ゴールデンカムイ最新第180話亜港監獄+179話あらすじと感想(ネタバレ含む)と考察。ついに亜港監獄からの脱獄作戦が開始される。しかし最初から問題が発生。

スポンサーリンク

第180話 亜港脱獄

前話第179話 間宮海峡のあらすじ

銃弾

銃弾を腹部に受け、フィーナは赤ちゃんを抱いたまま倒れている。

弾丸はフィーナとオリガを同時に傷つけていた。

フィーナに駆け寄ったソフィア。
彼女たちを傷つけたのが自分の撃った銃弾なのではないかと激しく狼狽する。

写真館からやってきた長谷川がフィーナの様子を見るも、既に治療の施しようがなかったのか、だめだ、と呟くのみ。

ウイルクは彼女の傍らに落ちている自分の手配書に気付いていた。

長谷川は特に取り乱す様子も見せず、ウイルクたちにロシア政府の追ってから逃げるために行きなさい、と呼びかける。

ただただ狼狽していたソフィアは泣きそうな表情を浮かべて、オリガを抱いていた。
「長谷川サン…」

「早く行きなさい」
長谷川のその言葉は全く感情を内包せず、しかし有無を言わせぬ迫力を見せる。

そしてウイルクたちはフィーナを抱き続ける長谷川を置いて逃げるのだった。


スポンサードリンク



長谷川さんとはそれきりだ、と振り返るキロランケ。

自分が赤ん坊を殺したと自らを責め続けるソフィアに、キロランケは自身の撃った機関銃が赤ん坊の命を奪ったのかもと慰めていた。

しかし一向にソフィアはそれを可能性の一つとして受け入れようとしない。

ウイルクは、極東まで手配書が出回っている以上、港が危険なので日本入国は難しいと呟く。
そして、現在地のウラジオストクから北上し、樺太に近づくことを提案する。

北へ行ってどうする、というキロランケからの問いかけに、ウイルクは、考えがある、と答える。

「待っていたものがついに来た」
崖に立つキロランケ、白石、アシリパ、尾形たちの目の前、海一面に流氷が生じていた。

流氷がぶつかり合い、やがてそれは一塊の氷となり、タタール海峡は厚い氷に覆われていく。

ウイルクは、ユーラシア大陸と樺太が海峡を氷で繋ぐのを待っていたのだった。
「この氷上を歩いて樺太へ渡る 一日中歩けば着く距離だ」

そしてウイルクは北海道に渡る理由をロシア政府から逃げるだけではなく、ロシア政府漏れてきた『ある情報』を確かめに行くことを目標とする必要があると続ける。


スポンサードリンク



ウイルクはソフィアが立ち止まっており、自分たちと距離を置いていることにきづく。

どうした? というウイルクからの呼びかけにソフィアは強い意志を秘めた表情で答える。
「(私は行けない)」

「(ウイルク あなたを愛しているから)」

ソフィアは自身が殺したと思っている赤ん坊のことが頭から離れないと告白する。
そして女としての幸せはいらないこと、そして革命家としてこの土地で戦うを宣言するのだった。

キロランケはロシア帝国に農奴という奴隷と農民の中間のような身分の人達がいるとアシリパに説明する。

地主の所有物である農奴は半分奴隷のような環境下で生きていた。

アレクサンドル2世の改革によりその風潮に変化は見られたものの、改善はなかったとキロランケは振り返る。

革命家は、古い体制のまま国として他の西欧列強に立ち遅れる中で、農民に蜂起を迫ったにも関わらず彼らがそれに反応しなかったのはロシア正教のせいだと考えていた。

なので、まだロシア正教に染まっていない極東の少数民族たちと共に戦おうとソフィアは考えていたのだった。


スポンサードリンク



少数民族もまたロシアの拡大に不安を抱いていた。
素朴に信じられていたカムイがロシア正教に侵されていく。

「いずれ自分たちも文句を言わない敬虔な信者にされてしまう」

だからウイルクとキロランケはソフィアたち革命家に加担したのだった。

流氷に向かうウイルクとキロランケを見送るソフィア。

アシリパはウイルクの最期を伝えたのかとキロランケに問いかける。

亜港監獄。

ソフィアが蝋燭の燭台のそばで涙を流しながら手紙読んでいる。
(ウイルク……!)

