ゴールデンカムイ最新第141話樺太アイヌの感想(ネタバレ含む)と考察。凶暴なクズリとの対決。そして樺太アイヌの少女エノノカの集落へ。

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第141話 樺太アイヌ

第139話のあらすじ

樺太の大泊に上陸した杉元達。

鯉登少尉が持ち込んだ大量の荷物の中からチカパシと二瓶の飼い犬だったリュウが顔を出す。
ゴールデンカムイ140話 月島軍曹と鯉登少尉
北海道には居場所が無いと主張するチカパシに月島軍曹は咎める事無く谷垣に世話を指示する。

大泊の町でアシリパの捜索を行う一行。中々成果を得られず焦る杉元。

インカラマッが言う通りアシリパはそもそも樺太にいるのか不安になる杉元。

月島軍曹はいつの間にか鯉登少尉が姿を消している事に気付く。

鯉登少尉は樺太の特産品であるフレップワインの販売所でワインを楽しんでいた。

観光じゃないんだよと嫌味を言う杉元にフレップワインを浴びせる鯉登少尉。

杉元もまたフレップワインをグラスごと鯉登少尉に投げつけ、大ゲンカに発展しかけたその時、店員のおばさんがアイヌの女の子がアイヌの集落から来る魚売りのおじいさんのソリに乗って集落に帰っていったと証言する。

アシリパが樺太に来ていたのだとテンションを上げる杉元。

おばさんの証言の元、アイヌの集落への道を行く杉元達は、途中で現地のロシア人からも情報を得ながら進んでいく。

足跡を辿っていくと、一行はアイヌの女の子を発見する。
ゴールデンカムイ140話 樺太アイヌの女の子
アシリパよりもさらに幼いであろう女の子は、おじいさんが駆るソリから誤って落ちてしまい、耳が遠いおじいさんは止まらずに集落に帰ってしまったため、近道を通って帰宅している途中なのだと杉元達に説明する。

そして、北海道から来たアイヌの女の子に会った、と笑う女の子に、杉元がアシリパではないかと尋ねようとしたその時、リュウが吠える。
リュウは背後からヒグマが近づいてくるのを杉元達に知らせていた。

臨戦体制を整える杉元達だったが、一発も銃撃を行っていないにも関わらずヒグマが苦しんでいる。
その様子がどこかおかしい事に気付く杉元達。

身体をブンブンと振るヒグマの背中から小さな動物が雪上に落ちる。
ゴールデンカムイ140話 ヒグマ
ヒグマを襲っていたのは小さな動物だった。

「樺太ヤバイッ」
戦慄する杉元。

ゴールデンカムイ最新第140話アイヌの女の子の感想(ネタバレ含む)と考察。樺太ヤ...
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140話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第141話 樺太アイヌ

