夜の巡回はひとりか?」
新選組の衣装を身にまとい自身を見据える土方に、用一郎が声をかける。
「いつもは近藤や沖田たちとつるんで京都市内を我が物顔で歩いておるくせに」

土方は、用一郎の言葉の内容から彼の様子がおかしい事に気付く。

建物の裏口に回った用一郎の追っ手たちは内部の様子を窺う。

「あれが『人斬り用一郎』です!!」

ドンッ

叫んだ男に土方が銃弾を撃ち込み素早く排莢する。

裏口に回っていた別の追っ手グループは、各々手に持ったピストルで土方に向けて一斉斉射する。

土方は上がり框に隠れて銃撃を回避。

それでも構わず土方を狙って撃ち続ける男たちの背後から、牛山が猛スピードで接近する。

男たちは牛山に気付くが、その瞬間には既に牛山の体当たりを受けていた。
男たち4人は牛山の体当たりによりまとめて吹き飛ばされる。

その内の一人は床を転がった後、ピストルを構えて反撃の姿勢に出ようとするが、土方はすぐに男の頭に銃撃を加える。


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あいつはもう…

用一郎は、床上で転がる追っ手の手から長ドスを奪い取り、土方に向けて右手で構える。

用一郎の意識の中では、自身も若い頃に戻っていた。
「天誅!!」
ピストル片手に床に転がっている追っ手を長ドスで切り上げ、玄関に走る。

建物の外に出た用一郎を待ち受けていたのは、スーツ姿に山高帽の追っ手の男。

「天誅!!」
若い頃の姿で次々相手を斬っていく用一郎。
「天誅!!」

3人目を切り伏せたあと、用一郎は背後には用一郎を見つめる土方歳三が立っているのに気付く。

用一郎の視界には京都の街が広がっている。
満月に照らされた夜の街に走り去る。

「えらく強いジイさんだったんだな」
用一郎の姿を見つめている土方の隣で牛山がネクタイを直しながら、用一郎を説得して仲間に入れるのかと問いかける。

「いや…あいつはもう…」
土方が呟く。


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裏切られた用一郎

用一郎はまばらに草が生えている土地を逃げていた。
その視界に、羽織に袴の侍を見つける。

「先生ッ」

”先生”は何も言葉を返さず、ただじっと用一郎を見つめる。

「!?」
次の瞬間、用一郎は後ろ手に手を回されて体を縄で拘束されていた。

しかし用一郎は”先生”に食って掛かる。

”勤皇主義が日本国を身分差別のない国にする”という理想。

それを信じて”先生”から任された汚れ仕事を請け負ってきた。

「あんたに尽くしてきたのに…!」
額を地面につけ、用一郎は涙を流しながら叫ぶ。
「俺を守ってくれないのかッ」

「トカゲの尻尾切りじゃないか…裏切り者ッ」

”先生”は何も答えない。

「俺は切腹なんてイヤだッ」
額を地面に押し付けて嘆く用一郎。
「こんな死に方はイヤだッ」

用一郎をじっと見つめる”先生”。
その正体はただの鹿だった。

用一郎は気配を感じて振り返ると、そこには若い姿の土方がいる。
「歴史を見れば人斬り用一郎の思想は正しかったのかも知れない」
土方は語り始める。

明治維新とは欧米に対抗するための近代化の動きだった。
結果、日本は日清戦争、日露戦争で勝利した。

「かといって幕府側で働いてきた新選組の面々の死が犬死だったとは思わない」
土方は、世を変えられなかったが己の正義を貫き散ったまで、と続ける。

「それに我々は『種』を残していた」


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決着

日本とロシアが近接している事に脅威を覚えた榎本武揚は、北海道を日露の”緩衝国としたいという目標として北海道に蝦夷共和国の建設を目指したのだという。

日露戦争に勝ってもロシアの日本への南下は止められない。
日本に負けたはずのロシアには余力が残されていたが、日露戦で勝利したにも関わらず疲弊し切っていた日本はその後戦争を吹っ掛けられるほどの力は無かった。
よって賠償金はもらえず、日本はロシアから樺太の一部を得るのみにとどまった。

土方は、今後の日本の舵取りに、明治政府以外の手段の必要性を主張する。
蝦夷共和国の建設で対露の護りを固める。
そして、本州では国内発展に注力する。

「北海道を独立させ海外から移民を募り多民族国家を築く」
老人土方の髪が、黒く染まっていく。
「用一郎…俺はまだ日本のために戦うぞ」

それを受けて、用一郎が静かに呟く。
「土方歳三…あんたが若いのは時間がとまっていたからなんだな…」

若さを取り戻していく土方とは逆に、用一郎は老いていく。
「俺は疲れたよ 長く生きすぎた」

土方はライフルを転がし、右手の長ドスを両手で振り上げる。

用一郎が振り下ろす前に、土方は素早く用一郎の胴を切りつける。

感想

「俺は疲れたよ」

用一郎はもう人生に疲れていたのだろう。

身分差別のない国を目指して暗殺という汚れ仕事をこなしてきたが、それを命じた”先生”に裏切られる。

北海道の根室に逃げ、アイヌコタンで出会った妻と穏やかに暮らすが、その幸せも過去に自分が暗殺した関係者の雇ったであろう追っ手に妻を浚われることで引き裂かれる。

そして取り戻した妻にも間もなく先立たれ、あとはただ生きる為に労働に従事する。

たまにやってくる追っ手を若い頃の感覚に戻って殺すだけの日々。

用一郎は、そういう奴らに殺されても良いとは思わなかったんだな。

「用一郎…俺はまだ日本のために戦うぞ」

土方の放ったこの言葉で、用一郎は若い頃の感覚から覚めて現実の疲れた老人に戻った。

「俺は疲れたよ 長く生きすぎた」

まだこれからの人生に燃えている土方に対し、介錯を頼んだようにしか見えない。
土方には殺されても良いと思ったのか。

土方の理想

日本とロシアがぶつかる事でどうしても日本がジリ貧で衰えていってしまう。

そんな事態を防ぐには日露の間にある北海道に蝦夷共和国を建設し、独立国としてロシアの南下に対抗する。

そうして蝦夷共和国に北の護りを任せつつ、本州では国内の発展に力を注ぐ。

これって鶴見中尉の理想とも繋がってこないかな?
鶴見中尉の理想の中では本州をどう扱うかは言及していなかったように思うから土方と手を組めそうな感じもするけど……。

鶴見中尉の動きは日露戦争で自分たちが思うように利益を得られなかったのを始め、あの激戦を戦ってきた貢献者であるはずの自分たち軍人があまりにも冷遇されているからそのカウンターといえる。

北海道に軍事政権をつくりたいという鶴見中尉。
その名目としては、銃器の工場を作り、世界中に輸出することで安定した仕事を生み出し、北海道の厳しい自然と戦う人たちを救うのだと演説していた。

軍事政権が建設される、増してやそのリーダーが鶴見中尉ならば、北海道に出来た独立国は日本とロシアの緩衝国としての役割は十二分に果たすだろう。

土方と鶴見中尉は繋がっててもおかしくないんじゃないかな。
少なくとも交渉くらいはしててもいいと思う。

以上、ゴールデンカムイ第153話のネタバレを含む感想と考察でした。

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154話の感想記事は上記リンクをクリック。

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コメント

  1. 淡水魚 より:

    土方さん…まさに老驥伏櫪、志在千里、烈士暮年、壮心不已って感じですね!

    • ゴン より:

      コメントありがとうございます!

      土方の老いても尚、若い頃と変わらないギラギラ感。

      男として憧れちゃいますよね~。