目次
前話第173話 僕の怪人のあらすじ
出会い
森に4人の少年がいる。
一人の少年がおかっぱの少年を羽交い絞めにしていた。
もう一人の少年がそれを見ている中、今度は坊主頭の少年が”マリモを食え”、とおかっぱの少年に要求する。
炭鉱会社のボンボンと言われたおかっぱの少年は、少年たちに疑問をぶつける。
「え? 君たちマリモ食べてるのかい? 貧乏だとマリモ食べなきゃいけないのか」
軽く煽ってくるようなおかっぱの少年の言葉は少年達の怒りを買うのだった。
おかっぱは、横倒しになっている木の幹に足がつく高さで、両手を腰に回した状態で吊るされるようにして縛られていた。
日が暮れたら凍え死んでしまう、と泣きごとと言うおかっぱ。
そこに、チョウセンアサガオの影響下で朦朧とした様子の牛山が現れる。
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オベンチョ
縛られているおかっぱの少年が、ふと上を見上げると、そこには呻き声を上げる大男が立っている。
おかっぱの少年は牛山を見つめて、助けてくれます? と問いかける。
「べちょ…」
次の瞬間、牛山の腹が鳴る。
その様子をじっと見つめていたおかっぱの少年は、背を向けて立ち去ろうとする牛山を、待って! と呼び止める。
そして、牛山にお腹がすいていないか確認をし、ポケットの中にある乾燥させた桃をあげるかわりに助けて、と交渉を持ちかける。
モモ…、と反応する牛山。
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山梨の祖父が送ってくる、と話すおかっぱ。
おかっぱの少年は見事、牛山を桃の乾物による餌付けに成功するのだった。
おかっぱの少年は牛山に、桃モモを食べた代わりに自分の拘束を解け、と要求する。
朦朧状態の牛山はその要求に応えるべく、少年の吊るされていた木を抱き込んだかと思うと、その体を思いっきり後ろに反る。
すると応力に負けた木は見事に折れて、吊るられていた少年は吊りから助けられるのだった。
少年は牛山に対し、チヨタロウだと自己紹介する。
逆に牛山は名前を問いかける。
「おべんちょ…」
牛山はうわ言のように呟くのみ。
それを聞き、チヨタロウはオベンチョが牛山の名前なのだと理解するのだった。
チヨタロウは、今度は牛山に桃の乾物をもっと上げるから、今日から子分になれと持ちかける。
そして朦朧とした状態の牛山の肩に乗る。
「やったあ!! 僕の子分『怪人ベロンチョだ』」
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連絡
夜。
小屋にやってきた関谷は、土方を棺に納めて埋めようとしていた。
新選組、箱館戦争、網走監獄と修羅場を生き抜いてきた土方の運命はこの程度か、と淡々と呟く関谷。
その手には土方の愛刀、和泉守兼定がある。
「あっ!? 牛山がいない!!」
そこでようやく関谷は本来埋まっているはずの牛山が、なんと朦朧とした意識で自力で土中から這い出していたことに気付く。
こんな奴は初めてだ、と戦慄する関谷。
関谷は牛山に関し、脱出されてしまのは彼を甘く見ていたからと自ら反省する。
しかし、牛山に与えていたチョウセンアサガオの効果は12時間かかるため、この場所の記憶はなく、土方を助けにはこれないだろうと考えていた。
オベンチョ、と牛山を呼ぶチヨタロウ。
餌を持ってきたという言葉に反応し、牛山は木の根元にあるウロから出てくる。
「ミイィ…」
チヨタロウは牛山に、スケートを教えるから一緒にやろう、と阿寒湖に向かう。
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脅迫
旅館。
門倉は白い布に包まれた棒状の何かを持っている中居さん。
それは下に来ていた男から、これを渡せと言われていたものと説明する。
なんでそいつは俺の名を知ってる? と門倉。
そして中居の持ってきた包みを解くと。そこには土方の愛刀、和泉守兼定がある。
門倉はすぐに、永倉を呼ぶが、しかし永倉がどこにもいないことに気付く。
永倉は「『タヌキ』は役に立たない」と言い、一人で土方の姿を追い求める旅をしていた。
関谷からの手紙を読む門倉。
そして門倉は、やはり関谷が土方を拉致していた確信する。
関谷は手紙の中で、土方はフグ毒を飲んだことで仮死状態に近くなっていること。
棺の中の空気はもって数時間であること。
さらに、土方の持つすべての刺青と身柄の交換だと告げる。
