ゴールデンカムイ最新第145話ミスター制御不能の感想(ネタバレ含む)と考察。熱戦! 怒涛のパロディ! そして、この既視感のある展開!(笑)

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第145話 ミスター制御不能

第144話のあらすじ

スチェンカに勝利した杉元は自分に熱い視線を送ってくるガタイの良い男が会場の外へ出て行くのに気付きその後を追う。

男に話しかける杉元。

男は杉元に、良いスチェンカだったと告げる。

杉元は男にスチェンカをやるのか、と問い、自分の名を告げる。

岩息舞治(ガンソクマイハル)と名乗った男と固い握手を交わす杉元。

ゴールデンカムイ144話 岩息舞治

その瞬間、二人の間に生じるスパーク。

目を輝かせながら、近いうちにまた会おう、と岩息は去っていく。

その後ろ姿を見送る杉元を谷垣が発見する。

あの男は誰なのかと問う鯉登少尉に杉元は何も、と答えるのみ。

月島軍曹は一人黙ってそんなやりとりじっと聞いている。

犬を人質にとって杉元たちをスチェンカに出場させた薄らハゲは、無敵の刺青の男に勝てるという期待を得たであろう杉元たちに、刺青の男にわざと負けることで大金を稼ぐと持ちかける。

犬の安否を気にするエノノカ達に八百長が終わったら返すという薄らハゲ。

杉元は薄らハゲを床に組み伏せ、髪をむしりとる。

エノノカにアイヌの刑罰が指先を切り落とす事だと聞いていると、薄らハゲが刺青の男に杉元たちに追われているとバラすとわめいている。

ゴールデンカムイ144話 エノノカ

しかしそんな脅しに負けない杉元たちに、薄らハゲはさらにキロランケに関する情報もある、と続ける。

苦し紛れだとその信憑性を疑う鯉登少尉、谷垣、月島軍曹。

しかし杉元はエノノカに謝りつつ、万が一の可能性を考慮して薄らハゲに従ってスチェンカに再出場することを決める。

スチェンカ直前で盛り上がる会場。

岩息がコートを脱ぎ捨てると背中の刺青が露出する。

あの夜の男が囚人だったことを何故黙っていたと詰め寄る谷垣。

月島軍曹は岩息とスチェンカをしたくて黙っていたろと杉元に指摘する。

肯定の意味で沈黙する杉元。

わざと負けるつもりが無さそうな杉元に向かって、薄らハゲと約束した八百長はどうするのか、と言うメンバーたちに、杉元は全てが丸く収まる妙案があるから全力で戦えと告げる。

一方、チカパシとエノノカはさらわれた犬の救出に動いていた。

スチェンカ開始早々、杉元は岩息に壁までぶっとばされる。

驚く谷垣たち。

岩息は興奮した様子でまくしたてる。
「もっと!! 杉元さんを!! 教えてくれッ」

ゴールデンカムイ144話 岩息舞治

右ストレートを返す杉元。

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144話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第145話 ミスター制御不能

日本兵陣営の躍動

杉元たち日本兵陣営と岩息率いるロシア人陣営が互いに殴り合う。

杉元と岩息は互いに左手で相手の首の後ろを支えて右手で顔面を連続で殴る。

谷垣は端と口から血を流しながらもヒョードル似のロシア人をノックアウト。

鯉登少尉もヴォルク=ハン似のロシア人を殴り倒す。

杉元と谷垣が互いに背中を預け合う。

谷垣は、杉元大丈夫か? と声をかける。

杉元は、俺は、俺は、とブツブツ呟くのみ。

月島軍曹が残りの一人、ミルコ似のロシア人の顎にアッパーカットを入れる。

「さあさあ! 刺青の男以外やられたぞッ」

「やれぇ! 日本軍!」

「(殺せ!)」

場内に日本語とロシア語で歓声、罵声が乱れ飛ぶ。

日本兵陣営の4人は一人立っている岩息を見据える。


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岩息の強さ

岩息はフロントダブルバイセップスのポーズをとり、興奮した様子で4人に懇願する。
「四人同時に殴って来て欲しいッ」

舐めくさりおって! と苛立ちを隠さずに鯉登少尉が先陣を切る。

日本兵陣営は4人で岩息の四方を囲み、タコ殴りにする。

岩息は応戦する暇もなく、ファイティングポーズをとったままひたすら日本兵陣営の猛攻を耐える。

「もっとぉ!! もっとぉ!! んモットォ!!」

ヒートアップして叫ぶ岩息。

「でやぁーッ」
岩息は左右に両腕を開き、グルグルと回転して四方を囲む日本兵陣営の4人を吹っ飛ばす。

なんて奴だ、と岩息を見上げる谷垣。

強すぎる、と月島軍曹も谷垣の隣で呟く。

杉元は半ば意識が無いような様子で、俺、俺は、と繰り返すばかり。

1対4の不利な状況からあっさりと形勢逆転した岩息は熱狂する場内の観客に向けてアピールするように大きく腕を開き胸を張る。
「どうだい これが私だ」
岩息は陶酔している。


