第307話 ちんぽ先生
前話第306話あらすじ
先頭車両で暴れるヒグマ。第七師団兵の応戦をものともせず、ヒグマは暴れ続ける。
杉元は大勢の第七師団兵と銃剣を突きつけあい、苦戦していた。
鯉登少尉の振り下ろしを受ける土方。
鯉登少尉のサーベルが折れたのを見て、土方は刀を構え直して鯉登少尉を斬ろうとする。
しかし鯉登少尉のサーベルに遺された刃が土方の頭部に食い込む。
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月島軍曹は牛山を止めようと思考を巡らせる。
手榴弾を持って、牛山に正面から飛びかかり、牛山に叩きつけようとする。
そこに、鯉登少尉が現れ、月島軍曹の捨て身の攻撃を止めさせようと駆け寄っていく。
月島軍曹を引き剥がそうとする鯉登少尉。
牛山は鯉登と月島の二人を前方に思いっきり投げ飛ばす。
その瞬間、月島軍曹は宙を舞いながら、手中の手榴弾を牛山に向けて放っていた。
手榴弾は牛山を通り越し、座席の下にうずくまるアシリパのすぐそばに落ちる。
アシリパは咄嗟に手榴弾に背を向け、権利書を庇う。
手榴弾が爆発するが、牛山が正面から爆風を受け止めてアシリパを守っていた。
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第306話の感想記事です。
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第307話
やはり牛山は物語から退場となった。
物語の終盤も終盤でこの結果は残念だ……。
さすがの不敗の牛山も至近距離で手榴弾の爆発と破片をモロに食らって無事でいられるわけがなかった。正面から受けた破片が牛山の胸や腹部から背中までを貫く大穴を空けてしまっているから、これはもう絶対に助からない。
敵に実力で破れたのではない。むしろ複数の兵を全く寄せ付けず、不敗の牛山の面目躍如という活躍を見せていたにも関わらず、アシリパさんに迫る死の危険から護らずにいられなかった結果というのが悲しい。
当たり前のことだが、手榴弾の爆発を受けても、スーツが破れただけでピンピンしていた、なんていうギャグ展開が許されるシーンじゃなかった。
しかし、そうはならなくても、何らかの形で生きてくれているのを期待していたんだけどなぁ……。
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正直、白石の言葉が全てだと思う。かなりの読者が共感したのではないか。
牛山は、武人として、男として、あまりにもかっこよすぎた。
女を守り、不敗のまま死ぬ。確かに完璧だよなぁ。
家永からの問いかけにこのタイミングで答えるとか、最高過ぎる演出だった。
また最初から読み直したら、家永の問いかけのシーンではもちろん、アシリパさんとのしょうもない会話のシーンでも泣いてしまうかもしれない。この二人はほんと仲が良くて、微笑ましい関係性だったもんな~。
不敗の牛山にふさわしい最期を用意してくれた野田先生に感謝だわ。
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そして鶴見中尉、月島軍曹、鯉登少尉の関係性にも決着がつこうとしている。
最後まで鶴見中尉を見届けたい月島軍曹。
鶴見中尉の狂気に魅せられてしまっている月島軍曹を救おうと必死の鯉登少尉。
一体この三者の間で、どのような決着がつくのか。
そして、牛山に続き、もう一人の強者である土方も、退場することが確定している。
しかし土方の場合、どうやら命が尽きるその前に、最後の命の輝きを見せてくれそうだ。
ヒグマとの一対一の戦い……。これは完全に予想外だった。こんなの想像すらできないだろ……。
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前回の話のラスト、前頭部に鯉登少尉の刀を深々と受けてしまった土方の精神は、若く、全盛期と評して良いであろう、新選組副長の時代に戻っていたようだ。
先週の話を読んだ時、自分は土方の姿が若く変貌しているを見て、走馬灯が始まるのかなと思った。
しかしそれは全く間違っており、傷つけられた土方の脳内で、全盛期のイメージに切り替わっていたんだな。
土方の行動は、斬り用一郎を彷彿とさせる。用一郎は老いて朦朧とした頭の中で、若い頃に人斬りとして京都を駆けまわっていた頃に戻り、鋭い太刀筋を繰り出していた。
幕末を全力で駆け抜けた強者の持つ特質なのか。
土方がどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
以上、ゴールデンカムイ第307話のネタバレを含む感想と考察でした。
第308話に続きます。