ソフィアを脱獄させたらこの氷を渡って大陸へと向かえとキロランケ。
大陸にいるソフィアの仲間たちと合流するよう方針を固める。


スポンサードリンク



正体

フィーナ、と長谷川は妻を抱きながら呼びかける。

息も絶え絶えになりながら、コウイチ、と呟いてフィーナは手の甲を長谷川の頬につける。

長谷川はその手をゆっくりとどかし、フィーナの顔をじっと見たまま、やかに訂正する。
「私の名前は長谷川幸一ではないんだ……」

あなたは誰? とフィーナに問われ、長谷川が答える。・
「鶴見篤四郎」
眼鏡を外し、オリガを抱き締める

鶴見はオリガの小さな手をそっと摘むとそれを自分の頬に触れさせる。

長谷川写真館のベッドにはフィーナとオリガが横たえられていた。
建物に火を点け、鶴見はその場を立ち去るのだった。


スポンサードリンク



第179話 間宮海峡の振り返り感想

まさかの人物

思わず声が出てしまった。
衝撃的な終わり方だわ。

なんと長谷川幸一は鶴見中尉……!
ようやく名前が判明した。鶴見篤四郎。かっこいい。

鶴見中尉は狂気というイメージが先行しがちだが、今回の話の悲劇が人格の変質に影響していることは間違いないだろう。
ラストのコマの長谷川の表情は本当に複雑に感じる。果たして彼の胸に去来している想いが怒りなのか、悲しみなのか。何かを決意しているようにも見える。

元々は穏やかな人物だったようだが、今回の話の悲劇と、それに加えて後の日露戦争と戦後の日本の対応により金塊奪取による北海道独立を目論むまでになったわけだ。
フィーナとオリガを撃ってしまったと狼狽し、嘆き悲しむソフィアを前にして見せた長谷川の感情を排した、しかし迫力ある表情は現在の鶴見中尉のイメージと繋がる。
どうやら最愛の人と娘を同時に亡くしたことが、現在の鶴見中尉に至る契機だったとみてよいのではないか。


スポンサードリンク



長谷川が日本軍のスパイという時点で、鶴見中尉の過去の姿である可能性に思い至るべきだったなぁ。
後の情報将校という地位とも一貫性があるし……。これはひょっとしてと思っていた人はいただろうな。
自分は全く気付かなかった。まだまだ読み方が甘いわけだ……。

しかし、まさか鶴見中尉とキロランケやウイルク、ソフィアが接触していた過去があったとはなー。

鶴見中尉はウイルクとキロランケのことを分かっているが、その逆は無い。
キロランケが鶴見中尉が長谷川幸一だったと知ったらどんな反応になるのだろう。

現時点において、どの陣営よりも情報面で上をいっているっぽいのは鶴見中尉なのかな。
ロシア及び樺太からのキロランケや杉元たちの情報は日本にいながらにして把握していてもおかしくないと思う。


スポンサードリンク



長谷川写真館を妻と娘の死体ごと焼却した鶴見中尉。

彼はこの後、どういう人生を辿って日露戦争に向かうのだろう。

前々回の話から思わぬ形で思わぬ人物の過去に触れてきたわけだが、まだまだ断片を知ったに過ぎない。

今後さらに詳細な過去が明かされることを期待したい。


スポンサードリンク



ソフィアがキロランケ達と別れた理由

キロランケとウイルクは海峡を埋め尽くす流氷を足場にして、無事に北海道に渡ってロシア政府から逃げることができた。
しかし何故ここまで行動を共にしていたソフィアだけが別れて亜港刑務所に捕まっているのかと不思議に思っていた。

その答えが今回の話なわけだ。
ソフィアが日本に渡らなかったのは、フィーナとオリガへの贖罪の為だったのか……。
自分だけ無事に逃げ延びて幸せになるわけにはいかない、革命家として人々のために戦わなければ、という決意をしていたのね。
革命家として国民を放っておけないという使命感が、母と子を殺害してしまった(実際ソフィアの弾なのかは不明だけど)その罪悪感によってウイルクへの想いよりも勝ったということだと自分は解釈した。

