ゴールデンカムイ最新第142話在留ロシア人の村の感想(ネタバレ含む)と考察。樺太に渡った脱獄囚の存在。そして伝統競技スチェンカに参加。

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第142話 在留ロシア人の村

第141話のあらすじ

ヒグマの背中を襲っていた小型の動物、クズリが杉元達の前に立ちはだかる。
ゴールデンカムイ141話 クズリ
その外見から油断している鯉登少尉の背後に素早く回り込み、牙を突き立てるクズリ。

月島軍曹はクズリを蹴り上げて銃撃するが木の幹に当たる。

クズリは逃げるどころかアイヌの少女エノノカの背後を襲う。

それを身を挺して救うチカパシ。

杉元はチカパシからクズリを引き剥がし、雪上に押し付けて月島軍曹に向かって、クズリを投げると合図する。

月島軍曹は杉元が放ったクズリを銃撃する。

その場から逃げる一行を追うクズリ。

鯉登少尉を担いでおりすぐには反撃できない月島軍曹、そして射撃が苦手な杉元が窮地に立たされる中、犬橇に乗った、少女のお爺さんが現れる。
ゴールデンカムイ141話 犬橇
犬橇に乗りその場を脱する事に成功した一行は、無事に樺太アイヌの集落に到着する。

北海道アイヌとは異なる文化、生活様式を持つ樺太アイヌ。

杉元達は、自分たちが救った少女エノノカの冬用の家に招かれる。

エノノカにアシリパの写真を見せると、エノノカは確かにこの少女と会ったと答える。

さらに谷垣がエノノカにキロランケの写真を見せると、キロランケは北へ向かうと答えたという。

エノノカ曰く、元気が無かったというアシリパだが、フレップの塩漬けを食べたらヒンナと言っていたと聞き、杉元は安堵したように笑う。

「確かにこの村にいた やっぱり樺太に来てたんだ…!!」

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第141話 樺太アイヌ第139話のあらすじ樺太の大泊に上陸した杉元達。鯉登少尉が持ち込んだ大量の荷物の中からチカパシと二瓶の飼い犬だったリュウが顔を出す。北海道には居場所が無いと主張するチカパシに月島軍曹は咎める事無く谷垣に世話を指示する。大泊の町でア...

141話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。


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第142話 在留ロシア人の村

交渉

まだ幼い犬を背負ったり抱いたりしている樺太アイヌの女性たちが杉元たちを見ている。

杉元と谷垣が、エノノカと何やら話している鯉登少尉とその側に立っている月島軍曹を遠巻きに見ている。

何をやってんだあいつら、という杉元に、谷垣は報酬の交渉だと答える。

徒歩での移動を避けたい鯉登少尉がエノノカのお爺さんを雇って犬橇での移動を実現しようとしている、と杉元に説明する谷垣。

エノノカは鯉登少尉の目の前でそろばんを使って報酬額の計算を行う。

そして晴れて契約となり、鯉登少尉とエノノカが握手する。

そろばんを使っていたり、鯉登少尉ときちんと交渉しているエノノカの姿を見て杉元は感心する。

その脇ではチカパシが能天気に下ネタの歌詞で鼻歌を歌う。

ゴールデンカムイ142話 鯉登少尉、エノノカ、チカパシ

エノノカとの良い対比になっている。


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注意を促す月島軍曹

犬橇。
エノノカのお爺さんに後ろに座る鯉登少尉と月島軍曹。

さらにその後ろ、鯉登少尉と月島軍曹とは別の犬橇には杉元を先頭に、エノノカ、チカパシ、谷垣と続く。

犬橇が発進する。

「左曲がるの 左のカウレ刺して!!」

杉元のすぐ背後からエノノカのアドバイスが飛ぶ。

杉元は左右それぞれの手に犬橇用の舵をとる為の棒である「カウレ」を持っている。

「トホ! トホ! トー!(前進)」
杉元の背後からチカパシが叫ぶ。

真剣な表情で前方を見ている杉元は、「止まれ」と命令するための言葉は何かとエノノカに問う。

「ペラ!!」

犬橇は木造りの立派なログハウス風の建物の前で停止する。

アイヌの女の子と三人の男が、ここのロシア人の村の事を聞いていたとエノノカがお爺さんの言葉を通訳する。

立ち寄った可能性は高い、と感想を述べる杉元。

目の前の建物が、村で唯一の酒場らしいと谷垣が呟く。

「のどかな農村だと思って気抜くな」
月島軍曹が一堂に忠告する。
南樺太にいくつかあったロシア人の監獄は、日露戦争後に日本領となって閉鎖されたが、日本軍が上陸した際のどさくさに紛れて囚人のほとんどが逃げたのだと月島軍曹が続ける。