クズリ

小型の得体のしれない獣に襲われていたヒグマが一目散に逃げていく。

それを横目で見送る杉元と谷垣。

鯉登少尉は残された獣を近くで観察している。

そんな鯉登少尉に、離れて下さい、と獣に向けて銃を構える月島軍曹。

「これがさっき言ってたヒグマより凶暴な奴なのか?」
なんか弱そうだな、と余裕の表情の鯉登少尉。
「目もつぶらで可愛いではないか月島軍曹」

ゴールデンカムイ141話 クズリ

獣を警戒している杉元。
リュウが獣と距離をとっている事を指摘し、狂暴さを感じ取っている。

ゴルルルッ

獣が鯉登少尉の背後に素早く回り込み、その背中に噛みつく。

雪上に俯せに倒れる鯉登少尉。
月島ァ! と叫び助けを求める。

ゴールデンカムイ141話 クズリと鯉登少尉

北海道には樺太とは違う動物が生息している。
鯉登少尉の背中の上で噛みついたままの獣はイタチ科のクズリ、英語ではウルヴァリンと呼ばれる獣だった。

ヒグマからも獲物を横取りするほどに狂暴な気性を持つことから、現地のロシア人からは「熊より恐ろしい」対象として警戒されている。

月島軍曹はクズリの腹を蹴り上げて鯉登少尉の背中から吹っ飛ばす。

木にぶつかったクズリに銃の照準を合わせるが幹に命中する。

「こいつ素早いぞッ」
月島軍曹は次弾を銃に込める。


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チカパシの挺身

クズリはクマを始めとした大型の哺乳類に対して、木の上から相手の背中へ飛び掛かって背骨を攻撃する。

木の上からジャンプするクズリ。
樺太アイヌの女の子に背後から襲い掛かる。

チカパシが抱き着くような形でクズリから身を挺して樺太アイヌの女の子を守る。

「でかしたチカパシ」
杉元がチカパシの背中にくっついているクズリの背中と後頭部の皮を持って引き剥がす。
「その子を連れていけッ谷垣」

谷垣が女の子とチカパシを抱き寄せる。

「その子はアシリパさんの情報を持っている」
必至の形相で叫ぶ杉元。
そして、クズリを雪上に抑えつけたまま、月島軍曹を見る。
「投げるぞッ いいか月島軍曹ッ」

よしッ、と銃を構えた月島軍曹が一言合図で杉元がクズリを投げる。

ボンッとクズリが雪上を弾むクズリ。

ドンッ

月島軍曹がクズリを狙撃する。

やったか? とクズリのいるであろう方向を見ながら杉元が呟く。

「わからん」
月島は鯉登少尉を背負いながら答える。
「とにかく離れるぞ 走れッ」

谷垣は女の子とチカパシをそれぞれ脇に抱えて、杉元達よりも先行してその場を逃げている。

その場を後にする杉元達。


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危機一髪

「来たぞ月島ァ!!」
月島軍曹に背負われたままの鯉登少尉が呼びかける。

クズリは体長わずか1メートルほどだが、足の裏が成人男性の手の平ほど大きく雪上でも素早く移動する。

鯉登少尉を背負ったままの月島軍曹は銃を使えない。

「杉元撃て!! 追いつかれるぞッ」
慌てる月島軍曹。

杉元は月島軍曹に言われる前に、既にクズリに向けて銃の照準を合わせている。
銃が苦手な杉元の表情に大量の汗が流れる。

「エノノカ!!」
犬橇(いぬぞり)に乗った樺太アイヌのおじいさんが颯爽と現れる。

犬橇だ!! と谷垣。

「ヘンケ(お爺ちゃん)!!」
アイヌの女の子――エノノカが笑顔で呟く。

一行は急いで犬橇に乗る。

ゴールデンカムイ141話 犬橇
そしてすぐに犬橇は走り出す。

後に残されたクズリが遠くなっていく。

「トホ! トホ! トー!」

「トホ! トホ! トー!」

前進! と犬に命令するヘンケ。

「あきらめたみたいだぜ」
クズリが追ってこない事からそう解釈する杉元。


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谷垣いじり(笑)

ヘンケは進行方向から目を逸らさずに、パーセ(重い)!! と一言口にする。

「ヘンケが『重い』って言ってる! 犬が疲れちゃう」
エノノカが後ろに乗っている杉元達に向けて呼びかける。

「谷垣一等卒!! 貴様のせいだ」
鯉登少尉が真っ先に谷垣に向けて言い放つ。
「牝牛のように太りよってからに!!」

ええ? と戸惑いを見せる谷垣。

「そうだな… 肥え過ぎだ」
杉元は谷垣の腰に回していた手を上にスライドさせ、谷垣を橇から投げ捨てる。

鯉登少尉が雪上を転がる谷垣。
お尻がプリンッと弾む。

ゴールデンカムイ141話 谷垣

「走って痩せろ谷垣一等卒」と鯉登少尉。

樺太アイヌの集落

大泊の近く、樺太アイヌの集落に辿り着いた一行。

千島、北海道、樺太と三つに分かれているアイヌ文化。
当時の樺太アイヌは漁業中心の生活をしていたという。

一つの木造りの小屋を手で示すエノノカ。
「私とヘンケここでふたちで住んでる でもここ『夏の家』」
寒くなると『夏の家(サハチセ)』のすぐ近くにある『冬の家』に移るのだと説明が続く。