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暴走

杉元が岩息の首にハイキックを食らわす。

モロに食らった岩息は後ろに倒れる。

杉元の反撃に他の三人は驚く。

「(ふざけるな)」

「(お前らに金賭けてるんだぞ)」

場内にロシア語で罵声が乱れ飛ぶ。

谷垣は杉元の前に立ち、どういうつもりだ、と呼びかける。

「俺ッ」

谷垣が杉元に殴られる。

ピンと来た様子の鯉登少尉。
これが貴様の”妙案”なんだな? と問いかける。

「俺ッ」

鯉登少尉もまた谷垣と同じく殴られる。

落ち着け杉元、と止めに入った月島軍曹も杉元の拳の餌食になる。

「やっちまえ」
場内に観客がなだれ込む。

「俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺」
場内に入ってきた観客を片っ端から殴りまくる杉元。
「俺俺俺俺俺俺が不死身の杉元だッ」

「(これだ…!)」
壁際でロシア人の爺さんが涙を浮かべて殴り合いを眺めている。
「(人の殴り合いをただ見ているのはスチェンカじゃない!)」

「(これこそがスチェンカなのだ!)」


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祭り

観客同士、あるいは観客と日本兵陣営。

場内は完全に立場を越えて殴り合う。

俺…、と呟いている杉元に、これが妙案なんだよな、と鯉登少尉が問いかける。

杉元は壁にかけてある、刃が大きく湾曲している鎌を手に取り、鯉登少尉に向けてなんの躊躇も見せずに切ってかかる。

「あ…?」
鯉戸少尉の、自分を庇った右手の掌が鎌によって切り裂かれて出血する。

その様子を信じられない様子で見つめる月島軍曹。

立場を越えた殴り合いの熱気は消え失せ、シーンとした空気の中、杉元に向けて場内の視線が集中する。

杉元? と確認するように名前を呼ぶ谷垣。

杉元は右手の鎌、左手のハンマーを胸の前で交差する。
「第七師団…」
白目を剥き、目を光らせる杉元の頭部から、ドロン、と脳汁が流れ落ちる。

そんな杉元の様子からようやく月島軍曹が真相に気付く。
「鯉登少尉殿 これは『妙案』じゃありません 『殴られ過ぎ』ですッ」

鎌をブンブン振りながら歩いてくる杉元から、場内の人間が蜘蛛の子を散らしたように逃げ始める。

「(これはスチェンカじゃないッ)」
さきほど場内の殴り合いを見て感動していた老人も逃げる。


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逃走

場内のおかしな様子に気付く岩息が振り返ると、そこには杉元が迫っている。

岩息は振り下ろされた鎌をギリギリでかわす。

「金…塊」
半ば意識が無い様子でうわごとの様に呟く杉元。

それを聞いた岩息はピンと来た様子で杉元を見つめる。
「最初から私の刺青が目当てか? ひどいじゃないかッ!!」
ショックを受けた様子の岩息。

逃げる観客の流れに逆らいながらその光景を見ていた月島軍曹は、バレた、と呟く。

「分かり合えると思ったのに…」
杉元から逃げ出す岩息。

スチェンカの会場だった建物から一斉に人が外へ逃げていく。

その人の流れから岩息を見つけ出そうと必死の谷垣、月島軍曹、鯉登少尉。

一行は、スチェンカ直後で上半身裸のまま逃げる岩息を発見する。

追いかける一行。

鯉登少尉が月島軍曹に、杉元はどうするのか、と問いかける。

「危ないからほっときましょう!」
月島軍曹は焦って切羽詰まった様子で答える。
「それより囚人に逃げられてしまう!」

足跡を探せ、と指示するも、暗くて分からない様子の一行。


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バトルロイヤル

岩息と同じく上半身裸の一行の身に、樺太の寒さが忍び寄る。

「樺太にまで追ってが…もうここにはいられない」
岩息は木に手を当てて呟く。

その時、岩息の死角である木の中腹から、岩息を狙ってクズリが飛び掛かる。

「あーーーーッ」

悲鳴を聞き、谷垣、月島軍曹、鯉戸少尉は悲鳴が聞こえた方向に向かって走っていく。

クズリに後頭部の脊髄を襲われて防戦一方の岩息。

そんな岩息を発見して駆け寄る一行。

クズリの怖さを身を以って知っている鯉戸少尉は、クズリは危険だ、銃は持っているのか、と月島軍曹に問いかける。