土方が生きている証拠はない、とキラウシが門倉を諫める。
しかし門倉は看守時代の経験から関谷が同様の手口を繰り返しているのだと知っていた。
「あいつは几帳面に必ず人質を生かしておく」
「人質が生還する運命も肯定しているのさ」
刺青人皮を管理している永倉をさがすべく急ぐ門倉とキラウシ。
「あ~受け渡しまで時間がねぇ 失敗すれば土方さんが死んじまうぞ!!」
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牛山の暴走
阿寒湖では、凍結した湖面を牛山とチヨタロウが互いに手を取り合っていた。
牛山はチヨタロウの前で華麗に滑ってみせる。
うまいうまい、と牛山の滑りに感激するチヨタロウ。
牛山は下駄スケートのゲロリという全国区の商品を履いていた。
気持ち良く滑っていたところに、朝絡んできだイジメっ子がやってくる。
「ここで遊ぶなって忠告したはずだぞ」
「またマリモ食わせてやろうか」
チヨタロウにいじめっ子が迫る。
「うだぁ~」
子供たちは牛山の迫力に怯える。
そこに現れた牛山は、明らかに正気を失った状態だった。
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そんな牛山を見上げつつ、誰? と問いかけてくるイジメっ子。
「クックッ…オベンチョだよ……僕の子分さ」
チヨタロウは不敵に笑いながら、牛山に餌を上げる。
「僕の子分さ」
肩車の状態で牛山を見下ろす。
「マリモ食べさせるんじゃなかったの?」
坊主の少年はマリモをチヨタロウに向かって投げつけようとする。
そこで牛山は、坊主の少年を張り手一閃。見事に一撃で吹っ飛ばすのだった。
「え?」
チヨタロウは子供が吹っ飛ぶのを牛山の肩に乗ったまま呆然と見つめていた。
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牛山はさらにもう一人の子供の足を持って体を持ち上げる。
そしてチヨタロウの駄目だという声を聞かず、牛山は子供を凍った湖面に投げ捨てる。
三人目の子供の頭を掴み、今度は万力のような力で締め上げる。
必死に牛山の暴力行為を止めようとするチヨタロウ。
「ほら桃だよッ オベンチョの好きな桃だよッ」
口元に桃を押し当てられ、牛山はようやく大人しくなるのだった。
牛山に暴力を振るわれた子供たちは泣きながらその場を去っていく。
「なんてことだ…怪人オベンチョがこんな危険なものだったなんて………」
牛山の肩から降りたチヨタロウは、夢中で桃を食べている牛山をじっと見つめる。
(こいつは…まさに兵器だ!!)
恐怖に顔を引き攣らせる。
(葬らないと)
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第173話 僕の怪人の振り返り感想
チヨタロウとオベンチョ
何この展開(笑)。
棺から意識が朦朧とした状態の牛山が這い出してきて、彷徨っている内に前回のスケート少年チヨタロウと出会う。
そして、チヨタロウが持っていたモモの乾物が牛山改めオベンチョとの間を繋いた。
ここまではいい。
でもその後、阿寒湖の凍結した湖面でチヨタロウをイジメていた少年たちを容赦なく吹っ飛ばす牛山……いや、オベンチョを目の当たりにして、チヨタロウがまず「(オベンチョを)葬らないと」と考えてみせたのは予想外だった(笑)。
てっきり「こんなことはやってはダメ」と、子供の純粋な気持ちから、友達だと思うようになった牛山の良くない振る舞いを諫めようとする方向になるのかと思いきや、まさかの兵器認定。その上で抹殺を考えるとは……。
普通ならばこの二人に絆が生まれて、最終的には涙の別れというパターンの話になるのかなと思ったのだが、今回の流れはちょっと変化球だと思う。
誰が誰と戦ってんだよ、と(笑)。カオス過ぎる。
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戦いの行方
カオスな引きだけど、でも関谷VS土方チームの話は展開している。
土方を収めた棺を埋めた関谷が土方の和泉守を門倉に送りつけて、土方と刺青を交換するようもちかけた。
牛山に逃げられたのは関谷にとっては予想外だった様子だが、土方を捕える餌としての役割は果たしたといえる。
今のところ、関谷が優位の状況と言って良いだろう。
しかし門倉とキラウシの前から姿を消した永倉が気になる。
永倉がいち早く関谷と遭遇することになるのか?