杉元、谷垣、鯉登少尉の顔が引き締まる。


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酒場

酒場の扉を開けて入っていく杉元。
後に谷垣、鯉登少尉、月島軍曹が続く。

見慣れない闖入者である杉元達に、客の男たちの値踏みするような視線が集まる。

「(この男が来ませんでしたか?)」
月島軍曹がキロランケの写真を見せながら流暢なロシア語で問いかける。

ゴールデンカムイ142話 月島軍曹

「(知らない)」
ニコリともせずに月島軍曹を見据えてマスターが短く答える。

「(誰か知りませんか?)」
月島軍曹は他の客たちにもキロランケの写真を見せる。

「(日本の兵隊が俺たちの村に何の用だ?)」
一人の酔っ払ったロシア人の男が椅子から立ち上がり、杉元に向かって歩いていく。

その様子を静かに見つめる月島軍曹。

「(出て行け)」
男が杉元に向かって命令する。

「何言ってるかさっぱりわかんねえぞ酔っ払い」
杉元は近づいてきた男に落ち着き払った様子で言い捨てる。
「俺に触ったらブッ飛ばすとこいつに伝えろ月島軍曹」
目の前の男から目を逸らす事無く続ける。

男が杉元の胸倉を掴む。

杉元はブッ飛ばすという宣言通り、右拳をロシア人の男の右頬に叩き込む。

ロシア人の男も右拳で杉元の右頬を殴る。

杉元は歯を食いしばり、今度はロシア人の男の顔を思いっきり殴り抜く。

ゴールデンカムイ142話 杉元

ロシア人の男は床に沈む。

酒場のマスターはその光景を信じられない様子で見ている。


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リーダー犬を盗まれて慌てるエノノカ

「ここはダメだ 酔っ払いしかいねぇ」
さっさと酒場を後にする杉元。
「近所へ聞き込みに行くぞ」
右の鼻の穴を親指で塞ぎ、左の鼻の穴から溜まっていた鼻血を吹きださせる。
「犬ぞりは待たせてろ」

ゴールデンカムイ142話 杉元、谷垣、鯉登少尉、月島軍曹

杉元に続く、鯉登少尉、月島軍曹、谷垣。

「キロランケたちは何が目的でこの村に立ち寄ったんだ?」
谷垣が疑問を口にする。
谷垣を見つめる杉元と月島軍曹。

エノノカが何かを叫びながら走ってくる、とチカパシが杉元に教える。

「イ……イヌ盗られた!!」
慌てた様子のエノノカ。

エノノカは、良く話すロシア人に絡まれ、そのロシア人が去った時には既にイソホセタの紐を切られていたと杉元達に説明する。

エノノカのお爺さんはため息をついている。

イソホセタとは犬橇の先頭に繋がれ、頭に飾りをつけている犬の事で、操縦者に忠実なリーダーとしての資質を持った犬だとエノノカが説明を続ける。

ゴールデンカムイ142話 イソホセタ

「犬は……私達の家族と同じ」

月島軍曹は、 良くある盗人の手口だと看破し、犯人を捜そうと呟く。

「あッ!! 『おしゃべりロシア人』だ!!」
エノノカが近づいてくるロシア人を見て口にする。

杉元達に近付いて来ていたロシア人は、ついて来い、と杉元達を酒場に来るように促す。


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交換条件

酒場ではマスターが客席のテーブルの椅子に腰かけ、その傍らには杉元が殴り倒した男が顔を押さえて座っている。

「犬を返して欲しければスチェンカに出ろ」
マスターが杉元達に向けて言い放つ。

何と言っている? と鯉登少尉が月島軍曹に問いかける。

月島軍曹はマスターから聞いた話を説明し始める。

杉元が殴った男は賭け事の参加者であり、マスターはその男に大金を賭けていた。
しかし杉元にやられた男は目が腫れてしまっておりスチェンカに出られないから、犬を返して欲しければ責任をとって参加せよ、と説明する月島軍曹。

「いいからさっさと犬返せ」
静かに怒りとイラつきを秘めて杉元が呟く。
「店ごと潰して宗谷海峡に浮かべるぞこの野郎」
月島軍曹に、(ロシア人に翻訳して)伝えろ、と短く命令する。

「あの犬は私が高いエサ代を出して雇っている」
今度は鯉登少尉が自身の腰のサーベルの柄を触れながら口を開く。
「『すぐに返さんとそのパヤパヤ頭を三枚おろしにして犬の餌にする』とロシア語で伝えろ月島軍曹」

