ゴールデンカムイ第100話大雪山の感想(ネタバレを含む)と考察。追っ手に追われやり過ごす杉元たち。杉元はアシリパの一言に落涙する。

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第100話 大雪山

ゴールデンカムイ第99話飛行船の感想(ネタバレを含む)と考察。逃げる杉元たちを...
第99話 飛行船前回第98話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。飛行船に乗った杉元らを追跡する鯉戸少尉。白石と杉元が緊迫の会話。「銃をよこせッ」と杉元。「全員下がれッ」銃を構えながら尾形。「もっと離れろ」「早く動かせっていってんだろッ」と...

前回第99話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

飛行船を降りた一行は大雪山に。アシリパとの問答で杉元の脳裏に浮かぶ郷愁。
鯉戸の追跡を振り切って、第七師団から奪った飛行船での航行を続ける杉本たち。

「ひょお~飛んでるぜ俺たち!!」白石

「このまま網走まで飛んでいけるんじゃねぇの? 向こうでのんびりキロランケたちを待とうぜ!!」

「小樽を出てからもう二ヶ月以上かかっちまってるからな……」と杉元
「急がねぇと」

なぜか、エンジンの出力が弱まり、尻切れトンボな排気音が出る。

「おい なんか止まったぞ 白石直せるか?」杉元が問う。

「どれどれ?」と白石が様子を見る。

到底、機構の理解などしていない杉元、白石は当然のことながら原因をかけらも知ることができずみっともなく慌てふためく。

当然なんだよなぁ。

操縦技師がいない時点でどうなるかと思っていたけど。


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「キッ キキッ」と猿のように鳴きながらエンジンを叩く白石。

「ウキッ」と杉元も白石に続く。
「ウキーッ ウキーッ」杉元さらにバンバン叩き、
「ウキーッ ウキーッ」白石もまた叩く。

映りの悪くなったテレビを叩いているようだ。

エンジンを叩きまくる杉元と白石。
その二人を制するようにアシリパさんが二人の間にやってくる。

「ウキーッッ!!」やはり杉元、白石と同様に発狂するだけのアシリパ。

「やかましいッ!!」とひとりツッコむ尾形。

アシリパと白石杉元

おい(笑)。

アシリパさんまで何やってんの。

「あとは風のふくままだぜ」

「うおおお危ねえ…っ」

第七師団から奪った飛行船は次第に低空航行になっていき、風向きに流されていく。

そんな一行の視界に入る急で巨大な岩壁。

「風に流されてあんな岩場にぶつかったらやばいぞ」と杉元。

「パウチチャシだ」とアシリパ。

「パウチチャシとはパウチカムイが住む村という意味で……このあたりの奇岩はパウチカムイの砦といわれている」

「パウチカムイは淫魔であまり心の良くない神様だ」とアシリパ。
「 取り憑かれるとその人間は踊り狂う」。

「ハッハッハッ そんな馬鹿な…」笑い飛ばす白石。
「アイヌは想像が豊かだねぇ」

飛行船はゆるやかに高度を下げ続け、森にソフトランディングする。

とりあえずは墜落はしなくて済んだ。


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飛行船を降り、森を行く杉元一行。

「第七師団の兵営から東に40キロくらいは移動できたな」と杉元。

「馬に乗って追って来る兵士が上空から見えた あんな目立つものに乗っていたんだからおおよその位置は把握されている」と尾形。
「グズグズしてたら追いつかれるぞ」

「杉元の出血が止まらない」と杉元を心配するアシリパ。
「手当しないと」

「レタンノヤ…『ノコギリソウ』を見つけた」アシリパは森の中に薬草となる植物を目敏く見つける。
「葉をもんで塗れば止血の効果がある」

アシリパはかいがいしく杉元の面倒を見る。

頼りがいがある。


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「鯉登少尉が撃った拳銃は26年式…」冷静に分析する杉元。
「『豚の鼻に当たってポトリと落ちた』で有名な低威力の拳銃さ そんな銃で俺が殺せるかよ」

「鈴川は豚の鼻より弱かったが…」

「鈴川はやっぱり殺されたのか……」と神妙になるアシリパ。

鈴川の死に何かを思うアシリパさん。

確かにちょっと哀れではあるけど。

追跡してきた第七師団の兵が、杉元一行を双眼鏡で補足する。

「急げッ 大雪山を越えて逃げるしか無い」と焦る尾形。

「マジかよ この山を?」杉元。

大雪山に登っていく一行。

その峰は雲の上にせり出してしまうほどに険しい山脈。

天候は悪化の一途を辿る。

「まずいぞ 天気が急に崩れてきた」焦るアシリパ。

「風が冷たいッ」と杉元。

「真冬みてぇだ」白石。

「どんどん風が強くなる」とアシリパ。
「雨も降りそうだ」

「この高さだと燃やす木が生えてねぇ!! 戻って下山しよう」と下山を提案する白石。

「馬鹿を言え 追っ手が来てるんだぞ!」と尾形。

状況的に焦って混乱してきてる。

大丈夫か?


