ゴールデンカムイ最新第279話俺の手柄ネタバレ含む感想と考察。最初に刺青の暗号解読したのは誰?

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第279話 俺の手柄

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第279話 俺の手柄

何があっても恨むわけない

杉元は菊田に、軍帽の持ち主が日清戦争で亡くなった菊田の弟のものだと花沢勇作から聞いていた。
だから”地獄行きの特等席”などと、自分を責めているのかと問いかける。

貧乏な家に生まれた菊田は、弟を、ご飯が食べられるからという理由で陸軍へと誘っていた。
戦死より餓死の方が多かった日清戦争で、菊田の弟、藤次郎もまた餓死していた。
「俺が殺したようなもんだ」

軍帽を被る杉元。
「……たしかに俺が陸軍に入ろうかと思ったきっかけは菊田さんだけど、最後は自分で決めることです 何があっても恨むわけない」
菊田の目に、顔を上げた杉元が藤次郎と重なる。
「もう自分を許して前に進んだら?」



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「それに俺は滅多に死にません 不死身ですから」

ため息をつき、杉元に背を向ける菊田。
「その帽子 お前にやるよ」

去っていく菊田に杉元は、花沢勇作に令嬢とのことを伝えて下さい、と声をかける。
「彼には選択肢があるんですよ!!」

勇作の件は陸軍全体の問題になり、自分も陸軍にいられなくなると菊田。
「勇作に近づくな…全部忘れろ」

「陸軍でまた会ったらその時ははじめましてから仲良くしようぜ」

「またなノラ坊」



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暗号を解く

菊田は陸軍第一師団司令部の奥山秀山中将の前に立っていた。

そこで告げられたのは、第七師団への転属だった。
「転属の理由は自分で考えろ」
鶴見中尉の元で、彼が暴走しないかどうかを監視せよと命令を受ける菊田。

菊田は扉の近くに立っている男——尾形が何者かと中山中将に問う。

菊田と同じだと答える中山中将。
「ただし…共倒れを防ぐために独自に動け お互いの邪魔だけはするな」

1904年の二百三高地。

杉元は戦闘直後の死屍累々の大地に立っている。

頭から血を流して倒れている兵士の周りを、他の兵士たちが囲む。
「勇作殿…」

「勇作殿ぉ」

悲痛な声で倒れている兵士――花沢勇作の名を呼ぶ兵士たち。

突然、勇作の目が開き、杉元を見つめる。



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目を覚ます杉元。

汽車で移動中の杉元一行。

床に広げた刺青人皮を見ているアシリパが、傍の椅子に座っている土方に訊ねていた。
「これは?」

「鼓だ」

複数の刺青を見比べて、アシリパは皮には共通する音の漢字が入っていることに気付いていた。
しかし、暗号を解く鍵である「ホロケウオシコニ」以外は囮であると喝破する。
「「ホロケウオシコニ」の音を表す漢字は刺青人皮一枚につき4文字以上は必ず入っている そして皮を重ねるとピッタリ文字の間隔が合うものがある」

土方は、漢字に詳しくない娘にあえて漢字の暗号を与えたことを挙げて、それはウイルクからの、和人と協力して金塊を見つけろという伝言でもあるのではないかと呟く。

アイヌのために和人を利用せよという伝言かもしれないと白石。
「だって鶴見中尉たちとこうしてる可能性も大いにあったわけだしな」



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俺の手柄かな――

鶴見中尉たちが集まっている教会の扉の前で、菊田特務曹長はさきほどすれ違った、過去に自分と関わったノラ坊が、日露戦争の英雄である杉元であることを知り感慨に浸っていた。
(「不死身の杉元」の活躍で結果的に何人の日本兵の命が失われずに済んだか……)

(でもあいつが陸軍に入ったきっかけは俺なんだから 俺の手柄かな――)
フフンと笑う菊田。

杉元も菊田のことを考えていた。
(次に会ったときは菊田さんでも俺は本気で戦わなければならない)

暗号を解読中のアシリパは海賊房太郎から託された金塊を取り出す。
ウイルクが作り、支笏湖でなくした金貨。
この中に刺青人皮とよく似た文様があるとアシリパは指摘する。

「このどの線にも交わらない一本の線を表す文様は刺青人皮にも共通している」

「なにか重要な意味があるのではないだろうか?」



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鶴見中尉はもまた、手に持っているその金貨をじっと見つめていた。
「解けた」

ざわつく部下たち。
そして、鶴見中尉が広げている刺青を囲み、息を呑む。

「これが金塊の在り処? ついに……」
菊田が呟く。

これでやっと金塊争奪戦が終わるのですね、と二階堂。

「いやいや…本番はこれからだ」
ゆっくりとピストルを取り出す鶴見中尉。

そして2発の銃声。

鶴見中尉は突然、無防備な菊田特務曹長の胸を撃ち抜くのだった。



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感想

杉元と菊田特務曹長にこんな過去にあったのか。
一連の回想話が面白かった。

再会して勝負になるのか、それとも味方となるのか。
楽しみだったのに、そんな希望を打ち砕く今回のラスト……。

菊田は戦地で餓死してしまった弟の姿を杉元に見ていた。



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感想

ああ、菊田が……。
この1カ月の杉元の回想の話で、かなり魅力を増してきていたタイミングだったからこそ、今回のラストは余計に衝撃的と言える。

鶴見中尉があまりにも迷いなく撃ってるのが怖い。
菊田からしたらあまりにも突然のことに、逃げるという考えすら浮かばなかったことだろう。
不意打ちの手本みたいな動作だ。

やはり鶴見中尉の目は誤魔化せてはいなかったか……。
菊田が中央からのスパイだと喝破していたようだ。おそらく単に、ちょっと怪しい程度の認識でも金塊の情報が中央に漏れる可能性が少しでもあるならこうしていただろうけど、1の情報から10を知るような頭脳の持ち主、鶴見中尉のことだから確信していたんだろうな。



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鶴見中尉が牙を剥いたのは、金塊の在り処が中央に伝わらないようにするためだろう。

これまで菊田を生かしておいたのは、菊田をある程度泳がせておいて、スパイが上手くいっていると中央に思わせておくことで、中央からの探りの動きを掌握しておくことと、いつか始末するその時まで優秀な菊田を自分の目的達成のための手駒として利用していたのかな?

そして今回、金塊の在り処がわかったことで、菊田を泳がせてその力を利用するよりも、金塊の情報が漏れないことを優先すべく始末した?

菊田が中央のスパイであることを鶴見中尉が確信したのがいつなのかわからない。しかしこれまでも鶴見中尉から菊田特務曹長への対応はどこか他の部下とは違っていたような気がする。おそらく金塊争奪戦が始まる前から分かっていたんじゃないか。根拠はないけど、そんな悪魔的な頭脳の持ち主の方が、鶴見中尉のイメージに合う。



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鶴見中尉が解読して、金塊争奪戦は次のフェーズに移行したと言っても良いだろう。

暗号の解き方が面白かった。
確かにホロケウオシコニを知らなければ、解けない謎だ。
刺青人皮の模様に、わざわざ漢字を使っていることから、日本人と協力せよというウイルクからの伝言ではないかという土方の洞察も好きだ。

鶴見中尉が先に解いた。このアドバンテージは金塊争奪戦にどのような影響を与えるだろう。

以上、ゴールデンカムイ第279話のネタバレを含む感想と考察でした。

第280話に続きます。

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