難しい表現の通訳は出来ません、と冷静に返す月島軍曹。

マスターは決して狼狽することなく何かをロシア語で話し出す。


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樺太に渡った脱獄囚

「なに!?」
マスターの喋っている言葉の意味を理解した月島軍曹の表情が変わる。

「我々が探していた男…つまりキロランケたちは『北海道から来た刺青の男を探していた』…と」
月島軍曹が、鯉登少尉に答える。

だからこの村へ来たのか、と先の疑問への答えを見つけた谷垣。
どこかで刺青の脱獄囚の話を聞いたんだ、とキロランケの行動から推測する。

マスターは畳みかけるようにさらに情報を話す。

「『スチェンカ』には刺青の男も来るかもしれんと言ってるぞ!!」
月島軍曹が翻訳する。

「脱獄囚は樺太にまで渡っていたか」
静かな、しかし迫力ある表情で杉元が呟く。


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ロシア伝統競技『スチェンカ』

「『スチェンカ』はここで行われているそうだ」
大きなログハウスに着き、月島軍曹がマスターの言葉を説明する。

ゴールデンカムイ142話 スチェンク会場

マスターは扉を開きながら、もう片方の手で杉元達に手招きをしている。

開かれたドアの、その内側から蒸気が漏れだす。

「くううッ なんてぇ熱気と…男共の匂いだ…!!」
杉元はあまりの熱気に思わずのけ反る。

ゴールデンカムイ142話 杉元

「(いけいけ!!)」

「(殺せ!!)」

怒号が飛び交うログハウスの中では、横一列に並んだ男たちの二つのグループがお互いに正面から殴り合っていた。

裸の男たちが数名で並んで向かい合って殴り合う「スチェンカ ナ スチェンク(「壁」対「壁」)」はロシアの伝統的な競技だった。
筋骨隆々の男たちが並んだ光景を「壁」に例えた事が由来となっている。

「スチェンカやるしかねえのか…」
杉元が静かに呟く。
「俺たちで」

さり気なく言った杉元の「俺たち」という単語に即反応し、俺たち? と月島軍曹が呟く。


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感想

スチェンカ

ログハウス内とはいえ、極寒の地で裸になって殴り合うロシア人の伝統競技「スチェンカ」。

思わぬ展開にも関わらず既にやる気満々の杉元。

そして、「俺たち?」と若干の戸惑いを見せる月島軍曹。

谷垣は競技に見入っているように見えるし、鯉登少尉は杉元をじっと見ている。

この4人でロシア人と真正面から殴り合うとか、また面白い展開になってきた。

この競技には筋骨隆々の谷垣が一番合うように思う。
活躍するんじゃないかと予想。

といっても、身体つきを言うなら杉元も良い体してるし、鯉登少尉も月島軍曹も同様なんだろう。

酒場でロシア人を殴り倒した杉元はやはり強い。
スチェンカに出る予定だったロシア人を二発で沈めるくらいだからきっと活躍するだろう。

鯉登少尉と月島軍曹はどうかな。

何となく、杉元と谷垣には敵わないような気がする。

ラストのコマで、既に臨戦体制と言っても良いくらいに意識が殴り合っている男たちに向いているように見える杉元、谷垣に比べると、鯉登少尉と月島軍曹は二人で杉元を見ている。

間違いなく鯉登少尉も月島軍曹も強いはずなんだけど、スチェンカのようなバカな競技をノリノリでやるイメージが湧かない。

今話だけで言えば、月島軍曹は一行の中で唯一ロシア語を話せる頭脳派。

鯉登少尉は歩きたくないから犬橇を雇いたいと望む効率を念頭に置いた考えを持っている。
「なんで互いに裸で殴り合わなければならない」と疑問に思ってしまうタイプだと思う。

杉元も谷垣も、目の前の相手に向かうの集中力が高いような気がする。

次回の戦いが楽しみ。


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しかし話の末のコピー「殴(や)らないか」はネットでも有名過ぎるミームとかけてるんだろうなぁ。
裸の男たちが互いに殴り合うなんて、そういうシチュエーションと親和性高そうだし(笑)。

あと、次号の引きのコピー、「殴(や)れんのか?」は年末の格闘技とかけてるんだろう。

いよいよ年末なんだなぁ……。

久々の脱獄囚

樺太に渡った脱獄囚の存在に言及がありました。

久々に脱獄囚関連の話が展開するのか~。
今度はどんな変態が出て来るのか楽しみ。

北海道よりもさらに寒い極寒の地で、一体どうやって生きているのか。

未だかつて見た事の無い怪物じみた脱獄囚が出てきてくれることを望む。
熱い戦いが見たい。

キロランケは刺青人皮を持つ脱獄囚探しを始めたということか。

やはりキロランケ側に同行するアシリパだけでは金塊に繋がる決定的な情報は得られないのだろう。

脱獄囚の残りはようやくちょうど半分だったはず。

次に大いに期待。

合併号だから2週間後かぁ……。辛い。

以上、ゴールデンカムイ142話のネタバレを含む感想と考察でした。

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143話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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