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「残雪に穴を掘って避難するか?」

「ダメだッ」
「身を隠せるほど雪が残ってない!」

白石は、正気を失ったかのようにひとりブツブツ言い出す。

「白石の様子がおかしいッ」とアシリパ。

「風をよける場所を探すんだ!! 低体温症で死んじまうぞ」冷静に対策を考える尾形。

おかしくなった白石

白石はいつもおかしいけどこれは本格的にヤバいかも。

突如、エゾシカの群れが視界に入る。

「ユクだッ」格好の獲物を発見するアシリパ。

「杉元 オスを撃てッ」

「エゾシカを撃つのか?」と杉元。

「大きいのが3頭必要だ」とアシリパ。

尾形が素早く反応し、構えた銃から銃弾が発射される。

2頭にヒットする。

「2頭同時に…ッ!!」驚く杉元。

尾形は続けてさらに一発撃ち、残り一匹に命中させる。

尾形すげぇなぁ。毎度のことながら感心。


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「急いで皮を剥がせッ 大雑把でいい!!」とアシリパ。

正気を失い、踊り出している白石。

「白石を捕まえろ 低体温症で錯乱しているッ」杉元が叫ぶ。

「パウチカムイに取り憑かれた!!」アシリパが怖がる。

憑りつかれた白石

皮を剥いだエゾシカを被り、その上に雪を被せて身を隠す一行。

ギリギリセーフか。

緊迫の展開。

杉元とアシリパは同じエゾシカに入っていた。

「傷は痛むか? 杉元」心配そうなアシリパ。

「うん大丈夫…明日の朝には良くなってるさ」答える杉元。

「鈴川は……苦しんだか? どうやって死んだ?」杉元に問うアシリパ。

杉元は思わず目を伏せ、そして答えた。

「アシリパさん 鈴川は悪人だ」

「悪人は人の心が欠けているから普通の人間より痛みも感じないはずだ だからいちいち同情しなくていい」

「子供だと思ってバカにしてるのか? そんな理由でごまかすな」アシリパ。

「俺はそう思うようにしてきた…」と杉元。

「戦争のときもロスケは俺たち日本人とは違って苦しまずに死ぬはずだって…… 戦場では自分を壊して別の人間にならないと戦えない」

「俺たちはそうでもしなきゃ生き残れなかったんだ」

「みんな元の人間に戻れなかったのか?」アシリパ。

「戻れた奴もいただろうさ」杉元

「故郷へ帰り 家族と過ごす時間で元の自分を取り戻せるのかもな」

「日本に帰ってきても元の自分に戻れない奴は」

「心がずっと戦場にいる」

鶴見や月島、尾形などの軍人を思い出す杉元。

杉元の言うことは理解できないでもない。

しかしアシリパには杉元にこういう考えとそれに基づいた行動をとってもらいたくないんだろうな。

アシリパさんは、戦争の狂気に少なからずあてられてしまっている杉元を癒す存在になるね。


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第七師団が近づいていた。鶴見の顔もある。

「アシリパさんなんか食べてる?」アシリパに問う杉元。

「シカの肝臓だ」答えるアシリパ。

「杉元も食べろ たくさん血を失ったんだから」

何か食べてるアシリパ

「脳みそも食べたいけど 風がおさまるまで我慢しよう」

「アシリパさんはホントに脳みそが好きだねぇ」と杉元。

「杉元はオソマ以外になにが好きだ?」アシリパ。

「食べ物? 干し柿かな…」杉元。

「なんだ?それ」アシリパ。

「そうか…北海道には柿の木が無いんだっけ」杉元

「食べると渋い柿の実を乾燥させたものさ 干すとすごく甘くなるんだ」

相変わらずアシリパさんはオソマを自然に会話に紛れ込ませるなぁ。

杉元ももう、それをごく自然なものとして受け入れてて笑える(笑)。

「もう何年も食べてないな 最後に食べたのは…」

「戦争へ行く前だ」

「戦争から帰った時に食べなかったのか?」杉元に問うアシリパ。

杉元は、戦地から帰還し、郷里に戻った時に、失明した梅子から声をかけられたのを思い出す。

杉元と梅子

たまらず目を伏せ、答える。

「春だったから無かったんだよ」

「そうか……」アシリパ。

「杉元も干し柿を食べたら」

「戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」

アシリパと杉元

杉元は、こみあげる涙に耐える。

寅次、そして梅子と幼馴染三人が一緒に遊んでいた頃の風景を思い出す。

杉本はたまらなくなって目を覆う。

今となってはあまりにも辛い思い出。

「すべてが終わったら…杉元の故郷へ連れて行け」とアシリパ。

「私も干し柿を食べてみたい」

「いいな?杉元」

泣いた。

そして夜は更けていく。

白石は鹿から顔を出している……。

白石

凍死しそう(笑)。

以上、ゴールデンカムイ第100話のネタバレを含む感想と考察でした。

ゴールデンカムイ第101話鯉登少尉叱られるの感想(ネタバレを含む)と考察。心酔し...
第101回 鯉登少尉叱られる前回第100の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。白石を逃がした鯉登少尉が鶴見中尉から叱られる。かわいそう。エゾシカの皮の中でアシリパと寝ている杉元は、わずかな振動に気づいて目を覚ます。「アシリパさん起きてくれッ」...

前回第101話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

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