第113話 さよなら姉畑先生
第112話のざっくりとしたあらすじまとめ
支遁追跡の猶予期間の3日の最終日。杉元とアシリパは二瓶の猟犬リュウと会って、ここまでリュウが追いかけてきた二瓶の銃を持っている支遁を追跡できる可能性がでてきた。
ただ、アシリパ曰く二瓶の銃の匂いはではなく、それを持った谷垣の匂いを追ってきた可能性が高く、支遁追跡を未だ楽観視できない状況にあるという。
唯一の支遁の痕跡である鹿の惨殺現場にいる杉元とアシリパ。
杉元が、谷垣のような状況になったら尾形には託さないで、と言うと、アシリパは真剣に、杉元に何かあったら私が必ず助けると言う。
それをおどけるようにして冗談のように受け取る杉元。
そうこうしているとリュウが何かの匂いを捉える。
一方、尾形は、谷垣を見事に脱出させて山の中を一緒に走って逃げる。
逃げることに抵抗を覚える谷垣。
リュウのあとを追う杉元たち。
アシリパが支遁が塗りたくっていた糞を見つけて犯人が近いことを杉元に言う。
ヒグマと遭遇していた支遁はヒグマに捕まる。
そこへリュウが走り寄り、支遁の持つ二瓶の銃に噛みつき、支遁と引っ張り合いになる。
杉元とアシリパが必死にヒグマ相手に格闘していると、支遁は下半身を裸にしてヒグマに抱き着いている。
杉元は支遁の刺青人皮を守るために必死にヒグマの気を引いて支遁を守ろうとするが苦戦。
アシリパが苦手な蛇を掴んでヒグマに投げつけて、ヒグマにスキが生まれると支遁はそのチャンスを逃がすことなくヒグマの尻の穴とつながることに成功。
一堂に会していた杉元、アシリパ、尾形、アイヌらの前で行われるあまりに凄惨な光景に各々が嘆き、驚く。
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第113話 さよなら姉畑先生
姉畑支遁の壮絶な最期
支遁に挿入され苦しむヒグマ。
「やめろぉ!!」
アシリパが叫ぶ。
「ガフッ!!」
リュウが吠える。
目の前で繰り広げられている悪夢のような光景に、ただただ言葉を失うその場に集まった一同。
谷垣のシャツのボタンがパァン、と跳ね飛ぶ。
ここぞとばかりに杉元が姉畑に向かって走っていく。
いくら刺青人皮を得るためとはいえ、勇気あり過ぎ。
梅子のためだから頑張るんだろう。
アシリパが杉元に向かって言う。
「丸腰で向かっていってどうするつもりだ!!」
「姉畑先生もう充分だろッ」
杉元が必死に支遁に向けて言葉をかける。
「ヒグマから離れろッ」
しかし杉元の言う事など聞かない支遁は挿入をやめない。
「姉畑先生…」
杉元が驚愕する。
「まさか…!! 勃ったまま死んでる……」
姉畑先生って(笑)。
もう尊敬しちゃってんじゃん(笑)。
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そしてヒグマは倒れた支遁の足を踏み折る。
近寄ってきていた杉元に向けて遠吠えを行う。
「ガガガガっ!!」
「杉元何やってるヤチマナコに飛び込めッ」
アシリパが杉元に助言する。
「俺は不死身だぜ!!」
杉元はヒグマから目を逸らすことなく最小限の動きでヒグマの前足による重い打撃を紙一重で避ける。
ヒグマの前足には杉元が一瞬で刺した矢が刺さっている。
「あの矢はさっき私が…」
アシリパが矢に気付く。
「杉元は最初からヒグマの近くに落ちた矢を拾いに走っていたのか」
ヒグマに対して毒が効いたのか、足元がフラフラとなり倒れる。
その場にいた一同は倒れている支遁の元へ近寄る。
「安らかな顏だ」
杉元が支遁の表情からやり遂げた満足気なものを感じとる。
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「ウコチャヌプコロして力尽きるとは…鮭みたいな奴だったな」
アシリパが支遁を評する。
「あのヒグマが人を殺してウェンカムイ(悪い神)にならずに済んだのが唯一の救いだ」
「どうしてこんな馬鹿な真似を…」
「熊に殺された人間は熊に好かれて結婚相手に神の国へ貰われていったのだという話もあるけど…」
「そのアイヌの話…姉畑先生は知ってたのかなぁ?」
杉元がアシリパに問う。
「アイヌに詳しければ知ってたかもな」
「決死の想いも恋は成就せず…だったってわけか」
哀れみと畏敬が入り混じったような表情の杉元。
「おい杉元!この男を哀れむのか?やめろ」
アシリパが杉元をキッと見据える。
「姉畑支遁が本当に動物を愛してたならどうして最後に殺すんだ?」
「姉畑もどこかで動物とウコチャヌプコロするのが良くないことだと分かっていたんだ」
「あとになってその存在ごと無かったことにしようなんて…本当に自分勝手だ」
「どうしてウコチャヌプコロする前によく考えなかったのか…そうすれば殺さずに済んだのに…」
「なあ杉元!! そう思わないか?」
アシリパさんからすれば獣を冒涜している憎い奴だからなぁ。
男からすればある意味畏敬すら抱く存在に成り上がったわけだけど……(笑)。
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尾形がまるで支遁を援護するかのような言葉を吐く。
「オイやめろッ」
杉元が尾形の発言を止める。
尾形さん女性に男とはこんなものだと勘違いさせてしまうような発言はやめなさい(笑)。
ヒグマの解体作業の中心になっているのはアイヌの男たち。
「ヒグマの毛皮を剥ぐことを俺たちは『着物を脱がせる』という言い方をする」
アイヌの男が説明する。
「刃物で剥ぐ時胸の部分だけ皮を二箇所少し切り残しておく」
「切り残しは最後に指でちぎって離す」
「皮を切り残すのは私たちのとこではやらない」
アシリパが補足する。
「地域によっていろいろあるんだな」
谷垣が感想を言う。
「コタンが近いから 解体したクマを持ち帰って送る儀式をしよう」
杉元が支遁から刺青人皮を剥ぐ。
「よし…!! 更にもう一枚刺青人皮を手に入れた」
杉元たちの所有する刺青人皮は合計で8枚になった。
後藤
尾行してきて尾形に打ち殺された男
二瓶鉄造
辺見和雄
若山輝一郎
白石由竹(写し)
鈴川聖弘(写し)
姉畑支遁
24人のうち3分の1を集めたわけか。
他に確認されているのは土方、牛山、家永。
あとは33人殺しの津山?