樺太アイヌは家がふたつあんの? と杉元。

集落まで走り切った谷垣が腰を下ろしているすぐそばではヘンケが犬橇を引く『犬繋ぎ竿(セタクマ)』に犬を繋ぐ作業をしている。

リュウは犬橇を引く犬の集団の中で、ただ一匹頭頂部に飾りをつけられている犬を見て、憧れているような素振りを見せる。

こっちが『冬の家』、と雪で覆われた家へと案内される杉元達。

トイチセと呼ぶその家はまるでかまくらのような形状をしているが、その中はきちんとした木で作られており、家具もあり、煙突もある。

北海道よりもさらに北に位置する樺太で、その過酷な自然環境に適応した結果生まれた文化である独自の生活だった。

「臭い臭いッ 何を塗っているのだ!?」
ヘンケが上半身をはだけた鯉登少尉の背中に何かを塗り込んでいる。

熊の油は傷に良いのだそうです、と月島軍曹が説明する。


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エノノカ

「助けてくれてありがとう」
笑顔でチカパシを見るエノノカ。
「名前は?」

「おれチカパシ ちんちんが勃起するって意味だ!!」

ボッキ? と不思議そうに呟くエノノカ。
「わたしエノノカ 『フレップ(コケモモ)』って意味」
エノノカは、フレップをたくさん食べて全部戻したから付いた名前だと説明する。

ほかに名付けるきっかけ無かったのかい? と静かに突っ込む杉元。

「北海道から来たアイヌの女の子もうちでフレップ食べた」
杉元の顔を見つめるエノノカ。
杉元から受けとったアシリパの写真を見て、この女の子! と答えるエノノカ。

連れの男たちがいなかったか? という杉元に、エノノカは、三人いた、と即答する。

「この男はいたか?」
谷垣がキロランケの写真をエノノカに見せる。

いた、とエノノカ。
「『北へ向かう』って言ってた」

北…と谷垣が呟く。


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アシリパが樺太にいると確信

「女の子はどんな様子だった? 元気だったか?」
杉元が真剣な表情でエノノカを見つめる。

「元気ない とてもとても悲しそう 何も話さなかった」

「……」
エノノカの答えを聞いて俯く杉元。

ゴールデンカムイ141話 杉元

「でも…フレップの塩漬け出したら食べた」

杉元達の前にはフレップの塩漬けがある。

ゴールデンカムイ141話 コケモモの塩漬け

「…」
一口食べる杉元。
「しょっぱくて酸っぱくて甘い…」

「フレップいっぱい食べたらちょっと元気になった」
口いっぱいにフレップを頬ばるアシリパを思い出すエノノカ。
「ちょっと笑って『ヒンナ』って言ってた」

ゴールデンカムイ141話 アシリパとエノノカ

「……アシリパさんだ 間違いなくアシリパさんだぜ」
安堵したように笑う杉元。
「確かにこの村にいた やっぱり樺太に来てたんだ…!」


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感想

谷垣の扱いに笑う

エノノカとチカパシを抱えて逃げるとか貢献度高いはずなのに、肥えているという理由で犬橇から放り投げられてしまう不遇の扱いを受ける谷垣。

少なくとも白石不在時には真っ先にイジられる役目になったなぁ。
いや、白石がいてもあんな写真撮られているし、ひょっとしたら愛されキャラの一位じゃなかろうか。
野田サトル先生に特に愛されていると解釈して良いと思う。

クズリ怖い

結局倒せなかった。

杉元も月島軍曹も真剣に戦ったのに怯むことなく向かってくる恐ろしい獣だった。

可愛いと言って襲われた鯉登少尉だが、実際カワイイからなぁ……。
ただ、油断はいけなかった。
背中に噛みつかれた鯉登少尉が幸いだったのは、背骨をやられなかった事か。

もしやられていたら半身不随になっていたかもしれない。
少なくともクズリは熊をそうやって倒す事が出来るらしい。

そりゃ熊に立ち向かえるなら人間なんて屁でもないよね。
こんなのが生息している樺太。怖すぎる。

多分、今後も出て来ると思う。


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男を見せたチカパシ

クズリに襲われそうになったエノノカを迷いなく守った。

自分の身を挺して守るなんてカッコ良過ぎるぜチカパシ!