キロランケが言うように、機関銃の弾が当たったんじゃないかと自分も思ってたんだけど、ソフィアは自分が撃ってしまったと信じていたようだ。
それなりの期間、顔を合わせてきた女性と子どもだから、余計にソフィアのショックは大きかったのかな。

愛していたウイルクと別れた後、ソフィアは革命家としての戦いに身を投じていく。
しかし何度目かの戦いでついに敗れてしまい、亜港監獄へと収監され現在に至ると。


スポンサードリンク



ウイルク死去を知らせる手紙を読んで涙を流す現在のソフィアが、哀しいんだけど顔があまりにもゴツ過ぎて、思わずぎょっとしてしまった(笑)。

ウイルクと別れてから革命家として戦いに身を投じてきたソフィアは、女としての幸せを求めなくなっていたからこそ、いつしかこのようなゴツい女性に変貌したのかな。

ソフィアは出てきた時はかなり豪胆な印象だった。
でも不思議と、ウイルクの訃報を知らせる手紙を読んで涙を流すソフィアの姿に、かつてのウイルクのそばにいた頃の美しい頃の雰囲気をどことなく感じた。

早く彼女の脱獄を助けてあげて、彼女が戦いを捨てて幸せ生きていけることを祈りたい。


スポンサードリンク



ある情報

流氷を渡る前、ウイルクの言ったロシア政府から漏れてきたという『ある情報』とは一体なんのことなのか。

金塊はアイヌが隠したわけでしょ? ロシア政府がそのことを知ってるわけないよな……。
じゃ、金塊以外の情報だったらそれは何があり得るのだろう……。うーん。思いつかない。

北海道に渡ったウイルクやキロランケがアイヌと接触したことが、そのヒントになったりしないかな……。


スポンサードリンク




ゴールデンカムイ最新第179話間宮海峡+178話あらすじと感想(ネタバレ含む)と考察...
前話第178話革命家のあらすじフィーナに家を離れさせる長谷川撮っている最中、小久保利通、木戸孝允、西郷隆盛の、維新の三傑それぞれについて言及する。 彼ら三人は革命を成した中心人物であり、そのおかげでアジアにおいて唯一日本は近代化を進めることができ...

179話の感想記事は上記リンクをクリックしてくださいね。

第180話 亜港脱獄

アシリパはクラーというニヴフ族の使う浮き付きの銛をアザラシに命中させる。

キロランケはニヴフ族はアザラシの油を醤油のように使うと説明する。

アシリパ、白石、尾形がアザラシを水面からの引き揚げていると、流氷に迷い込んだトナカイを発見するアシリパ。

「アイツも何かに追われて大陸から渡ってきたのかもな…」
意味深に呟く尾形。


スポンサードリンク



脱獄準備

夜、キロランケと白石は亜港監獄を囲む丸太を並べて作られた壁に穴を空けていた。

穴がバレないように汚れた雪を詰めていく。

日が明け、キロランケたちは今度は灯台から爆薬を手に入れる。

キロランケは亜港監獄からソフィアを脱獄させる作戦を白石、アシリパ、尾形に説明していた。

まず警備の厳しい正面の門とは反対側にある壁を4か所、爆弾で破壊する。
それを合図として、ソフィアたちは脱走を開始するという流れだった。


スポンサードリンク



キロランケは、ソフィアたちには既に作戦決行の期日を明日の夜明けと伝えていたのだった。

アシリパに、準備は整った、と呼びかけるキロランケ。
「あの人に会えばきっとお前は何か思い出す…早くソフィアに会わせたい」

夜が明け、壁を爆破したキロランケ達。いよいよ脱獄作戦が開始となる。

聞こえてきた爆発音を合図に、ベッドに横なっていたソフィアは一瞬で跳ね起きる。

しかし、本来キロランケたち破壊するはずだった4つの壁は、爆弾の不発によって1つしか穴を空けることができていなかった。

爆弾の保存状態が悪かったのかもと焦るキロランケ。


スポンサードリンク



追いついた杉元たち

その頃、杉元たちは亜港監獄に立ち昇る煙を発見していた。

亜港監獄の看守は突然の爆発音に焦っていた。
そして囚人たちを逃がさないよう彼らに向けて小銃を構える。
しかしソフィアはその看守の前から素早く近づき、木製の一輪車で思いっきり看守の頭を殴りつけるのだった。
続けて、自分の両手を拘束している鎖を他の囚人にノミで破壊させる。