まだまだ24人の半分を超えたくらい。
他にどんなヤツが出て来るのかが楽しみだ。
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「オホホホホーイ!!」
「オココクセという叫びで火の神様に熊が捕れたことを知らせる意味もある」
アシリパが説明する。
「オホホーイ!!」
杉元が真似を始める。
アイヌの女たちがやってくる。
「オノンノオノンノ(めでたいめでたい)」
「オノノノノ」
「キラウシニシパが村長に谷垣の誤解を説明してる」
アシリパが説明する。
「カムイホプニレ…」
「『神の出発』という意味の儀式で 狩りによって獲った大人のヒグマを『送る』ものだ」
「外のオリで育てた飼い熊を送る盛大なイオマンテとは別の儀式だ」
「このあとヒグマの頭は家の外のイナウがたくさんある祭壇に移動する」
「木の削りかけであるイナウは人間からカムイへの贈り物だ」
「カムイはイナウを沢山持っていると神の国で地位が高まる」
「貰ったイナウは金や銀のイナウに変化して財宝になるといわれている」
「あっちの世界でも金には価値があって、たくさん持ってりゃ幸せになれるってわけか」
杉元が改めて金塊に思いを馳せる。
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谷垣がアシリパに伝える
「酒飲んで仲直りしようぜシサム(和人)の旦那たち!!」
トノトと呼ばれるひえ、あわ、きびなど、釧路ならば馬鈴薯、麦などから作られたお酒を持ってやってくるアイヌ男たち。
酔っぱらったアイヌ男が杉元に絡みつつ話しかける。
「杉元ニシパ お前強いなッ」
「俺は喧嘩で負けたのはお前が初めてだ」
「娘を嫁にいらねえか?」
杉元は全く興味の無い様子でアイヌ男を見る。
「あんたの娘ぇ?」
「疑って悪かった」
アイヌ男が谷垣に酒を勧める。
「もっと飲んでくれ小熊ちゃん」
娘ぇ? なんて言ってるが、こういうのって案外かわいかったりするんだよなぁ。
谷垣が子熊扱いなのは胸毛か?(笑)
「え?ヘビ触ったの?恐かった?」
「うん 臭くないか?」
アシリパが杉元に問う。
「いっぱい洗ったけど」
尾形にも手の匂いを嗅がせるアシリパ。
「臭くないか?」
続いて、アシリパが尾形を褒める。
「尾形お前誰も傷つけずに谷垣を逃がしたそうだな」
「杉元はすごく疑ってたし私もちょっと不安だったけど見直したぞ」
尾形が凄絶な笑いを浮かべる。
「谷垣源次郎は戦友だからな」
再び尾形の前にアシリパが手をかざし、クンクン嗅ぐ尾形。
犬か(笑)。
というか素直じゃないな尾形は(笑)。
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谷垣がアシリパに声をかける。
「俺はフチのことを伝えに小樽から追ってきた」
谷垣は、フチの見たという良くない夢のことをアシリパに話す。
心配そうなアシリパ。
「婆ちゃんが『二度と孫と会えなくなる夢を見た』って…」
尾形が事も無げに言う。
「たかが夢だろ?手紙でも送っておけよ」
やっと谷垣が目的のひとつを果たせた。
アイヌだったら夢は馬鹿にできない。心配だよなぁ。
尾形がなんだかんだいってアシリパを心配してるのがなんかなごむ。
アシリパが尾形に答える。
「私は信じなくてもフチは古い考え方のアイヌだから…」
「それにウチは昔…ある夢を見た」
「自分の娘のまわりに熊がたくさん集まって送っている夢だった」
「そのあとすぐに私の母は病気で亡くなったとフチが話していた」
「アシリパさん…一度帰ろうか?」
杉元がアシリパを慮って一時帰宅を提案する。
「一度顏を見せりゃ『孫娘とは二度と会えない』ってフチが見た予言は無効だろ?」
「元気になるさ」
「我慢しなくっていんだよ?」
「子供扱いするな杉元!! 私にはどうしても知りたいことがある」
アシリパが語気強く言い放つ。
「知るべきことを知って自分の未来の為に前に進むんだ!!」
「よく言った!!」と杉元がアシリパを褒める。
ようやく谷垣がアシリパに会い、伝えたかったことを伝えられた。
とりあえずこれからどうなるのか。次の囚人は?
楽しみだわ~。
以上、ゴールデンカムイ113話さよなら姉畑先生のネタバレ感想でした。
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