持ってるように見えますか、と半ばヤケになったように答える月島軍曹。
「助けないと刺青が食われてしまう!!」
拾った太めの木の枝をクズリに向けて振り下ろす。

続いて谷垣がクズリの体を掴んで放り投げる。

雪上にごろごろと転がるが、すぐに立ち直って谷垣たちを見据えるクズリ。

「逃げろ!! スチェンカじゃあいつを倒せそうもない」

谷垣は岩息に肩を貸して逃げるのを手伝う。


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バーニャ

一行が揃ってクズリから逃げていく内に、小屋を発見する。

走って追って来るクズリから逃れる為に、一行は大急ぎで小屋に入る。

扉を閉めると、小屋の中が異様に暑い事に気付く一行。

そこはロシア式の蒸し風呂「バーニャ」だった。

「熱すぎるッ こんなところに長くはいられん」
谷垣が語気を強める。

「でも外にはクズリが…」
クズリが扉にガリガリと爪を立てる音が室内に響いている。

「どうする? みんな考えろ!!」
視界には熱した石がある。

「バーニャ!!」

全裸になる4人。


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感想

パロディの嵐

杉元と岩息の冒頭での殴り合いは、ドンフライVS高山戦の象徴的なシーンそのまんまで笑った。

あと岩息が四方を囲まれてタコ殴りになっていたのを脱した技もストリートファイター2のザンギエフが使うダブルラリアットだし(笑)。

そして極めつけは、杉元の「俺俺俺俺が不死身の杉元だッ」。

ジョジョの承太郎のオラオララッシュそのまんまで笑った。
殴られた跡も地味にジョジョっぽい。

確かジョジョでもこんな構図あったような気がするなぁ。

同じ出版社だからってやり過ぎでしょう(笑)。

とはいえ、ジョジョはもう小ネタも含めればあまりにもパロディが溢れすぎていて、もはや聖典になっている感はある。

リスペクトが感じられるので自分は特に抵抗無いかな。

あと、杉元が右手に鎌、左手にハンマーをもってそれをクロスさせていたのはソビエト連邦の国旗だった。

ネタ入れすぎ(笑)。

前回144話の感想記事でも書いたが、自分は格闘技もそうだけど他の事についてもそれほど詳しいつもりもないので、ひょっとしたら見落としていたパロディがあったのかもしれない。


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杉元が重傷を負っていたの忘れてた

すっかり忘れてた。

半分意識を失ったような杉元の様子は、前回のスチェンカ開始早々岩息から受けたキッツイ一発が原因なのか。

そもそも第137話で頭部に致命傷でもおかしくない一発を食らっていて、ロクに治療期間を設ける事無く殴られてるんだよね。

あまりにも当たり前のように動いているから忘れていたけど、本来は安静にしてないといけないレベルだと思う。

杉元の驚異的な回復力がそれを可能にしているんだろうけど、アシリパさんを助けに行きたいという強い意志が杉元を駆り立てているのだと思うとちょっと胸に来るものがある。

今回、杉元が意識を失って、闘争本能だけで戦うと手が付けられないくらいになるのがわかった。

鶴見中尉よろしく、脳汁が出ると人は狂気に駆られるようになるのだろうか。


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バーニャ

極寒の中で上半身裸、逃げ込んだ場所は蒸し風呂、外にクズリ、と来たら、この状況下ではそりゃもう蒸し風呂を楽しむしかないわな。

実際それ以外に出来る事も無いわけで、彼らの行動は合理的なんだけど、どうもこの光景には既視感があるぞ(笑)。

ロシアと同じく雪深い場所の多いフィンランドでもサウナが親しまれているのは知っていたが、ロシアにもあるんだな。

バーニャって言うのか。知らなかった。

「バーニャ」って検索してもバーニャカウダーの写真しか出てこない。

とりあえず凍えずに済んで良かったね(笑)。

残された杉元は半ば意識を失った状態でどうなるのか。

そもそも杉元の「妙案」とは何だったのか。それはまだ有効なのか。

そして、犬を取り戻しに行ったチカパシたちの命運は。

ゴールデンカムイ第145話のネタバレを含む感想と考察でした。

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