いくらなんでもここで土方が死ぬことはまずないだろう。
となると、果たして土方チームははどうやって関谷に勝つのか。
牛山が意識を取り戻す前に決着がつきそう。
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門倉曰く、関谷はこれまで今回のような人質をとっての脅迫を繰り返し、身代金をせしめてきたのだという。
身代金の支払いに応じると、助け出された人質は当然ながら必ず生きているとか。
これは本当に絶妙な毒のコントロールなんだろうな。
前回自分は、関谷は神気取りで相手に理不尽に運命の選択を迫る傲慢な男だと思ったけど、ある種の美学の持ち主でもあったといえるのかもしれない。
”人質が生還する運命も肯定する”とか、一見いいところがあるように見える。でも傲慢だと思う。
なるべく人殺しをしたくないということではなくて、ただ単に運命を司る神の真似事をしているというか……。最悪人質が死のうとも何の心の痛みも感じない感じ……。
果たして門倉たちは土方を救い出せるのか。
そして、チヨタロウは牛山に対して何をするのか。
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第174話 湖の中心で突っ走る
関谷の元に向かう門倉とキラウシ
関谷からの指示に従い、門倉とキラウシは阿寒湖に向けて走っていた。
しかし体力の尽きてしまた門倉はその足を止め、ゼーゼーと肩で息をする。
「ちょっと…キラウシ……いったん休も?」
「ん…ジジイ~!!」
キラウシが突っ込む。
そして、早く永倉を見つけないと、と強調する。
門倉は関谷が自分たちの所有する刺青の枚数を把握していないはずなので、それを利用してなんとか土方の居場所を聞き出そうというアイデアをキラウシに提案する。
「『なんとか』ってなんだ?」
キラウシは門倉があまりにもいい加減なことを提案するため、失敗するぞ、とダメ出しをする。
他にいい手があるなら言ってみろ、とムキになって反論する門倉。
「思いつかねえだろ貧乏人ッ」
「お前だって無職で貧乏だろッ 肛門ほじりジジイ!!」
言い争いをする二人。
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どこまでも慎重な関谷
(僕のまちを守らなければ…僕が…殺るんだ!!)
チヨタロウは思いつめた表情で、スケート靴「ゲロリ」を履き湖面を滑っている牛山に視線を送っていた。
そして、自分の目の前にある湯壺という温泉の湧いているところに空いている穴を見て、桃の乾物を一きれ取り出して牛山の注意を引く。
「おいでオベンチョ」
その頃、関谷は湖面に置いた木桶に腰を下ろして門倉を迎えていた。
関谷は門倉に少し距離を置いた場所で立ち止まらせ、丸腰で来たか確かめるために服を脱ぐよう指示する。
その指示通り、門倉は服を脱いでいく。
肛門に猟銃を隠してきたぜ、と軽口を叩く門倉。
余裕のある態度をとりながらも、門倉は関谷が慎重で頭の回る男だと感じていた。
関谷が指定してきた取引場所である阿寒湖の真ん中は、湖のほとりまで1キロ以上ある。
それは狙撃の可能性をほぼ完全に潰すためだった。
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靴以外の全ての服を脱ぎ捨てた門倉
局部だけを両手で隠した格好で阿寒湖に立つ。
丸腰を確認した関谷は門倉に問いかける。
「で…刺青人皮は?」
あるよ、と即答する門倉。
「そこの外套の中にあるから探せよ」
関谷は、怪しい動きをすれば取引は不成立だ、と門倉をじっと見つめて軽く脅す。
それは困るね、と門倉はあくまで余裕をもった態度を崩さない。
頭をボリボリとかきながら、さりげなく斜め後方に視線を走らせる。
「……」
関谷は門倉の細かい仕草を見逃さなかった。
「いま…斜め後ろを見たな?」
その指摘に表情を強張らせる門倉。
「いや…え? なにが?」
門倉の見た方向を関谷が指を差しながら問いかける。
「向こうの岸にあんたと一緒にいたアイヌが待機してるのか?」
「尻に挟んで隠してる刃物はそのアイヌに借りたのか?」
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キラウシから借りたマキリを挟んだ門倉の尻はギクッと反応していた。