ひょっとしたら全てが終わったらチカパシはこの樺太アイヌの集落でエノノカと一緒に暮らしそう。

前回の話でチカパシは月島軍曹に向かって、自分の居場所が無いと主張した。
それがフリになっているように思う。

エノノカも祖父との二人暮らしだというし、一緒になるんじゃないかな。

もしエノノカの所じゃなくても、この樺太を行く旅の途中で自分の居場所を見つける事が出来たらいいなぁ。

初対面の女の子に平気な顔でちんちんがボッキって言ってて笑った。
それ聞かれてもいないのに説明する必要ある?(笑)

自分の名前の由来だから堂々と胸を張って説明する方が良いと思うけどね。

それにエノノカも堂々とゲボとか言ってるし(笑)。

名前が汚いのは幼名だからであって、幼名はいずれ大人になったら付け直すんじゃなかったっけ?

でもエノノカはコケモモという意味だからその決まりに当てはまっていないような気がする。

由来が汚ければいいのか? 後で読み直そうかな。


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杉元は射撃が苦手

鯉登少尉を背負っている月島軍曹が追って来るクズリに向けて杉元に撃つように指示している場面でのナレーション。

おそらく杉元は月島軍曹に言われる前に構えていたんだろうけど、中々撃てない。

射撃は正確に狙った部位を撃ち抜くだけではなく、速さもポイントだと思う。

ひょっとしたら、照準を素早く合わせるのが少し苦手なのかもしれない。

近接戦では無類の力を発揮しているし、いかにも主人公、という感じがしてこの設定は好きだな。

やはり苦手なモノが無いと面白くない。

樺太より北へ

キロランケ達が向かったという北となると、いよいよロシアに近づく。

地図で見ると、樺太は名古屋から青森くらいの縦に長い島なのが分かる。

今、杉元たちがいるのは樺太の最南端だろうから、北となるとどこを指すのかまでは範囲が広すぎて、手がかりが無さすぎて分からない。

これから北上しつつアシリパ達の情報の聞き込みをしていくわけだ。

気が遠くなりそうな作業だが、杉元たちはそれぞれ目的は違ってもアシリパ達を追うその動機は強い。

一体いつ会えるのか。

キロランケが向かうのはパルチザンの仲間の元だと思うんだけど、それってどこにあるんだろうな……。

ロシア本土に上陸する事になったらと思うとワクワクする。


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樺太

日露戦争後に結ばれたポーツマス条約により、北緯50度線を境にして北をロシア、南を日本が南樺太として領土化。
第二次大戦後のサンフランシスコ平和条約で南樺太の領有権が放棄され樺太全土の領有権はロシアにあり、現在に至るのだという。

wikipediaによると樺太島の最南端と最北端のそれぞれの座標は、北緯45度54分、北緯54度20分だというから日本とロシアで大体半分になっているようだ。

当時日本が領有していた樺太島の南半分で話が収まるのか?

それとも北緯50度線を飛び越えるのか。

全ては、キロランケの仲間がどこを拠点にしているかだ。

おそらくそこまで追っていく事になるだろう。

コケモモ

前回はワインが出てきたが、今回は塩漬け。
本当に良く採れるんだろうな。食べてみたい。

本編のナレーションによれば、北海道では北海道アイヌがコケモモを食べる習慣は無かったという。

父を失い、杉元から離れて憔悴していたアシリパさんだったけど、普段食べない珍しい物をたくさん食べて、アシリパさんは少し元気が出たんだろうか。

苦境にあってもヒンナヒンナ出来るのであれば大丈夫か(笑)。

アシリパの後を確実に追うことが出来ているのを確信した杉元の安堵したような笑顔が、杉元がどれだけアシリパの事を想っているのかがうかがえる描写となっているように思う。

以上、ゴールデンカムイ第141話のネタバレを含む感想と考察でした。

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142話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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