スポンサードリンク



ハラショー!! と声高らかに叫び、ソフィアは右アッパーをまた別の看守の顎に炸裂させていた。

そして、ソフィアは他の囚人たちと共に脱獄すべく敷地を走る。

房の外に出て監獄の外に脱出するために空いているはずの壁の穴を探す囚人たち。
しかしそれが一向に見つからないことに文句を言い始める。

ようやく穴が空いている壁を見つけた囚人たちがその穴に向かうと、突如、一人の囚人が顔を爪で縦に引き裂かれる。

ソフィアたちの前に現れたのはどこからともなく現れたアムールトラだった。


スポンサードリンク



第180話 亜港脱獄の感想

脱獄開始

いよいよ亜港監獄脱獄開始。

せっかく事前にキロランケがきちんと準備していたのに、よりによって作戦開始を知らせる壁の爆破から既に失敗するとは……。

一つだけ爆発するくらいなら、四つ全ての箇所の爆弾が爆発しない方が良かったのかも……。
しかし爆破を合図に、既に囚人たちは脱獄を開始している。
もう最後までこの作戦を完遂するしかないわけだ。

それでも一つ空いた穴から脱走することはできる……、と思ったら、そこには虎が待ち構えているとか(笑)。
脱獄+虎との戦い+キロランケ・尾形vs杉元と、今後の展開は良い意味でカオスだなぁ。展開の予想が全然できなくて期待が持てる。


スポンサードリンク




ソフィアは無事に脱獄できるのか

ソフィア強いな~。
キロランケたちと行動していた時の美しいソフィアは銃を使いこなして八面六臂の戦いぶりを見せていたけど、今回、看守をアッパーやドロップキックで倒しているのを見る限りでは肉弾戦もイケるみたい。

そのゴツい容姿と相まって、余計に戦闘力が高そうに見えた。
特に、腕の拘束を解いたあとの右アッパーには吹いた。
完全に看守の顎を捉えていて見てて気持ち良い。

キロランケがソフィアを脱獄させようとしているのは、アシリパに会わせてアシリパの心の底に眠っている記憶を呼び覚ますため。

ソフィアが無事に脱獄できて、キロランケの目論見通りアシリパからヒントが得られました、ではスムーズ過ぎる。

ひょっとしたら脱獄の最中に深手を負ってしまうのかな……。
そしてアシリパがソフィアを通じて自身の記憶から何かしら金塊のヒントを得られたとしても、それはほんのわずかな手がかりに留まるのではないか。
ゴツくてたくましいソフィアは一見死と無縁に見えるけど、だからこそ命を失うという展開は意外性があると思う。まぁここまで単なる妄想だけど。

果たしてソフィアは無事に脱獄できるのか。
そしてキロランケたちを追跡し続けてついに亜港監獄へと辿り着いた杉元たちがここから演じる役割とは。
予想がつかないなぁ。全然頭働かない(笑)。

来週の続きが楽しみだ。

ゴールデンカムイ最新第181話アムールトラ+180話あらすじと感想(ネタバレ含む)と...
前話第180話 亜港脱獄のあらすじアザラシはクラーで獲るアシリパはクラーと呼ばれるニヴフ族の浮き付きの銛を見事にアザラシに命中させる。 ニヴフ族はアザラシの油を醤油のように使うとキロランケ。 アザラシの水面からの引き揚げ作業をしていると、アシ...

ゴールデンカムイのアニメ動画配信を快適に観る方法。
ゴールデンカムイのアニメが放送された2018年4月。10月からは2期が始まります。こんなサイトを運営しているからには当然アニメもチェックするわけですが、しかし、実は自分の住んでいるところでは悲しい事にテレビでの放送が無いんですよね。 東京や大阪、北海...

スポンサーリンク
336×280
336×280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
336×280