関谷の元に向かう途中、門倉はそのマキリをキラウシから借り受けていた。
門倉は、父に彫って貰った大切なものだと手渡されたマキリをどこに隠すのかとキラウシに問われるも、うんわかった、と返すのみ。
再び全く同じ質問をされても答えなかった理由は大切なマキリを尻に挟んで隠すつもりだったためだった。
関谷は立ち上がる。
「力づくで俺から土方歳三の居場所を聞き出そうってことか…雑な男だな相変わらず」
門倉は抜き放ったマキリを胸の前に構える。
「門倉さん…あんたどう思う?」
唐突に、関谷は思いつめたような表情で門倉に質問をする。
「神様って本当にいるのかね?」
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阿寒湖に飛び込む
「ほら早く取りに来ないとこの桃捨てちゃうぞっ」
チヨタロウは桃の乾物を牛山に見せつける。
「いいのかい? 急げッ ほら 捨てちゃうぞ」
牛山は、ア~、という呻き声とともに湖面を滑ってチヨタロウの元に向かう。
チヨタロウの脳裏に、崖から落ちそうになったところを牛山が助けてくれたり、一緒に本を読んだりといった牛山とのめくるめく美しい思い出が甦っていく。
「取りに行けッ」
チヨタロウは心を鬼にして、両目から流れる涙を振り乱ながら桃の乾物を湯壺に向けて投げる。
桃の乾物を追って湯壺に滑っていく牛山。
勢いよく氷上踏み切ったかと思うと、フィギュアスケートの選手さながらの美しい回転ジャンプを行う。
「ごめんよ!!」
チヨタロウはこのあと牛山の身に起る事態を正視できず、その場を逃げ去っていく。
牛山は空中で回転している最中に見事、桃の乾物を口でキャッチする。
しかし着氷することはなく、湯壺にから湖に飛び込んで沈んでいくのだった。
「ごめんよオベンチョ 僕を許してくれぇ」
ワアアア、と泣き声を上げつつ逃げるチヨタロウ。
湖に没した牛山は浮上しようとしていた。
しかし、凍結した湖面に頭をぶつけるのみ。
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思惑通り
立ち上がった関谷は、それまで布で覆っていた自身の下半身を露わにする。
キラウシは、関谷が足に「ゲロリ」を装備している事に気付く。
次の瞬間、関谷は門倉をその場に残して彼の反対側へと勢いよく滑り始める。
「くっそやられたッ」
門倉はコートを羽織りながら叫ぶ。
「待てえ 関谷ああッ」
しかし、門倉にとってこの事態はまさに思いだった。
阿寒湖に向かう道中、門倉はキラウシから、わざと取引に失敗し、逃がした関谷が刺青を剥がす為に土方と牛山の元に戻るのを追いかければいいのでは、というキラウシのアイデアを採用していた。
まてー!! と叫ぶ門倉。
しかしその声に力がこもっていない。
関谷とのやり取りで斜め後ろに走らせてた視線は、実意は関谷をその逆方向へと誘導する為の門倉の策だった。
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予想外
門倉は必死に関谷を追いかける。
ゼェゼェと息を弾ませながらもその表情は、事が思い通りに展開している嬉しさでニヤつきを抑えられずにいた。
「来たッ」
キラウシは関谷を待ち構える。
「計画通りにうまく行ったッ」
背後の門倉を気にしつつも、軽快に逃走を続ける関谷。
しかし、突如として目の前の氷上に穴が空き、そこから牛山が顔を出している事に驚く。
「牛山!?」
牛山をオベンチョ化させていたチョウセンアサガオの効果は既に切れていた。
「関谷…!! てめえッ」
牛山は自分を脅して毒を飲ませた関谷の顔を前に、怒りを漲らせる。
頭を出している周囲の氷のヒビが徐々に大きくなっていく。
「牛山さん!?」
門倉は目の前で展開している想像の遥か上を行く状況に驚愕していた。
「よりにもよって…なんでそんなところから現れるんだッ」
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まずいッ、と叫ぶキラウシ。
「逃がすな 捕まえろ門倉ッ」
関谷は牛山にぶつかる前に急ブレーキをかけて、急激に方向転換する。
すぐ隣を通過しようとする関谷に門倉が飛び掛かる。
関谷の上着を掴むも、手を離してしまって湖面に強かにうつ伏せに投げ出される門倉。
「いだだッ 剥けるッ」
勢いよく氷上に自分の一物を擦り付ける形になり悲鳴を上げる。
門倉は息を弾ませて、遥か遠くへと滑り去っていく関谷の後姿を見つめていた。
「なんで大誤算だ ついてねえ!!」
その背後では牛山の周囲のヒビがさらに大きくなっていく。
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第174話 湖の中心で突っ走るの感想
やはり牛山は最強
普通、湖面が凍り付くくらいの極寒の中で湖に落ちたなら、すぐに身動きとれなくなるでしょ。
でも氷をぶち破って顔を出し、寒さを全く苦にしていないあたり、常人とのフィジカルの根本からの違いを思い知らされる。
そもそもどうやって厚い氷をぶち破ったんだろう……(笑)。
ヒグマをぶん投げるような規格外の男に不可能はないってところか。
さすがに刀で切られたり銃の弾丸を受ければ死ぬだろうけど、逆を言えばそれ以外では死ななそう。
化け物フィジカルっぷりは、あえて比較するなら杉元、岩息あたりがライバルか。
特に岩息は戦闘狂で、牛山との打撃戦を制したという本人からの証言もあったような……。
でも、岩息のフィジカルは牛山のそれとはまた違っている印象を受ける。
岩息は喧嘩の日々や、打撃などの格闘でフィジカルを構築した感じだけど、牛山はもっと根源的なところから違うような……。
岩息がヒグマと素手で戦えるかと言えば無理でしょ……。
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恐らく岩息にも天性のフィジカルはあったが、牛山のそれとは比べ物にならないのだろう。
牛山はそれだけ作中でも屈指の強固な肉体の持ち主と理解して問題ないと思う。
氷をぶち破って外に出て、ゲロリで関谷に追いつく展開かな。
関谷が逃げ切るパターンもいいけど、牛山が無双するのも面白い。
ちょっと蛇足になるけど、そういえば杉元も牛山と組み合っても負けなかったし、何より肉体の修復力が半端じゃない。
不死身という意味では杉元に軍配が上がるだろうし、またそれを二つ名とする主人公として上であって欲しいところだ。
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門倉の運
牛山に作戦を邪魔される形になってしまったにせよ、やはり門倉は今後の展開で運が悪過ぎた結果、良いというその個性を発揮していくのだと思う。
メタ的なところで言えば、前回の話で関谷からもらった毒入りワカサギ数匹を全部別のワカサギ釣りの穴に滑らせるというミラクルを起こして門倉の悪運の強烈な強さを読者に印象付けているわけで、それが関谷との対決に作用させないわけがない。
楽しみなのは、どういう形でそれが発現するかだ。
牛山の邪魔で関谷が方向を変えたことで、また何か思わぬ事が起きて関谷が止まるのか。
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それとも、本来会えるはずがない場所で再会できた牛山がゲロリで超高速で滑って関谷に追いつくのか。
何か思いもよらない事態で関谷が追い込まれると期待したい。
「神様って本当にいるのかね?」
門倉にこう尋ねた関谷は門倉の悪運に触れ、それに近い存在を感じることになるのかな。
それが奇麗な終わり方といえばそうかなと思うけど、でもこんな予想をぶっちぎるような展開を望む。
出来れば、笑い転げる結果であって欲しいな。
関谷がギャグ要素の全くない凶悪なキャラである以上、そんな奴を飄々としつつもちょっと抜けている門倉のようなキャラが中心となって追い詰める展開は結構痛快だと思う。
次号も一週間後なのが嬉しい。
以上、ゴールデンカムイ第174話のネタバレを含む感想と考察でした。
第175話に続きます。
コメント
こんばんは。いつも拝見しております。
毒殺犯関谷のモデルは埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人ではないかと。
運を見るのに毒を盛るところが似ている感じです。
30人近く始末しているのも似ている。
https://ojisan777.net/?p=3424
いつもありがとうございます!
なんと、関谷にもモデルがいたのですね……。
ぜひ参考にして記事にしたいところです。
ソフィアの記事も書かないと……(汗)。